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第12章 強奪の地にて
第359話 更に守護者とやりあっていると
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どうやらドラゴンはともかく、この卵に封じられた精霊とはそれなりに意志疎通は出来そうなのはホッとした。
やっぱりちょっとばかり身体がだるい気がしているが、今はそれどころじゃない。
「別の質問ですけど、この次に卵が川を下るのがいつになるかあなたはご存じなんでしょうか?」
これはこの地域の今後を左右する重大事だと言っても過言じゃない。
恩に着せる気は無いが、オレとモンローフが守らなかったら、さっきのロブ・エッグでこの卵が略奪されていた可能性は高いだろう。
そんなわけでもしもこの精霊が次の卵流しの時期を知っているなら、何としても聞き出さねばならないだろう。
『ドラゴンが次にいつ卵を産むかをなぜ我が知っていると思えるのだ?』
やっぱりそうそう都合よくはいかないか。
しかしそれならそれで分かる事もある。
「とりあえず今のところは別の卵が準備されていると言うことはないのですね?」
『そうだ。少なくとも我が流された時点で、存在していた卵はこれだけだし、他に卵を産みそうなドラゴンもいなかった』
どうやらすぐに別の卵が流れてくる事はなさそうだ。
そうするとモンローフが頑張ってくれたら、次はどうにかなるかもしれない。そう期待しておくとしよう。
『ところでそなたも何のためにこの卵に載っているのだ?』
「もちろん卵を略奪者から守るためですよ」
『それでそなたはドラゴンの歓心を買いたいのか?』
「違います。もしもこの卵が破壊されたら、ドラゴンがお怒りになるでしょうからね。それを避けたいだけですよ」
そりゃまあドラゴンが感謝して、何かしてくれるなら嬉しいけど、オレの目的はあくまでもドラゴンの怒りがこの地に降り注ぐのを止める事です。
『なるほど。そなたはこの地の神の化身か。それなら信徒が根絶やしにされるわけにもいかんから当然だろうな』
「ただの通りすがりですよ。もちろんここに信徒なんていません」
『ならばこうやって信徒を新たに獲得しようとしているのか』
「それも違います。信徒については興味ありませんから」
さっきモンローフに対し、この地にオレを女神とする教団を立ち上げる事を認めたのだけどそれはあくまでも今後、ドラゴンの卵を守るための方便であって、もともと信徒の獲得なんてまったく考えていませんでした。
『……』
オレのこの返答に精霊は怪訝そうな態度を示す。
う~ん。かなり人間とかけ離れた精霊相手でもそれなりに相手の意志が分かるようにはなってきたな。
『信徒もいないのに、この地の人間になぜそんなに興味を持つのだ? どうせ連中などせいぜい数十年で消えるような存在だろう』
やっぱりタイムスケールがまるで違うせいで、感覚がまるであわないな。
「わたしはそういう人間が好きなんですよ」
自分は人間のつもりだと言い返しても、この相手にはたぶん通用しないだろうから、ここはそういう事にしておこう。
『そうか……まあいいだろう』
たぶんオレの事を、変わり者の不死者だと思ったのだろうな。
決して間違っていないからオレとしても困ったところだ。
『どうやらそなたとの話もここまでのようだ』
「え? まさか?」
見ると船が一艘こちらに近づいてくる。
乗組員が卵の紋様に込められた魔法に目を奪われて、漂流しているわけではなく明らかに意志を持って近づいている。
まさかこの卵を略奪するつもりか。
オレとしても緊張に身を固めねばならない状況だ。
「どうやら紋様の魔法が効いていないみたいですね」
『その場合はやむを得ない。我が立ち向かうしかないだろう』
「そういえばなぜわたしがよじ登った時に、あなたは攻撃してこなかったんですか?」
『我の目は節穴ではない。そなたがこの卵を守ろうと行動していた事はずっと見ていた』
「それだけですか?」
もちろんオレの行動を見て、理解してくれたのはありがたい。
しかしそれでも何の会話もしていない部外者がこの卵によじ登る真似をしたら、卵の守護者として妨害しないですませられるのだろうか。
『もちろん我の力ではそなたと戦っても勝ち目がないからな。それが一番の理由だ』
そういうことか。結構、情けないような事を言っているようだけど、まあオレもドラゴンとやり合って勝ち目など無いので、怒りを招かないように卵を守ったわけだから、大した違いはないところだ。
『だがあの程度の定命者ならば、我が十分に撃退出来る』
相手が弱そうなので何か調子に乗っている気がするな。
端で見ていてちょっと情けない。
『もちろん先ほどの戦いでもそなたの助力がなくともどうにかなったぞ』
「一応は信じて当てにしておきます」
まあオレ自身は卵を守ると言っても、人間相手に本当に戦うのはなるだけ遠慮したいのでこの精霊が戦ってくれるのならばそれに越した事は無いな。
そんな事を考えている間にも例の船はどんどんと近づいてきている。
よくよく見ると船尾で櫂を動かして操船している人間は、こちらを見ないようにしているらしく、船首に立っている人間が指示している通りに動かしているようだ。
そうするとこの相手は、卵の殻に秘められた魔力について知っているということか。
むう。これは容易ならぬ相手かもしれないぞ。
やっぱりちょっとばかり身体がだるい気がしているが、今はそれどころじゃない。
「別の質問ですけど、この次に卵が川を下るのがいつになるかあなたはご存じなんでしょうか?」
これはこの地域の今後を左右する重大事だと言っても過言じゃない。
恩に着せる気は無いが、オレとモンローフが守らなかったら、さっきのロブ・エッグでこの卵が略奪されていた可能性は高いだろう。
そんなわけでもしもこの精霊が次の卵流しの時期を知っているなら、何としても聞き出さねばならないだろう。
『ドラゴンが次にいつ卵を産むかをなぜ我が知っていると思えるのだ?』
やっぱりそうそう都合よくはいかないか。
しかしそれならそれで分かる事もある。
「とりあえず今のところは別の卵が準備されていると言うことはないのですね?」
『そうだ。少なくとも我が流された時点で、存在していた卵はこれだけだし、他に卵を産みそうなドラゴンもいなかった』
どうやらすぐに別の卵が流れてくる事はなさそうだ。
そうするとモンローフが頑張ってくれたら、次はどうにかなるかもしれない。そう期待しておくとしよう。
『ところでそなたも何のためにこの卵に載っているのだ?』
「もちろん卵を略奪者から守るためですよ」
『それでそなたはドラゴンの歓心を買いたいのか?』
「違います。もしもこの卵が破壊されたら、ドラゴンがお怒りになるでしょうからね。それを避けたいだけですよ」
そりゃまあドラゴンが感謝して、何かしてくれるなら嬉しいけど、オレの目的はあくまでもドラゴンの怒りがこの地に降り注ぐのを止める事です。
『なるほど。そなたはこの地の神の化身か。それなら信徒が根絶やしにされるわけにもいかんから当然だろうな』
「ただの通りすがりですよ。もちろんここに信徒なんていません」
『ならばこうやって信徒を新たに獲得しようとしているのか』
「それも違います。信徒については興味ありませんから」
さっきモンローフに対し、この地にオレを女神とする教団を立ち上げる事を認めたのだけどそれはあくまでも今後、ドラゴンの卵を守るための方便であって、もともと信徒の獲得なんてまったく考えていませんでした。
『……』
オレのこの返答に精霊は怪訝そうな態度を示す。
う~ん。かなり人間とかけ離れた精霊相手でもそれなりに相手の意志が分かるようにはなってきたな。
『信徒もいないのに、この地の人間になぜそんなに興味を持つのだ? どうせ連中などせいぜい数十年で消えるような存在だろう』
やっぱりタイムスケールがまるで違うせいで、感覚がまるであわないな。
「わたしはそういう人間が好きなんですよ」
自分は人間のつもりだと言い返しても、この相手にはたぶん通用しないだろうから、ここはそういう事にしておこう。
『そうか……まあいいだろう』
たぶんオレの事を、変わり者の不死者だと思ったのだろうな。
決して間違っていないからオレとしても困ったところだ。
『どうやらそなたとの話もここまでのようだ』
「え? まさか?」
見ると船が一艘こちらに近づいてくる。
乗組員が卵の紋様に込められた魔法に目を奪われて、漂流しているわけではなく明らかに意志を持って近づいている。
まさかこの卵を略奪するつもりか。
オレとしても緊張に身を固めねばならない状況だ。
「どうやら紋様の魔法が効いていないみたいですね」
『その場合はやむを得ない。我が立ち向かうしかないだろう』
「そういえばなぜわたしがよじ登った時に、あなたは攻撃してこなかったんですか?」
『我の目は節穴ではない。そなたがこの卵を守ろうと行動していた事はずっと見ていた』
「それだけですか?」
もちろんオレの行動を見て、理解してくれたのはありがたい。
しかしそれでも何の会話もしていない部外者がこの卵によじ登る真似をしたら、卵の守護者として妨害しないですませられるのだろうか。
『もちろん我の力ではそなたと戦っても勝ち目がないからな。それが一番の理由だ』
そういうことか。結構、情けないような事を言っているようだけど、まあオレもドラゴンとやり合って勝ち目など無いので、怒りを招かないように卵を守ったわけだから、大した違いはないところだ。
『だがあの程度の定命者ならば、我が十分に撃退出来る』
相手が弱そうなので何か調子に乗っている気がするな。
端で見ていてちょっと情けない。
『もちろん先ほどの戦いでもそなたの助力がなくともどうにかなったぞ』
「一応は信じて当てにしておきます」
まあオレ自身は卵を守ると言っても、人間相手に本当に戦うのはなるだけ遠慮したいのでこの精霊が戦ってくれるのならばそれに越した事は無いな。
そんな事を考えている間にも例の船はどんどんと近づいてきている。
よくよく見ると船尾で櫂を動かして操船している人間は、こちらを見ないようにしているらしく、船首に立っている人間が指示している通りに動かしているようだ。
そうするとこの相手は、卵の殻に秘められた魔力について知っているということか。
むう。これは容易ならぬ相手かもしれないぞ。
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