732 / 1,316
第18章 奇怪なる殺戮者?
第732話 サレナの奇妙な夜の行動とは
しおりを挟む
何だって?
サレナが夜中にこの家からいなくなるだって?
しかもそれは連続殺人が起きたのとほぼ同時期に始まったとは、何らかの関係があるということなのか。
いや。本当はずっと前から夜の街に出歩いて遊んでいたけど、たまたまシドンが気付いたのが最近だったという実につまらないオチかもしれない。
サレナは先ほど、シドンが夜中に出歩いていると聞いて、祖父の死の悲しさを紛らわすために夜遊びしているのではないかと言っていたが、それはひょっとすると彼女の行動に根ざした事だった可能性がある。
「僕が最初に気付いたのは、たまたま夜中に便所に行っていたとき、姉さんがこの屋敷から出て行く姿が見えたからなんです」
「そのときはいつ屋敷に戻ってきたのですか?」
「すみません。僕も不安だったのですけど、その時は寝床に戻って寝ていたら、朝には姉さんは戻っていました」
まあ。そこは仕方ないか。
「そのときは僕もそれほど深刻には考えていなかったのでそのままにしていました。だけどその晩に例の殺人鬼が人殺しをしていたと聞いて、しかもその後でも姉さんはしばしば夜中に寝室からいなくなる事に気付いたんです」
ここまで聞くとお約束の展開なら、サレナが連続殺人と何か関わりがあると思うかもしれない。もちろん昨晩出会った殺人鬼は、サレナとは似ても似つかぬ相手だけど、それが単独犯とは限らないからな。
だがほんの短時間の付き合いだが、少なくともサレナが連続殺人を引き起こしているとはちょっと想像出来ない。
そりゃ人間には外見からは分からない、いろいろな面がある事は何度も思い知らされてきたけれど、それでも限度というものがある。
「そのことについてサレナさんは何と言っているのですか?」
「姉さんは僕が寝ぼけて勘違いしたとの一点張りなんです」
そうするとオレが聞いても教えてくれるはずはないか。
「それでは昨晩のシドンは……」
「ええ。いなくなった姉さんを探していたんです」
なるほど。それだからシドンは外出禁止令の出ている夜の街をあちこち探し回って、キョロキョロしていたというのだな。
しかし幾らサレナの事が心配になったからと言って、殺人鬼のために外出禁止令が出ている夜の街に出向くとは、やはりシドンも相当に向こう見ずな面があるものだ。
「それでシドンにはサレナさんが出向くところに、何か心当たりがあるのですか?」
「いえ……申し訳ないのですけど……」
もしもシドンに心当たりがあったら、真っ先にそこに向かっただろうな。
まあシドンの態度からして、やっぱりサレナが連続殺人に関わっているとは思っていないのは間違い無い。
「夜中に出歩くのは、どんな時です? 毎晩ですか?」
「さすがにそこまで煩雑では無いのですけど……だいたい二、三日に一回ぐらいですね」
そうするとオレがこの屋敷に滞在して待っていたら、サレナが夜中にこっそり出歩く時も来ると言うことか。
いや。シドンにまで隠しているとなると、オレがこの屋敷に滞在していたら、彼女は何もしない可能性も高いな。
とにかく何らかの目星はつけたいところだ。
「シドンの想像で構いませんけど、サレナさんはなぜ夜中に出歩き、またそれをあなたに隠していると思いますか?」
「最初は僕も夜遊びしているのではないかと思っていたんですけど、それにしても様子がおかしくて。だけどそれ以外にはまるで見当がつかないんです……本当に僕は頼りにならなくてすみません」
サレナが殺人に手を染めている可能性は無いとしても、何かを知っていてそれを止めようとしているとか、シドンの祖父の研究について隠されたものがあって、それに関して夜中に出歩く必要があるとか、想像するだけなら幾らでも出てくる。
もちろんそんな根拠の無い頭の中でこねくり回したものに基づいて、行動するなど危険極まり無い事だ。
しかしこのまま何もせずに立ち去るとか、無為に過ごすなどという選択肢はオレには無い。
「分かりました。こうなったらわたしが出来る限り協力しましょう」
「本当ですか?! ありがとうございます!」
シドンはいかにも嬉しげに深々と頭を下げる。
「しかしシドンが問うても答えないとなると……わたしが聞いても同じでしょうね」
「僕もそう思います。だけど……」
ここでシドンはちょっとどころかかなり申し訳なさそうな表情に変わる。
「これはもの凄く図々しいお願いなんですが……」
その態度を見れば、シドンがオレに何を頼もうとしているのかはだいたい見当がつく。
「サレナさんが夜中に出歩いたとき、わたしが後をつけて、そこで何をしているのか調べて欲しいのですね」
「そうなんです! 本当に厚かましいお願いで、しかも僕はロクにお礼も出来ません。それでもアルさん以外に頼れる人はいないんです!」
そう言ってシドンは深々と頭を下げる。もしもオレがやれといったら土下座でもなんでもしそうな勢いだな。
そんなに簡単に、まだ出会ってから一日も経っていない相手を信頼するなと言いたくなるが、オレのこれまでの行動と、あとはやっぱり見た目が理由だろうなあ。
まあいい。どっちにしてもここまで来たら乗りかかった船だ。
「どこまで出来るかはわかりませんけど、やってみましょう」
「あ、ありがとうございます!」
そういってシドンははね飛ばされたかのような勢いでオレの胸元に飛び込んでくる。おい。感極まったのは分かるが、いくら何でもそりゃ図々しくないか?
そしてそのとき――
「ちょっとシドン、いつまでそこに――ええ?!」
扉のところにサレナが姿を見せたのだった。
思わず二人揃って振り向くと、サレナははじめ言葉を失って呆気にとられていた様子で、それから次第にその眉がつり上がっていく。
「あんたら……ここでいったい何をやっているのよ……」
「え……いや。姉さん。これは……」
ここでシドンもようやくオレの胸に身体を埋めている体勢になっていたのに気付いたらしく、その顔を真っ赤に染めつつ弁解を試みる。
「このバカァー! エロガキが!」
古ぼけた屋敷が震えるかと思える勢いで、サレナは甲高い叫びを挙げた。
サレナが夜中にこの家からいなくなるだって?
しかもそれは連続殺人が起きたのとほぼ同時期に始まったとは、何らかの関係があるということなのか。
いや。本当はずっと前から夜の街に出歩いて遊んでいたけど、たまたまシドンが気付いたのが最近だったという実につまらないオチかもしれない。
サレナは先ほど、シドンが夜中に出歩いていると聞いて、祖父の死の悲しさを紛らわすために夜遊びしているのではないかと言っていたが、それはひょっとすると彼女の行動に根ざした事だった可能性がある。
「僕が最初に気付いたのは、たまたま夜中に便所に行っていたとき、姉さんがこの屋敷から出て行く姿が見えたからなんです」
「そのときはいつ屋敷に戻ってきたのですか?」
「すみません。僕も不安だったのですけど、その時は寝床に戻って寝ていたら、朝には姉さんは戻っていました」
まあ。そこは仕方ないか。
「そのときは僕もそれほど深刻には考えていなかったのでそのままにしていました。だけどその晩に例の殺人鬼が人殺しをしていたと聞いて、しかもその後でも姉さんはしばしば夜中に寝室からいなくなる事に気付いたんです」
ここまで聞くとお約束の展開なら、サレナが連続殺人と何か関わりがあると思うかもしれない。もちろん昨晩出会った殺人鬼は、サレナとは似ても似つかぬ相手だけど、それが単独犯とは限らないからな。
だがほんの短時間の付き合いだが、少なくともサレナが連続殺人を引き起こしているとはちょっと想像出来ない。
そりゃ人間には外見からは分からない、いろいろな面がある事は何度も思い知らされてきたけれど、それでも限度というものがある。
「そのことについてサレナさんは何と言っているのですか?」
「姉さんは僕が寝ぼけて勘違いしたとの一点張りなんです」
そうするとオレが聞いても教えてくれるはずはないか。
「それでは昨晩のシドンは……」
「ええ。いなくなった姉さんを探していたんです」
なるほど。それだからシドンは外出禁止令の出ている夜の街をあちこち探し回って、キョロキョロしていたというのだな。
しかし幾らサレナの事が心配になったからと言って、殺人鬼のために外出禁止令が出ている夜の街に出向くとは、やはりシドンも相当に向こう見ずな面があるものだ。
「それでシドンにはサレナさんが出向くところに、何か心当たりがあるのですか?」
「いえ……申し訳ないのですけど……」
もしもシドンに心当たりがあったら、真っ先にそこに向かっただろうな。
まあシドンの態度からして、やっぱりサレナが連続殺人に関わっているとは思っていないのは間違い無い。
「夜中に出歩くのは、どんな時です? 毎晩ですか?」
「さすがにそこまで煩雑では無いのですけど……だいたい二、三日に一回ぐらいですね」
そうするとオレがこの屋敷に滞在して待っていたら、サレナが夜中にこっそり出歩く時も来ると言うことか。
いや。シドンにまで隠しているとなると、オレがこの屋敷に滞在していたら、彼女は何もしない可能性も高いな。
とにかく何らかの目星はつけたいところだ。
「シドンの想像で構いませんけど、サレナさんはなぜ夜中に出歩き、またそれをあなたに隠していると思いますか?」
「最初は僕も夜遊びしているのではないかと思っていたんですけど、それにしても様子がおかしくて。だけどそれ以外にはまるで見当がつかないんです……本当に僕は頼りにならなくてすみません」
サレナが殺人に手を染めている可能性は無いとしても、何かを知っていてそれを止めようとしているとか、シドンの祖父の研究について隠されたものがあって、それに関して夜中に出歩く必要があるとか、想像するだけなら幾らでも出てくる。
もちろんそんな根拠の無い頭の中でこねくり回したものに基づいて、行動するなど危険極まり無い事だ。
しかしこのまま何もせずに立ち去るとか、無為に過ごすなどという選択肢はオレには無い。
「分かりました。こうなったらわたしが出来る限り協力しましょう」
「本当ですか?! ありがとうございます!」
シドンはいかにも嬉しげに深々と頭を下げる。
「しかしシドンが問うても答えないとなると……わたしが聞いても同じでしょうね」
「僕もそう思います。だけど……」
ここでシドンはちょっとどころかかなり申し訳なさそうな表情に変わる。
「これはもの凄く図々しいお願いなんですが……」
その態度を見れば、シドンがオレに何を頼もうとしているのかはだいたい見当がつく。
「サレナさんが夜中に出歩いたとき、わたしが後をつけて、そこで何をしているのか調べて欲しいのですね」
「そうなんです! 本当に厚かましいお願いで、しかも僕はロクにお礼も出来ません。それでもアルさん以外に頼れる人はいないんです!」
そう言ってシドンは深々と頭を下げる。もしもオレがやれといったら土下座でもなんでもしそうな勢いだな。
そんなに簡単に、まだ出会ってから一日も経っていない相手を信頼するなと言いたくなるが、オレのこれまでの行動と、あとはやっぱり見た目が理由だろうなあ。
まあいい。どっちにしてもここまで来たら乗りかかった船だ。
「どこまで出来るかはわかりませんけど、やってみましょう」
「あ、ありがとうございます!」
そういってシドンははね飛ばされたかのような勢いでオレの胸元に飛び込んでくる。おい。感極まったのは分かるが、いくら何でもそりゃ図々しくないか?
そしてそのとき――
「ちょっとシドン、いつまでそこに――ええ?!」
扉のところにサレナが姿を見せたのだった。
思わず二人揃って振り向くと、サレナははじめ言葉を失って呆気にとられていた様子で、それから次第にその眉がつり上がっていく。
「あんたら……ここでいったい何をやっているのよ……」
「え……いや。姉さん。これは……」
ここでシドンもようやくオレの胸に身体を埋めている体勢になっていたのに気付いたらしく、その顔を真っ赤に染めつつ弁解を試みる。
「このバカァー! エロガキが!」
古ぼけた屋敷が震えるかと思える勢いで、サレナは甲高い叫びを挙げた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さくら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる