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第19章 神気の山脈にて
第797話 持ち去られた神像の由来とは
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先ほどの『過去視』で確認しただけでは、残念ながら連中が立ち去った方向が分かるだけだが、山の中ではドルイド魔法を使えば奴らを追跡するのはそう難しくはない。
「とりあえずわたしは彼らが去った後をつけていきます」
「それでは是非とも同行させてもらおう」
「わかりました。ただ危険だと思ったらすぐに逃げてくださいよ」
フォラジを止めても無駄なので仕方ない。
単独行動された方がどう考えても危ないからな。
そんなわけでオレはまたしてもフォラジと二人で行動することとなる。
そのまま山賊の後を追うのはどう考えても危険なので、ここは|『鷹の目』で上空から周囲を見下ろすことにした。
残念ながら山中では障害物が多いので、なんでも見通すというわけにはいかないが、それでもさっき連中が通っていった山道を確認するぐらいはできる。
以前にフォラジと一緒に出向いた遺跡とは別の遺跡が幾つもこの近辺にはあるということだったが、どうやら別のものに向かっているらしい。
そんなわけで今、連中が向かっていると思しき遺跡についてフォラジに問う。
「そこは恐らく、あのケフェルティリ神の像が発見された村の近くにある廃虚だろう」
「既に調査済みなのですか?」
「いや。長年に渡り断続的に調査はしているが、大まかな事しか分かっていない」
あまり重視されていないと言うことだろうか?
いや。こういう場合もっと悪い事が考えられる。
「ひょっとすると……これまで調査に向かった人間は生きて帰ってこない場所だったりするのでしょうか?」
「そこまでは酷くないさ」
フォラジは軽く言い切る。
「過去にボクの先達が三人ほど行方不明になっただけだよ」
「十分過ぎるほどロクでもないですよ! その理由は何なのですか?」
「それが分かっていたら『行方不明』とは言わないさ」
たぶんそいつらはこのまま行った『フォラジの将来』の姿なんだろうなあ。
しかしフォラジは自分が同じ運命を辿る危険性を承知で、こんなことをしているのか。
フォラジが特別だと思っていたが、マークホール神の信徒の基準ではむしろ『これぐらいは当たり前』だったりしないだろうな?
そしてオレとフォラジは改めて山中の道なき道を進んでいた。
「ところでフォラジさんの推測で構いませんけど、あの像はいったい何なのですか? ひょっとすると山賊達が砦を攻撃した理由もそれだったのかもしれません」
「ふうむ。それは是非とも彼等に直接聞きたいところだな」
「要するにフォラジさんも知らないという事ですか?」
オレに質問に対し、フォラジは明らかに気分を害した様子を見せる。
「失礼な事を言わないでくれ。ちゃんと見当はついている。ただ何が正しいのかを考えていただけだ」
どうやら『知らない』と言われるのが不愉快らしい。
「この地で信仰されているケフェルティリ神にはいくつかの伝説があるのだ」
「それは分かりますよ」
伝わっている神話がまるで当てにならないのは、オレ自身が今まで何度も経験してきた事だからな。
「その一つには神代の昔、ケフェルティリ神は戦いに敗れてその身をバラバラにされたというものがある」
「戦った相手は誰だったのです?」
「それもいろいろだ。異邦から訪れた敵の場合もあれば、親だったり兄弟だったりいろいろな矛盾した伝説が残っている」
オレの経験からすると『過去に行われた争いが神話として受け継がれている』というヤツだな。
幾つものパターンがあるのは、神話の元になった争いの中身が地域によって異なるからだろうな。
言いかえるとどの地域でも、ずっと相争っていたという事になるな。
「いずれにしても神様は遥か昔に死んでいると言う事なのですか?」
「いや。その神話では神が死んだワケではない。バラバラになってその血肉がこの地にばらまかれたが、それでも個々の欠片は生きているとされているのだ」
なるほど。神様だから人間の基準が適用されないのは当然か。
これはこれでよくありそうな話だな。
そうするとあの神像に宿っていた霊体は、その欠片の一つという事か。
「それで信者達は神の欠片である特別な神像を集めようとしているのですね? バラバラになった神様を復活させるために」
「その通りだ。そしてその砕けた破片を蘇らせるのが、生け贄の血というわけだ」
そうすると先ほどの仮面の男は『神の破片』を集め、ケフェルティリ神が復活した暁には凄い力が得られるとか、そんな事を唱えて山賊達を糾合したかもしれない。
しかし神像が本当に神様の一部だとしたら、元の神様に戻るためどれだけ破片が必要になるんだろうか。
気が遠くなりそう話だけど、山賊連中にとっては『手っ取り早く力が得られる』とか適当な事を言っているのだろうなあ。
いずれにしてもそのような神話がこの地域で根強く語られているのならば、それを自分の権威付けに利用する人間が出るのは当然か。
ただこれは推測でしかないし、連中もただ神像を集めるだけで行動しているわけでもないはずだ――ぶっちゃけ大多数の目的はもっと俗物的だろう。
いつもの事だが人間が考えるのものは、いつでもどこでも大差はないものだ。
「とりあえずわたしは彼らが去った後をつけていきます」
「それでは是非とも同行させてもらおう」
「わかりました。ただ危険だと思ったらすぐに逃げてくださいよ」
フォラジを止めても無駄なので仕方ない。
単独行動された方がどう考えても危ないからな。
そんなわけでオレはまたしてもフォラジと二人で行動することとなる。
そのまま山賊の後を追うのはどう考えても危険なので、ここは|『鷹の目』で上空から周囲を見下ろすことにした。
残念ながら山中では障害物が多いので、なんでも見通すというわけにはいかないが、それでもさっき連中が通っていった山道を確認するぐらいはできる。
以前にフォラジと一緒に出向いた遺跡とは別の遺跡が幾つもこの近辺にはあるということだったが、どうやら別のものに向かっているらしい。
そんなわけで今、連中が向かっていると思しき遺跡についてフォラジに問う。
「そこは恐らく、あのケフェルティリ神の像が発見された村の近くにある廃虚だろう」
「既に調査済みなのですか?」
「いや。長年に渡り断続的に調査はしているが、大まかな事しか分かっていない」
あまり重視されていないと言うことだろうか?
いや。こういう場合もっと悪い事が考えられる。
「ひょっとすると……これまで調査に向かった人間は生きて帰ってこない場所だったりするのでしょうか?」
「そこまでは酷くないさ」
フォラジは軽く言い切る。
「過去にボクの先達が三人ほど行方不明になっただけだよ」
「十分過ぎるほどロクでもないですよ! その理由は何なのですか?」
「それが分かっていたら『行方不明』とは言わないさ」
たぶんそいつらはこのまま行った『フォラジの将来』の姿なんだろうなあ。
しかしフォラジは自分が同じ運命を辿る危険性を承知で、こんなことをしているのか。
フォラジが特別だと思っていたが、マークホール神の信徒の基準ではむしろ『これぐらいは当たり前』だったりしないだろうな?
そしてオレとフォラジは改めて山中の道なき道を進んでいた。
「ところでフォラジさんの推測で構いませんけど、あの像はいったい何なのですか? ひょっとすると山賊達が砦を攻撃した理由もそれだったのかもしれません」
「ふうむ。それは是非とも彼等に直接聞きたいところだな」
「要するにフォラジさんも知らないという事ですか?」
オレに質問に対し、フォラジは明らかに気分を害した様子を見せる。
「失礼な事を言わないでくれ。ちゃんと見当はついている。ただ何が正しいのかを考えていただけだ」
どうやら『知らない』と言われるのが不愉快らしい。
「この地で信仰されているケフェルティリ神にはいくつかの伝説があるのだ」
「それは分かりますよ」
伝わっている神話がまるで当てにならないのは、オレ自身が今まで何度も経験してきた事だからな。
「その一つには神代の昔、ケフェルティリ神は戦いに敗れてその身をバラバラにされたというものがある」
「戦った相手は誰だったのです?」
「それもいろいろだ。異邦から訪れた敵の場合もあれば、親だったり兄弟だったりいろいろな矛盾した伝説が残っている」
オレの経験からすると『過去に行われた争いが神話として受け継がれている』というヤツだな。
幾つものパターンがあるのは、神話の元になった争いの中身が地域によって異なるからだろうな。
言いかえるとどの地域でも、ずっと相争っていたという事になるな。
「いずれにしても神様は遥か昔に死んでいると言う事なのですか?」
「いや。その神話では神が死んだワケではない。バラバラになってその血肉がこの地にばらまかれたが、それでも個々の欠片は生きているとされているのだ」
なるほど。神様だから人間の基準が適用されないのは当然か。
これはこれでよくありそうな話だな。
そうするとあの神像に宿っていた霊体は、その欠片の一つという事か。
「それで信者達は神の欠片である特別な神像を集めようとしているのですね? バラバラになった神様を復活させるために」
「その通りだ。そしてその砕けた破片を蘇らせるのが、生け贄の血というわけだ」
そうすると先ほどの仮面の男は『神の破片』を集め、ケフェルティリ神が復活した暁には凄い力が得られるとか、そんな事を唱えて山賊達を糾合したかもしれない。
しかし神像が本当に神様の一部だとしたら、元の神様に戻るためどれだけ破片が必要になるんだろうか。
気が遠くなりそう話だけど、山賊連中にとっては『手っ取り早く力が得られる』とか適当な事を言っているのだろうなあ。
いずれにしてもそのような神話がこの地域で根強く語られているのならば、それを自分の権威付けに利用する人間が出るのは当然か。
ただこれは推測でしかないし、連中もただ神像を集めるだけで行動しているわけでもないはずだ――ぶっちゃけ大多数の目的はもっと俗物的だろう。
いつもの事だが人間が考えるのものは、いつでもどこでも大差はないものだ。
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