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第20章 とある国と聖なる乙女
第829話 問い詰められた結果……
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オレたちは奥まった部屋に案内されるが、その最中にイオドは小声で話しかけてくる。
「お主の事は小官が守る。心配はいらんぞ」
イオドの言葉は僅かに震えている。
恐怖とまではいかなくとも、かなり緊張はしているようだが、それはこれから会うスコテイに対するものか、はたまた先ほど見たオレの容姿のためなのかは分からない。
中に入ると数人の警備兵と、後は飾りの多い服をまとった少しばかり太り気味な五〇前と思しき年齢の男が椅子に腰掛けて待っていた。
どうやらこの男がスコテイらしい。
「スコテイ閣下、イオド・二グリ、参りました」
「ほう。何とも麗しき者を共にしていたのだな。堅物の卿にしては随分と珍しい事だが、むしろその娘のために一部が硬くなったのかね」
「いくら閣下と言えど、お言葉がすぎますぞ」
イオドの苦言を受けて、スコテイは笑う。
「ははは。すまぬ。卿の無事な姿を見て、気持ちがゆるんだようだ。おっともちろん他のところがゆるんだりはしておらぬぞ」
このセリフを聞いて、周囲の警備兵にも少しばかり笑みが浮かび、場の空気が和らいだようにも感じられる。
だがスコテイは言葉では下品な軽口を叩いているようで、こちらに向けられる視線はまるでナイフのごとく鋭い。
これはまずいな。
オレの容姿を見て動揺したり、好色な表情を浮かべたりするのなら、それはそれで危険だけどかわすのはどうにかなる。
しかしスコテイは明らかに違う。
オレに対して特別な警戒心を抱いている様子だが、それでいて軽口を叩いているように見せているのは、裏に何かの意図があるのは明らかだろう。
そしてイオドの方も直立不動の姿勢で彫像のごとくその身を固めている。
この国では『聖女』というだけで身柄を拘束されるようだが、イオドがオレのことを黙っていたという事にされた場合、オレはこの場で身柄を拘束され、下手をすればイオドも罪人と言う事になってしまいかねないぞ。
「その娘をなぜ連れていたのだね? 軍規に厳しい事で有名な卿の事だ。さぞかし重大な理由があるのだろう」
「実は……危ういところでこの娘の案内で難を逃れたのです」
「ほう。それは何とも運がよかったのう。命を助けられただけでなく、そのような美しき花を手にするとは、もしも許されるなら是非とも卿に代わってもらいたいものだ」
ここで再び周囲には笑みがこぼれる。本当にこのスコテイは人の警戒心を解くのがうまいようだな。
オレもこれまでいろいろな魑魅魍魎の相手をしていなかったら、あっさりと騙されていたかもしれない。
ここでスコテイはオレの態度から、心を許していないことを見抜いたらしい。
「おやおや。そちらの美姫はワシよりも若い方がいいのか? 自分で言うのもなんだが、このワシがあと五年は若ければのう……」
「失礼ながら閣下がイオド卿と張り合うには、二十年は若返らないと難しいかと思いますが」
脇に立つ部下のツッコミに対し、スコテイはあいも変わらぬ笑顔で応じる。
「何を言うか。五年前のワシでも十分に、いまのイオドに勝る立派な漢気を発していたものだぞ。見せることが出来んのが何とも残念だがな」
そう言ってスコテイは席を立って、こちらに近づいてくる。
髪の色はいつも通り黒く染めてはいるが、それでもこちらの容姿から聖女教会の崇拝する女神イロールに関係があることを見抜かれてしまう危険性があるので、オレは思わずイオドの後ろに回り、向こうもオレをかばうように手を差し出す。
「閣下。戯れはそろそろ終わりにしていただけぬでしょうか? 小官は叛徒供に関する報告が必要かと愚考いたします」
「やれやれ。やはりそなたは堅物よな。それは構わぬが、その前にその娘をどうするつもりなのかは答えてもらうぞ」
ここでスコテイの視線に一瞬だが、尋常でない色が混じる。やはりこの男は見た目と中身がまるで違うようだ。
「実は……この娘には身寄りが無いとの事です」
もちろんオレがこっちの世界に身寄りが無いのはその通りだ。そして聖女の場合は肉親とも縁を切って聖女教会で育てられているから、やっぱり身寄りが無い事になる。
この場合はイオドも『決して嘘はついていません』と言うことになるのか。
そしてその言葉を聞いて、スコテイの目に威圧するような光が宿る。
「その娘には身元を保証する縁者はおらぬという事だな。ならばワシとしても色々と問いたいことがあるのだが構わぬな」
おい。まさか『身体に聞く』とか言い出さないだろうな?
だがイオドは改めてスコテイの視線とオレとの間に割って入る。
「閣下には申し訳有りませんが、それはお断りさせていただきます」
「ほう。それはいかなる理由があるのだ?」
イオドの拒否を受けて、狭い部屋の空気は先ほどまでとは一変し、一瞬にして重苦しいものとなる。
「いま卿はその娘には身寄りが無いと申したでは無いか。ならばワシは国家の治安を預かる身として、取り調べをするのに何の問題があろう?」
「いいえ。あくまで先ほどまで身寄りがいなかった、と言う話です」
「ほう。ではそなたがその娘を娶ると言うワケか?」
ええ?! 確かに今まで幾度か、急場凌ぎに『恋人』の振りをしたことはあるけど、さすがに妻になる気は無いぞ。
だがオレがこの場を切り抜けるのに、どうすればよいのか考える前に、イオドは改めて口を開く。
「いえ。そう言うわけではありません。小官はこの娘を我が養女としたいのです」
妻になるよりはマシだけど、それはそれでいろいろ問題があるよな。
しかしここでそれを拒絶すれば、スコテイに身柄を抑えられてしまうのは明らかだ。
オレは無言のまま、スコテイとイオドの火花散るような視線のぶつかり合いを見る事しか出来なかった。
「お主の事は小官が守る。心配はいらんぞ」
イオドの言葉は僅かに震えている。
恐怖とまではいかなくとも、かなり緊張はしているようだが、それはこれから会うスコテイに対するものか、はたまた先ほど見たオレの容姿のためなのかは分からない。
中に入ると数人の警備兵と、後は飾りの多い服をまとった少しばかり太り気味な五〇前と思しき年齢の男が椅子に腰掛けて待っていた。
どうやらこの男がスコテイらしい。
「スコテイ閣下、イオド・二グリ、参りました」
「ほう。何とも麗しき者を共にしていたのだな。堅物の卿にしては随分と珍しい事だが、むしろその娘のために一部が硬くなったのかね」
「いくら閣下と言えど、お言葉がすぎますぞ」
イオドの苦言を受けて、スコテイは笑う。
「ははは。すまぬ。卿の無事な姿を見て、気持ちがゆるんだようだ。おっともちろん他のところがゆるんだりはしておらぬぞ」
このセリフを聞いて、周囲の警備兵にも少しばかり笑みが浮かび、場の空気が和らいだようにも感じられる。
だがスコテイは言葉では下品な軽口を叩いているようで、こちらに向けられる視線はまるでナイフのごとく鋭い。
これはまずいな。
オレの容姿を見て動揺したり、好色な表情を浮かべたりするのなら、それはそれで危険だけどかわすのはどうにかなる。
しかしスコテイは明らかに違う。
オレに対して特別な警戒心を抱いている様子だが、それでいて軽口を叩いているように見せているのは、裏に何かの意図があるのは明らかだろう。
そしてイオドの方も直立不動の姿勢で彫像のごとくその身を固めている。
この国では『聖女』というだけで身柄を拘束されるようだが、イオドがオレのことを黙っていたという事にされた場合、オレはこの場で身柄を拘束され、下手をすればイオドも罪人と言う事になってしまいかねないぞ。
「その娘をなぜ連れていたのだね? 軍規に厳しい事で有名な卿の事だ。さぞかし重大な理由があるのだろう」
「実は……危ういところでこの娘の案内で難を逃れたのです」
「ほう。それは何とも運がよかったのう。命を助けられただけでなく、そのような美しき花を手にするとは、もしも許されるなら是非とも卿に代わってもらいたいものだ」
ここで再び周囲には笑みがこぼれる。本当にこのスコテイは人の警戒心を解くのがうまいようだな。
オレもこれまでいろいろな魑魅魍魎の相手をしていなかったら、あっさりと騙されていたかもしれない。
ここでスコテイはオレの態度から、心を許していないことを見抜いたらしい。
「おやおや。そちらの美姫はワシよりも若い方がいいのか? 自分で言うのもなんだが、このワシがあと五年は若ければのう……」
「失礼ながら閣下がイオド卿と張り合うには、二十年は若返らないと難しいかと思いますが」
脇に立つ部下のツッコミに対し、スコテイはあいも変わらぬ笑顔で応じる。
「何を言うか。五年前のワシでも十分に、いまのイオドに勝る立派な漢気を発していたものだぞ。見せることが出来んのが何とも残念だがな」
そう言ってスコテイは席を立って、こちらに近づいてくる。
髪の色はいつも通り黒く染めてはいるが、それでもこちらの容姿から聖女教会の崇拝する女神イロールに関係があることを見抜かれてしまう危険性があるので、オレは思わずイオドの後ろに回り、向こうもオレをかばうように手を差し出す。
「閣下。戯れはそろそろ終わりにしていただけぬでしょうか? 小官は叛徒供に関する報告が必要かと愚考いたします」
「やれやれ。やはりそなたは堅物よな。それは構わぬが、その前にその娘をどうするつもりなのかは答えてもらうぞ」
ここでスコテイの視線に一瞬だが、尋常でない色が混じる。やはりこの男は見た目と中身がまるで違うようだ。
「実は……この娘には身寄りが無いとの事です」
もちろんオレがこっちの世界に身寄りが無いのはその通りだ。そして聖女の場合は肉親とも縁を切って聖女教会で育てられているから、やっぱり身寄りが無い事になる。
この場合はイオドも『決して嘘はついていません』と言うことになるのか。
そしてその言葉を聞いて、スコテイの目に威圧するような光が宿る。
「その娘には身元を保証する縁者はおらぬという事だな。ならばワシとしても色々と問いたいことがあるのだが構わぬな」
おい。まさか『身体に聞く』とか言い出さないだろうな?
だがイオドは改めてスコテイの視線とオレとの間に割って入る。
「閣下には申し訳有りませんが、それはお断りさせていただきます」
「ほう。それはいかなる理由があるのだ?」
イオドの拒否を受けて、狭い部屋の空気は先ほどまでとは一変し、一瞬にして重苦しいものとなる。
「いま卿はその娘には身寄りが無いと申したでは無いか。ならばワシは国家の治安を預かる身として、取り調べをするのに何の問題があろう?」
「いいえ。あくまで先ほどまで身寄りがいなかった、と言う話です」
「ほう。ではそなたがその娘を娶ると言うワケか?」
ええ?! 確かに今まで幾度か、急場凌ぎに『恋人』の振りをしたことはあるけど、さすがに妻になる気は無いぞ。
だがオレがこの場を切り抜けるのに、どうすればよいのか考える前に、イオドは改めて口を開く。
「いえ。そう言うわけではありません。小官はこの娘を我が養女としたいのです」
妻になるよりはマシだけど、それはそれでいろいろ問題があるよな。
しかしここでそれを拒絶すれば、スコテイに身柄を抑えられてしまうのは明らかだ。
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