907 / 1,316
第20章 とある国と聖なる乙女
第907話 立ち去り際にいろいろと
しおりを挟む
ここでアイウーズは不自然に芝居掛かった少々大げさな動きで、落胆したかのように頭に手を当てる。
もちろんオレは『恋人』でも何でもないので、慰めたりはしない。
「分かっています。アルタシャ様はあくまでも私を助けて下さっただけで、恋人には不足と思っておられるのでしょう」
不足というよりは、むしろアイウーズに足りている部分を見つける方が困難だけどな。
地位とか財産とか、オレにとってほとんど価値は無いのだ。
「正直に言えばアルタシャ様が幾度も私を助けてくださったので、期待してしまったのですけど、少々自分を過大評価していたのですね」
あいにく『少々』どころではないけど、少しは理解してくれたようで何よりだ。
「もちろん私とてまだまだアルタシャ様にふさわしい英雄とは言えないでしょう。しかし将来はそれだけの男になってみせます」
「是非とも努力してグラフト公国を平和で豊かな国にして下さい」
もちろん努力したからって、オレが応える義理は無いけどな。
オレが欲望むき出しで貢がせるように要求したら、何でも応じそうだけど、そんな事出来るはずもないし、そもそもその手の贅沢にオレは全然興味が無い。
「おお! ありがとうございます! 将来は必ず我がグラフト公国を立て直し、それをあなた様への贈り物といたしましょうぞ」
これがつい先日まで『死んでもいいや』と思っていた男の言葉だよ。全く現金なものだ。
今はフラネス王国の属国に甘んじている、グラフト公国が力をつけたら、また逆らうかもしれないし、逆に関係が深まって仲良くなれるかもしれない。
しかしそれは最短でも十年は先の話だし、もうオレの手を離れた事だ。
まあアイウーズが平和な国を作る事を祈ってはおくよ。
そして迎えた翌日、オレは首都パナハップを後にする事にした。
いつもの通り、知り合いだけによる見送りを願ったので、そこにいるのはイオドとネアラ、アイウーズ、サーシェル、後は学長と王妃だけだ。
まあ地位的には王妃や公子がいるわけだから、豪勢な見送りとは言えるかもしれない。
ただ知り合いの中で一人見当たらない相手がいるのは気になった。
「スコテイさんはどうされましたか?」
「あの男なら後始末に忙しいと言っておりましたぞ」
イオドは少しばかり不機嫌そうにこぼす。
自分の地位が第一のスコテイにすれば、立ち去っていなくなるオレの事などどうでもよくなったのだろうな。
最後にあの男を見ずに済んでほっとしたと言うか、何をしているのか少し不安というか、結局はいてもいなくても気にはなる存在だ。
「兄上、あんな人の事は忘れましょう」
小耳に挟んだところでは、左遷されていたイオド達の父も首都に戻る事が出来るらしい。あとイオドにも昇進の話があるようだ。
そんなわけでネアラは結構嬉しそうだ。
もっとも出世よりも『兄をたぶらかす魔性の女』扱いしていたオレがいなくなるので一安心なのかもしれない。
「もうしばらく逗留して下さればよかったのですが、もうお発ちとは残念です」
言葉とは裏腹に王妃もまたあんまり残念そうではない。
今回の騒動の後始末とか、いろいろな貴族や教団との交渉とか難題が残っている筈なんだけど、それよりも夫である国王がオレに熱をあげる前にいなくなるので一安心というのが本音なのだろう。
その意味ではネアラと少しばかり似た心理かもしれない。
「一時とは言えどアルタシャ様を生徒として迎え入れられた事は、私とサバシーナ先生にとっても誇りです」
校長もまた嬉しそうだが、たぶん今後はオレが蒼穹女学院の箔をつけるために利用されるのは間違いないな。
それで今まで以上に、女子教育に力を入れるようになってくれるのなら、利用される事は受け入れるとしよう。
「厚かましい事を言わせていただければ、もうしばらく我が『娘』でいて欲しかったですね」
イオドは少しばかり残念そうだが、今後はオレが一時でも養女になっていたのは、ずっとニグリ家の自慢のネタにされるのは間違いないところだ。
まあこれでネアラにもいい縁談が来る事を期待しているかもしれないな。
ここでよくあるパターンならアイウーズとネアラがくっつくところだろうけど、ロクに会話もしていないのに、そんな都合のいいことは起きないか。
とにかくオレとしては、いつも通り立ち去った後の事は任せるしかない。
これまで拡大政策をとってきたフラネス王国が平和主義国家になるとは思わないが、いったん立ち止まって安定志向を目指してくれたらそれでいい。
少なくともオレに関わった人たちが、安心して暮らせる国になる事は願っておこう。
それから首都で起きた一連の騒動とその後始末のため、しばらくフラネス王国は外征を行う余裕はなくなり内政に専念する事になる。
各教団に対する高圧的な方針は撤回されたが、首都の一角に宗教団体の施設を集中させる事は双方の利害の一致からそのまま続けられた。
そして他国に先んじていたフラネス王国の教育機関もまた見直され、女子教育の垣根も下がっていったため、次第に他国にもその必要性への認識が広まっていった。
ただ事態を平和裏に収拾した『アルタシャ』については、フラネス王国と属国のグラフト公国との間で、彼女の『恋人』として選ばれたのが誰だったのかについては不毛で実りの無い論争が始まったのは、将来の懸念材料になるかもしれない。
【後書き】
これでこの章は完結となります。
いろいろとお付き合い下さってありがとうございます。
もちろんオレは『恋人』でも何でもないので、慰めたりはしない。
「分かっています。アルタシャ様はあくまでも私を助けて下さっただけで、恋人には不足と思っておられるのでしょう」
不足というよりは、むしろアイウーズに足りている部分を見つける方が困難だけどな。
地位とか財産とか、オレにとってほとんど価値は無いのだ。
「正直に言えばアルタシャ様が幾度も私を助けてくださったので、期待してしまったのですけど、少々自分を過大評価していたのですね」
あいにく『少々』どころではないけど、少しは理解してくれたようで何よりだ。
「もちろん私とてまだまだアルタシャ様にふさわしい英雄とは言えないでしょう。しかし将来はそれだけの男になってみせます」
「是非とも努力してグラフト公国を平和で豊かな国にして下さい」
もちろん努力したからって、オレが応える義理は無いけどな。
オレが欲望むき出しで貢がせるように要求したら、何でも応じそうだけど、そんな事出来るはずもないし、そもそもその手の贅沢にオレは全然興味が無い。
「おお! ありがとうございます! 将来は必ず我がグラフト公国を立て直し、それをあなた様への贈り物といたしましょうぞ」
これがつい先日まで『死んでもいいや』と思っていた男の言葉だよ。全く現金なものだ。
今はフラネス王国の属国に甘んじている、グラフト公国が力をつけたら、また逆らうかもしれないし、逆に関係が深まって仲良くなれるかもしれない。
しかしそれは最短でも十年は先の話だし、もうオレの手を離れた事だ。
まあアイウーズが平和な国を作る事を祈ってはおくよ。
そして迎えた翌日、オレは首都パナハップを後にする事にした。
いつもの通り、知り合いだけによる見送りを願ったので、そこにいるのはイオドとネアラ、アイウーズ、サーシェル、後は学長と王妃だけだ。
まあ地位的には王妃や公子がいるわけだから、豪勢な見送りとは言えるかもしれない。
ただ知り合いの中で一人見当たらない相手がいるのは気になった。
「スコテイさんはどうされましたか?」
「あの男なら後始末に忙しいと言っておりましたぞ」
イオドは少しばかり不機嫌そうにこぼす。
自分の地位が第一のスコテイにすれば、立ち去っていなくなるオレの事などどうでもよくなったのだろうな。
最後にあの男を見ずに済んでほっとしたと言うか、何をしているのか少し不安というか、結局はいてもいなくても気にはなる存在だ。
「兄上、あんな人の事は忘れましょう」
小耳に挟んだところでは、左遷されていたイオド達の父も首都に戻る事が出来るらしい。あとイオドにも昇進の話があるようだ。
そんなわけでネアラは結構嬉しそうだ。
もっとも出世よりも『兄をたぶらかす魔性の女』扱いしていたオレがいなくなるので一安心なのかもしれない。
「もうしばらく逗留して下さればよかったのですが、もうお発ちとは残念です」
言葉とは裏腹に王妃もまたあんまり残念そうではない。
今回の騒動の後始末とか、いろいろな貴族や教団との交渉とか難題が残っている筈なんだけど、それよりも夫である国王がオレに熱をあげる前にいなくなるので一安心というのが本音なのだろう。
その意味ではネアラと少しばかり似た心理かもしれない。
「一時とは言えどアルタシャ様を生徒として迎え入れられた事は、私とサバシーナ先生にとっても誇りです」
校長もまた嬉しそうだが、たぶん今後はオレが蒼穹女学院の箔をつけるために利用されるのは間違いないな。
それで今まで以上に、女子教育に力を入れるようになってくれるのなら、利用される事は受け入れるとしよう。
「厚かましい事を言わせていただければ、もうしばらく我が『娘』でいて欲しかったですね」
イオドは少しばかり残念そうだが、今後はオレが一時でも養女になっていたのは、ずっとニグリ家の自慢のネタにされるのは間違いないところだ。
まあこれでネアラにもいい縁談が来る事を期待しているかもしれないな。
ここでよくあるパターンならアイウーズとネアラがくっつくところだろうけど、ロクに会話もしていないのに、そんな都合のいいことは起きないか。
とにかくオレとしては、いつも通り立ち去った後の事は任せるしかない。
これまで拡大政策をとってきたフラネス王国が平和主義国家になるとは思わないが、いったん立ち止まって安定志向を目指してくれたらそれでいい。
少なくともオレに関わった人たちが、安心して暮らせる国になる事は願っておこう。
それから首都で起きた一連の騒動とその後始末のため、しばらくフラネス王国は外征を行う余裕はなくなり内政に専念する事になる。
各教団に対する高圧的な方針は撤回されたが、首都の一角に宗教団体の施設を集中させる事は双方の利害の一致からそのまま続けられた。
そして他国に先んじていたフラネス王国の教育機関もまた見直され、女子教育の垣根も下がっていったため、次第に他国にもその必要性への認識が広まっていった。
ただ事態を平和裏に収拾した『アルタシャ』については、フラネス王国と属国のグラフト公国との間で、彼女の『恋人』として選ばれたのが誰だったのかについては不毛で実りの無い論争が始まったのは、将来の懸念材料になるかもしれない。
【後書き】
これでこの章は完結となります。
いろいろとお付き合い下さってありがとうございます。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる