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第24章 全てはアルタシャのために?
第1109話 望まぬ化身をどうするか
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テセルの推測通りならば、神造者が本人の同意無く、自分達にとって都合のいい化身というか分身を作って、ばらまいていると言う事になる。
こういう場合はいかなる『権利の侵害』になるのだろうか?
悲しい事にこの世界においては訴えても何の効果も無いのは明らかだけどな。
それなら他の神についても同様の事が出来るのではないか?
オレなどよりも遥かに強力な女神の化身を使っていれば、もっと確実に世界制覇に近づけると思うのだが。
「化身を作り出す対象になんでわたしが選ばれてしまったのですか?」
「そんなの僕に分かる筈がないだろう……と言いたい、もちろんエリート神造者である僕ならば推測なら幾つか出来るけどな」
「推測でいいのですから教えて下さい」
「簡単だ。お前が他の神々と何が違うのか考えろよ」
いつものように回りくどい言い方だな。
「普通ならば神の化身は、その神自身の同意がなければ生まれる筈がない。それにも関わらずお前の化身が勝手に作られるのは、すぐにでも神になれる崇拝を受けながら、未だに神界に入らないお前のようなへそ曲がりだけに可能な事だろう」
なるほど。言われてみればそれぐらいしかないか。
しかしテセルの推測が正しくとも、それだけでどうしようもない。
「化身を消してしまうとか、繋がりを断つ方策はありませんか?」
「それならいい方法があるぞ」
「テセルの妻になるとか、そんな話はダメですからね」
「……」
図星だったらしく、テセルは沈黙する。
「それ以外で何かありませんかね」
テセルに尋ねてはみたが、冷静に考えれば無茶ぶりなのは明らかだ。
神造者は大陸中に広まっている大組織だ。
量産型アルタシャを用いてこの世界を掌握しようとしているのが一部だとしても、ひとりやふたりでどうにかなるようなものではない。
膨大な人数がこれに関わっているはず。
いくら自称『エリート神造者』でもテセルに何か出来るとは思えない。
だいたいテセルとオレは単なる腐れ縁だ。神造者の組織と正面から対立してまで、骨を折ってくれる義理など無い。
むしろ自分の出世のためにオレを利用したって、テセルの立場からすればそちらの方が正しいとすら言えるのだ。
それでも頼らざるを得ないのは、自分でも悲しい現実だけどな。
「もっとも簡単なのは、アルタシャが本物の女神になって、神界に入る事だろう」
「どうしてですか?」
どういう理屈だよ。むしろオレが本物の神になってしまったら、ますます化身が量産されてしまいかねないか?
「お前が本物の神になれば、化身も全て自分の意志でどうにか出来るはず。中途半端が一番いけないということだ」
ううむ。納得しがたいけど、テセルは『自分の本業』であるカミツクリに関して嘘をつくことはないと分かっている。
セクハラは繰り返す男だが、その点に関しては信頼していい。
「だけどお前が僕のモノになる前に神界に入るのは反対だ。だからそれは却下だな」
「なんでテセルが決めているんですか。それで神界を通じて化身を作っている儀式を妨害できますか?」
アルタシャのコピーがどこで作られているのかなど見当もつかないが、オレとのつながりがある以上、神界から働きかけてどうにかできる可能性はある。
オレは今までも神界に飛び込んでいろいろやってきたわけだから、この程度ならばどうにでもなるはずだ。
しかしテセルは首を振る。
「いや。僕たち神造者がそのような儀式を行う場合、神界からの干渉を受けないようにするのは大前提だ。お前でも無理だろう」
時には大神級の相手ですら神話を修正して自分たちに都合よく変えてしまう神造者にすれば、オレごときの妨害など封じるのは造作もないのか。
本物の神になる気などさらさらないが、これから毎晩、男と絡み合う夢なんぞ見せられたら、それを避けたい一心で神になってしまうかもしれないぞ。
恐らくこの世界においても史上、もっとも情けない神になる理由だろうな。
「儀式で作り出したとは言えど、お前の一部であることに変わりはない。だから直接対面すれば本体であるお前の意志で、化身を消滅させる事が出来るはず。だがそれも困難極まりないな」
化身の創造はタダではないはずだが、一国の元首や大貴族を掌中に収める事を考えれば安いだろうから、神造者はいくらでも再生するに決まっている。
だが深刻なのは、むしろ男の方だ。
オレの化身を妻にしている側とすれば、すぐに立ち去る『本物のアルタシャ』よりも毎晩ベッドを共にして愛を育んでくれる『偽者』の方がよっぽど価値があるはず。
フィクションではしばしば『共に絆を作ってきた偽者は本物に勝る。むしろ絆を育んだ方こそが本物になる』事があるが、それについては同意せざるを得ない。
男どもの大多数は『偽者』を守ろうとするはず――連中にとってはむしろそっちが『本物』だろうな。
神造者もそれを手助けするとなれば、化身を消して回るのも無理だろう。
「そういうわけで僕がお前に提案するのは、最後の手段だ」
なんだってこの男はいつももったいぶるのか。
そしてテセルの言うことは決して間違いではなくとも、大抵はロクでもないものなのである。
こういう場合はいかなる『権利の侵害』になるのだろうか?
悲しい事にこの世界においては訴えても何の効果も無いのは明らかだけどな。
それなら他の神についても同様の事が出来るのではないか?
オレなどよりも遥かに強力な女神の化身を使っていれば、もっと確実に世界制覇に近づけると思うのだが。
「化身を作り出す対象になんでわたしが選ばれてしまったのですか?」
「そんなの僕に分かる筈がないだろう……と言いたい、もちろんエリート神造者である僕ならば推測なら幾つか出来るけどな」
「推測でいいのですから教えて下さい」
「簡単だ。お前が他の神々と何が違うのか考えろよ」
いつものように回りくどい言い方だな。
「普通ならば神の化身は、その神自身の同意がなければ生まれる筈がない。それにも関わらずお前の化身が勝手に作られるのは、すぐにでも神になれる崇拝を受けながら、未だに神界に入らないお前のようなへそ曲がりだけに可能な事だろう」
なるほど。言われてみればそれぐらいしかないか。
しかしテセルの推測が正しくとも、それだけでどうしようもない。
「化身を消してしまうとか、繋がりを断つ方策はありませんか?」
「それならいい方法があるぞ」
「テセルの妻になるとか、そんな話はダメですからね」
「……」
図星だったらしく、テセルは沈黙する。
「それ以外で何かありませんかね」
テセルに尋ねてはみたが、冷静に考えれば無茶ぶりなのは明らかだ。
神造者は大陸中に広まっている大組織だ。
量産型アルタシャを用いてこの世界を掌握しようとしているのが一部だとしても、ひとりやふたりでどうにかなるようなものではない。
膨大な人数がこれに関わっているはず。
いくら自称『エリート神造者』でもテセルに何か出来るとは思えない。
だいたいテセルとオレは単なる腐れ縁だ。神造者の組織と正面から対立してまで、骨を折ってくれる義理など無い。
むしろ自分の出世のためにオレを利用したって、テセルの立場からすればそちらの方が正しいとすら言えるのだ。
それでも頼らざるを得ないのは、自分でも悲しい現実だけどな。
「もっとも簡単なのは、アルタシャが本物の女神になって、神界に入る事だろう」
「どうしてですか?」
どういう理屈だよ。むしろオレが本物の神になってしまったら、ますます化身が量産されてしまいかねないか?
「お前が本物の神になれば、化身も全て自分の意志でどうにか出来るはず。中途半端が一番いけないということだ」
ううむ。納得しがたいけど、テセルは『自分の本業』であるカミツクリに関して嘘をつくことはないと分かっている。
セクハラは繰り返す男だが、その点に関しては信頼していい。
「だけどお前が僕のモノになる前に神界に入るのは反対だ。だからそれは却下だな」
「なんでテセルが決めているんですか。それで神界を通じて化身を作っている儀式を妨害できますか?」
アルタシャのコピーがどこで作られているのかなど見当もつかないが、オレとのつながりがある以上、神界から働きかけてどうにかできる可能性はある。
オレは今までも神界に飛び込んでいろいろやってきたわけだから、この程度ならばどうにでもなるはずだ。
しかしテセルは首を振る。
「いや。僕たち神造者がそのような儀式を行う場合、神界からの干渉を受けないようにするのは大前提だ。お前でも無理だろう」
時には大神級の相手ですら神話を修正して自分たちに都合よく変えてしまう神造者にすれば、オレごときの妨害など封じるのは造作もないのか。
本物の神になる気などさらさらないが、これから毎晩、男と絡み合う夢なんぞ見せられたら、それを避けたい一心で神になってしまうかもしれないぞ。
恐らくこの世界においても史上、もっとも情けない神になる理由だろうな。
「儀式で作り出したとは言えど、お前の一部であることに変わりはない。だから直接対面すれば本体であるお前の意志で、化身を消滅させる事が出来るはず。だがそれも困難極まりないな」
化身の創造はタダではないはずだが、一国の元首や大貴族を掌中に収める事を考えれば安いだろうから、神造者はいくらでも再生するに決まっている。
だが深刻なのは、むしろ男の方だ。
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男どもの大多数は『偽者』を守ろうとするはず――連中にとってはむしろそっちが『本物』だろうな。
神造者もそれを手助けするとなれば、化身を消して回るのも無理だろう。
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