1,131 / 1,316
第24章 全てはアルタシャのために?
第1131話 自称『婚約者』の役得?
しおりを挟む
地下道の出口まではすぐだった。
敵対的な霊体が待ち構えていたり、魔法が仕掛けられていたりする事も無く、罠の類いも見当たらない様子だ。
オントールの亡霊に出会った事は想定外だったけど、ここまでは怖いぐらいに順調だな。
だがここで安心していたらどんな厄介事が起きるか分かったものではない。
「それでは私が開けますよ」
登ったミツリーンが出口の戸に力を込めると――ビクともしなかった。
「く……これは……」
「何だよ。ダメなのか?」
テセルが文句を言うと、ミツリーンはにらみ返す。
「そう言うならお前がどうにかしろ」
「僕は頭脳労働専門なんだ。もちろんギャラは僕の方が高くて当然だけどな」
いったい何の話だ?
「どうやらこの上に何か置かれていて、扉が開かない様子です」
そういえばウァリウスが地下道を使おうとした時も、寝台を動かしていたな。
あの部屋がどうなったのかは分からないが、もしかすると物置にでも鳴っているのかもしれない。
そうすると――
「分かった。僕がやるよ」
「ダメですよ」
イオが身を乗り出してきたが、もちろん止めねばなるまい。
ドラゴンの力をもってすれば上に何が積んであろうが、吹っ飛ばすのは造作も無いだろうが、そんな事をされては後宮どころか宮城の方にまで破壊音が轟く事になる。
あっという間に兵士が群れと押し寄せて、イオと一大決戦という羽目になる。
オレはまだしもマルキウス達が危険だし、どうなろうと多大な犠牲は避けられない。
「ここは私がどうにかしましょう」
「どうされるおつもりですか?」
「大地の精霊にお願いします。皆さんは下がっていて下さい」
オレは『精霊使い』の魔法で大地の精霊を呼び出す。
しばらくして地下道の壁が脈打ち始める。
どうやら大地の精霊が集まってきたらしい。
もちろんあまり大ごとにはしたくないので、ここは一時的に穴を開けてもらうぐらいにしておこう――それでも慎重に進めないといけないが。
しばらくして精霊が掘り進んだ道の先に光が見えてきた。
大地の精霊にとって土に触れているものは一目瞭然だから、何も塞いでいないところに道をもうけるのは造作も無いのだ。
「わたしが先に行きますので、皆さんは後からついてきて下さい」
「それは危険ではありませんか?」
「どうせ僕たちが先に行っても何も出来ないだろう。ここは黙って『僕のアルタシャ』を信じるべきだ」
心配げなミツリーンに対し、テセルは相変わらず図々しい事を口にする。
取りあえず先に登り、周囲を見回したところ思った通り、オレがファーストキスを奪われた『ユリフィラスの部屋』だった。
別に物置にされていたわけではないが、脱出路の上には埃にまみれた寝床が置かれていて、がっちりと蓋をしている。
今のところは誰かに見つかっている様子もないようで、周囲は静かなものだ。
「それではなるだけ静かに上がってきて……」
穴の方に声をかけようとしたところ、どういうわけかテセルがすぐ下にいて嬉しげな表情を浮かべていた。
「いやあ。素晴らしい眼福だったよ」
どういう意味だ? と思った瞬間、オレの『自称婚約者』が何をやらかしたのかはすぐに見当がついた。
この野郎! オレが上に向かう道を登っている時に、下から覗いてやがったのか!
「どうかしたのかい? 僕は婚約者なのだから、どこをどれだけ見ようがアルタシャが気にする事はないだろう」
「貴様! なんという破廉恥な真似を! アルタシャ様を先に送り出したのもそれが理由か?」
ミツリーンが下から声をあげるが、これ以上、騒いだらこっそりと潜入しているのが台無しになりかねない。
ここはぐっとこらえるしかないのだ。
テセルはそれを分かっていてやったとしたら、相変わらずとんでもないセクハラ野郎だ。
「ミツリーンさん。今は我慢して下さい」
「ぐ……ぐぐ……」
「ははは。まあ当然だろうな。お前と僕とではアルタシャとの絆が違うのだ」
ミツリーンが引き下がったところで、テセルが下からガン見する視線は変わらない。
オレがかばったのを、激しく勘違いしているのか、それとも故意にねじ曲げているのか。
それなら大地の精霊に頼んで、首から下まで埋めてやろうかという気にもなる。
「もう急いで登って来て下さい。これ以上、調子に乗っているとそれが『この世で最後に見た光景』になるかもしれませんよ」
「それは困るな。僕はアルタシャの全てをこの目に焼き付けたいのであって、これだけではまだまだ足りないよ」
「前にも言った覚えがありますけど、テセルには品性が足りないと思うのですけどね」
一瞬だがのぞき込むテセルの顔面を蹴りつけてやろうかと思ったぐらいだ。
こんなところで無駄に自制心を消耗させられるとは、本当にコイツはどこまでも空気の読めない男ではあるな。
しかしコイツに頼らねばならない面もあるのは不本意な事実であり、なんだかんだ言いながらも友人の一人でもあるわけだ。
まあミツリーンのように殆ど『崇拝』されるよりはまだマシの気もするし、こうやって付き合って行くしかないのだなあ。
敵対的な霊体が待ち構えていたり、魔法が仕掛けられていたりする事も無く、罠の類いも見当たらない様子だ。
オントールの亡霊に出会った事は想定外だったけど、ここまでは怖いぐらいに順調だな。
だがここで安心していたらどんな厄介事が起きるか分かったものではない。
「それでは私が開けますよ」
登ったミツリーンが出口の戸に力を込めると――ビクともしなかった。
「く……これは……」
「何だよ。ダメなのか?」
テセルが文句を言うと、ミツリーンはにらみ返す。
「そう言うならお前がどうにかしろ」
「僕は頭脳労働専門なんだ。もちろんギャラは僕の方が高くて当然だけどな」
いったい何の話だ?
「どうやらこの上に何か置かれていて、扉が開かない様子です」
そういえばウァリウスが地下道を使おうとした時も、寝台を動かしていたな。
あの部屋がどうなったのかは分からないが、もしかすると物置にでも鳴っているのかもしれない。
そうすると――
「分かった。僕がやるよ」
「ダメですよ」
イオが身を乗り出してきたが、もちろん止めねばなるまい。
ドラゴンの力をもってすれば上に何が積んであろうが、吹っ飛ばすのは造作も無いだろうが、そんな事をされては後宮どころか宮城の方にまで破壊音が轟く事になる。
あっという間に兵士が群れと押し寄せて、イオと一大決戦という羽目になる。
オレはまだしもマルキウス達が危険だし、どうなろうと多大な犠牲は避けられない。
「ここは私がどうにかしましょう」
「どうされるおつもりですか?」
「大地の精霊にお願いします。皆さんは下がっていて下さい」
オレは『精霊使い』の魔法で大地の精霊を呼び出す。
しばらくして地下道の壁が脈打ち始める。
どうやら大地の精霊が集まってきたらしい。
もちろんあまり大ごとにはしたくないので、ここは一時的に穴を開けてもらうぐらいにしておこう――それでも慎重に進めないといけないが。
しばらくして精霊が掘り進んだ道の先に光が見えてきた。
大地の精霊にとって土に触れているものは一目瞭然だから、何も塞いでいないところに道をもうけるのは造作も無いのだ。
「わたしが先に行きますので、皆さんは後からついてきて下さい」
「それは危険ではありませんか?」
「どうせ僕たちが先に行っても何も出来ないだろう。ここは黙って『僕のアルタシャ』を信じるべきだ」
心配げなミツリーンに対し、テセルは相変わらず図々しい事を口にする。
取りあえず先に登り、周囲を見回したところ思った通り、オレがファーストキスを奪われた『ユリフィラスの部屋』だった。
別に物置にされていたわけではないが、脱出路の上には埃にまみれた寝床が置かれていて、がっちりと蓋をしている。
今のところは誰かに見つかっている様子もないようで、周囲は静かなものだ。
「それではなるだけ静かに上がってきて……」
穴の方に声をかけようとしたところ、どういうわけかテセルがすぐ下にいて嬉しげな表情を浮かべていた。
「いやあ。素晴らしい眼福だったよ」
どういう意味だ? と思った瞬間、オレの『自称婚約者』が何をやらかしたのかはすぐに見当がついた。
この野郎! オレが上に向かう道を登っている時に、下から覗いてやがったのか!
「どうかしたのかい? 僕は婚約者なのだから、どこをどれだけ見ようがアルタシャが気にする事はないだろう」
「貴様! なんという破廉恥な真似を! アルタシャ様を先に送り出したのもそれが理由か?」
ミツリーンが下から声をあげるが、これ以上、騒いだらこっそりと潜入しているのが台無しになりかねない。
ここはぐっとこらえるしかないのだ。
テセルはそれを分かっていてやったとしたら、相変わらずとんでもないセクハラ野郎だ。
「ミツリーンさん。今は我慢して下さい」
「ぐ……ぐぐ……」
「ははは。まあ当然だろうな。お前と僕とではアルタシャとの絆が違うのだ」
ミツリーンが引き下がったところで、テセルが下からガン見する視線は変わらない。
オレがかばったのを、激しく勘違いしているのか、それとも故意にねじ曲げているのか。
それなら大地の精霊に頼んで、首から下まで埋めてやろうかという気にもなる。
「もう急いで登って来て下さい。これ以上、調子に乗っているとそれが『この世で最後に見た光景』になるかもしれませんよ」
「それは困るな。僕はアルタシャの全てをこの目に焼き付けたいのであって、これだけではまだまだ足りないよ」
「前にも言った覚えがありますけど、テセルには品性が足りないと思うのですけどね」
一瞬だがのぞき込むテセルの顔面を蹴りつけてやろうかと思ったぐらいだ。
こんなところで無駄に自制心を消耗させられるとは、本当にコイツはどこまでも空気の読めない男ではあるな。
しかしコイツに頼らねばならない面もあるのは不本意な事実であり、なんだかんだ言いながらも友人の一人でもあるわけだ。
まあミツリーンのように殆ど『崇拝』されるよりはまだマシの気もするし、こうやって付き合って行くしかないのだなあ。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる