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第24章 全てはアルタシャのために?
第1134話 久しぶりの皇帝陛下は
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本当にウァリウスは神造者の作ったまがい物に心を動かされなかったのだろうか?
正直に言って男のオレがウァリウスの立場だったら『アルタシャ』と見た目も中身もそっくりで、なおかつ従順に言う事を聞いてくれて、寝床で毎晩サービスしてくれる相手を提供されたらあっさり転ぶだろう。
どこまで本当か分からないが、確認しておかねばならない事がある。
「神造者はわたしの『まがい物』をあなたに見せたのですか?」
「いや。僕が断ったら、それは諦めたらしい。だから見ていないよ」
それは神造者の意図がよく分からないな。
オレが感覚を共有している神造者が作った『化身』について言えば、夢の中で自分の身体なのかコピーの見分けがつかないぐらいだ。
いったん断れられてもそれをウァリウスに見せたら、心変わりする可能性は十分にあるのではないか――オレ自身がそうなると思うから。
もちろん夢の中の事だから明言は出来ないが、もともとが通常の化身とは違う『神造者のコピー』にはオレを知っている相手には分かる何か問題でもあるかもしれない。
いや。そこを想像したところで、答えが出る筈もないのだ。
優先順位からすればここからウァリウスを連れ出した後にどうするかだな。
「この後宮から出た後、どうすればいいでしょうか?」
「もちろんアルタシャとの結婚式を――」
「こちらは真面目に聞いているんです」
テセル達が文句を言う前に、オレがウァリウスに釘を刺す。
どうしてオレの周りにはテセルといいウァリウスといい、セクハラを平然とかます連中ばかりなのだろうな?
もちろんオレの見た目がそんな奴らを惹き付けているだけなのだが。
「僕だって真面目に答えているつもりなのだけど……仕方ないな」
ウァリウスはオレが結婚するつもりが無い事を理解した様子で、小さく肩を落とすが、すぐに切り替えた様子だ。
「先ほど言ったように神造者の味方についている貴族は決して多くはない。だからこそ僕をこのように拘束して他の貴族達と接触させないようにしているんだろう」
「そうするとあなたが表に出て、その貴族達を解任すればいいのですか?」
「もちろんそれで片付けばいいのだけど貴族達はともかく軍の内部も割れてしまって下手をすれば内戦になりかねない。そのような事はアルタシャの意には反するだろう?」
「断っておきますけど、あなたとの結婚を公表し、皆を黙らせるなんて方策は受け入れませんよ」
前もってオレが釘を刺すと、ウァリウスは少しばかり悲しげな表情を浮かべる。
「そこまで言い切られると僕としても辛いなあ」
申し訳無いが、この場合は結婚の見込みがあるような事を口にして期待を持たせる方がよっぽど残酷というものだろう。
「ただ宰相達が文句を言えないように手助けはするつもりですよ」
「どうするんだい?」
オレはここで今まで事情が何も分からないので、退屈そうに沈黙していたイオに話を振ることにした。
「イオ。少しばかりお願い出来ますか?」
「アルタシャの願いなら何でもいいよ!」
話に入れず、少しばかり疎外感を抱いていたらしいイオは喜んでオレに飛びついてくる。
「その少年がどうかしたのかい?」
「そうじゃ。なぜそんな子供をここまで連れてきたのじゃ? いったい何のために?」
イオの正体がドラゴンである事を知らなければ、その疑問は当然と言えば当然だな。
「よくよく見ると……その少年はアルタシャによく似ているけど……」
ウァリウスはここで小さく驚いた表情を浮かべる。
「まさか?! このイオという少年は君の息子?!」
「そんなわけありません!」
どういう発想をしたら以前にウァリウスと別れてたった一年でこんなに大きな子供が出来たりするんだ。
もっともイオは卵からオレの魔力を受けて急速に成長したのだからある意味で『子供』に近いのかもしれないが。
「ああ。すまない。アルタシャが僕と結婚する意思がないというので、もう別の誰かと結ばれて子供までいるのかと疑ってしまったよ」
「分かってくれたらいいのです。それでは話を続けますけど、今はこの通りの少年の姿ですけど、イオの正体はドラゴンなのです」
「何だって? そんな?!」
「それは真かの?」
さすがに二人とも驚いたか。まあ口にしたのがオレでなかったら、そもそもヨタ話としか思わなかったろう。
「まったく……ドラゴンに皇帝とは……アルタシャの男遍歴も相当なものだな」
「相変わらずお前の発言には品がなさ過ぎるぞ」
イオの正体を知っていたテセルとミツリーンはまた二人でやりとりしているが、やっぱり少しは仲良くなってくれたのだろうか?
「本当ですよ。このわたしが言うのだから信じて下さい」
「確かにアルタシャが言うなら信じるしかないけど……ドラゴンとは本当に驚いたよ。先日は『男でも回復魔法が使う事が出来る』事を成し遂げたけど、君には出来ない事は無いのかと思えるほどだね」
「それはどうも……」
その話を持ち出されると、正直に言ってこちらの気分はよくないので話を続ける事にしようと思ったところ、弘徽殿の周囲が妙に騒がしくなってくる。
まさか?! いつものように不吉な予感を抱いたところ、オレの脳裏に守護精霊の言葉が響いてくる。
『申し訳ありません。どうやらあなたの事が気付かれていたようです』
何だって? この守護精霊は弘徽殿周辺しか力が及ばないと言っていたけどやっぱり頼りにならなかったな。
まあいい。こうなったらやるべき事が明白になっただけだ。
困った時のドラゴン頼みと言う事になるわけだがな。
正直に言って男のオレがウァリウスの立場だったら『アルタシャ』と見た目も中身もそっくりで、なおかつ従順に言う事を聞いてくれて、寝床で毎晩サービスしてくれる相手を提供されたらあっさり転ぶだろう。
どこまで本当か分からないが、確認しておかねばならない事がある。
「神造者はわたしの『まがい物』をあなたに見せたのですか?」
「いや。僕が断ったら、それは諦めたらしい。だから見ていないよ」
それは神造者の意図がよく分からないな。
オレが感覚を共有している神造者が作った『化身』について言えば、夢の中で自分の身体なのかコピーの見分けがつかないぐらいだ。
いったん断れられてもそれをウァリウスに見せたら、心変わりする可能性は十分にあるのではないか――オレ自身がそうなると思うから。
もちろん夢の中の事だから明言は出来ないが、もともとが通常の化身とは違う『神造者のコピー』にはオレを知っている相手には分かる何か問題でもあるかもしれない。
いや。そこを想像したところで、答えが出る筈もないのだ。
優先順位からすればここからウァリウスを連れ出した後にどうするかだな。
「この後宮から出た後、どうすればいいでしょうか?」
「もちろんアルタシャとの結婚式を――」
「こちらは真面目に聞いているんです」
テセル達が文句を言う前に、オレがウァリウスに釘を刺す。
どうしてオレの周りにはテセルといいウァリウスといい、セクハラを平然とかます連中ばかりなのだろうな?
もちろんオレの見た目がそんな奴らを惹き付けているだけなのだが。
「僕だって真面目に答えているつもりなのだけど……仕方ないな」
ウァリウスはオレが結婚するつもりが無い事を理解した様子で、小さく肩を落とすが、すぐに切り替えた様子だ。
「先ほど言ったように神造者の味方についている貴族は決して多くはない。だからこそ僕をこのように拘束して他の貴族達と接触させないようにしているんだろう」
「そうするとあなたが表に出て、その貴族達を解任すればいいのですか?」
「もちろんそれで片付けばいいのだけど貴族達はともかく軍の内部も割れてしまって下手をすれば内戦になりかねない。そのような事はアルタシャの意には反するだろう?」
「断っておきますけど、あなたとの結婚を公表し、皆を黙らせるなんて方策は受け入れませんよ」
前もってオレが釘を刺すと、ウァリウスは少しばかり悲しげな表情を浮かべる。
「そこまで言い切られると僕としても辛いなあ」
申し訳無いが、この場合は結婚の見込みがあるような事を口にして期待を持たせる方がよっぽど残酷というものだろう。
「ただ宰相達が文句を言えないように手助けはするつもりですよ」
「どうするんだい?」
オレはここで今まで事情が何も分からないので、退屈そうに沈黙していたイオに話を振ることにした。
「イオ。少しばかりお願い出来ますか?」
「アルタシャの願いなら何でもいいよ!」
話に入れず、少しばかり疎外感を抱いていたらしいイオは喜んでオレに飛びついてくる。
「その少年がどうかしたのかい?」
「そうじゃ。なぜそんな子供をここまで連れてきたのじゃ? いったい何のために?」
イオの正体がドラゴンである事を知らなければ、その疑問は当然と言えば当然だな。
「よくよく見ると……その少年はアルタシャによく似ているけど……」
ウァリウスはここで小さく驚いた表情を浮かべる。
「まさか?! このイオという少年は君の息子?!」
「そんなわけありません!」
どういう発想をしたら以前にウァリウスと別れてたった一年でこんなに大きな子供が出来たりするんだ。
もっともイオは卵からオレの魔力を受けて急速に成長したのだからある意味で『子供』に近いのかもしれないが。
「ああ。すまない。アルタシャが僕と結婚する意思がないというので、もう別の誰かと結ばれて子供までいるのかと疑ってしまったよ」
「分かってくれたらいいのです。それでは話を続けますけど、今はこの通りの少年の姿ですけど、イオの正体はドラゴンなのです」
「何だって? そんな?!」
「それは真かの?」
さすがに二人とも驚いたか。まあ口にしたのがオレでなかったら、そもそもヨタ話としか思わなかったろう。
「まったく……ドラゴンに皇帝とは……アルタシャの男遍歴も相当なものだな」
「相変わらずお前の発言には品がなさ過ぎるぞ」
イオの正体を知っていたテセルとミツリーンはまた二人でやりとりしているが、やっぱり少しは仲良くなってくれたのだろうか?
「本当ですよ。このわたしが言うのだから信じて下さい」
「確かにアルタシャが言うなら信じるしかないけど……ドラゴンとは本当に驚いたよ。先日は『男でも回復魔法が使う事が出来る』事を成し遂げたけど、君には出来ない事は無いのかと思えるほどだね」
「それはどうも……」
その話を持ち出されると、正直に言ってこちらの気分はよくないので話を続ける事にしようと思ったところ、弘徽殿の周囲が妙に騒がしくなってくる。
まさか?! いつものように不吉な予感を抱いたところ、オレの脳裏に守護精霊の言葉が響いてくる。
『申し訳ありません。どうやらあなたの事が気付かれていたようです』
何だって? この守護精霊は弘徽殿周辺しか力が及ばないと言っていたけどやっぱり頼りにならなかったな。
まあいい。こうなったらやるべき事が明白になっただけだ。
困った時のドラゴン頼みと言う事になるわけだがな。
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