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第24章 全てはアルタシャのために?
第1174話 際限を越えて極めると
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オレは不安に胸をわしづかみにされた状態でエルウリンに問いかける。
「もしかすると……わたしの化身を受け取った神造者は、みんなあなたへの祈りをしなくなるのですか?」
『全員というワケでは無いが……そうなる者が少なからず出てしまうのだよ』
そう言ってエルウリン神は表情を曇らせる。
『不完全な吾の創造物によほど不満があったのだろう。本当に残念な事だ』
「それは違うと思いますけど……」
むしろ不完全だったからこそ、のめり込んでしまった可能性が高いと思うのだが、たぶんコイツはそういう人間の心理というものは一切理解していないし、たぶん出来ないのだろう。
人造の神だから当然「かつて人間だった時期」は存在しないからな。
『そなたの完全な複製を作る必要があるのだ。そのためにその身体も心も隅々まで吾に調べさせてくれ』
もうオレの体を好きにしていいと言ったら土下座でもしかねない勢いだな。
「だからダメだと言っているでしょう!」
本人は意識していないだろうけど、どう見ても今のエルウリン神の姿は『一度やらせてくれ』と一方的に迫ってくるみっともない男の姿そのものだ。
『どうしてもダメなのか?』
「当たり前でしょう! そもそもわたしはその化身を作るのを辞めて欲しくでここまで来たのです!」
『それならば仕方ないな』
エルウリンは小さくため息をつく。
もしかして腕尽くでオレをチョメチョメするつもりなのか?
ここはこの神の領域だから、逃げる事すら出来ないだろう。
もしかするとオレは自分から最悪の場所に飛び込んでしまったのか。
背筋が寒くなったところで、エルウリンは急に肩を落とす。
『やむを得ないな。やはり私には不完全なものしか作る事は出来ないと言うことか』
おや? 随分とあっさりと諦めたのか?
「いいのですか? そんなに簡単に諦めて」
『吾は創造しか許されぬ存在だ。相手の望まぬ事を強制は出来ぬ』
オレのコピーを簡単に作る事の出来る能力のどこが『創造しか』なのか分からないというか、それだけで十分過ぎる気がするのだが。
しかしこの神にとっては自分の力について大いに不満があるらしい。
芸術家気質の人間が完璧を求めるとどこまでも突き詰めてしまうのはよく聞く話だ。
自分の創造物に少しでも瑕疵があるのが許せないのだろう。
神として与えられた権能には忠実だが、それ故にこそ際限が無いのだろう。
『故に望まれぬものを作る事も出来ないし、拒絶されては調べることもかなわぬ。神とは名ばかりの無力なものだ』
いや。あんたはそこらに掃いて捨てるほどいる小神はもちろん、さっき見かけた廃神などとは比べものにならない偉大な神だろうが。
だけどコイツは自分自身の境遇しか知らないから、どれほど恵まれているのかなど創造すら出来ないのだろうな。
オレも他者から羨望されたり嫉妬されたりするのはしょっちゅうだけど、自分自身では全く満足も納得もしていない。
そういう意味ではオレとコイツは近しい存在なのかもしれないな。
少しばかり近親感を抱いてしまったよ。
しかしエルウリンに話をしてもオレのコピーを創造するのを辞めさせる事が出来ない以上、ここはもう引き上げるしかないのか。
『今のまま不完全な貴女を作り続けるのは我が心が痛む……だが創造する事は辞められぬ……ならば!』
ここで周囲の機械の動きが急に激しくなる。
なんだ? エルウリンは何をするつもりなんだ?
『更なる力を込めて、完璧な……いや。本物以上のアルタシャを作り出すしかない!』
おい! それはどういう意味だ?
もしかしてもっと多くの化身を量産し、その中から本物以上の存在が創造出来るようにするつもりなのか?
「待って下さい! そんな事をしたらあなたの力が枯渇するのでは無いのですか?!」
いくら神でも無尽蔵の力などあり得ない。
その力の源は信徒の捧げた崇拝に基づく霊力の筈だ。
いかにこの神が崇拝を受けていようと、オレの化身を作るだけの力が湧いて出てくる筈が無いのだ。
『心配はいらない。この吾はいくらでも力を引き出すことができるのだ』
何だって? それはいったいどういう事だ?
確かに見ている限り、エルウリンの力がどんどん増しているのは間違いない!
いったいどこから力を引き出しているんだ?
まさか?! 思い当たるところがひとつだけあるぞ!
先ほど見かけたあの荒廃した神界だ!
もしかするとエルウリンはあの神界から力を無理矢理に汲み上げて、それで世界を荒廃させてしまっているのかもしれない。
そうか。
いくら神の力といえど、そんなに簡単に信徒が望むものを創造出来るはずがない。
だから足りない分は神界を形成する霊力を引き出しているのだろう。
もちろん通常の神はそんな事は出来ない。
だがこいつは神造者が作り出した神だ。
エネルギー源に直接、自分に捧げられたものではない霊力を使うことが可能であっても不思議ではない。
そしてエルウリンは自分の創造物に対して妥協しない姿勢から、際限なく神界から力を汲み上げてしまっているのではないか。
「もしかすると……わたしの化身を受け取った神造者は、みんなあなたへの祈りをしなくなるのですか?」
『全員というワケでは無いが……そうなる者が少なからず出てしまうのだよ』
そう言ってエルウリン神は表情を曇らせる。
『不完全な吾の創造物によほど不満があったのだろう。本当に残念な事だ』
「それは違うと思いますけど……」
むしろ不完全だったからこそ、のめり込んでしまった可能性が高いと思うのだが、たぶんコイツはそういう人間の心理というものは一切理解していないし、たぶん出来ないのだろう。
人造の神だから当然「かつて人間だった時期」は存在しないからな。
『そなたの完全な複製を作る必要があるのだ。そのためにその身体も心も隅々まで吾に調べさせてくれ』
もうオレの体を好きにしていいと言ったら土下座でもしかねない勢いだな。
「だからダメだと言っているでしょう!」
本人は意識していないだろうけど、どう見ても今のエルウリン神の姿は『一度やらせてくれ』と一方的に迫ってくるみっともない男の姿そのものだ。
『どうしてもダメなのか?』
「当たり前でしょう! そもそもわたしはその化身を作るのを辞めて欲しくでここまで来たのです!」
『それならば仕方ないな』
エルウリンは小さくため息をつく。
もしかして腕尽くでオレをチョメチョメするつもりなのか?
ここはこの神の領域だから、逃げる事すら出来ないだろう。
もしかするとオレは自分から最悪の場所に飛び込んでしまったのか。
背筋が寒くなったところで、エルウリンは急に肩を落とす。
『やむを得ないな。やはり私には不完全なものしか作る事は出来ないと言うことか』
おや? 随分とあっさりと諦めたのか?
「いいのですか? そんなに簡単に諦めて」
『吾は創造しか許されぬ存在だ。相手の望まぬ事を強制は出来ぬ』
オレのコピーを簡単に作る事の出来る能力のどこが『創造しか』なのか分からないというか、それだけで十分過ぎる気がするのだが。
しかしこの神にとっては自分の力について大いに不満があるらしい。
芸術家気質の人間が完璧を求めるとどこまでも突き詰めてしまうのはよく聞く話だ。
自分の創造物に少しでも瑕疵があるのが許せないのだろう。
神として与えられた権能には忠実だが、それ故にこそ際限が無いのだろう。
『故に望まれぬものを作る事も出来ないし、拒絶されては調べることもかなわぬ。神とは名ばかりの無力なものだ』
いや。あんたはそこらに掃いて捨てるほどいる小神はもちろん、さっき見かけた廃神などとは比べものにならない偉大な神だろうが。
だけどコイツは自分自身の境遇しか知らないから、どれほど恵まれているのかなど創造すら出来ないのだろうな。
オレも他者から羨望されたり嫉妬されたりするのはしょっちゅうだけど、自分自身では全く満足も納得もしていない。
そういう意味ではオレとコイツは近しい存在なのかもしれないな。
少しばかり近親感を抱いてしまったよ。
しかしエルウリンに話をしてもオレのコピーを創造するのを辞めさせる事が出来ない以上、ここはもう引き上げるしかないのか。
『今のまま不完全な貴女を作り続けるのは我が心が痛む……だが創造する事は辞められぬ……ならば!』
ここで周囲の機械の動きが急に激しくなる。
なんだ? エルウリンは何をするつもりなんだ?
『更なる力を込めて、完璧な……いや。本物以上のアルタシャを作り出すしかない!』
おい! それはどういう意味だ?
もしかしてもっと多くの化身を量産し、その中から本物以上の存在が創造出来るようにするつもりなのか?
「待って下さい! そんな事をしたらあなたの力が枯渇するのでは無いのですか?!」
いくら神でも無尽蔵の力などあり得ない。
その力の源は信徒の捧げた崇拝に基づく霊力の筈だ。
いかにこの神が崇拝を受けていようと、オレの化身を作るだけの力が湧いて出てくる筈が無いのだ。
『心配はいらない。この吾はいくらでも力を引き出すことができるのだ』
何だって? それはいったいどういう事だ?
確かに見ている限り、エルウリンの力がどんどん増しているのは間違いない!
いったいどこから力を引き出しているんだ?
まさか?! 思い当たるところがひとつだけあるぞ!
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もしかするとエルウリンはあの神界から力を無理矢理に汲み上げて、それで世界を荒廃させてしまっているのかもしれない。
そうか。
いくら神の力といえど、そんなに簡単に信徒が望むものを創造出来るはずがない。
だから足りない分は神界を形成する霊力を引き出しているのだろう。
もちろん通常の神はそんな事は出来ない。
だがこいつは神造者が作り出した神だ。
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