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第24章 全てはアルタシャのために?
第1187話 現世に戻ると
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神界に飛び込んでから一日も経っていない筈なのだが、随分と長い時間をあそこで過ごした気がする。
しかし眼下の光景は驚く程、変わってしまっていた。
まるで大地震でも起きたのかのように、フォンリット帝国首都グレイスフルは多くの建物が倒壊し、城壁は崩れ、無数の人間が恐慌状態に陥っている様子だった。
ただ城壁の外には被害が及んでいないとまではいかないまでも、比較的マシな様子でありどうやらこの惨事の『震源地』はグレイスフルの中央部のようだ。
以前にテセルから聞いたところでは、神造者の建設した街は規格化され、中央広場に信仰の力が集まるように造られていると言う事だが、それ故にこそ今度の事件では被害がそこに集中してしまったのだな。
広場の周辺に建てられた壮麗だった大寺院はいずれも大きな被害を受けていて、必死の救助作業が行われているらしい。
幸か不幸か、聖女教会は中心部から外れていたので被害は比較的小さかったらしく、今は救助を手伝っている様子だ。
このグレイスフルは神界の影響を一番大きく受けたのは間違い無いが、恐らく神造者に関わる他の地域でも被害の大小はともかく、同じような惨事を招いているに違いない。
ただ今のところ被害の拡大は収まっているようだ。
大勢の犠牲が出たことは心が痛むが、こうなったらオレにも出来る事をするしかない。
だがそう思ったとき、再び地面が揺れはじめたらしく、中央広場に。
まさか? まだ終わっていないのか?
いや。違う。見たところこの中央広場の更にその中心部で異常が起きている様子だ。
このまま一気に着地するか?
それはまずいな。ただでさえ混乱しているところにドラゴンのイオが降りてきたら、それこそパニックになりかねない。
仕方ないからここはオレひとりで降りるとしよう。
「すいません。イオは離れたところに飛んで下さい。わたしはひとりで降ります」
「ええ?! どういうことだよ?」
「説明している時間はありません!」
ひとまず『精霊使い』の魔法で風の精霊を呼ぶ。
これでは自在に空を飛ぶような真似は出来ないが、高空から安全に着地ぐらいなら出来る筈だ。
「それではイオには皆さんの事を頼みましたよ!」
「ちょっと待ってよ!」
一同の文句を振り切って、オレは風の精霊に包まれつつ中央広場へと向かった。
オレが降りたところで周囲の人々はいずれも呆然とこちらを見つめている。
あれ? これだけ緊急事態なのになんでオレに注目しているんだ? などと思ったけど上空を舞っていたドラゴンがイヤでも注目を浴びていたのに、そこから降りてきた『乙女』となれば、否応なしに人目を釘付けにするのは当然か。
今のオレは『着色』で染めていた髪も金髪に戻っているし、何よりついさっき『アルタシャ』の名前で大陸中に呼びかけてしまったからな。
よくよく見ると聖女達はオレを見てひざまずいているし、それに釣られてひれ伏しているのが大勢いるぞ。
こうなると殆ど『女神様の降臨』と言ってもいい光景だろう。
だけどこの状況なんだから、救助活動を優先しろよ!
オレが着地すると、慌てて駆け寄ってきたのは先ほど聖女教会で出会った大神官だ。
「アルタシャ様! よくぞおいで下さいました!」
「わたしの事はいいですから、救助と避難を優先させて下さい!」
「これは……申し訳ありません。あなた様ならば当然の事でございましょう」
大神官はそこで他の聖女達に治療活動を優先させるように指示する。
「先ほどアルタシャ様が、大陸中に呼びかけた声は我らにも届いておりました。聖女教会は人々を救うために全力を持って活動しております」
「それはいいのですが、なるだけ急いでこの中央広場から人々を避難させて下さい。恐らくここが次の――」
オレがそこまで口にしたところで、改めて地面が揺れる。
そして中央広場の更にその中心部に一気に亀裂が入った。
だがそれはこのときの異変のほんのきっかけでしかなかったのだ。
その亀裂からはぬるぬるした液体に覆われた、おぞましい腕が突き出て周囲を探るように動き回っていたのである。
しかし眼下の光景は驚く程、変わってしまっていた。
まるで大地震でも起きたのかのように、フォンリット帝国首都グレイスフルは多くの建物が倒壊し、城壁は崩れ、無数の人間が恐慌状態に陥っている様子だった。
ただ城壁の外には被害が及んでいないとまではいかないまでも、比較的マシな様子でありどうやらこの惨事の『震源地』はグレイスフルの中央部のようだ。
以前にテセルから聞いたところでは、神造者の建設した街は規格化され、中央広場に信仰の力が集まるように造られていると言う事だが、それ故にこそ今度の事件では被害がそこに集中してしまったのだな。
広場の周辺に建てられた壮麗だった大寺院はいずれも大きな被害を受けていて、必死の救助作業が行われているらしい。
幸か不幸か、聖女教会は中心部から外れていたので被害は比較的小さかったらしく、今は救助を手伝っている様子だ。
このグレイスフルは神界の影響を一番大きく受けたのは間違い無いが、恐らく神造者に関わる他の地域でも被害の大小はともかく、同じような惨事を招いているに違いない。
ただ今のところ被害の拡大は収まっているようだ。
大勢の犠牲が出たことは心が痛むが、こうなったらオレにも出来る事をするしかない。
だがそう思ったとき、再び地面が揺れはじめたらしく、中央広場に。
まさか? まだ終わっていないのか?
いや。違う。見たところこの中央広場の更にその中心部で異常が起きている様子だ。
このまま一気に着地するか?
それはまずいな。ただでさえ混乱しているところにドラゴンのイオが降りてきたら、それこそパニックになりかねない。
仕方ないからここはオレひとりで降りるとしよう。
「すいません。イオは離れたところに飛んで下さい。わたしはひとりで降ります」
「ええ?! どういうことだよ?」
「説明している時間はありません!」
ひとまず『精霊使い』の魔法で風の精霊を呼ぶ。
これでは自在に空を飛ぶような真似は出来ないが、高空から安全に着地ぐらいなら出来る筈だ。
「それではイオには皆さんの事を頼みましたよ!」
「ちょっと待ってよ!」
一同の文句を振り切って、オレは風の精霊に包まれつつ中央広場へと向かった。
オレが降りたところで周囲の人々はいずれも呆然とこちらを見つめている。
あれ? これだけ緊急事態なのになんでオレに注目しているんだ? などと思ったけど上空を舞っていたドラゴンがイヤでも注目を浴びていたのに、そこから降りてきた『乙女』となれば、否応なしに人目を釘付けにするのは当然か。
今のオレは『着色』で染めていた髪も金髪に戻っているし、何よりついさっき『アルタシャ』の名前で大陸中に呼びかけてしまったからな。
よくよく見ると聖女達はオレを見てひざまずいているし、それに釣られてひれ伏しているのが大勢いるぞ。
こうなると殆ど『女神様の降臨』と言ってもいい光景だろう。
だけどこの状況なんだから、救助活動を優先しろよ!
オレが着地すると、慌てて駆け寄ってきたのは先ほど聖女教会で出会った大神官だ。
「アルタシャ様! よくぞおいで下さいました!」
「わたしの事はいいですから、救助と避難を優先させて下さい!」
「これは……申し訳ありません。あなた様ならば当然の事でございましょう」
大神官はそこで他の聖女達に治療活動を優先させるように指示する。
「先ほどアルタシャ様が、大陸中に呼びかけた声は我らにも届いておりました。聖女教会は人々を救うために全力を持って活動しております」
「それはいいのですが、なるだけ急いでこの中央広場から人々を避難させて下さい。恐らくここが次の――」
オレがそこまで口にしたところで、改めて地面が揺れる。
そして中央広場の更にその中心部に一気に亀裂が入った。
だがそれはこのときの異変のほんのきっかけでしかなかったのだ。
その亀裂からはぬるぬるした液体に覆われた、おぞましい腕が突き出て周囲を探るように動き回っていたのである。
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