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第24章 全てはアルタシャのために?
第1186話 創造神の最期を看取って
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つい先ほどまで盛大に動いていた巨大な設備が急速に停止していく事が、部外者であるオレにも感じられた。
加えて信徒達との繋がりが断ち切れていくのも、オレの『霊視』の感覚で見ていれば分かった。
そしてそれは間違いなく、目の前にいるエルウリン神の化身こそが最も深刻に感じ取っているはずだ。
実際に見ていると先ほどまでの、力溢れる精悍な男性の姿がどんどん生気を失い、ただの石像へと化していくかのように感じられるぞ。
『どうやら吾がこの姿を維持できるのも、ここまでのようだ。それでは失礼させてもらいたい』
エルウリン自身が己の『神としての死』を自覚したらしく、重そうな足取りで立ち去ろうとするが、オレは思わず声をかける。
「待ってください――」
『吾も無様な姿を、そなたにはさらしたくないのだ。その程度の気持ちは汲んでくれぬか?』
「分かりました……」
そう言われるとこちらも食い下がるわけにはいかない。
そしてエルウリン神の化身はオレの前から姿を消す。
ほんのちょっとした付き合いでしかないが、それでもオレの『父』だと言ってきた相手がこのような末路を迎えると少しは気になるよ。
それと同時にオレの脳裏には、多数の悲鳴が響き渡り、精神に少なからぬ衝撃が走る。
どうやらエルウリンが創造したオレの化身達が、消滅したらしいのだ。
当然ながらその化身達を送られ、今まで愛してきた男共が先日のマニリア帝国宰相のように驚愕、狼狽してパニックに陥っているらしい。
いま大災害が引き起こされ、大陸に危機が迫っているところなのに『愛する一人の女』を優先するのは――公僕としては失格でも、男としては合格かもしれない。
しかしオレの同意無く造られた化身であっても、それが消滅する事でこちらには精神的苦痛が訪れるのはいつもながら理不尽極まり無いな。
少しばかり呆然としていたオレの耳にテセルとミツリーンの叫びが轟く。
「アルタシャ! 何をしているんだ!」
「アルタシャ様。早く逃げましょう!」
残念ながらオレには感慨にふけっている時間も無いようだ。
これまで表面的には平静だったエルウリン神の領域の空や地面には急速に亀裂が広がり崩壊が始まっていた。
ここは神造者の作った神の領域からエルウリン神が力を吸い取って維持していたわけだが、それが無くなった以上は一気に崩壊するのは当然という事になるな。
「分かりました! イオ! 改めて頼みます!」
何というか最近は『便利な足』としてイオを使い倒している気がするな。
まあコイツは人間形態ではオレの胸に飛び込んでエロい真似を繰り返しているわけだから、それが報酬だと思ってくれ。
いま現在、オレに対してそんなセクハラかませるやつはイオだけであり、その話を聞いたら知り合いの皇帝や王達が嫉妬に狂うだろう。
そしてイオの背に乗って、一同が飛び立った瞬間、全ては崩壊してエルウリン神の領域は暗黒に呑まれていった。
その光景は文字通り『世界の終わり』を思わせるものであり、オレにとっても戦慄に値するものだった。
「これは間に合わずに何もかも崩壊してしまった……という事なのでしょうか……」
オレは呆然と呟いた。
ここまで来ておいて、破滅を防げなかったのか。自分の無力さが身に染みる思いだった。
「いや。そうでもない。決定的な破滅は避けられたようだ」
「え? どういう事ですか?」
「あの空をよく見てみろよ」
テセルが指差した先には先ほどまでエルウリン神の領域であり、今は亀裂に覆われた空があった。
「あの亀裂から廃神達が入ってくるから、すぐに逃げないといけないのでしょう」
これまでのパターンからすれば、この世界にあふれつつある廃神達がエルウリン神の領域まで攻め込んで来るはず。
だがテセルはここで首を振った。
「だから違うんだ。落ち着いてよくみろよ」
だが亀裂の入った空の先には、広大な青空が広がっていた。
先ほどまでだったら、荒廃した神界の無残な姿が広がり、それが他の神界へと際限なく拡大していくばかりだった。
そうするとこの光景が意味しているのは?
「どうやら神界の崩壊は食い止められたようだな」
「本当ですか?」
思わずオレが問いかけると、ミツリーンもまた喜びの叫びをあげた。
「さすがはアルタシャ様です! あなた様には出来ない事は無いのですね!」
いくら何でも過大評価もいいところだろう。
オレはただ単に化身を創造させるのを止めさせたかっただけなのに、どうしてここまで事態が大きくなるんだろうな?
いや。今はそんな事を考えている場合では無い。
仮に最悪を避けられたとしても、こうしている間にも廃神達は暴れ回っているはずだし、神造者の最高神学会も崩壊したままだろう――何しろ多くの学会員を虜にしていたオレの化身が消滅したのだから。
この事態をどうにかするためには、まだオレに出来る事が、やらねばならない事があるのは間違い無い。
改めて決意したところで、イオが空の亀裂を越えて現実の世界へと一応は戻ってきたのだった。
加えて信徒達との繋がりが断ち切れていくのも、オレの『霊視』の感覚で見ていれば分かった。
そしてそれは間違いなく、目の前にいるエルウリン神の化身こそが最も深刻に感じ取っているはずだ。
実際に見ていると先ほどまでの、力溢れる精悍な男性の姿がどんどん生気を失い、ただの石像へと化していくかのように感じられるぞ。
『どうやら吾がこの姿を維持できるのも、ここまでのようだ。それでは失礼させてもらいたい』
エルウリン自身が己の『神としての死』を自覚したらしく、重そうな足取りで立ち去ろうとするが、オレは思わず声をかける。
「待ってください――」
『吾も無様な姿を、そなたにはさらしたくないのだ。その程度の気持ちは汲んでくれぬか?』
「分かりました……」
そう言われるとこちらも食い下がるわけにはいかない。
そしてエルウリン神の化身はオレの前から姿を消す。
ほんのちょっとした付き合いでしかないが、それでもオレの『父』だと言ってきた相手がこのような末路を迎えると少しは気になるよ。
それと同時にオレの脳裏には、多数の悲鳴が響き渡り、精神に少なからぬ衝撃が走る。
どうやらエルウリンが創造したオレの化身達が、消滅したらしいのだ。
当然ながらその化身達を送られ、今まで愛してきた男共が先日のマニリア帝国宰相のように驚愕、狼狽してパニックに陥っているらしい。
いま大災害が引き起こされ、大陸に危機が迫っているところなのに『愛する一人の女』を優先するのは――公僕としては失格でも、男としては合格かもしれない。
しかしオレの同意無く造られた化身であっても、それが消滅する事でこちらには精神的苦痛が訪れるのはいつもながら理不尽極まり無いな。
少しばかり呆然としていたオレの耳にテセルとミツリーンの叫びが轟く。
「アルタシャ! 何をしているんだ!」
「アルタシャ様。早く逃げましょう!」
残念ながらオレには感慨にふけっている時間も無いようだ。
これまで表面的には平静だったエルウリン神の領域の空や地面には急速に亀裂が広がり崩壊が始まっていた。
ここは神造者の作った神の領域からエルウリン神が力を吸い取って維持していたわけだが、それが無くなった以上は一気に崩壊するのは当然という事になるな。
「分かりました! イオ! 改めて頼みます!」
何というか最近は『便利な足』としてイオを使い倒している気がするな。
まあコイツは人間形態ではオレの胸に飛び込んでエロい真似を繰り返しているわけだから、それが報酬だと思ってくれ。
いま現在、オレに対してそんなセクハラかませるやつはイオだけであり、その話を聞いたら知り合いの皇帝や王達が嫉妬に狂うだろう。
そしてイオの背に乗って、一同が飛び立った瞬間、全ては崩壊してエルウリン神の領域は暗黒に呑まれていった。
その光景は文字通り『世界の終わり』を思わせるものであり、オレにとっても戦慄に値するものだった。
「これは間に合わずに何もかも崩壊してしまった……という事なのでしょうか……」
オレは呆然と呟いた。
ここまで来ておいて、破滅を防げなかったのか。自分の無力さが身に染みる思いだった。
「いや。そうでもない。決定的な破滅は避けられたようだ」
「え? どういう事ですか?」
「あの空をよく見てみろよ」
テセルが指差した先には先ほどまでエルウリン神の領域であり、今は亀裂に覆われた空があった。
「あの亀裂から廃神達が入ってくるから、すぐに逃げないといけないのでしょう」
これまでのパターンからすれば、この世界にあふれつつある廃神達がエルウリン神の領域まで攻め込んで来るはず。
だがテセルはここで首を振った。
「だから違うんだ。落ち着いてよくみろよ」
だが亀裂の入った空の先には、広大な青空が広がっていた。
先ほどまでだったら、荒廃した神界の無残な姿が広がり、それが他の神界へと際限なく拡大していくばかりだった。
そうするとこの光景が意味しているのは?
「どうやら神界の崩壊は食い止められたようだな」
「本当ですか?」
思わずオレが問いかけると、ミツリーンもまた喜びの叫びをあげた。
「さすがはアルタシャ様です! あなた様には出来ない事は無いのですね!」
いくら何でも過大評価もいいところだろう。
オレはただ単に化身を創造させるのを止めさせたかっただけなのに、どうしてここまで事態が大きくなるんだろうな?
いや。今はそんな事を考えている場合では無い。
仮に最悪を避けられたとしても、こうしている間にも廃神達は暴れ回っているはずだし、神造者の最高神学会も崩壊したままだろう――何しろ多くの学会員を虜にしていたオレの化身が消滅したのだから。
この事態をどうにかするためには、まだオレに出来る事が、やらねばならない事があるのは間違い無い。
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