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第24章 全てはアルタシャのために?
第1204話 「先達」と「後進」の宿命とは
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こいつらが、というよりは、こいつらもまた神造者に関係しているのは間違い無い。
ここまでくると神造者の存在そのものが、もう何でもかんでも「こんなことは○○の仕業だ!」と言われる悪の秘密結社並にロクでもないと思えてくる。
だが元の世界でも「超大国」や「巨大企業」がいろいろと世界に問題を引き起こしていた。
別にそいつらが分かりやすい巨悪だったわけではなく、デカいというだけであちこちに歪みを生んで、そこにいろいろな「人間のサガ」が絡んだ結果だったようだがな。
つまりこれもそれに近い存在だろう。
「教えて下さい。あなたは何を奪われたのですか?」
〈本来、我らが得るべき力……〉
〈受けるべき名声……〉
〈卑劣にも奪われた〉
もしかして「先人に対する嫉妬」が原因なのか?
確かに「偉大な先人」であってもずっと後の人間から見れば、とんでもない間違いを犯していたり技術的にも稚拙だったりする事は決して珍しくは無い。
日本の漫画の基礎を作り「漫画の神様」と讃えられた巨匠でも、その後期には次々に現れる新しい才能に打ちのめされ、追い越される事に悩んでいたという話を聞いた事がある。
もちろんそのような先人が切り開いたからこそ「新しい才能」もまた芽生えたのは間違い無い。
それをずっと発展した後世の立場から見れば「あの程度で『神様』『巨匠』なのかよ」と見下し、それでも世間的な評価が圧倒的に「先人」が高いのを見て嫉妬する気持ちが出る事はおかしくはないだろう。
だがそれで何もかも破壊してのみ込むほどの、強い感情が生まれるだろうか?
たぶん違う。
彼らは本当に強い恨みを抱き、ここにいる廃神達を襲って取り込み、神造者の領域を喰らっている事が感じ取れるのだ。
『辞めろ! お前たちも神造者だったのではないのか! なぜこのような真似をする!』
ジストルもようやく連中がなんなのか気付いたようだ。つい先ほど「自分を貶めた現在の神造者」を潰そうとした癖によくまあ厚かましくも言えたものだ。
〈お前たちが本来は我らが受けるべき力を盗んだのだろうが……〉
〈そうだ。我らはお前の教えに従い、正しい崇拝を極めたにも関わらず、それらは既に奪われた後だった……〉
〈我らは騙されたのだ〉
そうか。やっぱりなんとなく思った通りだ。
オレは思わずジストルに問いかける。
「もしかして……『正しい神話』を構築する最中に、あなたたちは自分達だけが恩恵を特別に受けるようなやり方をしていたのではないですか?」
『な?! そなたは何を言っているのだ?』
明らかにジストルは改めて動揺しているな。オレは自分の指摘の正しさを再確認したよ。
「たとえば『初めてこの儀式を執り行ったものは神の恩寵が与えられる』なんてルールを勝手に定めた神造者が大勢いたのですね? 違いますか?」
『それは……多大な労苦の元に新しくよりよい信仰を見いだした以上、それもまた必要な要素というものだ』
「でもそんな事をあなたは決して望んではいなかったのでしょう?」
『その通りだ……だがそれを止めるのは簡単では無いことはそなたならば分かるだろう!』
あっさりと認めたが要するに少なく無い神造者が「神界にこっそり自分だけの穴を開けて力を盗んでいた」わけか。
テセルから聞いたところでは、かつて神造者に存在した『解放派』は「試練を超えたものしか口にすることの出来ない『知恵の泉』を誰でも飲めるようにする」といういわば「選ばれし者」しか得られない特別な力を誰でも手が届くようにした結果、大きな支持を得たがすぐに力が枯渇して追放されてしまったそうだ。
だが神造者たちの一部は「自分を含めた都合の良い人間だけが恩恵を受ける」という裏口のやり方をしていたらしい。
それで神界にから力を得ていた、というよりは盗み続けた結果だが、おそらく表立っては大きな影響はなかったのだろう。
神造者が何百年も隆盛を誇っているのを見れば分かる。
理由は簡単で、殆どの信徒は得られる恩恵がさほど大きくないから、誰かが突出して恩恵を受けていても気付かないのだろう。
元の世界でも政治家が賄賂や脱税で私腹を肥やしていても、巧妙にやっていれば、それだけで目に見えるような影響は出ないから、そう簡単に気付かれなかったのと近いのかもしれない。
もっと言えば仮に私腹を肥やしていても、発展などの成果をあげていればその功績に影に隠れてしまっている場合も多い。
しかし当然ながらそれで割を食う連中はいる。
同じ研究をしていて僅かな差で栄光の座を奪われてしまった、と言った話はしばしば聞いた。
だがもしかすると人生を賭けて研究したものが、その真理にたどり着いたと思ったら、ずっと前に誰かによってその成果が盗み取られてしまっていたという場合すらあるだろう。
ジストル達は「後進達から時代遅れと見下され廃神に貶められた」わけだが、その一方で「先行者であるが故に後進達が本来得るべきものを奪った」連中もいたわけだ。
そしてそのどちらも自分達のやったことをこっそりと隠蔽し「神造者の作り出したカミツクリの素晴らしさ」を世界に広めて、興隆を極めていたというわけか。
どいつもこいつもみんな被害者にして加害者で、なおかつ自分達の醜聞は隠して被害者面とは、本当に神造者も同じ人間だったということだ。
ここまでくると神造者の存在そのものが、もう何でもかんでも「こんなことは○○の仕業だ!」と言われる悪の秘密結社並にロクでもないと思えてくる。
だが元の世界でも「超大国」や「巨大企業」がいろいろと世界に問題を引き起こしていた。
別にそいつらが分かりやすい巨悪だったわけではなく、デカいというだけであちこちに歪みを生んで、そこにいろいろな「人間のサガ」が絡んだ結果だったようだがな。
つまりこれもそれに近い存在だろう。
「教えて下さい。あなたは何を奪われたのですか?」
〈本来、我らが得るべき力……〉
〈受けるべき名声……〉
〈卑劣にも奪われた〉
もしかして「先人に対する嫉妬」が原因なのか?
確かに「偉大な先人」であってもずっと後の人間から見れば、とんでもない間違いを犯していたり技術的にも稚拙だったりする事は決して珍しくは無い。
日本の漫画の基礎を作り「漫画の神様」と讃えられた巨匠でも、その後期には次々に現れる新しい才能に打ちのめされ、追い越される事に悩んでいたという話を聞いた事がある。
もちろんそのような先人が切り開いたからこそ「新しい才能」もまた芽生えたのは間違い無い。
それをずっと発展した後世の立場から見れば「あの程度で『神様』『巨匠』なのかよ」と見下し、それでも世間的な評価が圧倒的に「先人」が高いのを見て嫉妬する気持ちが出る事はおかしくはないだろう。
だがそれで何もかも破壊してのみ込むほどの、強い感情が生まれるだろうか?
たぶん違う。
彼らは本当に強い恨みを抱き、ここにいる廃神達を襲って取り込み、神造者の領域を喰らっている事が感じ取れるのだ。
『辞めろ! お前たちも神造者だったのではないのか! なぜこのような真似をする!』
ジストルもようやく連中がなんなのか気付いたようだ。つい先ほど「自分を貶めた現在の神造者」を潰そうとした癖によくまあ厚かましくも言えたものだ。
〈お前たちが本来は我らが受けるべき力を盗んだのだろうが……〉
〈そうだ。我らはお前の教えに従い、正しい崇拝を極めたにも関わらず、それらは既に奪われた後だった……〉
〈我らは騙されたのだ〉
そうか。やっぱりなんとなく思った通りだ。
オレは思わずジストルに問いかける。
「もしかして……『正しい神話』を構築する最中に、あなたたちは自分達だけが恩恵を特別に受けるようなやり方をしていたのではないですか?」
『な?! そなたは何を言っているのだ?』
明らかにジストルは改めて動揺しているな。オレは自分の指摘の正しさを再確認したよ。
「たとえば『初めてこの儀式を執り行ったものは神の恩寵が与えられる』なんてルールを勝手に定めた神造者が大勢いたのですね? 違いますか?」
『それは……多大な労苦の元に新しくよりよい信仰を見いだした以上、それもまた必要な要素というものだ』
「でもそんな事をあなたは決して望んではいなかったのでしょう?」
『その通りだ……だがそれを止めるのは簡単では無いことはそなたならば分かるだろう!』
あっさりと認めたが要するに少なく無い神造者が「神界にこっそり自分だけの穴を開けて力を盗んでいた」わけか。
テセルから聞いたところでは、かつて神造者に存在した『解放派』は「試練を超えたものしか口にすることの出来ない『知恵の泉』を誰でも飲めるようにする」といういわば「選ばれし者」しか得られない特別な力を誰でも手が届くようにした結果、大きな支持を得たがすぐに力が枯渇して追放されてしまったそうだ。
だが神造者たちの一部は「自分を含めた都合の良い人間だけが恩恵を受ける」という裏口のやり方をしていたらしい。
それで神界にから力を得ていた、というよりは盗み続けた結果だが、おそらく表立っては大きな影響はなかったのだろう。
神造者が何百年も隆盛を誇っているのを見れば分かる。
理由は簡単で、殆どの信徒は得られる恩恵がさほど大きくないから、誰かが突出して恩恵を受けていても気付かないのだろう。
元の世界でも政治家が賄賂や脱税で私腹を肥やしていても、巧妙にやっていれば、それだけで目に見えるような影響は出ないから、そう簡単に気付かれなかったのと近いのかもしれない。
もっと言えば仮に私腹を肥やしていても、発展などの成果をあげていればその功績に影に隠れてしまっている場合も多い。
しかし当然ながらそれで割を食う連中はいる。
同じ研究をしていて僅かな差で栄光の座を奪われてしまった、と言った話はしばしば聞いた。
だがもしかすると人生を賭けて研究したものが、その真理にたどり着いたと思ったら、ずっと前に誰かによってその成果が盗み取られてしまっていたという場合すらあるだろう。
ジストル達は「後進達から時代遅れと見下され廃神に貶められた」わけだが、その一方で「先行者であるが故に後進達が本来得るべきものを奪った」連中もいたわけだ。
そしてそのどちらも自分達のやったことをこっそりと隠蔽し「神造者の作り出したカミツクリの素晴らしさ」を世界に広めて、興隆を極めていたというわけか。
どいつもこいつもみんな被害者にして加害者で、なおかつ自分達の醜聞は隠して被害者面とは、本当に神造者も同じ人間だったということだ。
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