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第24章 全てはアルタシャのために?
第1231話 都合良く神になるには
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いまウルハンガは何と言った?
言葉の意味は分かっていたが、正直なところそれを理解するのは難しかった、と言ってもそれは要するに現実逃避していたからではあるが。
「何を驚いているんだい? 君なら実に簡単な事だと思うけどね」
「そんなわけないでしょうが!」
思わず叫びで返してしまったが、そんなに簡単に「自分は〇〇の神になるぞ」と言って実現できたら苦労はない。
今まで出会ってきた神もその殆どは信徒によって定められた権能によって活動していた。
もちろん長い間に信仰が変質し、別の権能を有するようになった事もあって、神造者もそれを利用して神を都合よく変えていた。
しかし今、この場でオレが唱えたところで、ホイホイと「神の権能」が得られるなら、どの神も自分でやっているだろう。
神や教団が正直者とは限らないから、嘘とハッタリで信徒を増やすのも中にはいるだろう。
だがそれは神の権能が本当に増えるわけではない。
長い間、そういう嘘が広まって、信徒もみんな本気で信じたところで、ようやく本当にそんな権能を有する神になれるわけだが、もちろんそれまでそんな力は無いわけで、そこにたどり着けるのはほんの一握りだろう。
仮にそれが可能だとすれば、今度は信徒の多い人気ある権能をめぐって神様同士が争い、それが信徒の争いに繋がるという不毛極まりない事になるわけだ。
言い換えればそんな事態が起きていない以上、ここでオレが宣言したところで「神と人間を繋ぐ神」になどなれるはずがない。
今いるオレを女神と崇める信徒たちに、そのような崇拝するように頼んだとして、それが実現するのははるか未来なのは確実だ。
自分の思想が一般化するのを千年だって待てるウルハンガにすれば、大した時間ではないのかもしれないが、こっちにとってはたまったものではない。
「もしかすると僕の言葉が伝わらなかったのかな?」
「いいえはっきり伝わりましたよ。だけどとても実行は無理ですよ」
「どうして?」
真顔で聞き返すなよ! 思想を広める神のくせに、他人の思考には本当に無頓着だな。
だから自分の英雄であるガーランドに反逆された癖に、などとツッコミを入れても無意味なのは分かっている。
「わたしがいま『そんな神になりたい』と祈ったところで、それで都合良く神になれる筈がないでしょう」
少なくともオレの場合は「治癒の女神の娘」という扱いで、あとは各地の教団で「教祖の恋人」というものだが、どう考えたって「神と人間を繋ぐ」なんて権能が身につくはずがないだろう。
今まで多くの神に出会ってきたが、そんなに自由に都合良く切り替えがきくような相手は一柱もなかったぞ。
「もちろん普通ならそれが当たり前だよ。だけど君はそんな『普通』の神の範疇に入る存在ではないだろう?」
「確かにその通りですけど……」
今まで何度も神造者達からそう言われてきた覚えはある。
しかしそれと今度の件と何の関係があるというのだ。
「君は僕と同様に、神の世界からは異端者なのに、そういうところまでは考えないんだね」
「あなたのように何も悩みもせず、思索だけして過ごすわけにはいかなかったからですよ」
オレの皮肉にもウルハンガは全く動じない。
「ははは。君だって望めば僕と同じ立場になれたのにね」
「別にうらやましくなんてありませんよ」
これではまるで「ツンデレ」だな。
「とにかくあなたの言うように『人と神を繋ぐ神』なんて都合のいいものになれるはずがありません。もっと別の方策はないのですか?」
オレの質問に対してウルハンガはこれ見よがしにため息をつく。
「それでは言わせてもらうけど『なれるはずがない』ではなくて君の場合は『なりたくない』のだろう?」
「否定はしませんよ」
今までも散々言われてきたが、神様の不自由さを考えるとそんなの「本当にどうしようもなくなった場合」でもないとなりたくはない。
まあ「最悪、死んでも神になるのは確定」という意識はあって、それで精神的な余裕があるのは否定しないけどな。
神になりたくて生涯かけて頑張っているような連中もいるこの世界で、こんなことを口にしたらただでさえオレには敵が多いのに、一気に増えてしまいかねないな。
「いま世界では今まで日常の一つだった『神との繋がり』が絶たれて多くの人間がパニック状態にある事は理解しているね」
「それが分かっているから、ここに来たんですよ」
神様だらけのこの世界でも直接、神の意思に触れる事の出来る人間はごく一握りだ。
だが町々や島々に守護神が存在し、山や川や街道にも神様がいて、その司祭達が神から与えられた魔術によって生活が成り立っている人間が多いこの世界では「神との繋がり」が絶たれるのは元の世界で言えば「いきなり電気がなくなる」ようなものだろう。
「ここが『神との繋がり』の場所であるなら、君は大陸中に自らの意志を発する事が出来るんだよ?
「それでは……もしかして?」
「そうだよ。君は今まで何度もやってきただろう? 神界を通じて信徒に呼びかける事を規模が大きくなっただけだよ」
ウルハンガは何でもないように断言した。
言葉の意味は分かっていたが、正直なところそれを理解するのは難しかった、と言ってもそれは要するに現実逃避していたからではあるが。
「何を驚いているんだい? 君なら実に簡単な事だと思うけどね」
「そんなわけないでしょうが!」
思わず叫びで返してしまったが、そんなに簡単に「自分は〇〇の神になるぞ」と言って実現できたら苦労はない。
今まで出会ってきた神もその殆どは信徒によって定められた権能によって活動していた。
もちろん長い間に信仰が変質し、別の権能を有するようになった事もあって、神造者もそれを利用して神を都合よく変えていた。
しかし今、この場でオレが唱えたところで、ホイホイと「神の権能」が得られるなら、どの神も自分でやっているだろう。
神や教団が正直者とは限らないから、嘘とハッタリで信徒を増やすのも中にはいるだろう。
だがそれは神の権能が本当に増えるわけではない。
長い間、そういう嘘が広まって、信徒もみんな本気で信じたところで、ようやく本当にそんな権能を有する神になれるわけだが、もちろんそれまでそんな力は無いわけで、そこにたどり着けるのはほんの一握りだろう。
仮にそれが可能だとすれば、今度は信徒の多い人気ある権能をめぐって神様同士が争い、それが信徒の争いに繋がるという不毛極まりない事になるわけだ。
言い換えればそんな事態が起きていない以上、ここでオレが宣言したところで「神と人間を繋ぐ神」になどなれるはずがない。
今いるオレを女神と崇める信徒たちに、そのような崇拝するように頼んだとして、それが実現するのははるか未来なのは確実だ。
自分の思想が一般化するのを千年だって待てるウルハンガにすれば、大した時間ではないのかもしれないが、こっちにとってはたまったものではない。
「もしかすると僕の言葉が伝わらなかったのかな?」
「いいえはっきり伝わりましたよ。だけどとても実行は無理ですよ」
「どうして?」
真顔で聞き返すなよ! 思想を広める神のくせに、他人の思考には本当に無頓着だな。
だから自分の英雄であるガーランドに反逆された癖に、などとツッコミを入れても無意味なのは分かっている。
「わたしがいま『そんな神になりたい』と祈ったところで、それで都合良く神になれる筈がないでしょう」
少なくともオレの場合は「治癒の女神の娘」という扱いで、あとは各地の教団で「教祖の恋人」というものだが、どう考えたって「神と人間を繋ぐ」なんて権能が身につくはずがないだろう。
今まで多くの神に出会ってきたが、そんなに自由に都合良く切り替えがきくような相手は一柱もなかったぞ。
「もちろん普通ならそれが当たり前だよ。だけど君はそんな『普通』の神の範疇に入る存在ではないだろう?」
「確かにその通りですけど……」
今まで何度も神造者達からそう言われてきた覚えはある。
しかしそれと今度の件と何の関係があるというのだ。
「君は僕と同様に、神の世界からは異端者なのに、そういうところまでは考えないんだね」
「あなたのように何も悩みもせず、思索だけして過ごすわけにはいかなかったからですよ」
オレの皮肉にもウルハンガは全く動じない。
「ははは。君だって望めば僕と同じ立場になれたのにね」
「別にうらやましくなんてありませんよ」
これではまるで「ツンデレ」だな。
「とにかくあなたの言うように『人と神を繋ぐ神』なんて都合のいいものになれるはずがありません。もっと別の方策はないのですか?」
オレの質問に対してウルハンガはこれ見よがしにため息をつく。
「それでは言わせてもらうけど『なれるはずがない』ではなくて君の場合は『なりたくない』のだろう?」
「否定はしませんよ」
今までも散々言われてきたが、神様の不自由さを考えるとそんなの「本当にどうしようもなくなった場合」でもないとなりたくはない。
まあ「最悪、死んでも神になるのは確定」という意識はあって、それで精神的な余裕があるのは否定しないけどな。
神になりたくて生涯かけて頑張っているような連中もいるこの世界で、こんなことを口にしたらただでさえオレには敵が多いのに、一気に増えてしまいかねないな。
「いま世界では今まで日常の一つだった『神との繋がり』が絶たれて多くの人間がパニック状態にある事は理解しているね」
「それが分かっているから、ここに来たんですよ」
神様だらけのこの世界でも直接、神の意思に触れる事の出来る人間はごく一握りだ。
だが町々や島々に守護神が存在し、山や川や街道にも神様がいて、その司祭達が神から与えられた魔術によって生活が成り立っている人間が多いこの世界では「神との繋がり」が絶たれるのは元の世界で言えば「いきなり電気がなくなる」ようなものだろう。
「ここが『神との繋がり』の場所であるなら、君は大陸中に自らの意志を発する事が出来るんだよ?
「それでは……もしかして?」
「そうだよ。君は今まで何度もやってきただろう? 神界を通じて信徒に呼びかける事を規模が大きくなっただけだよ」
ウルハンガは何でもないように断言した。
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