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第24章 全てはアルタシャのために?
第1288話 テセルの望みは
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ここでテセルは改めて呼びかけてくる。
間違い無く知り合い連中はほぼ全員がオレに呼びかけている筈だが、その中でテセルの声が一番響くのは、神造者であるが故に神界について特別に詳しいからだろうな。
オレにはそういう技術的な事は全く分からないが、もしも聞いたらきっと「愛ゆえに」とか言ってくるのだろう。
「本当にアルタシャは世界の代表になったのか?」
どこか誇らしげで、どこか残念そうに聞こえてくるな。
勝手に「婚約者」を名乗っているテセルにすれば、オレが手の届かないところに行ってしまったと思っているのか。
もっともコイツの場合、本気になったら「アルタシャのコピー」ぐらい作れるから、あまり怒らせるのも考えものだ。
「そんなご大層な存在ではないつもりですけどね。世界の皆さんの意志をちょっとばかり代弁し、また手助けする程度ですよ」
「少なくともアルタシャは別に高邁な理想を掲げているわけでもないし、権力が欲しいわけでもあるまい。ほんのちょっとだけ世界をよく出来たら満足なのだろう?」
どうやらオレの本音は分かっているようだ。
まあ付き合いの長いテセルならそれぐらいは気づいて当然だよな。
周囲が称賛する連中ばかりになると、オレも勘違いして暴走してしまいかねないので、耳障りな事を言われる方がありがたいというものか。
「その通りですよ。だから神造者のように理想の社会を作ろうなどとも思っていません」
「それには『身の程知らずにも』と付け加えられるのかな?」
テセルは皮肉込みで問いかけてくる。
「否定はしませんよ。少しばかり世界について知ったからと言って、自分たちを特別視し、他者を見下し驕った結果が、先程の事態です」
「それで僕も同じだと言っているように聞こえるぞ」
「あなたは自覚しているのでしょう」
オレの問いかけにテセルは少しばかり沈黙する。
「そりゃあね……アルタシャと比較したら、僕なんて……いや。神造者なんて一周遅れどころではない存在なんだろう」
ええ? まさかテセルがそんな謙虚なことを考えていたとは、ちょっとどころではない驚きだよ。
「アルタシャに言わせれば、多分全ての神も信徒も全部、個々の信者の心がけ次第でしかないんだろう?」
「まあそうですね」
「自分だって崇拝を受ける身でありながら、そんな事を当たり前のように言い切れるのは、やはり僕らとは思考の次元が違うのか」
ううむ。テセルもやっぱり勘違いしている気がするな。
まあオレだって仮に元の世界における数百年後の人間に出会ったら、やっぱり全く感性とか違っているはずだから、今のテセルのような感覚を抱くのかもしれない。
「だけどアルタシャの感覚ではどんな信仰をしても得られる恩恵は、人それぞれという事になるのか?」
「もちろんですよ」
「それでは信仰はあくまでも当人の内面の問題だけになってしまうじゃないか」
なるほどな。そもそも神造者は「より効率的な信仰による現世利益を追求する」集団だ。
それによって多くの支持を得て、連中は世界に冠たる大勢力となった。
つまりある意味で神造者は「オレの対極」だったわけか。
「もちろんわたしはそれを望んでいます」
「やっぱりそうか……」
たぶんテセルは肩を落としたろう。恐らくはオレが神造者というか、テセルと力を合わせて世界を変えていく事を望んでいたのは間違い無いからな。
「だがそれを成し遂げるにはどれだけかかると思っているんだ?」
「ハッキリ言いますが分かりません」
神が直接力を振るうことなどなく、もちろん信徒に奇跡を与えるなんて伝説の話でしかない元の世界でも、オレの望んでいるような事にはなっていないからな。
宗教が原因の紛争や流血が日常茶飯事なのは、こちらの世界に留まらないのだ。
今でも神々が信徒に恩恵を与え、争っているこちらでは何年かかるか想像も出来ない。
「それならば、いっそ神造者を利用しようと考えたらどうだい?」
「まずテセルの妻になれというのでしょう?」
「そうすれば僕は間違い無く神造者の頂点に上りつめ、組織の総力を挙げて支援してやるよ。それが今までの神造者を否定するものであっても構わない!」
ううむ。大した覚悟というべきだろう。
茨の道だと分かっていても、オレのために人生を捧げるつもりなのか。
そこまで行くとこっちもちょっとばかり心が動く面もある。
しかしやっぱり同意は無理だ。
「残念ですが、そこまでしてくれなくてもいいです」
「仕方ない。こうなったら僕の力でアルタシャを変えてやろう」
「何言っているんですか!」
コイツはマジでオレを怒らせたいのか? 今までいろいろと毒舌を聞いて来たが、そんな勝手な事を言われて聞き逃す事は出来んぞ。
「自らを磨いて力を付け、愛するものの気持ちを変えて振り替えさせるのは悪い事なのか?」
「ええ? そういう意味だったんですか?」
「当たり前だ。そして今は声が届くだけだが、すぐにその場所に僕自身が行ってやる!」
ううむ。そこまで来るともう「執着」という気もするが、テセルにすれば生涯をかけるに値する行為なのだな。
間違い無く知り合い連中はほぼ全員がオレに呼びかけている筈だが、その中でテセルの声が一番響くのは、神造者であるが故に神界について特別に詳しいからだろうな。
オレにはそういう技術的な事は全く分からないが、もしも聞いたらきっと「愛ゆえに」とか言ってくるのだろう。
「本当にアルタシャは世界の代表になったのか?」
どこか誇らしげで、どこか残念そうに聞こえてくるな。
勝手に「婚約者」を名乗っているテセルにすれば、オレが手の届かないところに行ってしまったと思っているのか。
もっともコイツの場合、本気になったら「アルタシャのコピー」ぐらい作れるから、あまり怒らせるのも考えものだ。
「そんなご大層な存在ではないつもりですけどね。世界の皆さんの意志をちょっとばかり代弁し、また手助けする程度ですよ」
「少なくともアルタシャは別に高邁な理想を掲げているわけでもないし、権力が欲しいわけでもあるまい。ほんのちょっとだけ世界をよく出来たら満足なのだろう?」
どうやらオレの本音は分かっているようだ。
まあ付き合いの長いテセルならそれぐらいは気づいて当然だよな。
周囲が称賛する連中ばかりになると、オレも勘違いして暴走してしまいかねないので、耳障りな事を言われる方がありがたいというものか。
「その通りですよ。だから神造者のように理想の社会を作ろうなどとも思っていません」
「それには『身の程知らずにも』と付け加えられるのかな?」
テセルは皮肉込みで問いかけてくる。
「否定はしませんよ。少しばかり世界について知ったからと言って、自分たちを特別視し、他者を見下し驕った結果が、先程の事態です」
「それで僕も同じだと言っているように聞こえるぞ」
「あなたは自覚しているのでしょう」
オレの問いかけにテセルは少しばかり沈黙する。
「そりゃあね……アルタシャと比較したら、僕なんて……いや。神造者なんて一周遅れどころではない存在なんだろう」
ええ? まさかテセルがそんな謙虚なことを考えていたとは、ちょっとどころではない驚きだよ。
「アルタシャに言わせれば、多分全ての神も信徒も全部、個々の信者の心がけ次第でしかないんだろう?」
「まあそうですね」
「自分だって崇拝を受ける身でありながら、そんな事を当たり前のように言い切れるのは、やはり僕らとは思考の次元が違うのか」
ううむ。テセルもやっぱり勘違いしている気がするな。
まあオレだって仮に元の世界における数百年後の人間に出会ったら、やっぱり全く感性とか違っているはずだから、今のテセルのような感覚を抱くのかもしれない。
「だけどアルタシャの感覚ではどんな信仰をしても得られる恩恵は、人それぞれという事になるのか?」
「もちろんですよ」
「それでは信仰はあくまでも当人の内面の問題だけになってしまうじゃないか」
なるほどな。そもそも神造者は「より効率的な信仰による現世利益を追求する」集団だ。
それによって多くの支持を得て、連中は世界に冠たる大勢力となった。
つまりある意味で神造者は「オレの対極」だったわけか。
「もちろんわたしはそれを望んでいます」
「やっぱりそうか……」
たぶんテセルは肩を落としたろう。恐らくはオレが神造者というか、テセルと力を合わせて世界を変えていく事を望んでいたのは間違い無いからな。
「だがそれを成し遂げるにはどれだけかかると思っているんだ?」
「ハッキリ言いますが分かりません」
神が直接力を振るうことなどなく、もちろん信徒に奇跡を与えるなんて伝説の話でしかない元の世界でも、オレの望んでいるような事にはなっていないからな。
宗教が原因の紛争や流血が日常茶飯事なのは、こちらの世界に留まらないのだ。
今でも神々が信徒に恩恵を与え、争っているこちらでは何年かかるか想像も出来ない。
「それならば、いっそ神造者を利用しようと考えたらどうだい?」
「まずテセルの妻になれというのでしょう?」
「そうすれば僕は間違い無く神造者の頂点に上りつめ、組織の総力を挙げて支援してやるよ。それが今までの神造者を否定するものであっても構わない!」
ううむ。大した覚悟というべきだろう。
茨の道だと分かっていても、オレのために人生を捧げるつもりなのか。
そこまで行くとこっちもちょっとばかり心が動く面もある。
しかしやっぱり同意は無理だ。
「残念ですが、そこまでしてくれなくてもいいです」
「仕方ない。こうなったら僕の力でアルタシャを変えてやろう」
「何言っているんですか!」
コイツはマジでオレを怒らせたいのか? 今までいろいろと毒舌を聞いて来たが、そんな勝手な事を言われて聞き逃す事は出来んぞ。
「自らを磨いて力を付け、愛するものの気持ちを変えて振り替えさせるのは悪い事なのか?」
「ええ? そういう意味だったんですか?」
「当たり前だ。そして今は声が届くだけだが、すぐにその場所に僕自身が行ってやる!」
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