異世界転移したら女神の化身にされてしまったので、世界を回って伝説を残します

高崎三吉

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第24章 全てはアルタシャのために?

第1302話 一周回って元通りに?

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 まあそんなわけでどうにか何もかも終わりそうだ。いやいや。月並みな台詞だが「何もかもこれから」なんだな。
 これからオレはこの大陸に山積するいろいろな問題と向き合わなきゃならない。
 そんな事を言ったら、SFでよくある「何でも管理するマザーコンピュータ」みたいに思えるが、もちろんそんなスゴイ権力があるわけでもなく、実力も無く、オレの場合はむしろ「みんなにお願いしてどうにか事態をまとめる」事しか出来ない。
 そんなオレの事をどう表現すればいいんだろうか?
 支配者でもなければ管理者でもない、別に傍観しているわけでもないから、せいぜい調停者ぐらいだろうか?
 ぶっちゃけオレが本心から望んだことが叶ったことはないけど、目先の「とにかく犠牲を出さない」という点に関しては、自分でもそれなりにやって来たという自負ぐらいはある。
 当然ながら力及ばない事など多々あるだろうし、むしろオレの意図とは正反対に「アルタシャの名の元に戦争する」なんて連中すら出てきかねない。
 むろんそんな連中であっても、抹殺するような事は出来ず、とにかく話し合いでどうにかするのだ。
 そして残念ながらオレの味方であって、行き過ぎた事をしでかしたり、こちらの意図を完全に誤解したり、都合良く歪曲したりする連中には事欠かない。
 しばしば「特別な存在が一切の暴力的な行為を禁じた空間での頭脳バトル」なんてものがあったけど、オレ自身がむしろそういう暴力的行為に一番脆弱なんだからな。
 まったくもって神様とは面倒な立場である。
 これがこの世界の基準だと受け入れてしまえば、楽になれるかもしれないが、それが出来なかったからこそいつの間にやら「世界そのものの名前がついた女神」になってしまったのだから、本当に世の中とはどこまで皮肉だらけなんだろうな。

 自分で言っていて先の見えなさ具合にうんざりしてくるが、これまたいつも通り自分で選んだ結果なんだから仕方ないというべきか。
 バッドエンドでもしばしば「実は本人が望んだ結果」というオチはしばしばある。
望んでないけど『仕方なく選んだ』も珍しくは無い。
 悪の大ボスの正体が『世界を救うためには人間を滅ぼさねばならないと決断した』とか『世界平和のため悪となって善に倒される道を選んだ』なんて展開もあるな。
 それどころか「人間の醜さにウンザリして、ガラガラポンしようと思った神様」「遊び半分で世界を壊してきた愉快犯」だって幾度か目にした覚えがあるな。
 何というか人間的な感覚がなくなって、世界を壊すのも、子供が玩具を壊すのと同レベルで行えるようになったら、暴走しかねないと言う事なんだなあ。
 オレもそうなってしまわないよう、常に気をつけねばならない――そういうことばっかりというか、何をしても地雷を踏み抜いてしまいかねないものである。
 元の世界でも「核兵器」は殆ど使えない兵器となっていたが、今では殆どオレ自身が生ける核弾頭みたいな気がしてきた。
 だけどそう考えると皮肉な希望もあるな。「人類を滅ぼしてしまう」と言われる核兵器だが、いちおうそれでも理性的に何十年も扱われてきた事を知っている。
 理性を信じすぎてもいけないが、それなりに信じて何とかやっていけるかもしれないのだ。
 まあ極端な話、オレ一人の犠牲で世界が救われるとなれば――やっぱりイヤだな。
 これまでも他人のために身体を張るのは構わないが、自殺行為は真っ平である。
 オレの為に命がけで助けてくれた知り合いも何人かいるし、もちろん感謝もしているが、やっぱり死なれるのは御免被る。
 そういうところはたぶんこの世界における感覚とは微妙にズレているのだろう。
なぜならここでは死んでも「よき信徒は神の世界に行ける」事が紛れもない事実であり、実際に先達の遺志を確認する事が出来るからだ。

 オレ自身もずっと昔に死んだ連中と幾度も交流しているからな。
 もちろんそんな事が出来るのは本当のごく一部で、むしろロクでもない亡霊になって人間を呪っている連中の方がずっと多かったし、そいつらに命を狙われたのもしょっちゅうだ。
 ただ殆どの霊体は、神の領域で穏便に過ごしてはいるのだろうけどな。
 どんな世界でも「サイレントマジョリティ」が一番多いのである。
 だけどごく一部の暴走が、とんでもない事態を招くのもまた世の常である。
 そしてそんなごく一部の暴走にこそ常に目を光らせて、世界をよりよい方向に導くというのは何とも面倒臭い。
 常に微妙なバランスに気を配って、贔屓をすることも、特別に敵視するような事も無く、みんなと仲良くせねばならない。
 冷静に考えるとオレがこの世界に来た時、一番最初に夢見ていた「美少女だらけのハーレム生活」も実際にやるとなったら、みんなを平等に扱わないといけないからな。
 圧倒的な力で女の子を言いなりにするのでもなければ、死ぬほど気を遣ってそれだけで身が細りそうな気がしてくる。
 やっぱり何をしても世の中は簡単に行く事なんてないんだなあ。
 まさに「一周回って元通り」ということなのか。
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