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第24章 全てはアルタシャのために?
第1314話 実の親より育ての女神
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深く考えるまでもなく、イオにとって「アルタシャ」は実の両親よりも近しい存在ということになっているのだろう。生みの親より育ての親というが、オレは別に育てた覚えすらないんだけどなあ。
イオが卵の間に魔力を与え続けたことが、これほど影響するとは思わなかった。まあそんなの実行した例がないだろうから、気づくはずもないけど。
元の世界でも乳母がやっぱり実の親よりも親しい関係になって、成人後に権勢を振るうことがあったので「乳母は顔を隠して接する」なんてルールが出来たことがあるそうだ。
しかしそこはもうちょっと距離をおいて欲しいところだ。もちろん今まで色々と利用してきたことを考えれば虫のいい頼みなのはわかっている。
「イオはそこまでわたしが大事なのですか?」
「もちろんだよ! 僕にとってアルタシャは世界で一番大事だよ」
ううむ。オレの場合、そんなことを言ってくる知り合いには事欠かないし、地位も名誉も財産もあって、場合によっては神様からもしょっちゅうだがそれでも嬉しくはない。
ただしそのような言葉が信じられないからではなく、むしろ困ったことにそいつらの大半は口先だけではなく、本気で言っている。
しかも神様の場合、男女問わず配偶者が幾人もいるのは当たり前なので、プロポーズもマジであっさりだからな。
聞いた話では独裁者の類になると周囲にそんなことを言ってくる連中だらけだけど、そいつら同士で中傷や讒言し合うので、誰も信じられなくなってしまうパターンも多いようだ。
美辞麗句で埋め尽くされた、ドロドロした現実を否応なしに見せつけられてしまって、精神が病んでしまうのは、ちょっと気の毒ではあるな。
幸か不幸かオレはそのような事態に直面したことはないのだが、こっちは逆に「心からの告白」のインフレ状態だ。
もちろんそれは「アルタシャの見た目」が最大要因であるのは間違いないが、自分でも後先考えずに、でしゃばっていつの間にやら「理想の聖女」的な存在になってしまった事は分かっているつもりだ。
かつてはハーレムに憧れていたオレだが、そのような対象は一人だけで十分だと散々思い知ったよ。
恋愛ものでよくある、なかなか進展しないじれったい関係が、意外に重要なのだと無駄に理解できた気がするな。
「わたしにとってもイオはとても大切ですよ」
「それは僕が一番ではないという事だね……」
あ。これは落胆させてしまったか。
どいつもこいつも自分が一番になりたい、と思うのは仕方ないことではあるが、こればっかりはどうしようもない。
もっとも「二番手でも三番手でもいい」と言われるとそれはそれで困る。
そう考えるとオレも結構、ワガママなもんである。
協力はして欲しいけど、恋愛の対象にはなりませんと最初から決めているのはやっぱり自分でも結構ひどいとは思う。
もちろん明らかに演技の場合を除けば、オレが恋人になるとか言った事はない。しかしオレが男の立場だったら、イヤでも期待してしまうのも仕方ないのは分かる。
実際、この世界の、というか元の世界を含め神話や伝説では女はむしろ「チョロイン」ばっかりなのである――ただし配偶者は大勢いても、明確に男を裏切るようなのがそうそういないのはやっぱり都合のいい女性像を捨て切れないからだろう。
初対面のカッコイイ王子様に王女が一目惚れして結婚だの、攫われた王女を騎士が助け出して結婚なんてのも、まあそんな淡い夢物語なんだよな。
だから各地の連中が勝手に恋人を名乗るのも、まあ嫌ではあったが、崇拝のお陰で力を得られた事もあって、自分でもある程度利益はあったので放置はしてきた。
それがかえって状況を悪化させた気もするが、そこまで知ったこっちゃない。
「アルタシャは結局は僕の伴侶にはなってくれないのだろう……」
ここで「伴侶と言っても仲間とかツレならありですよ」では怒るだろうなあ。
仕方ないのでここはちょっと誤魔化そう。
「それではずっとわたしをその背中に乗せてくれますか? それならどうでしょう?」
何というかこれはこれでちょっと「プロポーズ」っぽいな。
しかし冷静に考えると、伴侶になりたい相手に乗騎になれというのは、それだけ聞くとなんかすごく倒錯した話のように聞こえるな。
「僕の背中にずっといてくれるのかい?」
「そういうわけでもないのですけどね……」
神様の乗騎として、これまた神の如き力を持った存在が出てくる話は特に珍しくはない。
そう言えば北欧神話の主神の乗騎は、雌馬に性転換したトリックスター神が雄馬にはらまされて産んだものだったっけ。
オレ的にも無縁の存在ではないということか。もちろんこっちは誰のどんな子も産む気はないのだけどな。
それはともかく、ずっとイオの背中にに乗ったままというのは少々、どころではなく困る。
「必要な時にイオの力を借りますよ。それでいいですか?」
「それじゃあ必要がなければずっと、僕はいらない存在なのかい」
「そんなわけないですよ。イオだって会っていない時もわたしの存在は感じていたでしょう?」
「それはその通りだけどさ……」
「だから心が繋がっていると言えばわかってくれますか?」
我ながらご都合主義的な主張だとは思う。
何というか「遠回りのお断り」ではあるが、神様と信者だったら別に嘘ついているわけでもないので、そこで我慢してもらいたい。
イオが卵の間に魔力を与え続けたことが、これほど影響するとは思わなかった。まあそんなの実行した例がないだろうから、気づくはずもないけど。
元の世界でも乳母がやっぱり実の親よりも親しい関係になって、成人後に権勢を振るうことがあったので「乳母は顔を隠して接する」なんてルールが出来たことがあるそうだ。
しかしそこはもうちょっと距離をおいて欲しいところだ。もちろん今まで色々と利用してきたことを考えれば虫のいい頼みなのはわかっている。
「イオはそこまでわたしが大事なのですか?」
「もちろんだよ! 僕にとってアルタシャは世界で一番大事だよ」
ううむ。オレの場合、そんなことを言ってくる知り合いには事欠かないし、地位も名誉も財産もあって、場合によっては神様からもしょっちゅうだがそれでも嬉しくはない。
ただしそのような言葉が信じられないからではなく、むしろ困ったことにそいつらの大半は口先だけではなく、本気で言っている。
しかも神様の場合、男女問わず配偶者が幾人もいるのは当たり前なので、プロポーズもマジであっさりだからな。
聞いた話では独裁者の類になると周囲にそんなことを言ってくる連中だらけだけど、そいつら同士で中傷や讒言し合うので、誰も信じられなくなってしまうパターンも多いようだ。
美辞麗句で埋め尽くされた、ドロドロした現実を否応なしに見せつけられてしまって、精神が病んでしまうのは、ちょっと気の毒ではあるな。
幸か不幸かオレはそのような事態に直面したことはないのだが、こっちは逆に「心からの告白」のインフレ状態だ。
もちろんそれは「アルタシャの見た目」が最大要因であるのは間違いないが、自分でも後先考えずに、でしゃばっていつの間にやら「理想の聖女」的な存在になってしまった事は分かっているつもりだ。
かつてはハーレムに憧れていたオレだが、そのような対象は一人だけで十分だと散々思い知ったよ。
恋愛ものでよくある、なかなか進展しないじれったい関係が、意外に重要なのだと無駄に理解できた気がするな。
「わたしにとってもイオはとても大切ですよ」
「それは僕が一番ではないという事だね……」
あ。これは落胆させてしまったか。
どいつもこいつも自分が一番になりたい、と思うのは仕方ないことではあるが、こればっかりはどうしようもない。
もっとも「二番手でも三番手でもいい」と言われるとそれはそれで困る。
そう考えるとオレも結構、ワガママなもんである。
協力はして欲しいけど、恋愛の対象にはなりませんと最初から決めているのはやっぱり自分でも結構ひどいとは思う。
もちろん明らかに演技の場合を除けば、オレが恋人になるとか言った事はない。しかしオレが男の立場だったら、イヤでも期待してしまうのも仕方ないのは分かる。
実際、この世界の、というか元の世界を含め神話や伝説では女はむしろ「チョロイン」ばっかりなのである――ただし配偶者は大勢いても、明確に男を裏切るようなのがそうそういないのはやっぱり都合のいい女性像を捨て切れないからだろう。
初対面のカッコイイ王子様に王女が一目惚れして結婚だの、攫われた王女を騎士が助け出して結婚なんてのも、まあそんな淡い夢物語なんだよな。
だから各地の連中が勝手に恋人を名乗るのも、まあ嫌ではあったが、崇拝のお陰で力を得られた事もあって、自分でもある程度利益はあったので放置はしてきた。
それがかえって状況を悪化させた気もするが、そこまで知ったこっちゃない。
「アルタシャは結局は僕の伴侶にはなってくれないのだろう……」
ここで「伴侶と言っても仲間とかツレならありですよ」では怒るだろうなあ。
仕方ないのでここはちょっと誤魔化そう。
「それではずっとわたしをその背中に乗せてくれますか? それならどうでしょう?」
何というかこれはこれでちょっと「プロポーズ」っぽいな。
しかし冷静に考えると、伴侶になりたい相手に乗騎になれというのは、それだけ聞くとなんかすごく倒錯した話のように聞こえるな。
「僕の背中にずっといてくれるのかい?」
「そういうわけでもないのですけどね……」
神様の乗騎として、これまた神の如き力を持った存在が出てくる話は特に珍しくはない。
そう言えば北欧神話の主神の乗騎は、雌馬に性転換したトリックスター神が雄馬にはらまされて産んだものだったっけ。
オレ的にも無縁の存在ではないということか。もちろんこっちは誰のどんな子も産む気はないのだけどな。
それはともかく、ずっとイオの背中にに乗ったままというのは少々、どころではなく困る。
「必要な時にイオの力を借りますよ。それでいいですか?」
「それじゃあ必要がなければずっと、僕はいらない存在なのかい」
「そんなわけないですよ。イオだって会っていない時もわたしの存在は感じていたでしょう?」
「それはその通りだけどさ……」
「だから心が繋がっていると言えばわかってくれますか?」
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