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町民になる儀式?
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町長に案内されたのは、この町でもっとも大きな建物である町役場だ。
立派な鉄筋コンクリートの建物は真新しく、出来てせいぜい数年だろう。
今までも幾度か通りすがりに見かけはしたが、スマホすら使えない田舎に、こんなものが必要なのか? と正直なところ疑問だった。
ただいくら何でも町役場で捕まえてタコ部屋に売るとか、ありえそうにないのでそこは少し安心したところだ。
「さあこちらに来てくれまいか」
町長の案内に応じて俺はエレベーターに乗る。
だがここで思わぬ事が起きた。町長は操作ボタンの下にあった小さな扉を開けて、そこに自分の手を押し付けたのだ。
「え? どういうことです?」
俺が質問したのとほぼ同時に、エレベーターは動き出す――地下に向けて。
「ここから先が『町の住民』だけの領域なんだよ」
町長の言葉と共にエレベーターは止まる。体感だが地下に20メートルは下がったんじゃないだろうか。
「もしかして核シェルターか何かですか?」
少しばかり恐れもあったが、むしろ好奇心が先に立っていた。
「確かにそうかもしれないね。さあ私の後に来たまえ」
その先にあったものは俺の想像を超えていた。
部屋がそっくり大きな機械によって埋め尽くされていたのだった。それはSFでしか見たことのない規模だ。
ネットすらないこの町の地下になぜこんなものが?
「驚くのは当然だろうね。凄いだろう」
町長は少しばかり誇らしげに答える。
「町の皆さんはこのことを知っているのですか?」
「もちろんだよ。そして今日、新たに一人、知ったわけだ」
よくあるパターンなら「秘密を知ったからには~」なんて脅しになるところだろうが、少なくともその意図はないようだった。
そして正面には美しい二十代後半の女性が姿を見せる。
その服装は着飾ったものではなく、白い研究服のようだ。
だがその美貌と、簡素な服の下のボディラインは俺の視線を釘付けにするほどのものだった。
正直に言えばただでさえ美人揃いのこの町の女性でも一番の美女だろう。
女性は深々と頭を下げてから町長に問いかける。
「あなた。この人ですか?」
「そうだ。まず紹介させてもらおう。君は初めて会うのだね。私の妻だよ」
町長は誇らしげに紹介したが、正直に言ってこの時は彼女の美しさに目を奪われていたのだ。
「あ……はい。よろしくお願いします」
「ははは。君もこの町の住民になってくれたらすぐに理想の伴侶を見つけられるさ」
この言葉に俺は現実に引き戻された。
このレベルの美人とこれからも一緒に暮らせるなら、ネットがなかろうが、スマホが使えなかろうが全く気にならない。
何十年も前の人間はそんなものなくても立派に生活していたのだ。
「それではそろそろ始めようか。この町の住民になるための手続きだ」
「何をすればいいのですか?」
「まずあちらを見てくれるかい」
町長が指さした先には、銀色のプレートから数十センチ程開いて突き出した二本の棒があり、その先には同じく銀色の球体が取り付けられていた。
「これは……なんですか?」
「町民になるための言わば儀式みたいなものだよ。申し訳ないのだが、服を脱いでその球体に触ってもらいたい」
「なんですって?」
さすがにこれは予想外だった。
そんな事を求められるなんていくら何でもおかしいだろう。
「これはどうしても必要な事なんだ。もちろん嫌だと言うなら、無理強いはしないから、今からでも帰りたまえ。ただその場合、君を町民にすることは出来ない事になる」
「そうなったら残念なことね……」
いつの間にか少し高いところにある操作室らしきところから、ガラス越しに見下ろしていた奥さんの声がスピーカーから響く。
「あなたならきっとこの町の誰にも劣らない素晴らしい『恋人』になれると思ったのですけどね」
俺だって男だ。人妻ながら絶世の美女からこんな言葉をかけられて、心が動かないはずもない。
「分かりました。それではお願いします」
さすがに少々恥ずかしいので急いで服を脱ぎ、肌着だけになる。
「ダメだよ。この機械はいろいろと精密でね。悪いけど全部脱いでくれまいか」
「え……わかりました」
少しは躊躇したが、ここまでくればもはや引き返す気はなかった。
そして股間のあれが、否応なしに反応している状態で俺は銀の玉に両手を置いて、プレートの上に足をやや広げて立った。
少しばかり違和感のあった点は、銀色の玉は見た目に反してあまり堅くはなく、また冷たくもない、ほぼ人肌程度の温度に感じられた。
「あなたはここまでですね」
奥さんは町長に声をかける。
「私としてはもうちょっと見ていたいのだがな……」
「あなたにはやるべき仕事があるでしょう?」
奥さんはどういうわけか、笑顔のままだがどこか凄みを見せつつ町長に問いかけた。
「わかったよ。じゃあ行ってくる」
町長は少し名残惜しそうな様子で去っていった。
もしかして町長はこんな美人の奥さんがいるのに「男の裸」を見たがる「そっち系」の人だったりするの?
いや。いくら何でも考えすぎか。
「いいですね。それでは始めます」
奥さんが口にしたその瞬間、銀の玉とプレートは暖かくなる。
そこから俺の体に何かが入り込んできた。
手足を通じて体を満たしたのは、今まで感じたことのない猛烈な快感だった。
その快感は一秒ごとに膨れあがり、心も体も全て埋め尽くされていった。
俺は言葉も無く、その快感に酔いしれる。
このとき俺の股間のイツモツはまさに天にそびえるように屹立していた。
それを構成する肉が一グラムも残らず、快感の固まりになっているかのようだ。
だがそこで思わぬものが俺の耳に飛び込んできた。
「ああ……私はそれがどういうものか殆ど忘れてしまったけど、あなたもあと数分で二度とそれを感じる事のない体になるのよ」
奥さんは微笑みながらそういった。
立派な鉄筋コンクリートの建物は真新しく、出来てせいぜい数年だろう。
今までも幾度か通りすがりに見かけはしたが、スマホすら使えない田舎に、こんなものが必要なのか? と正直なところ疑問だった。
ただいくら何でも町役場で捕まえてタコ部屋に売るとか、ありえそうにないのでそこは少し安心したところだ。
「さあこちらに来てくれまいか」
町長の案内に応じて俺はエレベーターに乗る。
だがここで思わぬ事が起きた。町長は操作ボタンの下にあった小さな扉を開けて、そこに自分の手を押し付けたのだ。
「え? どういうことです?」
俺が質問したのとほぼ同時に、エレベーターは動き出す――地下に向けて。
「ここから先が『町の住民』だけの領域なんだよ」
町長の言葉と共にエレベーターは止まる。体感だが地下に20メートルは下がったんじゃないだろうか。
「もしかして核シェルターか何かですか?」
少しばかり恐れもあったが、むしろ好奇心が先に立っていた。
「確かにそうかもしれないね。さあ私の後に来たまえ」
その先にあったものは俺の想像を超えていた。
部屋がそっくり大きな機械によって埋め尽くされていたのだった。それはSFでしか見たことのない規模だ。
ネットすらないこの町の地下になぜこんなものが?
「驚くのは当然だろうね。凄いだろう」
町長は少しばかり誇らしげに答える。
「町の皆さんはこのことを知っているのですか?」
「もちろんだよ。そして今日、新たに一人、知ったわけだ」
よくあるパターンなら「秘密を知ったからには~」なんて脅しになるところだろうが、少なくともその意図はないようだった。
そして正面には美しい二十代後半の女性が姿を見せる。
その服装は着飾ったものではなく、白い研究服のようだ。
だがその美貌と、簡素な服の下のボディラインは俺の視線を釘付けにするほどのものだった。
正直に言えばただでさえ美人揃いのこの町の女性でも一番の美女だろう。
女性は深々と頭を下げてから町長に問いかける。
「あなた。この人ですか?」
「そうだ。まず紹介させてもらおう。君は初めて会うのだね。私の妻だよ」
町長は誇らしげに紹介したが、正直に言ってこの時は彼女の美しさに目を奪われていたのだ。
「あ……はい。よろしくお願いします」
「ははは。君もこの町の住民になってくれたらすぐに理想の伴侶を見つけられるさ」
この言葉に俺は現実に引き戻された。
このレベルの美人とこれからも一緒に暮らせるなら、ネットがなかろうが、スマホが使えなかろうが全く気にならない。
何十年も前の人間はそんなものなくても立派に生活していたのだ。
「それではそろそろ始めようか。この町の住民になるための手続きだ」
「何をすればいいのですか?」
「まずあちらを見てくれるかい」
町長が指さした先には、銀色のプレートから数十センチ程開いて突き出した二本の棒があり、その先には同じく銀色の球体が取り付けられていた。
「これは……なんですか?」
「町民になるための言わば儀式みたいなものだよ。申し訳ないのだが、服を脱いでその球体に触ってもらいたい」
「なんですって?」
さすがにこれは予想外だった。
そんな事を求められるなんていくら何でもおかしいだろう。
「これはどうしても必要な事なんだ。もちろん嫌だと言うなら、無理強いはしないから、今からでも帰りたまえ。ただその場合、君を町民にすることは出来ない事になる」
「そうなったら残念なことね……」
いつの間にか少し高いところにある操作室らしきところから、ガラス越しに見下ろしていた奥さんの声がスピーカーから響く。
「あなたならきっとこの町の誰にも劣らない素晴らしい『恋人』になれると思ったのですけどね」
俺だって男だ。人妻ながら絶世の美女からこんな言葉をかけられて、心が動かないはずもない。
「分かりました。それではお願いします」
さすがに少々恥ずかしいので急いで服を脱ぎ、肌着だけになる。
「ダメだよ。この機械はいろいろと精密でね。悪いけど全部脱いでくれまいか」
「え……わかりました」
少しは躊躇したが、ここまでくればもはや引き返す気はなかった。
そして股間のあれが、否応なしに反応している状態で俺は銀の玉に両手を置いて、プレートの上に足をやや広げて立った。
少しばかり違和感のあった点は、銀色の玉は見た目に反してあまり堅くはなく、また冷たくもない、ほぼ人肌程度の温度に感じられた。
「あなたはここまでですね」
奥さんは町長に声をかける。
「私としてはもうちょっと見ていたいのだがな……」
「あなたにはやるべき仕事があるでしょう?」
奥さんはどういうわけか、笑顔のままだがどこか凄みを見せつつ町長に問いかけた。
「わかったよ。じゃあ行ってくる」
町長は少し名残惜しそうな様子で去っていった。
もしかして町長はこんな美人の奥さんがいるのに「男の裸」を見たがる「そっち系」の人だったりするの?
いや。いくら何でも考えすぎか。
「いいですね。それでは始めます」
奥さんが口にしたその瞬間、銀の玉とプレートは暖かくなる。
そこから俺の体に何かが入り込んできた。
手足を通じて体を満たしたのは、今まで感じたことのない猛烈な快感だった。
その快感は一秒ごとに膨れあがり、心も体も全て埋め尽くされていった。
俺は言葉も無く、その快感に酔いしれる。
このとき俺の股間のイツモツはまさに天にそびえるように屹立していた。
それを構成する肉が一グラムも残らず、快感の固まりになっているかのようだ。
だがそこで思わぬものが俺の耳に飛び込んできた。
「ああ……私はそれがどういうものか殆ど忘れてしまったけど、あなたもあと数分で二度とそれを感じる事のない体になるのよ」
奥さんは微笑みながらそういった。
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