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バトロワのステージはスタジアム内を能力によって改造させて作った物だ。
ステージ自体は球場2個分程の面積だが、その中に森や小さな町など数々の遮蔽物になるようなものが設置されており、チーム同士が接敵しにくいようになっている。
現在3区と4区が戦っているのはステージの中央付近の建物などが最も少ない位置だ。
それ故この場所で戦闘すると、他のチームが漁夫の利を狙いに来る可能性がある。
それを理解していた4区は3区相手に速攻をかけた。
嶽本の能力《反射》は対象の力が大きい、または強い力で反射しようとするほど、能力を使用したときの疲労が大きくなるが、それを顧みずに《投擲》によって投げられた釘を、その数倍の速さで反射して野々村を倒した。
それは星乃も同じで《光線銃》を逸らすのと、残りの2人を倒すのにかなり負担の掛かる能力の使い方をした。
もちろんその程度で直ぐ能力を使えなくなるということはないが、長期戦になればその負担がかえってくるだろう。
それでもその判断をしたのは、ひとえに漁夫を警戒してのことだ。
いくら強くても最大5チームとの連戦となれば勝てる確率は限りなく低い。
そのため一刻も早く3区の2人に止めを刺し、この場を立ち去らなければならない。
___だが遅かった。
「・・・!」
星乃が止めを刺そうとした瞬間、遠方から弾丸の様な物が飛んできて3区の1人を撃ち抜く。
もう1人の止めは刺せたが、漁夫が来た上に1人分のポイントを持っていかれた。
しかもそのチームは恐らく・・・
「ッチ・・・お前ら!さっさと引くぞ!」
「はい!」
「ああ!」
星乃は舌打ちしつつも、ここで戦闘してもデメリットしかないと冷静に判断してチームメンバーに指示を出す。
「・・・!なんだ?」
星乃は上から気配を感じて上を見上げる。
「はぁい!来ちゃったよ~!」
白髪で眼帯を付けた男がこちらに向かって降ってくるのを見てそれが2区の創流零だということを瞬時に理解した星乃は防御体制に入る。
「あああああ!」
が、零は攻撃してこず、少し離れた位置に着地する。
「あっぶねぇ!死ぬかと思ったわ!」
「・・・・・」
「何だお前?」
零は着地時に服に付いた汚れを手で払い除けながらそんなことを叫んでいる。
嶽本は突然降ってきた零に驚きの声を上げ、星乃は零のそんな緊張感の無いセリフに呆れながらも警戒を解かずに構える。
零が来たということはそのチームの環がサポートに入ってきたり、先程のように京夜が遠距離から狙撃してきたりするだろう。
「なあ、ここで戦っても損するだけだ。ここは互いに引かないか?」
「ん~~~~・・・」
星乃のそんな言葉に零は一瞬考え込むが、直ぐに思考を止めた様子で顔を上げる。
「いいぞ。ただし、"この大会中はお互いに攻撃し合わない"っていう条件付きだ。いいな?」
「・・・分かった」
「おう、いいぜ」
「ああ」
「オッケ!じゃあな!」
星乃たちがその条件に同意すると、零は喜んでから振り返り、来た方向に走っていく。
「・・・あいつ隙だらけだ!」
杉野はそんな隙だらけの零を見て銃を取り出し、銃口を向ける。
「おい待て!」
それを見た星乃は「やめろ、罠だ!」と杉野に言おうとする。
しかし杉野はその前に銃の引き金を引き、銃から発射された弾丸は零目掛けて一直線に飛んでいく。
零の能力が不明な上、未だ姿の見えない京夜と環が何を仕掛けてくるか分からないときに攻撃を仕掛けるのは間抜けとしか言いようがない。
「・・・!」
零に向けて飛んでいった弾丸が零に当たる直前に"何かにぶつかったかのように"弾かれ、弾丸は零に命中することなく地面に落ちていく。
「だぁ~から、約束しただろ?互いに攻撃しないって!約束ぐらい守れよ・・・」
零はこちらに振り返り、そんなことを言って再びこちらに背を向けて走り出す。
「どういう能力だ?」
零の能力は未だに明らかになっていない。
というのも、零は学校に能力を教えていない上、能力を使うことがないらしい。
聞いた話によると環との戦いでも能力を使ったような感じは無かったと、環の付き人が言っていた。
恐らく弾丸を弾いたのが零の能力だと思うが、具体的にどんな能力なのかは見当もつかない。
「俺と同じ様なタイプなのかもな・・・」
星乃はそう思い、漁夫が来ないうちにその場を後にする。
___数分前
ここら一帯は他より少し高い位置にあるらしく、森を出ると崖の上からこのステージを一望できた。
「あれ、4区の奴らじゃないか?」
そこで周囲を監視していた京夜が正面を指差しながらそう言う。
「あ~そうだな」
「・・・お兄様」
その方向を見ると、確かに星乃と数人が戦闘をしているのが見えた。
「戦闘してるな」
「京夜、お前ならこの距離からでも敵を撃ち抜けるんじゃろ?」
「ああ」
環のそんな発言に京夜は同意して、担いでいた直方体の形をしたバッグを開けて、中身を取り出す。
「何じゃそれは?」
「俺の愛銃【刹那】だ。予選のときは持ち込みに制限が多すぎて使えなかったからな」
京夜が取り出したのは80cm程の大きさのスナイパーライフルだ。
これは特注仕様で、流石に実弾は入っていないが、京夜の《狙撃》を使うことを前提に作られており能力との相性は最高だ。
京夜は素早く【刹那】を構える。
「・・・環、ちなみにあっちに向けて橋を作ることって可能か?」
「もちろん可能じゃが、何をするきじゃ?」
突然そんな事を言い出した僕を訝しむように環はその理由を聞いてくる。
「いや~、あそこの戦闘に飛び込もうかと・・・」
「バカかお前は!?」
僕の作戦を聞いた環は大きな声でそう叫ぶ。
「絶対倒されないからさ!頼む!」
「・・・まあお前はポイントが低い割に強いしいいじゃろう。ただし絶対に帰って来るんだぞ?」
「おう!」
僕の願いが届いたのか若干呆れている様子の環からの許可が降りたため、僕は準備運動をする。
「いいか?橋を掛けて置けるのは10秒だけだぞ?それを過ぎたら橋は消えるからな」
「おう、分かった」
瞬間、環が地面に手を付き、崖から横幅1mほどの橋が星乃達のいる方向に伸びていく。
目的地までの距離はおよそ150mほどか、まあ頑張って走れば間に合うだろ。
そう思いつつ、僕は伸びていく橋の上を走っていく。
その時背後から銃声が聞こえてくる。前方の下を見てみると星乃に倒されていた2人の内の1人に弾丸が命中していた。
僕は内心で、
(京夜ナイス!)
と思いながら全速力で駆けていく。
数秒して、そろそろ橋が消える時間になるが、まだ少し距離がある。
「どうしよ?」
僕は一瞬考えた後、橋が消える直前に思い切りジャンプする。
橋が消えて僕は下の戦場へと落ちていく。
その方向に星乃を見つけた僕は煽りも混ぜてこう言う。
「はぁい!来ちゃったよ!」
ステージ自体は球場2個分程の面積だが、その中に森や小さな町など数々の遮蔽物になるようなものが設置されており、チーム同士が接敵しにくいようになっている。
現在3区と4区が戦っているのはステージの中央付近の建物などが最も少ない位置だ。
それ故この場所で戦闘すると、他のチームが漁夫の利を狙いに来る可能性がある。
それを理解していた4区は3区相手に速攻をかけた。
嶽本の能力《反射》は対象の力が大きい、または強い力で反射しようとするほど、能力を使用したときの疲労が大きくなるが、それを顧みずに《投擲》によって投げられた釘を、その数倍の速さで反射して野々村を倒した。
それは星乃も同じで《光線銃》を逸らすのと、残りの2人を倒すのにかなり負担の掛かる能力の使い方をした。
もちろんその程度で直ぐ能力を使えなくなるということはないが、長期戦になればその負担がかえってくるだろう。
それでもその判断をしたのは、ひとえに漁夫を警戒してのことだ。
いくら強くても最大5チームとの連戦となれば勝てる確率は限りなく低い。
そのため一刻も早く3区の2人に止めを刺し、この場を立ち去らなければならない。
___だが遅かった。
「・・・!」
星乃が止めを刺そうとした瞬間、遠方から弾丸の様な物が飛んできて3区の1人を撃ち抜く。
もう1人の止めは刺せたが、漁夫が来た上に1人分のポイントを持っていかれた。
しかもそのチームは恐らく・・・
「ッチ・・・お前ら!さっさと引くぞ!」
「はい!」
「ああ!」
星乃は舌打ちしつつも、ここで戦闘してもデメリットしかないと冷静に判断してチームメンバーに指示を出す。
「・・・!なんだ?」
星乃は上から気配を感じて上を見上げる。
「はぁい!来ちゃったよ~!」
白髪で眼帯を付けた男がこちらに向かって降ってくるのを見てそれが2区の創流零だということを瞬時に理解した星乃は防御体制に入る。
「あああああ!」
が、零は攻撃してこず、少し離れた位置に着地する。
「あっぶねぇ!死ぬかと思ったわ!」
「・・・・・」
「何だお前?」
零は着地時に服に付いた汚れを手で払い除けながらそんなことを叫んでいる。
嶽本は突然降ってきた零に驚きの声を上げ、星乃は零のそんな緊張感の無いセリフに呆れながらも警戒を解かずに構える。
零が来たということはそのチームの環がサポートに入ってきたり、先程のように京夜が遠距離から狙撃してきたりするだろう。
「なあ、ここで戦っても損するだけだ。ここは互いに引かないか?」
「ん~~~~・・・」
星乃のそんな言葉に零は一瞬考え込むが、直ぐに思考を止めた様子で顔を上げる。
「いいぞ。ただし、"この大会中はお互いに攻撃し合わない"っていう条件付きだ。いいな?」
「・・・分かった」
「おう、いいぜ」
「ああ」
「オッケ!じゃあな!」
星乃たちがその条件に同意すると、零は喜んでから振り返り、来た方向に走っていく。
「・・・あいつ隙だらけだ!」
杉野はそんな隙だらけの零を見て銃を取り出し、銃口を向ける。
「おい待て!」
それを見た星乃は「やめろ、罠だ!」と杉野に言おうとする。
しかし杉野はその前に銃の引き金を引き、銃から発射された弾丸は零目掛けて一直線に飛んでいく。
零の能力が不明な上、未だ姿の見えない京夜と環が何を仕掛けてくるか分からないときに攻撃を仕掛けるのは間抜けとしか言いようがない。
「・・・!」
零に向けて飛んでいった弾丸が零に当たる直前に"何かにぶつかったかのように"弾かれ、弾丸は零に命中することなく地面に落ちていく。
「だぁ~から、約束しただろ?互いに攻撃しないって!約束ぐらい守れよ・・・」
零はこちらに振り返り、そんなことを言って再びこちらに背を向けて走り出す。
「どういう能力だ?」
零の能力は未だに明らかになっていない。
というのも、零は学校に能力を教えていない上、能力を使うことがないらしい。
聞いた話によると環との戦いでも能力を使ったような感じは無かったと、環の付き人が言っていた。
恐らく弾丸を弾いたのが零の能力だと思うが、具体的にどんな能力なのかは見当もつかない。
「俺と同じ様なタイプなのかもな・・・」
星乃はそう思い、漁夫が来ないうちにその場を後にする。
___数分前
ここら一帯は他より少し高い位置にあるらしく、森を出ると崖の上からこのステージを一望できた。
「あれ、4区の奴らじゃないか?」
そこで周囲を監視していた京夜が正面を指差しながらそう言う。
「あ~そうだな」
「・・・お兄様」
その方向を見ると、確かに星乃と数人が戦闘をしているのが見えた。
「戦闘してるな」
「京夜、お前ならこの距離からでも敵を撃ち抜けるんじゃろ?」
「ああ」
環のそんな発言に京夜は同意して、担いでいた直方体の形をしたバッグを開けて、中身を取り出す。
「何じゃそれは?」
「俺の愛銃【刹那】だ。予選のときは持ち込みに制限が多すぎて使えなかったからな」
京夜が取り出したのは80cm程の大きさのスナイパーライフルだ。
これは特注仕様で、流石に実弾は入っていないが、京夜の《狙撃》を使うことを前提に作られており能力との相性は最高だ。
京夜は素早く【刹那】を構える。
「・・・環、ちなみにあっちに向けて橋を作ることって可能か?」
「もちろん可能じゃが、何をするきじゃ?」
突然そんな事を言い出した僕を訝しむように環はその理由を聞いてくる。
「いや~、あそこの戦闘に飛び込もうかと・・・」
「バカかお前は!?」
僕の作戦を聞いた環は大きな声でそう叫ぶ。
「絶対倒されないからさ!頼む!」
「・・・まあお前はポイントが低い割に強いしいいじゃろう。ただし絶対に帰って来るんだぞ?」
「おう!」
僕の願いが届いたのか若干呆れている様子の環からの許可が降りたため、僕は準備運動をする。
「いいか?橋を掛けて置けるのは10秒だけだぞ?それを過ぎたら橋は消えるからな」
「おう、分かった」
瞬間、環が地面に手を付き、崖から横幅1mほどの橋が星乃達のいる方向に伸びていく。
目的地までの距離はおよそ150mほどか、まあ頑張って走れば間に合うだろ。
そう思いつつ、僕は伸びていく橋の上を走っていく。
その時背後から銃声が聞こえてくる。前方の下を見てみると星乃に倒されていた2人の内の1人に弾丸が命中していた。
僕は内心で、
(京夜ナイス!)
と思いながら全速力で駆けていく。
数秒して、そろそろ橋が消える時間になるが、まだ少し距離がある。
「どうしよ?」
僕は一瞬考えた後、橋が消える直前に思い切りジャンプする。
橋が消えて僕は下の戦場へと落ちていく。
その方向に星乃を見つけた僕は煽りも混ぜてこう言う。
「はぁい!来ちゃったよ!」
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