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琉輝編
【琉輝編】#5 知らない天井
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「こっちだよ、しゅん君!」
なんだよ、僕は今疲れてるんだ。
「早く来てよ、何で来てくれないの?」
だから疲れてるって言ってるだろ、身体中が痛いんだよ。
「しゅん君はわたしの事、好き?」
ああ好きだよ、世界で一番愛してる。
「えへへ、嬉しいな。わたしも好きだよ!」
それは嬉しいな、僕は世界一の幸せ者だよ。
「ねぇ、しゅん君・・・」
なんだよ、僕はそっちには行けないぞ?
「どうしてわたしを助けてくれなかったの?」
「・・・ごめん」
僕が目を覚ますと、視界には白い天井が広がっていた。
「知らない天井だ・・・」
「あんた、それ言いたいだけでしょ・・・」
思わずそう呟いた僕の言葉に、そんなツッコミをしてくる声が聞こえてくる。
「陽向か…見舞いに来てくれたのか?」
まあこの白い天井を見るに、僕はあの不良にボコられた後、駆け付けた琉輝と警官の通報によって病院に運ばれたのだろう。
「そんな所よ。ったく、心配掛けさせないでよね…」
「悪い悪い、でもこうするしか無かったんだよ」
「それは知ってるわ。琉輝もあんたをずっと心配してたわよ?」
そうか、それは少々悪いことしたかもしれないな。
ところで今は何時だ?僕たちが不良に絡まれたのが11時過ぎぐらいで、そこからボコられて気絶して病院に搬送されて・・・
「今の時間は3時よ…あんたがここに運ばれて来てから3時間以上経ってるわ。2時間前に琉輝は帰らせたのよね、あの子も疲れてるだろうしね。」
「そうか、ありがとな」
「まぁ、あんたも大変だったわよね…今日はもう休みなさい」
「いや、僕にはまだするべきことがあるんだ。だからまだ寝るわけにはいかないんだよ」
そう、琉輝との約束である"動画編集"だ。"約束"は守ると決めている。だから一度した約束は何があっても破ってはいけないんだ。
「はぁ…どうせあんたならそう言うと思ってたわよ。ほら、これ」
陽向は呆れつつも、持っていた鞄から僕のノートパソコンを取り出して手渡してくる。
「お、サンキュー!助かったわ!」
「ったく…あんまり無理するんじゃないわよ?」
「おけおけ分かったよ」
「朝には退院出来るらしいからお大事にね、私ももう帰るわ」
「おう、ありがとな。じゃ、また」
「ええ」
陽向はそう言いながら病室を出ていく。
さて、ここからは動画編集の時間だ。正直もう眠ってしまいたいが、やらなければならないだろう。こんな状態でも手抜きは許されない。
「覚悟を決めるか…」
僕は自分の顔を叩きながらそう呟いてノートパソコンを開き、動画編集を開始する。
編集中、琉輝が楽しそうにゲームをプレイする動画を見て、僕は少しだけ癒やされたのだった___
「よぉ~う…ただいま~…」
僕は死にそうな顔で、若干ふらふらとしながら、旅館の扉を開ける。
「え、駿君!?おかえり!!」
「っちょっ…琉輝!?」
すると、エントランスを掃除していたらしい琉輝が僕を見るなり、驚いたような表情をして僕に抱きついて来る。
「じゅんぐん…ボグ…じんばいじで…だんだよ…?」
「お、おう…悪りぃ…心配かけたな…」
僕を抱きしめながら大号泣する琉輝を見て、やはり申し訳無さを感じつつも、こんなにも心配してくれていたということを知れて少し嬉しいなとも思ってしまう。
「もう、大丈夫だ。心配しなくてもいいよ」
「・・・ぐすっ…そっか、でも駿君顔色が悪いよ?」
「・・・あ~、それは・・・」
それは徹夜で寝ずに動画を編集してたからだと言うことは、琉輝を心配させてしまうため黙っておくとする。
「まぁ、とりあえず着替えてくるよ…琉輝も仕事を頑張るんだぞ?」
「うん、分かった!駿君も頑張ってね!」
僕はそう言って、仕事の準備をするために、裏の職員の部屋に行く。
「お、もう大丈夫なのか?」
「ああ、なんとかな…」
職員の部屋に行くと、勝海が着替えていた。
「あ、勝海、ありがとな」
「ん?何が?」
「いや、琉輝に仕事教えてやってたんだろ?」
「ああ、そうだ。感謝してくれよな。まあ、俺も琉輝ちゃんと話せたから良かったけど」
昨夜の事もあってか、琉輝と勝海もそこそこ仲良くなっているようだ。人間関係が良いことは素晴らしいからな、嬉しい限りだ。
「まぁ、これからも琉輝と仲良くしてやってくれよ」
「お?それは俺が琉輝ちゃんと付き合うことのお許しですかいな!?」
「違うに決まってるだろ、何いってんだ…」
くだらない冗談を言う勝海に呆れながら、僕も着替えを済ませて仕事に取り掛かるのだった___
なんだよ、僕は今疲れてるんだ。
「早く来てよ、何で来てくれないの?」
だから疲れてるって言ってるだろ、身体中が痛いんだよ。
「しゅん君はわたしの事、好き?」
ああ好きだよ、世界で一番愛してる。
「えへへ、嬉しいな。わたしも好きだよ!」
それは嬉しいな、僕は世界一の幸せ者だよ。
「ねぇ、しゅん君・・・」
なんだよ、僕はそっちには行けないぞ?
「どうしてわたしを助けてくれなかったの?」
「・・・ごめん」
僕が目を覚ますと、視界には白い天井が広がっていた。
「知らない天井だ・・・」
「あんた、それ言いたいだけでしょ・・・」
思わずそう呟いた僕の言葉に、そんなツッコミをしてくる声が聞こえてくる。
「陽向か…見舞いに来てくれたのか?」
まあこの白い天井を見るに、僕はあの不良にボコられた後、駆け付けた琉輝と警官の通報によって病院に運ばれたのだろう。
「そんな所よ。ったく、心配掛けさせないでよね…」
「悪い悪い、でもこうするしか無かったんだよ」
「それは知ってるわ。琉輝もあんたをずっと心配してたわよ?」
そうか、それは少々悪いことしたかもしれないな。
ところで今は何時だ?僕たちが不良に絡まれたのが11時過ぎぐらいで、そこからボコられて気絶して病院に搬送されて・・・
「今の時間は3時よ…あんたがここに運ばれて来てから3時間以上経ってるわ。2時間前に琉輝は帰らせたのよね、あの子も疲れてるだろうしね。」
「そうか、ありがとな」
「まぁ、あんたも大変だったわよね…今日はもう休みなさい」
「いや、僕にはまだするべきことがあるんだ。だからまだ寝るわけにはいかないんだよ」
そう、琉輝との約束である"動画編集"だ。"約束"は守ると決めている。だから一度した約束は何があっても破ってはいけないんだ。
「はぁ…どうせあんたならそう言うと思ってたわよ。ほら、これ」
陽向は呆れつつも、持っていた鞄から僕のノートパソコンを取り出して手渡してくる。
「お、サンキュー!助かったわ!」
「ったく…あんまり無理するんじゃないわよ?」
「おけおけ分かったよ」
「朝には退院出来るらしいからお大事にね、私ももう帰るわ」
「おう、ありがとな。じゃ、また」
「ええ」
陽向はそう言いながら病室を出ていく。
さて、ここからは動画編集の時間だ。正直もう眠ってしまいたいが、やらなければならないだろう。こんな状態でも手抜きは許されない。
「覚悟を決めるか…」
僕は自分の顔を叩きながらそう呟いてノートパソコンを開き、動画編集を開始する。
編集中、琉輝が楽しそうにゲームをプレイする動画を見て、僕は少しだけ癒やされたのだった___
「よぉ~う…ただいま~…」
僕は死にそうな顔で、若干ふらふらとしながら、旅館の扉を開ける。
「え、駿君!?おかえり!!」
「っちょっ…琉輝!?」
すると、エントランスを掃除していたらしい琉輝が僕を見るなり、驚いたような表情をして僕に抱きついて来る。
「じゅんぐん…ボグ…じんばいじで…だんだよ…?」
「お、おう…悪りぃ…心配かけたな…」
僕を抱きしめながら大号泣する琉輝を見て、やはり申し訳無さを感じつつも、こんなにも心配してくれていたということを知れて少し嬉しいなとも思ってしまう。
「もう、大丈夫だ。心配しなくてもいいよ」
「・・・ぐすっ…そっか、でも駿君顔色が悪いよ?」
「・・・あ~、それは・・・」
それは徹夜で寝ずに動画を編集してたからだと言うことは、琉輝を心配させてしまうため黙っておくとする。
「まぁ、とりあえず着替えてくるよ…琉輝も仕事を頑張るんだぞ?」
「うん、分かった!駿君も頑張ってね!」
僕はそう言って、仕事の準備をするために、裏の職員の部屋に行く。
「お、もう大丈夫なのか?」
「ああ、なんとかな…」
職員の部屋に行くと、勝海が着替えていた。
「あ、勝海、ありがとな」
「ん?何が?」
「いや、琉輝に仕事教えてやってたんだろ?」
「ああ、そうだ。感謝してくれよな。まあ、俺も琉輝ちゃんと話せたから良かったけど」
昨夜の事もあってか、琉輝と勝海もそこそこ仲良くなっているようだ。人間関係が良いことは素晴らしいからな、嬉しい限りだ。
「まぁ、これからも琉輝と仲良くしてやってくれよ」
「お?それは俺が琉輝ちゃんと付き合うことのお許しですかいな!?」
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