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美青年と割れた窓
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「大丈夫かい?怪我しなかったかい?」
そう言って労わるような目をして 額に突きつけてきたのは刃物。尖端が目と鼻の先にある。背筋が凍り急に痛みが引いた代わりにピリピリとした恐怖が押し寄せてくる。
「ひっ・・わっ、わああ、っんむ!?」
叫ぼうとする俺の唇に白く綺麗な指を押し付けてくる青年の顔が迫る。
「大丈夫、安心して。怪しいもんじゃないから。」
そう言って不安と恐怖の元凶に馬乗りに跨られたまま抱き起こされる。背中に硬く冷たい凶器の感覚がする。
「ほら、みて?悪いもんじゃないだろ?美青年に抱きつかれるのも。」
恐怖やら艶めかしい肌やらで思考が固まる。現状を飲み込もうと必死で頭を働かせていると、階段をバタバタっ駆け上がってくる音が聞こえてくる。一人?いや二人!?この足音は双葉じゃない、すると、チッと舌うちした後、自称怪しくない美青年は咄嗟にカーテンを閉めたかと思えば力強く俺を抱き締めてくる。
「にぃちゃん、助けて。おいら怖いよ。」
いや、お前が怖いよ!?
足音は俺のドアの前で止まり、ドンドンドンッと突き破られんじゃないかくらいの威勢で叩いてくる。
「おいッ!そこにいるんだろ!?出てこんかい!!クソッたれ!」
この怒声、確実にその手の輩だろ。
「にぃちゃん、何かしたの?」
「いやいやいやいや、」
それはお前だろ!?
刃物といい、ヤクザといい、此奴何者なんだ?変なのに巻き込まれた!
「おい!とっと開けろや!このクソッ売女!」
「男だっつーの、」
俺の首元で低くボヤいた青年はその声と打って変わった猫撫で声で耳に囁いてくる
「あんちゃん、おいらを守ってね?あと、できるだけ大きなこえで叫んで」
そう言って俺の元からするりと抜けだすと布団の隣にある押入れに隠れ出した。
「あ、ちょっと!」
ガンガンガンガンとドアから音がする。
「っ、わぁあああああ!?」
怖い、怖いよっ!何がどうなってんだ!
束の間、ドカンと音を立ててドアを蹴やぶられ、ヤクザが押し入ってくる。
「よぉ~、あんちゃん。今、女みたいな男、みなかったか?」
「・・・・っ、」
金髪の低身長な男と、その兄貴分であろうパンチパーマの親父が銃片手に腰が抜けて立てない俺を見下ろす。
「・・・・・しっ、知りません」
「ンな訳ねーだろ!コンチクショウ!!この部屋に入ってくんのを見たんだよ!」
金髪ヤクザの怒声についに漏れそうになったところを、兄貴分の方が諫める。
「阿保が黙っとけ!
なぁ~にぃちゃん、悪いこたぁ言わねー、この部屋にいるんだろ?
一万円くれてやるからさあ~、な?」
「・・・・・いっ、いません!」
「嘘つけ!ボコされたいのか!ああん!?」
「オメェがボコされてぇのか、クソが!いいから黙ってろ!
なぁ~にぃちゃん、頼むよ、二万にしてやるよ?」
「っ・・・分かりません」
「三万」
「だっ、だから!」
「十万」
十万円・・・・っ、十万円あれば、数ヶ月は生きてける・・・・
「なあ、にぃちゃん?俺らも時間ねんだ、3つ数えるうちに答えてくれねーか?
はい、ひと~つ」
どうするべきか、素直に答えたら変な面倒事に巻き込まれないだろうし、十万円手に入る。
「はい、ふた~つ」
いや、彼奴は刃物を持ってた。
もし教えて逆恨みされたらすぐ様刺されるかもしれない。
「はい、みぃ~つう!!」
瞬間的に、「守ってね」という青年の言葉と、圭一の笑顔が重なる。
「っ、窓ですッ!!俺から金品を取り上げた後、窓から飛び出しましたッ!」
ああ、匿っちまった。
「随分、時間かかったな。おい、この部屋探せ!」
「押忍。兄貴!」
クソッ、しまった!
「おい、テメェ、さては奴の仲間じゃねーだろうな!」
「ちっ、違いますッ!」
反論しても探す手をやめない二人、ついに押し入の扉を開く!
「あっ、待っ!」
まずい、見つかった!
「あれ、なんだいねーな、どこにいやがんだ」
・・・・いない!?
いや、たしかにさっき。押入れに・・・
覗きこむと、押入れの上の棚にも下の棚にも青年の様子はなく、先程彼が着ていた着物だけが広がっていた。
・・・・・・嗚呼。
「その着物、奴のじゃねーか、
どうなってんだ?」
「っ、ほら!嘘じゃないでしょう?刃物で脅されて俺の服を奪って出て行きました!」
「なんだと、あの野郎!」
「目の前の公園の方を突っ切っていきました!今ならまだそんなに遠くにいってないはずですっ!」
「クソがっ!・・・疑って悪かったななあんちゃん。ほら、十万やるよ。今日のことは内緒にしてくれや。」
そう言って、ヤクザたちは金をばら撒くと早々に部屋を飛び出し駆け出していった。
「っはぁあ~~」
いつもの静寂が訪れると一気に力が抜けた。深く溜息をついて着物に語りかける。
「出てったよ。」
すると着物がむくりと膨れ上がり、白い腕が飛び出した
「っも!限界っ!!」
先程の青年の腕を掴むといっきに引き上げる。押入れの床部分には小さな穴が空いている。
「っは、はぁー疲れたああー。」
汗ばんだ腕が俺を捕まえてなだれ込む。息を整えながら感心した様子で大きな瞳を向けてくる。
「はぁ、はぁ・・・それにしても、あんちゃん、頭いいな。よく気づいたね、俺が下の階の天井にぶら下がってるって」
「さっき、抱きつかれたとき君の腕や身体をみたんだ。細身ではあるけど筋肉に無駄がない。相当鍛えてる。大きな声出せってのはナイフで床を傷つけてるのをバレないようにするためで、ドアの突き破る音と同時に床を突き破った。」
「いやーほんとツイてるね、おいら。良かった、ちょうど下、留守のお家で」
宮代、どっかで飲んでんのか。帰るまでに治さなきゃ。
「お前、何者なんだ?さっきのヤツ・・・」.
「ご褒美あげるよ」
「お、わっ!?」
ニンマリと微笑む美青年は俺を組み敷き馬乗りになる。素っ裸のまま。滑らか肌と引き締まった筋肉を見せつけるようにして悪戯に笑う美青年。
「ちょ、なっ、」
「にぃちゃん、好きモンだろ?匂いでわかんの、おいら。」
そういって、俺の着物の帯に手をかけゴソゴソと緩めてくる。
「無精髭で気づかなかったけど、にぃちゃん意外と男前な面してんのな。ますます気に入った」
漂う彼の色香と久しぶりの温もりに不甲斐なくも反応してしまう。愚息が飛び出し外気に晒すと感嘆の息を漏らす。
「わっ、にぃちゃんのココ、おっきい。もう半勃ちじゃんか。っふ、可愛い。」
艶っぽく笑って触ろうとするところを、慌てて飛び起きる。
「まっ、待てってば!だから、お前何者なんだよ!?」
「そんなことはいいから遊ぼうよー。おいらと」
甘えた声で誘惑する其奴に傍らに転がっていた、ナイフを突きつける。
「もう一度聞く、
お前、一体、何者だ?
言わないと、殺す。」
「んふ、あはっ、あははは!あーあはははは!
ここ!こんなにしてっ!あはははは、説得力ないって!」
ツボに入ったようで腹を抱えて笑いだすと、泪を指で拭きながら、
刃物を掴む俺の手を包む
「いいよ、君に殺されるなら悪くない。でも、その前に教えてあげるよ。
僕の名前はハル。天才芸妓さ。」
そういって、ニンマリと笑うと自ら刃物に腹を近づけてくる。
「殺さないの・・・?」
「っ、くそっ、」
「出来るわけないよね。素人の君には」
見透かされてるようで無性に腹立つが、全くその通りで、ナイフを投げ捨てる。
「ねえ、僕ばかり自己紹介するのはズルくない?教えてよ、にぃちゃんの名前」
「・・・・・正人」
何で俺も素直に答えてんだ、しかも下の名前で。
「まさと。ね。ねぇ、まぁーくん。蝋燭に火付けてよ。俺これ垂らして遊ぶの好きなの」
「なぁ、ハル君。僕は君のこと何も知らないっ!」
「ほんとに?どっかで会ったことない?」
その言葉にズキリとした。刃物で深く抉られたように。確かに初めて会った気がしない。余りに似ているのだ。その笑い方。
「ハルでいいよ。ヤクザ追っ払った仲じゃない。裸のお付き合いー。据え膳食わねば男が廃るよ?」
「中身も知らないヤツと易々したくねんだ」
「意外とお堅いんだね。つまんないなー、枯れちゃったの?」
「いくつだと、思ってっ、わ!」
急に秘部に口づけし細い指を絡めるようにして、弄りだす
「おい!おいっ、やめろって、」
「いいからいいから。二人で楽しもっ」
彼が俺のものを口に含もうとした瞬間、玄関先に人影を感じて二人して慌てて振り向くと、そこには酔っ払った双葉が目をまん丸くしながら突っ立っている。そういやドアなおしてなかった。
「・・・・・・・」
物凄く気まずい沈黙が流れていく。
「・・・・混ざる?」
おい、なんてこと言い出すんだ!
「ばっ、違っ!違うんだ、ふた、」
バァアアン!
「失礼しましたぁあぁああ!」
っと、壊れたドアを閉め、双葉が階段を駆け下りていった。
・・・・・正月早々、どうしてくれんだ。
そう言って労わるような目をして 額に突きつけてきたのは刃物。尖端が目と鼻の先にある。背筋が凍り急に痛みが引いた代わりにピリピリとした恐怖が押し寄せてくる。
「ひっ・・わっ、わああ、っんむ!?」
叫ぼうとする俺の唇に白く綺麗な指を押し付けてくる青年の顔が迫る。
「大丈夫、安心して。怪しいもんじゃないから。」
そう言って不安と恐怖の元凶に馬乗りに跨られたまま抱き起こされる。背中に硬く冷たい凶器の感覚がする。
「ほら、みて?悪いもんじゃないだろ?美青年に抱きつかれるのも。」
恐怖やら艶めかしい肌やらで思考が固まる。現状を飲み込もうと必死で頭を働かせていると、階段をバタバタっ駆け上がってくる音が聞こえてくる。一人?いや二人!?この足音は双葉じゃない、すると、チッと舌うちした後、自称怪しくない美青年は咄嗟にカーテンを閉めたかと思えば力強く俺を抱き締めてくる。
「にぃちゃん、助けて。おいら怖いよ。」
いや、お前が怖いよ!?
足音は俺のドアの前で止まり、ドンドンドンッと突き破られんじゃないかくらいの威勢で叩いてくる。
「おいッ!そこにいるんだろ!?出てこんかい!!クソッたれ!」
この怒声、確実にその手の輩だろ。
「にぃちゃん、何かしたの?」
「いやいやいやいや、」
それはお前だろ!?
刃物といい、ヤクザといい、此奴何者なんだ?変なのに巻き込まれた!
「おい!とっと開けろや!このクソッ売女!」
「男だっつーの、」
俺の首元で低くボヤいた青年はその声と打って変わった猫撫で声で耳に囁いてくる
「あんちゃん、おいらを守ってね?あと、できるだけ大きなこえで叫んで」
そう言って俺の元からするりと抜けだすと布団の隣にある押入れに隠れ出した。
「あ、ちょっと!」
ガンガンガンガンとドアから音がする。
「っ、わぁあああああ!?」
怖い、怖いよっ!何がどうなってんだ!
束の間、ドカンと音を立ててドアを蹴やぶられ、ヤクザが押し入ってくる。
「よぉ~、あんちゃん。今、女みたいな男、みなかったか?」
「・・・・っ、」
金髪の低身長な男と、その兄貴分であろうパンチパーマの親父が銃片手に腰が抜けて立てない俺を見下ろす。
「・・・・・しっ、知りません」
「ンな訳ねーだろ!コンチクショウ!!この部屋に入ってくんのを見たんだよ!」
金髪ヤクザの怒声についに漏れそうになったところを、兄貴分の方が諫める。
「阿保が黙っとけ!
なぁ~にぃちゃん、悪いこたぁ言わねー、この部屋にいるんだろ?
一万円くれてやるからさあ~、な?」
「・・・・・いっ、いません!」
「嘘つけ!ボコされたいのか!ああん!?」
「オメェがボコされてぇのか、クソが!いいから黙ってろ!
なぁ~にぃちゃん、頼むよ、二万にしてやるよ?」
「っ・・・分かりません」
「三万」
「だっ、だから!」
「十万」
十万円・・・・っ、十万円あれば、数ヶ月は生きてける・・・・
「なあ、にぃちゃん?俺らも時間ねんだ、3つ数えるうちに答えてくれねーか?
はい、ひと~つ」
どうするべきか、素直に答えたら変な面倒事に巻き込まれないだろうし、十万円手に入る。
「はい、ふた~つ」
いや、彼奴は刃物を持ってた。
もし教えて逆恨みされたらすぐ様刺されるかもしれない。
「はい、みぃ~つう!!」
瞬間的に、「守ってね」という青年の言葉と、圭一の笑顔が重なる。
「っ、窓ですッ!!俺から金品を取り上げた後、窓から飛び出しましたッ!」
ああ、匿っちまった。
「随分、時間かかったな。おい、この部屋探せ!」
「押忍。兄貴!」
クソッ、しまった!
「おい、テメェ、さては奴の仲間じゃねーだろうな!」
「ちっ、違いますッ!」
反論しても探す手をやめない二人、ついに押し入の扉を開く!
「あっ、待っ!」
まずい、見つかった!
「あれ、なんだいねーな、どこにいやがんだ」
・・・・いない!?
いや、たしかにさっき。押入れに・・・
覗きこむと、押入れの上の棚にも下の棚にも青年の様子はなく、先程彼が着ていた着物だけが広がっていた。
・・・・・・嗚呼。
「その着物、奴のじゃねーか、
どうなってんだ?」
「っ、ほら!嘘じゃないでしょう?刃物で脅されて俺の服を奪って出て行きました!」
「なんだと、あの野郎!」
「目の前の公園の方を突っ切っていきました!今ならまだそんなに遠くにいってないはずですっ!」
「クソがっ!・・・疑って悪かったななあんちゃん。ほら、十万やるよ。今日のことは内緒にしてくれや。」
そう言って、ヤクザたちは金をばら撒くと早々に部屋を飛び出し駆け出していった。
「っはぁあ~~」
いつもの静寂が訪れると一気に力が抜けた。深く溜息をついて着物に語りかける。
「出てったよ。」
すると着物がむくりと膨れ上がり、白い腕が飛び出した
「っも!限界っ!!」
先程の青年の腕を掴むといっきに引き上げる。押入れの床部分には小さな穴が空いている。
「っは、はぁー疲れたああー。」
汗ばんだ腕が俺を捕まえてなだれ込む。息を整えながら感心した様子で大きな瞳を向けてくる。
「はぁ、はぁ・・・それにしても、あんちゃん、頭いいな。よく気づいたね、俺が下の階の天井にぶら下がってるって」
「さっき、抱きつかれたとき君の腕や身体をみたんだ。細身ではあるけど筋肉に無駄がない。相当鍛えてる。大きな声出せってのはナイフで床を傷つけてるのをバレないようにするためで、ドアの突き破る音と同時に床を突き破った。」
「いやーほんとツイてるね、おいら。良かった、ちょうど下、留守のお家で」
宮代、どっかで飲んでんのか。帰るまでに治さなきゃ。
「お前、何者なんだ?さっきのヤツ・・・」.
「ご褒美あげるよ」
「お、わっ!?」
ニンマリと微笑む美青年は俺を組み敷き馬乗りになる。素っ裸のまま。滑らか肌と引き締まった筋肉を見せつけるようにして悪戯に笑う美青年。
「ちょ、なっ、」
「にぃちゃん、好きモンだろ?匂いでわかんの、おいら。」
そういって、俺の着物の帯に手をかけゴソゴソと緩めてくる。
「無精髭で気づかなかったけど、にぃちゃん意外と男前な面してんのな。ますます気に入った」
漂う彼の色香と久しぶりの温もりに不甲斐なくも反応してしまう。愚息が飛び出し外気に晒すと感嘆の息を漏らす。
「わっ、にぃちゃんのココ、おっきい。もう半勃ちじゃんか。っふ、可愛い。」
艶っぽく笑って触ろうとするところを、慌てて飛び起きる。
「まっ、待てってば!だから、お前何者なんだよ!?」
「そんなことはいいから遊ぼうよー。おいらと」
甘えた声で誘惑する其奴に傍らに転がっていた、ナイフを突きつける。
「もう一度聞く、
お前、一体、何者だ?
言わないと、殺す。」
「んふ、あはっ、あははは!あーあはははは!
ここ!こんなにしてっ!あはははは、説得力ないって!」
ツボに入ったようで腹を抱えて笑いだすと、泪を指で拭きながら、
刃物を掴む俺の手を包む
「いいよ、君に殺されるなら悪くない。でも、その前に教えてあげるよ。
僕の名前はハル。天才芸妓さ。」
そういって、ニンマリと笑うと自ら刃物に腹を近づけてくる。
「殺さないの・・・?」
「っ、くそっ、」
「出来るわけないよね。素人の君には」
見透かされてるようで無性に腹立つが、全くその通りで、ナイフを投げ捨てる。
「ねえ、僕ばかり自己紹介するのはズルくない?教えてよ、にぃちゃんの名前」
「・・・・・正人」
何で俺も素直に答えてんだ、しかも下の名前で。
「まさと。ね。ねぇ、まぁーくん。蝋燭に火付けてよ。俺これ垂らして遊ぶの好きなの」
「なぁ、ハル君。僕は君のこと何も知らないっ!」
「ほんとに?どっかで会ったことない?」
その言葉にズキリとした。刃物で深く抉られたように。確かに初めて会った気がしない。余りに似ているのだ。その笑い方。
「ハルでいいよ。ヤクザ追っ払った仲じゃない。裸のお付き合いー。据え膳食わねば男が廃るよ?」
「中身も知らないヤツと易々したくねんだ」
「意外とお堅いんだね。つまんないなー、枯れちゃったの?」
「いくつだと、思ってっ、わ!」
急に秘部に口づけし細い指を絡めるようにして、弄りだす
「おい!おいっ、やめろって、」
「いいからいいから。二人で楽しもっ」
彼が俺のものを口に含もうとした瞬間、玄関先に人影を感じて二人して慌てて振り向くと、そこには酔っ払った双葉が目をまん丸くしながら突っ立っている。そういやドアなおしてなかった。
「・・・・・・・」
物凄く気まずい沈黙が流れていく。
「・・・・混ざる?」
おい、なんてこと言い出すんだ!
「ばっ、違っ!違うんだ、ふた、」
バァアアン!
「失礼しましたぁあぁああ!」
っと、壊れたドアを閉め、双葉が階段を駆け下りていった。
・・・・・正月早々、どうしてくれんだ。
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