20 / 51
第20話 2003年 悦子 53歳
しおりを挟む
「ばーばぁ。ばーばぁ」
「なぁに? 玲子ちゃん」
2003年、平成15年。
孫の玲子は5歳になりました。
保育園へのお迎えは、わたしです。
当然のように、玲子はわたしの家にいます。
保育園へお迎えに行って、お風呂に入れて、ご飯を食べさせて。
夜になって迎えに来た順子へバトンタッチ。
その時に残ったおかずを持たせたりしています。
家は別で、嫁にやったはずですが。
甘い親ですね、わたし。
でも孫は可愛いし、子どもも可愛いのです。
子どもの夫である哲也さんの分はオマケですね。
そんなこんなで世話を焼いているので、孫の玲子はわたしにとても懐いています。
5歳になった玲子は、とてもお喋りが上手です。
「おおきなばーばは、きょう、こない?」
「どの大きなばーばかな?」
玲子は、わたしたち夫婦にはもちろん、哲也さんのご両親や、わたしの両親にもとても可愛がられています。
健太郎さんのご両親にも可愛がられていますから『ばーば』だけでも何人かいるのです。
「えーとねぇ、えーとねぇ、とよちゃん」
とよちゃんは、わたしの実母です。
「とよちゃんおおばーばは、今日は来ないわねぇ~」
玲子はたくさんいる『ばーば』や『じーじ』を覚えているようです。
賢いですね。
我が家にいることが多いですから、普通に『ばーば』と言えばわたしだし、『じーじ』と言ったら健太郎さんなのですけどね。
ついこの間生まれたばかりのような幼子が、たくさんの親族を覚えているというのは感動を覚えます。
もっとも殆ど合わない伯父である健太のことは、あまり記憶にないようですが。
それは当然のことですから仕方ありません。
「とよちゃん、こない……ちょっと、さびしい」
「ふふ。そうなの。寂しいのね」
哲也さんのご両親ではなく、わたしの実母と会えないのが寂しいと言われると、ちょっと心の中でガッツポーズをとっちゃいますね。
大人げないかもしれませんけど、わたしのほうが世話していますからね。
この程度は……ほほほっ。
そんなこんなで楽しく毎日暮らしています。
2003年は、SARSが気になった年でもあります。
今もそうですが、感染症は怖いです。
特に幼い子どものいる家庭では、怖いですよね。
元気に遊んでいて欲しいけれど、子どもはただでさえ病気をしがちです。
すぐに熱を出してしまいますから、用心するに越したことはありません。
無理をさせないように、生活習慣に気を付けて、衛生面にも気を使って……とやっていても病気になるのが子どもです。
特に感染症は、子ども同士で感染しっこしているようなものですから、たまりません。
心配していてもきりがないので、やれることをやるだけです。
「なぁに? 玲子ちゃん」
2003年、平成15年。
孫の玲子は5歳になりました。
保育園へのお迎えは、わたしです。
当然のように、玲子はわたしの家にいます。
保育園へお迎えに行って、お風呂に入れて、ご飯を食べさせて。
夜になって迎えに来た順子へバトンタッチ。
その時に残ったおかずを持たせたりしています。
家は別で、嫁にやったはずですが。
甘い親ですね、わたし。
でも孫は可愛いし、子どもも可愛いのです。
子どもの夫である哲也さんの分はオマケですね。
そんなこんなで世話を焼いているので、孫の玲子はわたしにとても懐いています。
5歳になった玲子は、とてもお喋りが上手です。
「おおきなばーばは、きょう、こない?」
「どの大きなばーばかな?」
玲子は、わたしたち夫婦にはもちろん、哲也さんのご両親や、わたしの両親にもとても可愛がられています。
健太郎さんのご両親にも可愛がられていますから『ばーば』だけでも何人かいるのです。
「えーとねぇ、えーとねぇ、とよちゃん」
とよちゃんは、わたしの実母です。
「とよちゃんおおばーばは、今日は来ないわねぇ~」
玲子はたくさんいる『ばーば』や『じーじ』を覚えているようです。
賢いですね。
我が家にいることが多いですから、普通に『ばーば』と言えばわたしだし、『じーじ』と言ったら健太郎さんなのですけどね。
ついこの間生まれたばかりのような幼子が、たくさんの親族を覚えているというのは感動を覚えます。
もっとも殆ど合わない伯父である健太のことは、あまり記憶にないようですが。
それは当然のことですから仕方ありません。
「とよちゃん、こない……ちょっと、さびしい」
「ふふ。そうなの。寂しいのね」
哲也さんのご両親ではなく、わたしの実母と会えないのが寂しいと言われると、ちょっと心の中でガッツポーズをとっちゃいますね。
大人げないかもしれませんけど、わたしのほうが世話していますからね。
この程度は……ほほほっ。
そんなこんなで楽しく毎日暮らしています。
2003年は、SARSが気になった年でもあります。
今もそうですが、感染症は怖いです。
特に幼い子どものいる家庭では、怖いですよね。
元気に遊んでいて欲しいけれど、子どもはただでさえ病気をしがちです。
すぐに熱を出してしまいますから、用心するに越したことはありません。
無理をさせないように、生活習慣に気を付けて、衛生面にも気を使って……とやっていても病気になるのが子どもです。
特に感染症は、子ども同士で感染しっこしているようなものですから、たまりません。
心配していてもきりがないので、やれることをやるだけです。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
日露戦争の真実
蔵屋
歴史・時代
私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。
日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。
日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。
帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。
日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。
ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。
ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。
深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。
この物語の始まりです。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる