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【中編 一万八千文字くらい + 2,199文字】「君を愛することはない」「ハイ、喜んで!」から始まる女流作家の侯爵夫人生活
退屈がお嫌いな王子のお気に入り
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「退屈だ……」
私はペラン・フレスオ第二王子。
赤毛に金の瞳を持つ、割とハンサムな男だ。
よく一緒にいるトーマス・ニコルソン侯爵令息が高身長で二メートル近いためチビと思われがちだが、180センチ近くあるから割と背も高い。
32歳になっても独身。
遊ぶことしか能の無い昼行灯と言われて続けて久しいが、それには理由がある。
側妃を母に持つ私は、優秀であってはならない存在なのだ。
王位に欠片も興味を示さず、力もない。
そんな男であることを求められている。
結婚相手選びも難しい。
力のありすぎる高位貴族の令嬢ではいけない。
かといって、身分が低すぎてもダメ。
程よい令嬢を選ばなければならないというのも難儀だ。
オマケに私は退屈が嫌い。
大体において、貴族令嬢というものはツマラナイ女性に仕上げて嫁に出されるものだ。
よって、私好みの相手を見つけるのは難しい。
そんな私と一緒に遊んでいたトーマス・ニコルソン侯爵令息が結婚してしまった。
「あいつが結婚するとは。計算外だな」
厳密には、結婚までは想定内だった。
結婚はしても、奥方に入れあげるというのは、想定外で計算外だ。
爵位も継いでトーマス・ニコルソン侯爵となった仕事も忙しくなり、マリー夫人の相手もしたいということで、以前ほど私と遊んでくれなくなってしまった。
「つまらん」
退屈が嫌いな私としては、困ったことになった。
仕方がないのでニコルソン侯爵家にお邪魔しては、トーマスの邪魔をすることを習慣化しようと思う。
「迷惑だから」
「いやいや。お前の口から、そんな言葉を聞くなんて」
「ペラン殿下。その薄ら笑いをやめて下さい、不気味だから」
今日もニコルソン侯爵家にお邪魔している。
季節は初秋。
秋の花が見ごろを迎えつつある頃だ。
午後の優雅なひと時。
ガゼボで大男と、ちょっと小さめの男が向かい合い紅茶を飲む。
この光景が一種異様であることは、最近ちょっとだけ自覚できた。
「で、トーマス。キミの愛しの奥方さまは、何をしているのかな?」
「マリーかい? 彼女は締め切りが近いから執筆を……え? マリー?」
視線の先では話題のご夫人、マリー・ニコルソン侯爵夫人がフラフラと庭を歩いている。
癖の強い小説を書く女性で、その主張の強い体は細い。
どこまでも細い。
と、いっても結婚してから少しふっくらしたような気もする。
日焼け知らずの肌は相変わらず白いが、メイドたちの手入れを受けた金髪は輝いている。
でも青い目は充血しているし、ぱっと見でも普通の侯爵夫人でないことは分かる。
彼女は作家をしているのだ。
小説家だ。
過去、私とトーマスをモデルにしたと思われる小説を書いた。
なんとも艶っぽい場面のある小説で、私は爆笑した。
トーマスは、赤くなって怒っていたが。
たいして真面目でもない癖に変な所で固い男だ。
「マリー!……マリーっ! そっちには行っちゃダメだ、危ないっ! あぁ、アレは寝ぼけているっ」
ひとりで大騒ぎしていた大男は、慌てて立ち上がると夫人の元へと駆けていった。
「……」
退屈だ。
旧知の大男が、糸みたいに細くて若い女性に振り回される様を見るのは面白い。
が、見ているだけては退屈だ。
どうしたものかと眺めていると、頭上から声が降ってきた。
「もうっ……先を越されてしまったわ……」
ブツブツ言いながらガゼボの横にある階段から降りてきたのは、ロザリー・フォットセット伯爵令嬢。
小柄で可愛い爆乳ちゃんだ。
ピンクブロンドに紫の瞳を持ったご令嬢は、マリー夫人の妹さんでもある。
「ほんっと……邪魔っ」
舌打ちしかねない勢いでトーマスを睨んでいる紫の瞳は、私に気付いていないようだ。
玉の輿希望を叫びながら、お姉さま大好きなシスコンである彼女は、ここに良い玉が転がっていることに気付かない。
ちょっと面白いご令嬢だ。
「こんにちは、ご令嬢」
「あら……ご機嫌麗しゅうございます、ペラン殿下」
「ねぇ、ご令嬢。一緒にお茶でも飲みませんか?」
「……はい」
ロザリー伯爵令嬢は、チラチラと姉の方を見ながら私の前に座った。
メイドが手慣れた様子で紅茶を令嬢の前に置く。
「……」
「……」
面白い。
私は32歳。
16歳であるロザリー嬢から見たらオッサンではあるが、第二王子である。
結婚したら臣下に下ることにはなるが、公爵位を得ることになっているので悪い物件ではない。
なのに、目の前のご令嬢ときたら私に無関心なのだ。
今もチラチラと姉の方を伺っていて、トーマスのことを時折り鋭い目で睨んでいる。
実に面白い。
「ねぇ、ロザリー嬢」
「……なんでしょうか? ペラン殿下」
渋々といった感じで紫の瞳がコチラを向く。
これでも王族の一員だが? 赤毛だけどね。
そう言いたくなる。言わないけれど。
それなりの見た目を持っている私を、その瞳にしっかりと映すこともなく意識は他にいっているピンクブロンドのご令嬢。
実に面白い。
「私と結婚、してみないかい?」
「はぁ……結婚…………結婚⁈」
勢いよく紫の瞳がこちらを見る。
揺れるピンクブロンドが輝いて、綺麗な紫の瞳に私の姿がしっかりと捉えられる。
うん、悪くない。
「私と結婚すれば、玉の輿だよ。これでも第二王子だからね」
「えっ……えっ⁈」
「王位は継がないけど、その分、気楽だよ?」
「えっ?」
「お金はあるからさ。贅沢したければ、できるよ」
「は?」
「それに……」
コレが一番、効きそうだなぁ。
「私の屋敷、ここの隣」
「お受けしますっ。結婚のお話、お受けしますっ」
「やったー」
「……」
軽く言う私に、紫の瞳が胡乱になる。
やっぱり面白いな、この子。
貴族のご令嬢だというのに、表情が豊かだ。
「私がキミとの結婚を望んでいるのも、この屋敷の隣に住めるのも、本当だよ」
結婚するなら、この子が良い。
「私は32歳で、キミは16歳だけど。年が離れている分、キミへの負担は軽くできるよ」
若いから、とか、可愛いから、とか、巨乳だから、とかではなく。
「来月には、17歳だよね」
ロザリー嬢と生きていくのは、楽しそうだ。
「ねぇ、ロザリー・フォットセット伯爵令嬢どの」
私はひざまずくと、ポカンとしているロザリー嬢の手を取って、乞う。
「私と結婚してくれないか?」
「……はぃ……はいっ、喜んで!」
「……ロザリー?」
「……ペラン殿下?」
いつの間に戻ってきたのか、マリー夫人とトーマスが、マヌケ面を並べてこちらを見てた。
やっぱり、この選択は正しい。
楽しい事になりそうだ。
私はペラン・フレスオ第二王子。
赤毛に金の瞳を持つ、割とハンサムな男だ。
よく一緒にいるトーマス・ニコルソン侯爵令息が高身長で二メートル近いためチビと思われがちだが、180センチ近くあるから割と背も高い。
32歳になっても独身。
遊ぶことしか能の無い昼行灯と言われて続けて久しいが、それには理由がある。
側妃を母に持つ私は、優秀であってはならない存在なのだ。
王位に欠片も興味を示さず、力もない。
そんな男であることを求められている。
結婚相手選びも難しい。
力のありすぎる高位貴族の令嬢ではいけない。
かといって、身分が低すぎてもダメ。
程よい令嬢を選ばなければならないというのも難儀だ。
オマケに私は退屈が嫌い。
大体において、貴族令嬢というものはツマラナイ女性に仕上げて嫁に出されるものだ。
よって、私好みの相手を見つけるのは難しい。
そんな私と一緒に遊んでいたトーマス・ニコルソン侯爵令息が結婚してしまった。
「あいつが結婚するとは。計算外だな」
厳密には、結婚までは想定内だった。
結婚はしても、奥方に入れあげるというのは、想定外で計算外だ。
爵位も継いでトーマス・ニコルソン侯爵となった仕事も忙しくなり、マリー夫人の相手もしたいということで、以前ほど私と遊んでくれなくなってしまった。
「つまらん」
退屈が嫌いな私としては、困ったことになった。
仕方がないのでニコルソン侯爵家にお邪魔しては、トーマスの邪魔をすることを習慣化しようと思う。
「迷惑だから」
「いやいや。お前の口から、そんな言葉を聞くなんて」
「ペラン殿下。その薄ら笑いをやめて下さい、不気味だから」
今日もニコルソン侯爵家にお邪魔している。
季節は初秋。
秋の花が見ごろを迎えつつある頃だ。
午後の優雅なひと時。
ガゼボで大男と、ちょっと小さめの男が向かい合い紅茶を飲む。
この光景が一種異様であることは、最近ちょっとだけ自覚できた。
「で、トーマス。キミの愛しの奥方さまは、何をしているのかな?」
「マリーかい? 彼女は締め切りが近いから執筆を……え? マリー?」
視線の先では話題のご夫人、マリー・ニコルソン侯爵夫人がフラフラと庭を歩いている。
癖の強い小説を書く女性で、その主張の強い体は細い。
どこまでも細い。
と、いっても結婚してから少しふっくらしたような気もする。
日焼け知らずの肌は相変わらず白いが、メイドたちの手入れを受けた金髪は輝いている。
でも青い目は充血しているし、ぱっと見でも普通の侯爵夫人でないことは分かる。
彼女は作家をしているのだ。
小説家だ。
過去、私とトーマスをモデルにしたと思われる小説を書いた。
なんとも艶っぽい場面のある小説で、私は爆笑した。
トーマスは、赤くなって怒っていたが。
たいして真面目でもない癖に変な所で固い男だ。
「マリー!……マリーっ! そっちには行っちゃダメだ、危ないっ! あぁ、アレは寝ぼけているっ」
ひとりで大騒ぎしていた大男は、慌てて立ち上がると夫人の元へと駆けていった。
「……」
退屈だ。
旧知の大男が、糸みたいに細くて若い女性に振り回される様を見るのは面白い。
が、見ているだけては退屈だ。
どうしたものかと眺めていると、頭上から声が降ってきた。
「もうっ……先を越されてしまったわ……」
ブツブツ言いながらガゼボの横にある階段から降りてきたのは、ロザリー・フォットセット伯爵令嬢。
小柄で可愛い爆乳ちゃんだ。
ピンクブロンドに紫の瞳を持ったご令嬢は、マリー夫人の妹さんでもある。
「ほんっと……邪魔っ」
舌打ちしかねない勢いでトーマスを睨んでいる紫の瞳は、私に気付いていないようだ。
玉の輿希望を叫びながら、お姉さま大好きなシスコンである彼女は、ここに良い玉が転がっていることに気付かない。
ちょっと面白いご令嬢だ。
「こんにちは、ご令嬢」
「あら……ご機嫌麗しゅうございます、ペラン殿下」
「ねぇ、ご令嬢。一緒にお茶でも飲みませんか?」
「……はい」
ロザリー伯爵令嬢は、チラチラと姉の方を見ながら私の前に座った。
メイドが手慣れた様子で紅茶を令嬢の前に置く。
「……」
「……」
面白い。
私は32歳。
16歳であるロザリー嬢から見たらオッサンではあるが、第二王子である。
結婚したら臣下に下ることにはなるが、公爵位を得ることになっているので悪い物件ではない。
なのに、目の前のご令嬢ときたら私に無関心なのだ。
今もチラチラと姉の方を伺っていて、トーマスのことを時折り鋭い目で睨んでいる。
実に面白い。
「ねぇ、ロザリー嬢」
「……なんでしょうか? ペラン殿下」
渋々といった感じで紫の瞳がコチラを向く。
これでも王族の一員だが? 赤毛だけどね。
そう言いたくなる。言わないけれど。
それなりの見た目を持っている私を、その瞳にしっかりと映すこともなく意識は他にいっているピンクブロンドのご令嬢。
実に面白い。
「私と結婚、してみないかい?」
「はぁ……結婚…………結婚⁈」
勢いよく紫の瞳がこちらを見る。
揺れるピンクブロンドが輝いて、綺麗な紫の瞳に私の姿がしっかりと捉えられる。
うん、悪くない。
「私と結婚すれば、玉の輿だよ。これでも第二王子だからね」
「えっ……えっ⁈」
「王位は継がないけど、その分、気楽だよ?」
「えっ?」
「お金はあるからさ。贅沢したければ、できるよ」
「は?」
「それに……」
コレが一番、効きそうだなぁ。
「私の屋敷、ここの隣」
「お受けしますっ。結婚のお話、お受けしますっ」
「やったー」
「……」
軽く言う私に、紫の瞳が胡乱になる。
やっぱり面白いな、この子。
貴族のご令嬢だというのに、表情が豊かだ。
「私がキミとの結婚を望んでいるのも、この屋敷の隣に住めるのも、本当だよ」
結婚するなら、この子が良い。
「私は32歳で、キミは16歳だけど。年が離れている分、キミへの負担は軽くできるよ」
若いから、とか、可愛いから、とか、巨乳だから、とかではなく。
「来月には、17歳だよね」
ロザリー嬢と生きていくのは、楽しそうだ。
「ねぇ、ロザリー・フォットセット伯爵令嬢どの」
私はひざまずくと、ポカンとしているロザリー嬢の手を取って、乞う。
「私と結婚してくれないか?」
「……はぃ……はいっ、喜んで!」
「……ロザリー?」
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