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第十七話 蜜と欲望 2
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レイチェルが遮蔽のための魔道具に手を伸ばそうとすると、クロイツはそれをやんわりと止めた。
「やることは昨夜もやったけど、正式には今夜は初めての夜伽になる。周知するためには、声は部屋の外まで聞こえたほうが効果的だよ」
「それはちょっと恥ずかしいですね」
(わざと使用人たちに声を聞かせるなんて、恥ずかしい)
レイチェルは、頬を赤く染めた。
それを愛しげに見下ろすクロイツは、ピンク色の髪を優しくなでながら言う。
「ん、それはもっともだね。でも周知徹底しておけば、使用人たちの態度が変わるはずだ。大切な君を、もう冷遇なんてさせないよ」
悪戯に笑ったクロイツが右目でバチンとウインクした。
股間をバキバキにしながらもキザな仕草の似合う王子さまだ。
(この素敵な王子さまが、わたしの主)
レイチェルは、気分よく笑った。
(大切な主に、しっかりご奉仕しなくっちゃ)
レイチェルは伸ばした手を引き戻しながら、クロイツの寝間着の下をスルリと下げた。
準備万端の屹立がゴロリとまろびでた。
「ちょっ、レイチェル?」
レイチェルは、戸惑った声を出すクロイツにかまっている暇はなかった。
(立派すぎる)
思わず喉を鳴らした彼女だったが、次にどうするかで迷う。
(いや、欲しいというわけではないけど。まずはどうにかしないとという義務感が……いや、いらないというわけではないけれど……いえ、最終的にはそうなればいいな、とは思ってるけど……じゃなくてっ!)
なぜか言い訳ばかりがレイチェルのなかを去来したが、ボケボケしてもいられない。
(座学のみで実践は不勉強だけど、負けたくないっ)
何の勝負が始まっているのだろうと思いながらも、じっくり眺めているとますます大きくなる目前の屹立へ、レイチェルは立ち向かうことにした。
レイチェルは集中して手のひらに弱く魔力をまとわせる。
そして、目前の屹立に触れた。
「あぁ、そんなところを……」
ビクッと体を震わせて驚くクロイツを見上げて、レイチェルは可愛らしく首を傾げて聞く。
「お嫌い?」
「ん……いや、そんなことは……」
頬を赤く染めてモゾモゾと答える王子さまは、それでもやっぱり輝いている。
(でもこの姿を知るのはおそらく、わたしだけ、よね?)
喜びに輝くレイチェルは、意気揚々と目の前の屹立に再び挑んだ。
手のひらや指先で、クロイツのクロイツに触れる。
(固いと表現するけど、やっぱり人間の体。柔らかいといえば柔らかいわね。表面はちょっとふにょふにょしている……ここが皮だから、これは剥けているという状態で……あ、先っぽのほうは濡れてるっ)
レイチェルがじっくりと観察しつつ触れていると、上のほうから「うっ」とか「あっ」とか小さな呻くような声が降ってくる。
(クロイツさまの声ってセクシーよね)
声を上げさせている当の本人であるレイチェルはどこか無自覚で、興味深げに目の前のものに触れ続けていた。
「あっ……ちょ、ちょっとレイチェル? このままではイッてしまいそうなのだが?」
「どうぞ、遠慮なくイッてしまってください。後の始末は浄化をかければ大丈夫ですから」
レイチェルは、恥じらうこともなく冷静に言った。
(わたしは夜伽聖女なのだから、こんなことでイチイチ恥ずかしがってちゃ仕事にならないわよね)
だが夜伽聖女の理屈は、王太子には伝わらない。
「そういうことでは……そんなところをじっくり撫でまわす必要はないだろう?」
「いえいえ。昨夜は見るのを忘れましたが、呪いが掛けられていると大変ですからね。ちゃんと瘴気払いをしないと」
「ええっ。そこを瘴気払い⁉」
驚くクロイツにレイチェルはこともなげに言う。
「だってわたしは、瘴気払いの夜伽聖女ですよ? 未来の国王に万が一のことがあったら大変ですから、じっくりと……」
「あぁっ!」
魔力を帯びた手の効果は抜群だ。
クロイツは目を白黒させながら、レイチェルの手の中で果てた。
レイチェルの感想は(あっ、こんなに飛ぶんだ)という程度のものだ。
そして宣言通り、浄化の魔法をかけて綺麗にした。
(ん~。クロイツさまのモノというのもあるから……匂いはもちろん感触も、味も気にならないわね。白濁というほど白いかしら? 音もぴゅるぴゅるとは聞こえなかったし。夜伽の手引書には嘘が多いのか、クロイツさまのクロイツさまに呪いがかかっているのか、どちらかしら?)
性的に無知なレイチェルは、極端な二択になっていることにすら気付かない。
クロイツの戸惑いはすっかり無視して2回戦目をすかさず挑み、あっという間にレイチェルは勝利の狼煙を上げたのだった。
「やることは昨夜もやったけど、正式には今夜は初めての夜伽になる。周知するためには、声は部屋の外まで聞こえたほうが効果的だよ」
「それはちょっと恥ずかしいですね」
(わざと使用人たちに声を聞かせるなんて、恥ずかしい)
レイチェルは、頬を赤く染めた。
それを愛しげに見下ろすクロイツは、ピンク色の髪を優しくなでながら言う。
「ん、それはもっともだね。でも周知徹底しておけば、使用人たちの態度が変わるはずだ。大切な君を、もう冷遇なんてさせないよ」
悪戯に笑ったクロイツが右目でバチンとウインクした。
股間をバキバキにしながらもキザな仕草の似合う王子さまだ。
(この素敵な王子さまが、わたしの主)
レイチェルは、気分よく笑った。
(大切な主に、しっかりご奉仕しなくっちゃ)
レイチェルは伸ばした手を引き戻しながら、クロイツの寝間着の下をスルリと下げた。
準備万端の屹立がゴロリとまろびでた。
「ちょっ、レイチェル?」
レイチェルは、戸惑った声を出すクロイツにかまっている暇はなかった。
(立派すぎる)
思わず喉を鳴らした彼女だったが、次にどうするかで迷う。
(いや、欲しいというわけではないけど。まずはどうにかしないとという義務感が……いや、いらないというわけではないけれど……いえ、最終的にはそうなればいいな、とは思ってるけど……じゃなくてっ!)
なぜか言い訳ばかりがレイチェルのなかを去来したが、ボケボケしてもいられない。
(座学のみで実践は不勉強だけど、負けたくないっ)
何の勝負が始まっているのだろうと思いながらも、じっくり眺めているとますます大きくなる目前の屹立へ、レイチェルは立ち向かうことにした。
レイチェルは集中して手のひらに弱く魔力をまとわせる。
そして、目前の屹立に触れた。
「あぁ、そんなところを……」
ビクッと体を震わせて驚くクロイツを見上げて、レイチェルは可愛らしく首を傾げて聞く。
「お嫌い?」
「ん……いや、そんなことは……」
頬を赤く染めてモゾモゾと答える王子さまは、それでもやっぱり輝いている。
(でもこの姿を知るのはおそらく、わたしだけ、よね?)
喜びに輝くレイチェルは、意気揚々と目の前の屹立に再び挑んだ。
手のひらや指先で、クロイツのクロイツに触れる。
(固いと表現するけど、やっぱり人間の体。柔らかいといえば柔らかいわね。表面はちょっとふにょふにょしている……ここが皮だから、これは剥けているという状態で……あ、先っぽのほうは濡れてるっ)
レイチェルがじっくりと観察しつつ触れていると、上のほうから「うっ」とか「あっ」とか小さな呻くような声が降ってくる。
(クロイツさまの声ってセクシーよね)
声を上げさせている当の本人であるレイチェルはどこか無自覚で、興味深げに目の前のものに触れ続けていた。
「あっ……ちょ、ちょっとレイチェル? このままではイッてしまいそうなのだが?」
「どうぞ、遠慮なくイッてしまってください。後の始末は浄化をかければ大丈夫ですから」
レイチェルは、恥じらうこともなく冷静に言った。
(わたしは夜伽聖女なのだから、こんなことでイチイチ恥ずかしがってちゃ仕事にならないわよね)
だが夜伽聖女の理屈は、王太子には伝わらない。
「そういうことでは……そんなところをじっくり撫でまわす必要はないだろう?」
「いえいえ。昨夜は見るのを忘れましたが、呪いが掛けられていると大変ですからね。ちゃんと瘴気払いをしないと」
「ええっ。そこを瘴気払い⁉」
驚くクロイツにレイチェルはこともなげに言う。
「だってわたしは、瘴気払いの夜伽聖女ですよ? 未来の国王に万が一のことがあったら大変ですから、じっくりと……」
「あぁっ!」
魔力を帯びた手の効果は抜群だ。
クロイツは目を白黒させながら、レイチェルの手の中で果てた。
レイチェルの感想は(あっ、こんなに飛ぶんだ)という程度のものだ。
そして宣言通り、浄化の魔法をかけて綺麗にした。
(ん~。クロイツさまのモノというのもあるから……匂いはもちろん感触も、味も気にならないわね。白濁というほど白いかしら? 音もぴゅるぴゅるとは聞こえなかったし。夜伽の手引書には嘘が多いのか、クロイツさまのクロイツさまに呪いがかかっているのか、どちらかしら?)
性的に無知なレイチェルは、極端な二択になっていることにすら気付かない。
クロイツの戸惑いはすっかり無視して2回戦目をすかさず挑み、あっという間にレイチェルは勝利の狼煙を上げたのだった。
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