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第十九話 蜜と欲望 4
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「ねぇ、レイチェル。気持ちいい?」
「んんっ」
「ふふ。答えてよ。愛しい女性」
二度も無駄打ちさせられたクロイツは、攻守交替とばかりに、レイチェルの体に快感を教え込んだ。
唇を強く吸われることも、唇の上をそっと舌先で撫でられることも、クロイツがレイチェルにするのなら意味は同じなのだ。
レイチェルは背筋をぞわっと走っていく官能に、身を震わせる。
それは彼女が彼に仕掛けた時も同じで、クロイツが感じていることは背中に回したレイチェルの指先が教えてくれた。
「時間はたっぷりあるけど、ぼくはもっと気持ちよくなりたい」
「わたしも同じよ」
唇が離れた隙間を縫って、互いの気持ちを確認すれば。
それはいとも簡単に果たされる。
(あぁ、クロイツさまの唇が頬から首筋に下りていったわ……ゾクゾクする。これが快感? 快感ということでいいのかしら? あ、そんな肩先に触れるか触れないかのキスで、こんなに背筋が震えるなんて……)
クロイツの唇が動いていく形に、快感の描く線の上に、レイチェルは自分の体、自分の姿が浮き上がってくるような気がした。
鎖骨に胸の谷間。
隙間を縫うように時折触れられる胸の尖り。
すぅ~と指先が胸の谷間からへその辺りまで撫でたかと思えば、クロイツの舌がへそを撫でた。
「あんっ」
(なぜ⁉ なぜそんなところを舐めるの? しかも快感が走るなんて、わたしの体はどうなっちゃってるの⁉)
腰を跳ねさせながら、レイチェルは動揺する。
「ふふ。可愛いね」
クロイツはご機嫌だ。
(クロイツさまが喜んでいるということは、わたしの体が変ってことはないわよね? あぁ、それにしても美形はだらしのない笑顔になっても、美形だわっ)
レイチェルがクロイツの美しい顔にうっとりしている間に、彼の指先は彼女の無防備な下半身へと潜り込んだ。
「やぁんっ」
中に入ってくる指先の感触に、レイチェルは震えて目を閉じた。
「痛い?」
指先で辿る部分は充分に湿っていて、緩く滑っていく感触を味わっているクロイツには、レイチェルに痛みを与えない自信があった。
だが、あえて聞く。
「んんっ」
レイチェルが甘く呻きながら、ブンブンと左右に首を振る。
ピンク色の髪がバサバサ揺れるのを、クロイツだけが見ていた。
指先から指の根本まで入るようになるまで、たっぷりと時間をかけてレイチェルの体を開いていく。
緩く溢れてくる蜜が、クロイツの指を汚す。
「ぁぁあ~ん」
キュッと目をつぶり、甘く喘ぎながら頭を振ったり、ブルッと震えてみたり、足をばたつかせてみたりとレイチェルは忙しい。
クロイツは口元に弧を描き、しっかりと目を開いて、レイチェルの快楽に染まるしどけない姿を堪能していた。
金の瞳に焼き付けようとでもしているように。
「ん、ちょっとぼくも限界かも」
「あぁん……え?」
クロイツが熱い溜息を吐きながら呟くと、快感に翻弄されてぼんやりしているレイチェルが反応した。
レイチェルの顔の横に自分の顔を近付けると、彼女の耳元でクロイツはささやいた。
「ねぇ、レイチェル」
「んんっ……なぁに? クロイツさま」
「君のなかに入っていい?」
そう言いながらクロイツは、形のよい指を三本、グッとそこに入れて緩く回し、自分の入りたい場所を示した。
「はぁぁっん……いいわ。来て、クロイツさまぁ~」
「ふふ、エロいね。ぼくの聖女さまは」
彼は満足そうに呟いて指を抜くと、今度はグッと自分自身をねじ込んだ。
甘く上がる嬌声を耳で楽しみながら、軽快に腰を振る。
クロイツは、思わず笑い声がこぼれてしまいそうなほど、愉快な気分だった。
「あっあっぁ……ンッ、あっ、やっ」
彼の聖女は、とてもよい声で、とてもよく鳴く。
「あぁ~ん、クロイツさまぁ~」
白く細い指先が彼を求めて空を漂う。
「ん、ぼくは此処にいるよ、レイチェル」
その指先に自分の指先を絡めて、クロイツは口元に引き寄せてると唇を落とした。
絶え間なく動く自分の腰の下で甘く喘ぐ体。
「もっとぉ……もっと、近くにぃ」
「あぁ、分かってるよ」
求められて嬉しくない男はいない。
可愛らしい彼の聖女は、誰よりも近くにいるのに、誰よりも彼を求める。
「あぁ~ん、おいていかないでぇ~」
「ふふ、おいていくもんか」
クロイツはレイチェルを置き去りにしないよう、しっかりと抱きしめて。
2人の楽園へと道筋をつけるように腰を振り続けた。
レイチェルは汗を滴り落とすクロイツの頬に手を伸ばし、震える指先で触れた。
(あぁ、昨日会ったばかりとは思えない。もう貴方なしでは生きられる気がしないわ、クロイツさま。)
熱を持つあなたの体が愛しい。
熱くなってくる自分の体が愛しい。
「あぁ、此処に早く、ぼくの子を宿らせたい」
「うぅ~ん、クロイツさまぁ~」
あなたにとっての、わたし。
わたしにとっての、あなた。
対になってクルクル踊る、運命の不思議。
「ウッ」
「あぁ~ん」
あなたの放つ生は、わたしにとって蜜のよう。
あなたの生きる魂の輝きは、わたしにとっての宝物。
だから遠慮は要らないの。
あなたの滾る欲望を、そっと私の耳元で。
甘く、甘くささやいて。
「レイチェル、愛してる――――」
クロイツはクッタリして意識を手放したレイチェルの、ピンク色した長い髪を撫でた。
「んんっ」
「ふふ。答えてよ。愛しい女性」
二度も無駄打ちさせられたクロイツは、攻守交替とばかりに、レイチェルの体に快感を教え込んだ。
唇を強く吸われることも、唇の上をそっと舌先で撫でられることも、クロイツがレイチェルにするのなら意味は同じなのだ。
レイチェルは背筋をぞわっと走っていく官能に、身を震わせる。
それは彼女が彼に仕掛けた時も同じで、クロイツが感じていることは背中に回したレイチェルの指先が教えてくれた。
「時間はたっぷりあるけど、ぼくはもっと気持ちよくなりたい」
「わたしも同じよ」
唇が離れた隙間を縫って、互いの気持ちを確認すれば。
それはいとも簡単に果たされる。
(あぁ、クロイツさまの唇が頬から首筋に下りていったわ……ゾクゾクする。これが快感? 快感ということでいいのかしら? あ、そんな肩先に触れるか触れないかのキスで、こんなに背筋が震えるなんて……)
クロイツの唇が動いていく形に、快感の描く線の上に、レイチェルは自分の体、自分の姿が浮き上がってくるような気がした。
鎖骨に胸の谷間。
隙間を縫うように時折触れられる胸の尖り。
すぅ~と指先が胸の谷間からへその辺りまで撫でたかと思えば、クロイツの舌がへそを撫でた。
「あんっ」
(なぜ⁉ なぜそんなところを舐めるの? しかも快感が走るなんて、わたしの体はどうなっちゃってるの⁉)
腰を跳ねさせながら、レイチェルは動揺する。
「ふふ。可愛いね」
クロイツはご機嫌だ。
(クロイツさまが喜んでいるということは、わたしの体が変ってことはないわよね? あぁ、それにしても美形はだらしのない笑顔になっても、美形だわっ)
レイチェルがクロイツの美しい顔にうっとりしている間に、彼の指先は彼女の無防備な下半身へと潜り込んだ。
「やぁんっ」
中に入ってくる指先の感触に、レイチェルは震えて目を閉じた。
「痛い?」
指先で辿る部分は充分に湿っていて、緩く滑っていく感触を味わっているクロイツには、レイチェルに痛みを与えない自信があった。
だが、あえて聞く。
「んんっ」
レイチェルが甘く呻きながら、ブンブンと左右に首を振る。
ピンク色の髪がバサバサ揺れるのを、クロイツだけが見ていた。
指先から指の根本まで入るようになるまで、たっぷりと時間をかけてレイチェルの体を開いていく。
緩く溢れてくる蜜が、クロイツの指を汚す。
「ぁぁあ~ん」
キュッと目をつぶり、甘く喘ぎながら頭を振ったり、ブルッと震えてみたり、足をばたつかせてみたりとレイチェルは忙しい。
クロイツは口元に弧を描き、しっかりと目を開いて、レイチェルの快楽に染まるしどけない姿を堪能していた。
金の瞳に焼き付けようとでもしているように。
「ん、ちょっとぼくも限界かも」
「あぁん……え?」
クロイツが熱い溜息を吐きながら呟くと、快感に翻弄されてぼんやりしているレイチェルが反応した。
レイチェルの顔の横に自分の顔を近付けると、彼女の耳元でクロイツはささやいた。
「ねぇ、レイチェル」
「んんっ……なぁに? クロイツさま」
「君のなかに入っていい?」
そう言いながらクロイツは、形のよい指を三本、グッとそこに入れて緩く回し、自分の入りたい場所を示した。
「はぁぁっん……いいわ。来て、クロイツさまぁ~」
「ふふ、エロいね。ぼくの聖女さまは」
彼は満足そうに呟いて指を抜くと、今度はグッと自分自身をねじ込んだ。
甘く上がる嬌声を耳で楽しみながら、軽快に腰を振る。
クロイツは、思わず笑い声がこぼれてしまいそうなほど、愉快な気分だった。
「あっあっぁ……ンッ、あっ、やっ」
彼の聖女は、とてもよい声で、とてもよく鳴く。
「あぁ~ん、クロイツさまぁ~」
白く細い指先が彼を求めて空を漂う。
「ん、ぼくは此処にいるよ、レイチェル」
その指先に自分の指先を絡めて、クロイツは口元に引き寄せてると唇を落とした。
絶え間なく動く自分の腰の下で甘く喘ぐ体。
「もっとぉ……もっと、近くにぃ」
「あぁ、分かってるよ」
求められて嬉しくない男はいない。
可愛らしい彼の聖女は、誰よりも近くにいるのに、誰よりも彼を求める。
「あぁ~ん、おいていかないでぇ~」
「ふふ、おいていくもんか」
クロイツはレイチェルを置き去りにしないよう、しっかりと抱きしめて。
2人の楽園へと道筋をつけるように腰を振り続けた。
レイチェルは汗を滴り落とすクロイツの頬に手を伸ばし、震える指先で触れた。
(あぁ、昨日会ったばかりとは思えない。もう貴方なしでは生きられる気がしないわ、クロイツさま。)
熱を持つあなたの体が愛しい。
熱くなってくる自分の体が愛しい。
「あぁ、此処に早く、ぼくの子を宿らせたい」
「うぅ~ん、クロイツさまぁ~」
あなたにとっての、わたし。
わたしにとっての、あなた。
対になってクルクル踊る、運命の不思議。
「ウッ」
「あぁ~ん」
あなたの放つ生は、わたしにとって蜜のよう。
あなたの生きる魂の輝きは、わたしにとっての宝物。
だから遠慮は要らないの。
あなたの滾る欲望を、そっと私の耳元で。
甘く、甘くささやいて。
「レイチェル、愛してる――――」
クロイツはクッタリして意識を手放したレイチェルの、ピンク色した長い髪を撫でた。
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