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第二十六話 瘴気払いの聖女 1
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扉の前で、レイチェルは振り返った。
大きく開け放たれた窓の外には日常が広がっているのに、室内の異変は明らかだ。
「ヴアァァァァ!」
クロイツは獣のように叫びながら、首のあたりにガシガシと爪を立てている。
白い肌に走る幾本もの赤い筋が痛々しい。
だが当の本人には痛がる素振りもなく、もっと何か別のものに苦しんでいた。
金髪に金の瞳の穏やかな王子さまの姿はそこになく、彼の周囲には禍々しい瘴気が渦巻いている。
ただ事ではない。
周囲に渦巻く瘴気から察するに、事態が悪化することはあっても勝手に沈静化することはないだろうとレイチェルは思った。
(この状態のクロイツさまの姿を見られるのは不味いわ。遮蔽しなきゃ……でも瘴気払いすることを考えたら、少しでも魔力の消耗は小さくしておかないと……)
レイチェルは、悶え苦しむクロイツから目を離さないようにしながら、ジリジリとベッドサイドへと向かった。
そして遮蔽のための魔道具を掴むと魔力を通して起動して、クロイツに止められないように部屋の端へ放り投げる。
(遮蔽をマックスまで上げたから、これで呪いや呪いによる影響も外には漏れないっ。あぁ、クロイツさまの金の瞳が黒くなっていく……)
ついさっきまで普通に仕事をしていたクロイツは既にいない。
「ア゛ア゛ア゛ァァァァッ!」
遮蔽をかけていてもカーテンを閉めていない室内は、午後の日差しが入ってきて明るい。
クロイツの状態は、レイチェルからよく見えた。
なるべくクロイツから距離を取り、部屋の隅から様子を窺っていると、立ったまま見悶えていた彼の体が大きく後ろに仰け反った。
「体の内側から魔法陣が浮き上がったっ⁉」
クロイツの体の内側に仕込まれた防御のための魔法陣と、呪いのために仕込まれた魔法陣が浮かび上がる。
四方に浮かび上がる魔法陣の色は赤、青、緑と様々で、レイチェルの観察眼をもってしても一瞬で見切るのは難しい。
それらが無軌道に動き出し、互いに干渉し、暴走し始めている。
「ヴア゛、ア゛、ガッ……アァ゜ァ゛ァ゛ッ!」
苦しみに身をよじるクロイツの体から魔法陣が展開しようとしている。
ドンドンドンッとレイチェルの体の奥に響くような衝撃を飛ばしながら、青い魔法陣が上下左右前後ろと全方向に展開した。
(あれは防御の魔法陣!)
突風がクロイツの内側から巻き上がって、周囲の家具をバーンと吹き飛ばしていく。
(かなり大規模な防御が働いている。このまま収まってくれれば……)
その希望は、クルクルと円を描いて動いていく青い光の隙間から浮かび上がった赤い光が潰した。
青く光る魔法陣の間を縫うようにしてシュルシュルと煙る赤い色は、妖しく光りながら違う魔法陣を浮かび上がらせる。
(あれは呪い! しかも、かなり大仕掛けの……)
「ガヴァァァ!」
クロイツが獣のような咆哮を上げた。
(苦しいんだわっ! 内側に刻まれている魔法陣が外まで現れているなんて! 全身を貫かれるような痛みがあるはずっ!)
展開しようとしている赤の魔法陣に、青い魔法陣がクルクルと回りながら衝突し、そのたびに真っ黒な煤のようなものが辺りに飛び散っている。
(互いに干渉しあってるっ。ぶつかりあって、魔法陣同士が戦っているようだわ)
混ざりあう青と赤の光は、暗くて汚い色を作りながら部屋の中に広がっていく。
その煙のような黒い色は踊りながら、クロイツの金髪や逞しい体へと絡みついていった。
隙間があれば侵入していく空気のように軽やかな暴走した力は、口や鼻、耳など穴という穴を目指してクロイツの体の中へと入り込んでいく。
「あぁ、ダメ」
レイチェルはクロイツの暴走する魔法陣を鎮めようと、手のひらに溜めた聖力を放った。
白い輝きは、黒い煙を消し去りながら反対側へと突き抜けていく。
けれど黒い煙はモヤモヤと再び広がって、前と同じようにクロイツの体を包んでいくのだ。
(ダメだわ。これじゃ埒が明かない! 遠くからの攻撃では足りない。もっと近くで力を使わなくてはっ。でもどうやって?)
レイチェルはクロイツとの間合いを取りながら悩む。
ジリジリと近付くことはできるが、クロイツ相手では腕力においては圧倒的にレイチェルが不利だ。
(力で倒すことはできない……でも瘴気払いするしか……)
間合いを保ちながら、この先、どうするべきかをレイチェルは考えていた。
だが彼女の決断を待つことなく、事は動いた。
「グゥグルルゥゥゥゥゥッ……ヴガァァァァ!」
クロイツが唸り声を上げながらレイチェルに腕を伸ばし、その手に彼女を掴んだからだ。
「あっ⁉ やっ、だめっ! 離してっ!」
抵抗むなしくレイチェルは、あっという間にクロイツにつかまってしまった。
「グルルルッ」
低い唸りが耳元でしたかと思ったときには、レイチェルの体はベッドの上に放り投げられていた。
「やめてっ!」
レイチェルは叫んでみたが、クロイツの耳に届いているようには見えない。
(逃げなきゃ!)
レイチェルにまで絡みついてくる黒い煤のようなものを聖力で弾き飛ばしながら、組み敷こうとしてくる大きな体から逃れようともがく。
いったんは覆いかぶさる大きな体から抜け出すことに成功したレイチェルの華奢な体は、足首を乱暴につかまれてベッドの上に引きずり戻された。
「離してっ! クロイツさま⁉」
「グルルッ」
(ダメだわ。完全に意識が飲み込まれている)
呪いに乗っ取られているのか、防御に乗っ取られているのか、どちらか分からないまま暴れる体には、いつものキラキラした王子さまのオーラはない。
「うっ」
逃れようと暴れるレイチェルの体を、暴走するクロイツが両腕と自らの体重でグッと押さえつけてきた。
(怖い……)
見た目だけでいえば、瞳が黒くなっただけのクロイツ。
相変わらず綺麗な金髪はキラキラと輝いているし、顔立ちも美しい。
いまはその表情が獲物を求める腹を減らした野獣のようになっているだけだ。
「あっ⁉」
クロイツはレイチェルのドレスの襟元に手を突っ込むと、力任せに引きちぎった。
細かくボタンや紐で守られている衣装が、クロイツの片手で簡単に引きちぎられていく。
白く大きな乳房が無防備にさらされた。
(そうだ、魔力。ドレスの魔法陣に魔力を……)
通してみても無駄だった。
もともと体格がよく筋肉もしっかり付いていてるクロイツの体全体に、暴走した魔力が行き渡っているのだ。
古く拙いクロエ王妃の魔法陣にレイチェルが魔力を通した程度では、ただの布としての強度しか引き出せなかった。
あっという間に裂かれたドレスはレイチェルの体から取り払われ、防御力などない下着も取り去られる。
レイチェルは今、素っ裸だ。
「ちょっ、クロイツさま⁉」
レイチェルは青ざめた。
(え? なに? このまま何をしようと⁉)
事は彼女の恐れていた通りになり、クロイツの顔がレイチェルの上に覆いかぶさってきた。
レイチェルが顔を背けようとすると、大きな右手に顎をとられて戻される。
裸の肌に触れてくる手つきは乱暴で、レイチェルの唇を覆うキスは荒々しい。
大きな左手がレイチェルの肌の上を這う。
レイチェルの体にかけられた守護の力が、バチバチと大きな音を立てながら彼女の体を守る。
だから乱暴に扱われても、傷1つ負うわけではない。
痛みもない。
(でも心が痛い)
愛のない愛撫は暴力と同じ。
相手が愛する男性であれば、心はより痛む。
「クロイツさまっ」
名を呼んでも、いつもの笑顔はかえってこない。
ただ唸るような声が響くだけだ。
「あぁ」
大きな胸を揉みしだかれて、レイチェルの額が七色に光る。
大切な聖女の体を守るために、聖女紋には守護の力も込められている。
聖女紋が大切な聖女を守ろうと、ピンク色に光る蔓が額から全身へと広がっていく。
「ヴガァ⁉」
バチバチバチッと凄い音がして、クロイツが獣のように叫びながら、レイチェルの胸から手を離した。
(聖女紋の攻撃⁉)
音と衝撃は凄いが、レイチェルへの痛みはなかった。
だけど痛いのだ。
聖女は、加護によって守られているけれど。
痛みは加護の防御をかいくぐり、レイチェルの心に襲い掛かる。
肌から伝わる痛みより、心に刺さってくる痛みのほうが辛い。
「ウガガッ」
クロイツは歯を立ててレイチェルの体へかぶりついた。
性的な接触なのに、まるで食べ物になったようだとレイチェルは思った。
乱暴にレイチェルの首筋や胸元を狙うのだが、柔らかいはずの白い肌は、ピシャリと凶暴化した歯を退けた。
「ア゛ガッ⁉」
事態が理解できなくなっているクロイツは、思う通りにならないレイチェルの体に焦れ始めた。
暴れながら立ち上がると着ていた服を手で引きちぎるようにして脱ぎ始めた。
「クッ……クロイツさま?」
あっという間に裸になったクロイツの股間は、大きく反りあがっていた。
(呪いのせいか、股間が黒いっ!)
意外なモノを見たせいか、レイチェルは少し冷静になった。
(わたしは瘴気払いの聖女で、夜伽聖女なのだから役目を果たさなきゃ! 色事じゃない。これは戦いよっ!)
レイチェルは素早く起き上がると、クロイツの黒い瞳から視線を外さないようにしながら後ろへ下がった。
大きく開け放たれた窓の外には日常が広がっているのに、室内の異変は明らかだ。
「ヴアァァァァ!」
クロイツは獣のように叫びながら、首のあたりにガシガシと爪を立てている。
白い肌に走る幾本もの赤い筋が痛々しい。
だが当の本人には痛がる素振りもなく、もっと何か別のものに苦しんでいた。
金髪に金の瞳の穏やかな王子さまの姿はそこになく、彼の周囲には禍々しい瘴気が渦巻いている。
ただ事ではない。
周囲に渦巻く瘴気から察するに、事態が悪化することはあっても勝手に沈静化することはないだろうとレイチェルは思った。
(この状態のクロイツさまの姿を見られるのは不味いわ。遮蔽しなきゃ……でも瘴気払いすることを考えたら、少しでも魔力の消耗は小さくしておかないと……)
レイチェルは、悶え苦しむクロイツから目を離さないようにしながら、ジリジリとベッドサイドへと向かった。
そして遮蔽のための魔道具を掴むと魔力を通して起動して、クロイツに止められないように部屋の端へ放り投げる。
(遮蔽をマックスまで上げたから、これで呪いや呪いによる影響も外には漏れないっ。あぁ、クロイツさまの金の瞳が黒くなっていく……)
ついさっきまで普通に仕事をしていたクロイツは既にいない。
「ア゛ア゛ア゛ァァァァッ!」
遮蔽をかけていてもカーテンを閉めていない室内は、午後の日差しが入ってきて明るい。
クロイツの状態は、レイチェルからよく見えた。
なるべくクロイツから距離を取り、部屋の隅から様子を窺っていると、立ったまま見悶えていた彼の体が大きく後ろに仰け反った。
「体の内側から魔法陣が浮き上がったっ⁉」
クロイツの体の内側に仕込まれた防御のための魔法陣と、呪いのために仕込まれた魔法陣が浮かび上がる。
四方に浮かび上がる魔法陣の色は赤、青、緑と様々で、レイチェルの観察眼をもってしても一瞬で見切るのは難しい。
それらが無軌道に動き出し、互いに干渉し、暴走し始めている。
「ヴア゛、ア゛、ガッ……アァ゜ァ゛ァ゛ッ!」
苦しみに身をよじるクロイツの体から魔法陣が展開しようとしている。
ドンドンドンッとレイチェルの体の奥に響くような衝撃を飛ばしながら、青い魔法陣が上下左右前後ろと全方向に展開した。
(あれは防御の魔法陣!)
突風がクロイツの内側から巻き上がって、周囲の家具をバーンと吹き飛ばしていく。
(かなり大規模な防御が働いている。このまま収まってくれれば……)
その希望は、クルクルと円を描いて動いていく青い光の隙間から浮かび上がった赤い光が潰した。
青く光る魔法陣の間を縫うようにしてシュルシュルと煙る赤い色は、妖しく光りながら違う魔法陣を浮かび上がらせる。
(あれは呪い! しかも、かなり大仕掛けの……)
「ガヴァァァ!」
クロイツが獣のような咆哮を上げた。
(苦しいんだわっ! 内側に刻まれている魔法陣が外まで現れているなんて! 全身を貫かれるような痛みがあるはずっ!)
展開しようとしている赤の魔法陣に、青い魔法陣がクルクルと回りながら衝突し、そのたびに真っ黒な煤のようなものが辺りに飛び散っている。
(互いに干渉しあってるっ。ぶつかりあって、魔法陣同士が戦っているようだわ)
混ざりあう青と赤の光は、暗くて汚い色を作りながら部屋の中に広がっていく。
その煙のような黒い色は踊りながら、クロイツの金髪や逞しい体へと絡みついていった。
隙間があれば侵入していく空気のように軽やかな暴走した力は、口や鼻、耳など穴という穴を目指してクロイツの体の中へと入り込んでいく。
「あぁ、ダメ」
レイチェルはクロイツの暴走する魔法陣を鎮めようと、手のひらに溜めた聖力を放った。
白い輝きは、黒い煙を消し去りながら反対側へと突き抜けていく。
けれど黒い煙はモヤモヤと再び広がって、前と同じようにクロイツの体を包んでいくのだ。
(ダメだわ。これじゃ埒が明かない! 遠くからの攻撃では足りない。もっと近くで力を使わなくてはっ。でもどうやって?)
レイチェルはクロイツとの間合いを取りながら悩む。
ジリジリと近付くことはできるが、クロイツ相手では腕力においては圧倒的にレイチェルが不利だ。
(力で倒すことはできない……でも瘴気払いするしか……)
間合いを保ちながら、この先、どうするべきかをレイチェルは考えていた。
だが彼女の決断を待つことなく、事は動いた。
「グゥグルルゥゥゥゥゥッ……ヴガァァァァ!」
クロイツが唸り声を上げながらレイチェルに腕を伸ばし、その手に彼女を掴んだからだ。
「あっ⁉ やっ、だめっ! 離してっ!」
抵抗むなしくレイチェルは、あっという間にクロイツにつかまってしまった。
「グルルルッ」
低い唸りが耳元でしたかと思ったときには、レイチェルの体はベッドの上に放り投げられていた。
「やめてっ!」
レイチェルは叫んでみたが、クロイツの耳に届いているようには見えない。
(逃げなきゃ!)
レイチェルにまで絡みついてくる黒い煤のようなものを聖力で弾き飛ばしながら、組み敷こうとしてくる大きな体から逃れようともがく。
いったんは覆いかぶさる大きな体から抜け出すことに成功したレイチェルの華奢な体は、足首を乱暴につかまれてベッドの上に引きずり戻された。
「離してっ! クロイツさま⁉」
「グルルッ」
(ダメだわ。完全に意識が飲み込まれている)
呪いに乗っ取られているのか、防御に乗っ取られているのか、どちらか分からないまま暴れる体には、いつものキラキラした王子さまのオーラはない。
「うっ」
逃れようと暴れるレイチェルの体を、暴走するクロイツが両腕と自らの体重でグッと押さえつけてきた。
(怖い……)
見た目だけでいえば、瞳が黒くなっただけのクロイツ。
相変わらず綺麗な金髪はキラキラと輝いているし、顔立ちも美しい。
いまはその表情が獲物を求める腹を減らした野獣のようになっているだけだ。
「あっ⁉」
クロイツはレイチェルのドレスの襟元に手を突っ込むと、力任せに引きちぎった。
細かくボタンや紐で守られている衣装が、クロイツの片手で簡単に引きちぎられていく。
白く大きな乳房が無防備にさらされた。
(そうだ、魔力。ドレスの魔法陣に魔力を……)
通してみても無駄だった。
もともと体格がよく筋肉もしっかり付いていてるクロイツの体全体に、暴走した魔力が行き渡っているのだ。
古く拙いクロエ王妃の魔法陣にレイチェルが魔力を通した程度では、ただの布としての強度しか引き出せなかった。
あっという間に裂かれたドレスはレイチェルの体から取り払われ、防御力などない下着も取り去られる。
レイチェルは今、素っ裸だ。
「ちょっ、クロイツさま⁉」
レイチェルは青ざめた。
(え? なに? このまま何をしようと⁉)
事は彼女の恐れていた通りになり、クロイツの顔がレイチェルの上に覆いかぶさってきた。
レイチェルが顔を背けようとすると、大きな右手に顎をとられて戻される。
裸の肌に触れてくる手つきは乱暴で、レイチェルの唇を覆うキスは荒々しい。
大きな左手がレイチェルの肌の上を這う。
レイチェルの体にかけられた守護の力が、バチバチと大きな音を立てながら彼女の体を守る。
だから乱暴に扱われても、傷1つ負うわけではない。
痛みもない。
(でも心が痛い)
愛のない愛撫は暴力と同じ。
相手が愛する男性であれば、心はより痛む。
「クロイツさまっ」
名を呼んでも、いつもの笑顔はかえってこない。
ただ唸るような声が響くだけだ。
「あぁ」
大きな胸を揉みしだかれて、レイチェルの額が七色に光る。
大切な聖女の体を守るために、聖女紋には守護の力も込められている。
聖女紋が大切な聖女を守ろうと、ピンク色に光る蔓が額から全身へと広がっていく。
「ヴガァ⁉」
バチバチバチッと凄い音がして、クロイツが獣のように叫びながら、レイチェルの胸から手を離した。
(聖女紋の攻撃⁉)
音と衝撃は凄いが、レイチェルへの痛みはなかった。
だけど痛いのだ。
聖女は、加護によって守られているけれど。
痛みは加護の防御をかいくぐり、レイチェルの心に襲い掛かる。
肌から伝わる痛みより、心に刺さってくる痛みのほうが辛い。
「ウガガッ」
クロイツは歯を立ててレイチェルの体へかぶりついた。
性的な接触なのに、まるで食べ物になったようだとレイチェルは思った。
乱暴にレイチェルの首筋や胸元を狙うのだが、柔らかいはずの白い肌は、ピシャリと凶暴化した歯を退けた。
「ア゛ガッ⁉」
事態が理解できなくなっているクロイツは、思う通りにならないレイチェルの体に焦れ始めた。
暴れながら立ち上がると着ていた服を手で引きちぎるようにして脱ぎ始めた。
「クッ……クロイツさま?」
あっという間に裸になったクロイツの股間は、大きく反りあがっていた。
(呪いのせいか、股間が黒いっ!)
意外なモノを見たせいか、レイチェルは少し冷静になった。
(わたしは瘴気払いの聖女で、夜伽聖女なのだから役目を果たさなきゃ! 色事じゃない。これは戦いよっ!)
レイチェルは素早く起き上がると、クロイツの黒い瞳から視線を外さないようにしながら後ろへ下がった。
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