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第二十七話 瘴気払いの聖女 2
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(わたしは、わたしの、役目を果たすっ!)
素っ裸で気合を入れても滑稽だと頭の端でチラッと思いつつも、レイチェルは自分の両手に魔力をまとわせた。
命の危機に直面する状態が、いつも万全な時を狙ってくるとは限らない。
(武器を持たずに身1つで戦える夜伽聖女は、その意味では最強ね!)
瘴気払いをするのなら使うのは聖力だ。
魔力を聖なる力に転化した聖力には、呪いや呪いによって生じた瘴気を払う力がある。
(魔力を聖力に転化して使うと、魔力の消耗が早くなるけど……わたしの魔力量は多いし、何より今は聖力以外、武器になりそうもないっ)
クロイツの周囲では青い魔法陣が必死になっているように回っている。
しかし隙間から出てこようとする赤い呪いの魔法陣すら消すことができていない。
チラチラと見える緑色の光は、回復のための魔法陣か。
体内ではどのくらいの魔法陣が展開し、戦いが繰り広げられているのか、レイチェルには想像もつかない。
赤と青がぶつかり合うたびに発生する真っ黒な煤のようなものが、霧のようになってクロイツにまとわりついている。
白く逞しい彼の体の回りで踊る黒いものは、まるで長く伸びた体毛のように見えた。
(国王の夜伽聖女は、呪われやすい我が国で国王を呪いから守るのが役目。まだクロイツさまは国王ではないけれど、この呪いは国王級だわっ)
レイチェルには気合を入れて、手にまとわせた魔力を聖力に転化していく。
(さっきの手応えから考えると、離れた場所からの攻撃では効果が期待できなさそうだけど……やってみなきゃわからないわね。えいっ)
手から放たれた白い光がクロイツ目指して飛んでいく。
「ギャアァァァァァァ!」
真正面から聖力を喰らったクロイツは、叫び声を上げる。
体毛のように彼を覆っていた黒いものが一瞬だけ払われて、本来の白い肌が現れた。
だが、すぐに霧のような物が伸びてきて彼の体を再び黒く覆った。
(やはり離れての攻撃では効果が薄い。ここからではクロイツさまの体内で起きていることも見えないわ)
だが近付くのも危険、とレイチェルが考えているうちにクロイツのほうが動いた。
天蓋にぶつかる勢いで飛んだ大きな体が、レイチェルを押しつぶす。
「キャー!」
悲鳴はレイチェルの口から勝手に上がるけれど、遮蔽した部屋のなかで声を上げたところで助けはこない。
大きなベッドのクッションは優秀だが、彼女の体はそこそこの衝撃を受けながらベッドへと沈んだ。
「グルルルッ」
「クロイツさまっ! しっかりして!」
レイチェルは懸命にクロイツへ声をかけるも、彼が反応する様子はない。
(仕方ない。瘴気払いしなきゃ)
彼女の気合に合わせるように、額の聖女紋が七色に輝く。
ハート模様に蔓が絡まるようなデザインの聖女紋からは蔓が伸び、レイチェルの全身を覆っている。
ピンク色をベースにして七色に光る蔓は、聖力を帯びていて、それ自体が防具のような役割を果たすのだ。
(どこまで効果があるか分からないけど……わたし、魔力が尽きたら死ぬわね。ヘレンさまのように)
日が傾いてきて暗くなり始めた室内で、レイチェルを浮き上がらせるように聖女紋は輝く。
言葉を発することができないほど瘴気の回ったクロイツが、熱に浮かされたように彼女の体に歯を立てる。
柔らかそうな肌にガシガシと歯を立てても、聖女紋の力に弾かれて目的は果たせない。
レイチェルの両手を手首あたりでまとめて左手で押さえ込み、両足の膝に体重をかけて彼女の両足を封じても、レイチェルの体はクロイツの思い通りにはならない。
彼はグルルルッと不満げな声を上げながら、彼女の体に舌を這わせる。
そして高ぶった自分自身を、レイチェルの陰部にじれったそうに激しく擦り付けた。
「もうっ、いい加減にしてっ!」
レイチェルは全身に聖力を走らせた。
「ガウッ⁉」
驚いたクロイツは覆いかぶさっていた体を跳ねるようにして退けた。
股間を高々と反り返しているクロイツは、上半身を起こして後ろに大きく体を反らせている。
(すっごい体幹っ)
屹立する肉茎は、呪いの質の悪さを表していた。
(女性の体を無理矢理開かせて死ぬまで犯させる呪いなんてっ。本人が生き残ったって、不名誉がベッタリ付くような呪いじゃないっ。)
熱く固く立ち上がる肉槍の先端には、白ではなく黒に近い灰色のものが迸って濡れていた。
(精子にまで呪いをかけるって、どんな呪いよ⁉)
「もう本当に厄介な呪いねっ!」
レイチェルは上半身をパンッと起き上がらせるとクロイツの太茎を掴んだ。
「ガッ⁉」
驚いたクロイツの体が少し浮いたところで、レイチェルは押さえつけられていた足を引き抜いた。
「ガァァァァァ!」
不満げに声を上げる体のガッチガチの巨竿を、レイチェルは力を入れて擦り上げた。
クロイツが再びレイチェルを組み敷こうとするが、聖女紋から続く蔓がスルスルと伸びて彼の両手首をとらえた。
「ガッ⁉」
立ち上がろうとする膝と足首にも、ピンク色した蔓がクルクルと巻き付いて拘束する。
クロイツは腰をレイチェルへと差し出すような形を取らされて動きを封じられた。
「ウガァァッ!」
怒ったような叫びをあげるクロイツに、レイチェルは余裕の笑みを向けた。
「心配しないで、ちゃんと処理してあげるわっ」
「ガッ⁉」
レイチェルは両手に魔力をまとわせると聖力へと転化させながら、獰猛な陰茎を滅茶苦茶に擦り上げた。
クロイツは背中を仰け反らせ、何か叫びながら黒に近い白濁を噴き上げる。
「ん、それなりに魔力は消耗するわね。でもクロイツさまもでしょ? この調子で頑張って出してしまえば瘴気が体の外に出て楽になります」
「グッ……フゥゥッ……くはぁっ」
聖力をまとった手で擦り続けられている高ぶりは、再び灰色の熱い液体を吐出させた。
「あぁ、もうっ。楽しくないのに消耗するっ。呪いの魔法陣は仕掛けにすぎないから、発動したって何も伝わらないのよね。呪いが潰されている今の状態が、呪い主に何も伝わらないのは腹が立つけど……後でまとめて呪詛返しでも喰らえばいいわ」
「アッ、ひいぃぃぃぃ……はぁ……ウグッ⁉」
クロイツは状況を分かっているのか分かっていないのか、レイチェルに知る術はないが、嬌声を上げ続けている。
「もうっ、どうですかぁ? クロイツさま。少しでも気持ちよくなっているといいけど……」
「アヒャッ……ハッ……アゥゥゥ」
欲望は弾けるごとに、黒さは減ってきている。
だがまだまだ『白』には程遠い色だ。
「アッアッアッ……アヒャ……ウゥ―ッ、アッ、オッ、フクゥゥゥゥ!」
「あ、また出た」
滑る手元を見ながらレイチェルは呟く。
(エッチな光景といえば、エッチではあるのだけれど……それどころじゃないのよ、こっちは。あぁ、魔力の消耗が激しいっ)
魔力量の多いレイチェルであっても、自我を失うほどの呪いに呑まれたクロイツを正気に戻すのは大変だ。
(こっからは持久戦か。ヘレンさまの魔力量は、わたしよりも少なかっただろうから……コレは枯れるし、焦げるわよっ)
「ガッ⁉ アヒィ……ヒャンッ。ウッ……フゥ~ンッ……フハァ~オッ」
クロイツのクロイツは熱い爆発を何度繰り返したかしれない。
魔力を聖力に転化して使うのも、聖女紋から伸びる蔓による拘束も、レイチェルを消耗させた。
(回数よりも色と濃さよ。まだ灰色だし、液体というには随分とドロッとしてるわ。片栗粉を溶かすのに水の分量を間違えたみたいな感じ)
「アァァァ―! ウグゥッ⁉ アッ、フゥゥゥ……ヒャッ、ヒャフゥ、ウッ」
レイチェルの手中にあるクロイツの熱い高ぶりは、まだ固いままだ。
(うーん、声。声大事。こんな何度も聞いてると、なんだかエッチな声に聞こえなくなってくるわ。クロイツさまの声はセクシーなのに、次に聞いたら笑っちゃいそう)
魔力消耗が激しく意識の朦朧としてきたレイチェルは、埒もないことを考えていた。
「アッアッ、ウグッ、ヒャァ~。アヒッ、アッヘッウーッ、オッ……グッ。ン……ヒャン、ヒャフゥ、オホッ……」
(あー手が疲れてきたぁ~。だるぅ~い。もう、何回だせば……てか、青い魔法陣! お前も守護の魔法陣なら仕事しろっ)
疲れてきて思考まで雑になるレイチェル。
イキ続けるクロイツ。
これもまたひとつの地獄絵図である。
「あっ、うっ、いくっ」
何度聞いたか分からないクロイツの喘ぎ声と共に、反りかえった男根の力が弱くなった。
(あ、白い)
朦朧とする頭で確認した熱い飛沫は、ようやく白濁らしきものになった。
レイチェルはクロイツの目を見た。
大きく見開いた目のなかに収まっていたのは金の瞳。
「ようやく戻ったぁ~……」
レイチェルはふっと笑いながら呟いた。
視界に映るクロイツは、素っ裸のままオロオロとしていて面白い。
クルクル回る青い魔法陣に守られたクロイツは、動揺した様子で呟いている。
「あぁ……レイチェル。ぼくは……なんてことを……」
心配そうにレイチェルを覗き込んでいるクロイツ。
そこには正気に戻った王子さまの姿があった。
(よかったぁ~……いつものクロイツさまだわ……)
レイチェルは安堵し、意識を手放した。
素っ裸で気合を入れても滑稽だと頭の端でチラッと思いつつも、レイチェルは自分の両手に魔力をまとわせた。
命の危機に直面する状態が、いつも万全な時を狙ってくるとは限らない。
(武器を持たずに身1つで戦える夜伽聖女は、その意味では最強ね!)
瘴気払いをするのなら使うのは聖力だ。
魔力を聖なる力に転化した聖力には、呪いや呪いによって生じた瘴気を払う力がある。
(魔力を聖力に転化して使うと、魔力の消耗が早くなるけど……わたしの魔力量は多いし、何より今は聖力以外、武器になりそうもないっ)
クロイツの周囲では青い魔法陣が必死になっているように回っている。
しかし隙間から出てこようとする赤い呪いの魔法陣すら消すことができていない。
チラチラと見える緑色の光は、回復のための魔法陣か。
体内ではどのくらいの魔法陣が展開し、戦いが繰り広げられているのか、レイチェルには想像もつかない。
赤と青がぶつかり合うたびに発生する真っ黒な煤のようなものが、霧のようになってクロイツにまとわりついている。
白く逞しい彼の体の回りで踊る黒いものは、まるで長く伸びた体毛のように見えた。
(国王の夜伽聖女は、呪われやすい我が国で国王を呪いから守るのが役目。まだクロイツさまは国王ではないけれど、この呪いは国王級だわっ)
レイチェルには気合を入れて、手にまとわせた魔力を聖力に転化していく。
(さっきの手応えから考えると、離れた場所からの攻撃では効果が期待できなさそうだけど……やってみなきゃわからないわね。えいっ)
手から放たれた白い光がクロイツ目指して飛んでいく。
「ギャアァァァァァァ!」
真正面から聖力を喰らったクロイツは、叫び声を上げる。
体毛のように彼を覆っていた黒いものが一瞬だけ払われて、本来の白い肌が現れた。
だが、すぐに霧のような物が伸びてきて彼の体を再び黒く覆った。
(やはり離れての攻撃では効果が薄い。ここからではクロイツさまの体内で起きていることも見えないわ)
だが近付くのも危険、とレイチェルが考えているうちにクロイツのほうが動いた。
天蓋にぶつかる勢いで飛んだ大きな体が、レイチェルを押しつぶす。
「キャー!」
悲鳴はレイチェルの口から勝手に上がるけれど、遮蔽した部屋のなかで声を上げたところで助けはこない。
大きなベッドのクッションは優秀だが、彼女の体はそこそこの衝撃を受けながらベッドへと沈んだ。
「グルルルッ」
「クロイツさまっ! しっかりして!」
レイチェルは懸命にクロイツへ声をかけるも、彼が反応する様子はない。
(仕方ない。瘴気払いしなきゃ)
彼女の気合に合わせるように、額の聖女紋が七色に輝く。
ハート模様に蔓が絡まるようなデザインの聖女紋からは蔓が伸び、レイチェルの全身を覆っている。
ピンク色をベースにして七色に光る蔓は、聖力を帯びていて、それ自体が防具のような役割を果たすのだ。
(どこまで効果があるか分からないけど……わたし、魔力が尽きたら死ぬわね。ヘレンさまのように)
日が傾いてきて暗くなり始めた室内で、レイチェルを浮き上がらせるように聖女紋は輝く。
言葉を発することができないほど瘴気の回ったクロイツが、熱に浮かされたように彼女の体に歯を立てる。
柔らかそうな肌にガシガシと歯を立てても、聖女紋の力に弾かれて目的は果たせない。
レイチェルの両手を手首あたりでまとめて左手で押さえ込み、両足の膝に体重をかけて彼女の両足を封じても、レイチェルの体はクロイツの思い通りにはならない。
彼はグルルルッと不満げな声を上げながら、彼女の体に舌を這わせる。
そして高ぶった自分自身を、レイチェルの陰部にじれったそうに激しく擦り付けた。
「もうっ、いい加減にしてっ!」
レイチェルは全身に聖力を走らせた。
「ガウッ⁉」
驚いたクロイツは覆いかぶさっていた体を跳ねるようにして退けた。
股間を高々と反り返しているクロイツは、上半身を起こして後ろに大きく体を反らせている。
(すっごい体幹っ)
屹立する肉茎は、呪いの質の悪さを表していた。
(女性の体を無理矢理開かせて死ぬまで犯させる呪いなんてっ。本人が生き残ったって、不名誉がベッタリ付くような呪いじゃないっ。)
熱く固く立ち上がる肉槍の先端には、白ではなく黒に近い灰色のものが迸って濡れていた。
(精子にまで呪いをかけるって、どんな呪いよ⁉)
「もう本当に厄介な呪いねっ!」
レイチェルは上半身をパンッと起き上がらせるとクロイツの太茎を掴んだ。
「ガッ⁉」
驚いたクロイツの体が少し浮いたところで、レイチェルは押さえつけられていた足を引き抜いた。
「ガァァァァァ!」
不満げに声を上げる体のガッチガチの巨竿を、レイチェルは力を入れて擦り上げた。
クロイツが再びレイチェルを組み敷こうとするが、聖女紋から続く蔓がスルスルと伸びて彼の両手首をとらえた。
「ガッ⁉」
立ち上がろうとする膝と足首にも、ピンク色した蔓がクルクルと巻き付いて拘束する。
クロイツは腰をレイチェルへと差し出すような形を取らされて動きを封じられた。
「ウガァァッ!」
怒ったような叫びをあげるクロイツに、レイチェルは余裕の笑みを向けた。
「心配しないで、ちゃんと処理してあげるわっ」
「ガッ⁉」
レイチェルは両手に魔力をまとわせると聖力へと転化させながら、獰猛な陰茎を滅茶苦茶に擦り上げた。
クロイツは背中を仰け反らせ、何か叫びながら黒に近い白濁を噴き上げる。
「ん、それなりに魔力は消耗するわね。でもクロイツさまもでしょ? この調子で頑張って出してしまえば瘴気が体の外に出て楽になります」
「グッ……フゥゥッ……くはぁっ」
聖力をまとった手で擦り続けられている高ぶりは、再び灰色の熱い液体を吐出させた。
「あぁ、もうっ。楽しくないのに消耗するっ。呪いの魔法陣は仕掛けにすぎないから、発動したって何も伝わらないのよね。呪いが潰されている今の状態が、呪い主に何も伝わらないのは腹が立つけど……後でまとめて呪詛返しでも喰らえばいいわ」
「アッ、ひいぃぃぃぃ……はぁ……ウグッ⁉」
クロイツは状況を分かっているのか分かっていないのか、レイチェルに知る術はないが、嬌声を上げ続けている。
「もうっ、どうですかぁ? クロイツさま。少しでも気持ちよくなっているといいけど……」
「アヒャッ……ハッ……アゥゥゥ」
欲望は弾けるごとに、黒さは減ってきている。
だがまだまだ『白』には程遠い色だ。
「アッアッアッ……アヒャ……ウゥ―ッ、アッ、オッ、フクゥゥゥゥ!」
「あ、また出た」
滑る手元を見ながらレイチェルは呟く。
(エッチな光景といえば、エッチではあるのだけれど……それどころじゃないのよ、こっちは。あぁ、魔力の消耗が激しいっ)
魔力量の多いレイチェルであっても、自我を失うほどの呪いに呑まれたクロイツを正気に戻すのは大変だ。
(こっからは持久戦か。ヘレンさまの魔力量は、わたしよりも少なかっただろうから……コレは枯れるし、焦げるわよっ)
「ガッ⁉ アヒィ……ヒャンッ。ウッ……フゥ~ンッ……フハァ~オッ」
クロイツのクロイツは熱い爆発を何度繰り返したかしれない。
魔力を聖力に転化して使うのも、聖女紋から伸びる蔓による拘束も、レイチェルを消耗させた。
(回数よりも色と濃さよ。まだ灰色だし、液体というには随分とドロッとしてるわ。片栗粉を溶かすのに水の分量を間違えたみたいな感じ)
「アァァァ―! ウグゥッ⁉ アッ、フゥゥゥ……ヒャッ、ヒャフゥ、ウッ」
レイチェルの手中にあるクロイツの熱い高ぶりは、まだ固いままだ。
(うーん、声。声大事。こんな何度も聞いてると、なんだかエッチな声に聞こえなくなってくるわ。クロイツさまの声はセクシーなのに、次に聞いたら笑っちゃいそう)
魔力消耗が激しく意識の朦朧としてきたレイチェルは、埒もないことを考えていた。
「アッアッ、ウグッ、ヒャァ~。アヒッ、アッヘッウーッ、オッ……グッ。ン……ヒャン、ヒャフゥ、オホッ……」
(あー手が疲れてきたぁ~。だるぅ~い。もう、何回だせば……てか、青い魔法陣! お前も守護の魔法陣なら仕事しろっ)
疲れてきて思考まで雑になるレイチェル。
イキ続けるクロイツ。
これもまたひとつの地獄絵図である。
「あっ、うっ、いくっ」
何度聞いたか分からないクロイツの喘ぎ声と共に、反りかえった男根の力が弱くなった。
(あ、白い)
朦朧とする頭で確認した熱い飛沫は、ようやく白濁らしきものになった。
レイチェルはクロイツの目を見た。
大きく見開いた目のなかに収まっていたのは金の瞳。
「ようやく戻ったぁ~……」
レイチェルはふっと笑いながら呟いた。
視界に映るクロイツは、素っ裸のままオロオロとしていて面白い。
クルクル回る青い魔法陣に守られたクロイツは、動揺した様子で呟いている。
「あぁ……レイチェル。ぼくは……なんてことを……」
心配そうにレイチェルを覗き込んでいるクロイツ。
そこには正気に戻った王子さまの姿があった。
(よかったぁ~……いつものクロイツさまだわ……)
レイチェルは安堵し、意識を手放した。
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