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第二十八話 癒し
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レイチェルはドロドロの眠りから目を覚ました。
悪い夢を見たような気がする。
けれど、あれは夢ではないだろう。
目をしばたたかせてみたが、あたりは真っ暗で何も見えない。
(あぁ、終わって……疲れて眠ってしまったのね。ん、まだ起き上がる気がしない。魔力は回復してるわ。よかった。カーテンは開いたままだろうから、遮蔽を解かずに灯りを付けましょう)
レイチェルは魔法で部屋を明るくした。
すると大きな男の背中が、ベッドの端のほうに見えた。
(え? クロイツさま?)
クロイツは裸のままベッドの端に力なく座り、自らが切り裂いた亡き母のドレスを抱きしめ、涙を流していた。
金色の瞳がはまった大きな目からは、大きな雫が次から次へと零れて落ちる。
(クロイツさま……あぁ、あなたが悪いわけではないのに……)
レイチェルは寝そべったまま小さな声で、そっと声をかけた。
「クロイツさま」
クロイツの大きな体が、ビクリと大きく跳ねた。
先ほどまでの嵐のような凶暴さは消え去っていて、その姿は小さな子供のように見える。
こちらに背中を向けたまま、クロイツは力なく言う。
「ぼくは……なんてことを……君に……なんてことを……」
「いいのですよ、クロイツさま。あなたに責任はありません」
優しく語り掛けるけれど、彼は振り返ることもなくボロ切れとなり果てたドレスをしっかりと抱きしめて、独り言のように呟いている。
「愛している。愛しているのに……ぼくは君を、愛しているのに……」
小さな声は涙で震えている。
いつもの立派な王子さまの姿はそこにはない。
部屋のなかは暴れまわった衝撃で荒れたままだ。
クロイツは部屋の状態にすら怯えているように背中を丸め、小さく体を震わせている。
レイチェルは起き上がろうとして小さく呻いた。
怪我はしていないが、それなりにダメージはあったようだ。
(あぁ、このままでは起き上がることもままならない)
レイチェルは自分の体に浄化と回復をかけた。
体のあちこちを動かしてみて動けることを確認した彼女は、裸のままムクリと起き上がる。
そしてベッドの端へとにじり寄ると、クロイツの背中へもたれ掛かるようにして寄り添った。
一瞬だけビクンと跳ねた大きな背中は、レイチェルの体温に安堵したかのように力を抜いた。
レイチェルは無言のまま白く細い指先で、大きな背中をなだめるように撫でる。
「ぼくは……弱い……」
クロイツが罪を告白するかのように呟くのを聞きながら、レイチェルは彼の肌の感触を楽しんだ。
裸の肌と肌とが触れ合うのが心地よい。
ベッドの回りには、最初の時と同じように夜伽花が咲いている。
茎を真っ直ぐに伸ばしたバラの花は七色にきらめいていて、この世のものとは思えないほど綺麗だ。
夜伽花は初めて結ばれた夜にも咲くし、大量の瘴気を払った朝にも咲く。
何かあった時には咲く、実に分かりやすい花だ。
レイチェルは静かに口を開いた。
「弱いことは、悪いことですか? クロイツさま。わたしは、そうは思いません」
「レイチェル……」
この七色に輝く花たちは、レイチェルがクロイツを守ることができた証だ。
「わたしは、あなたを守れたことが誇らしい」
「レイチェル……」
クロイツは驚いたように目を見開いてレイチェルを見た。
その金色の瞳は、まだ涙で潤んでいる。
レイチェルは彼の頬を白い指先で辿りながら、教えるようにささやく。
「独りで抱え込む必要などありません。そのために、わたしが側に控えているのですから」
にっこり笑いかければ、クロイツの見開いた目からは大粒の涙が一粒、流れ落ちた。
「……レイチェル」
クロイツは涙で滲む七色に光る花を眺めながら、ポツリポツリと話す。
「ぼくは……理由も分からないまま母を亡くして……幼馴染のヘレンを守ることもできず……いや、違う。ぼくを守らせて死なせてしまった男なのだ」
「クロイツさま……」
傷つき弱った男の姿に衝撃を覚えるべきなのだろうか。
国を背負う男の弱っている姿を責めるべきなのだろうか。
いや違う。
レイチェルには確信があった。
だが――――
(クロイツさま自身が、わたしに守られたり、寄り添われたりするのが、お嫌なのかしら?)
レイチェルの心に不安が一気に押し寄せた。
(もしかして……わたしの存在は、クロイツさまにとって負担なの?)
ホルツに冷遇された日々を思い返して、レイチェルの心は恐れに震えた。
人の感情は、その人だけの物。
いくらレイチェルが役に立つと売り込んだところで、拒否されれば入り込む隙間はない。
クロイツの気持ちが分からなくて、レイチェルは不安に揺れた。
(わたしの居場所は、クロイツさまの隣ではないの?)
不安な気持ちのまま、レイチェルはクロイツの広い背中にそっと細い指を滑らせる。
(わたしは、クロイツさまに守られて甘えるだけではなくて……この背中にかかる重圧を少しでも軽くして差し上げたい)
レイチェルの気持ちに合わせるように夜伽花が七色の光を放ちながら揺れている。
まるでレイチェルを応援するように揺れている。
「ぼくは弱い。弱くて、情けない男だ」
「クロイツさま……」
違うというのが正解なのか、そうだというのが正解なのか。
答えに悩んでレイチェルは揺れた。
「ぼくは……君に酷いことをしてしまった……」
「大丈夫。大丈夫ですよ……」
レイチェルはクロイツの広い背中を撫でた。
子どもにするように慈悲深く、優しく、愛をこめて。
クロイツは、それを嫌がることもなく受け入れている。
甘えるように胸に顔を埋められて、レイチェルの中にあった憂いが解け去っていく。
(呪いがなに? 瘴気払いがなに? 払い終えてしまえば、ただ綺麗な花が咲くだけよ。わたしは……国を背負って生きるクロイツさまの側にいて、彼を支えながら生きていたいだけ。だってわたしには、それができるのだから)
パッと顔を上げたクロイツは、レイチェルに聞いた。
「ねぇ、レイチェル。こんな弱いぼくに、君は寄り添ってくれるの?」
「はい。クロイツさま。わたしはあなたのお側にいます」
「犬にされてしまうような間抜けでも?」
真剣に聞くクロイツを見ながら、レイチェルは噴出した。
「ふふ。ええ。ええ、わたしは、あなたの側にいます」
「君は優しいね……そして強い」
「あなたがそれを望むのなら、わたしはそれを叶えたい。ただ、それだけです……」
レイチェルはクロイツの頭をそっと抱きしめた。
あなたは呪いであり祝福。
祝福であり、呪い。
時に呪いは欲望となって牙をむいて荒れ狂う。
だけどそれすら、わたしには甘い。
だからお願い、逃げないで。
時にわたしを抉るほど、荒ぶり猛り荒れ狂う、あなたの節度を知らぬ欲望で。
わたしを呑み込んでも構わないから。
渦巻くあなたの運命に、わたしを巻き込んで構わないから。
時にその願いは毒。
時にその望みは毒。
だからといって逃げられないのなら、いっそ。
あなたのその欲望に、善悪つけることなく、全てをわたしに教えて。
狂気にそそり立ち、うねり山なす、あなたのなかの激情にわたしを巻き込んで、お願い。
襲い掛かり、揺さぶり、翻弄されても。
押し流されて消えゆくほど、わたしは弱くなどないから。
狂って吠えて。
絶叫くらい受け止める。
流失したりしない。
わたしは、ここにいる。
ここにいる。
だからどうぞ、あなた。
遠慮なく、わたしを呑み込んで。
そして嵐が過ぎたなら。
どうぞ、そっとささやいて。
あなたの思う幸せが、わたしの心へ落ちるように。
遠慮しないでささやいて。
容赦のない願望を、どうぞわたしにささやいて。
あなたの願いが、わたしの願いとなるように。
あなたの望みをささやいて。
クロイツはレイチェルの腕の中、小さな声で望みを呟いた。
「レイチェル。ぼくは君に、側にいてほしい」
「ええ、クロイツさま。わたしもあなたの側にいたいです」
白くて細い腕がギュッと金色の頭を抱きしめる。
「ぼくはきっと、1人では生きていけない」
「わたしがいます。独りになどさせません」
腕のなかのクロイツが笑う。
「ふふ。ぼくは欲張りだから……こんな呪われた体でも、幸せになりたい」
「ええ。幸せになりましょう。わたしも幸せていたいもの」
レイチェルもフフフと笑った。
「でもぼくは、国を率いていかなきゃならない」
「ええ。そうですね。わたしもお手伝いします」
クロイツは縋るようにレイチェルの体を抱きしめて、絞り出すような震える声で告げる。
「……ねぇ……だからお願い、そばにいて。ねぇ、レイチェル」
「はい。はい、はぃ……」
レイチェルの声は涙にかすれた。
クロイツは彼女の腕をそっと外し、すっと背筋を伸ばした。
そして2人は、目と目を合わせて見つめ合う。
レイチェルの額から全身へと蔓を巻いていた七色に輝く聖女紋は、サァァァァッと光のなかに溶けるように消えていく。
今日の夜伽聖女としてのお役目は終わり。
これより先は、ただ2人が愛を確認しあうだけの時。
「レイチェル、愛してる」
「わたしも愛していますわ、クロイツさま」
レイチェルとクロイツは見つめ合い、どちらからともなく抱き合って、柔らかく唇を重ねた。
感情の求めるまま、熱を与えあうような、熱を分け合うようなキスをして、時間の許すかぎり互いに愛を確かめ合ったのだった。
悪い夢を見たような気がする。
けれど、あれは夢ではないだろう。
目をしばたたかせてみたが、あたりは真っ暗で何も見えない。
(あぁ、終わって……疲れて眠ってしまったのね。ん、まだ起き上がる気がしない。魔力は回復してるわ。よかった。カーテンは開いたままだろうから、遮蔽を解かずに灯りを付けましょう)
レイチェルは魔法で部屋を明るくした。
すると大きな男の背中が、ベッドの端のほうに見えた。
(え? クロイツさま?)
クロイツは裸のままベッドの端に力なく座り、自らが切り裂いた亡き母のドレスを抱きしめ、涙を流していた。
金色の瞳がはまった大きな目からは、大きな雫が次から次へと零れて落ちる。
(クロイツさま……あぁ、あなたが悪いわけではないのに……)
レイチェルは寝そべったまま小さな声で、そっと声をかけた。
「クロイツさま」
クロイツの大きな体が、ビクリと大きく跳ねた。
先ほどまでの嵐のような凶暴さは消え去っていて、その姿は小さな子供のように見える。
こちらに背中を向けたまま、クロイツは力なく言う。
「ぼくは……なんてことを……君に……なんてことを……」
「いいのですよ、クロイツさま。あなたに責任はありません」
優しく語り掛けるけれど、彼は振り返ることもなくボロ切れとなり果てたドレスをしっかりと抱きしめて、独り言のように呟いている。
「愛している。愛しているのに……ぼくは君を、愛しているのに……」
小さな声は涙で震えている。
いつもの立派な王子さまの姿はそこにはない。
部屋のなかは暴れまわった衝撃で荒れたままだ。
クロイツは部屋の状態にすら怯えているように背中を丸め、小さく体を震わせている。
レイチェルは起き上がろうとして小さく呻いた。
怪我はしていないが、それなりにダメージはあったようだ。
(あぁ、このままでは起き上がることもままならない)
レイチェルは自分の体に浄化と回復をかけた。
体のあちこちを動かしてみて動けることを確認した彼女は、裸のままムクリと起き上がる。
そしてベッドの端へとにじり寄ると、クロイツの背中へもたれ掛かるようにして寄り添った。
一瞬だけビクンと跳ねた大きな背中は、レイチェルの体温に安堵したかのように力を抜いた。
レイチェルは無言のまま白く細い指先で、大きな背中をなだめるように撫でる。
「ぼくは……弱い……」
クロイツが罪を告白するかのように呟くのを聞きながら、レイチェルは彼の肌の感触を楽しんだ。
裸の肌と肌とが触れ合うのが心地よい。
ベッドの回りには、最初の時と同じように夜伽花が咲いている。
茎を真っ直ぐに伸ばしたバラの花は七色にきらめいていて、この世のものとは思えないほど綺麗だ。
夜伽花は初めて結ばれた夜にも咲くし、大量の瘴気を払った朝にも咲く。
何かあった時には咲く、実に分かりやすい花だ。
レイチェルは静かに口を開いた。
「弱いことは、悪いことですか? クロイツさま。わたしは、そうは思いません」
「レイチェル……」
この七色に輝く花たちは、レイチェルがクロイツを守ることができた証だ。
「わたしは、あなたを守れたことが誇らしい」
「レイチェル……」
クロイツは驚いたように目を見開いてレイチェルを見た。
その金色の瞳は、まだ涙で潤んでいる。
レイチェルは彼の頬を白い指先で辿りながら、教えるようにささやく。
「独りで抱え込む必要などありません。そのために、わたしが側に控えているのですから」
にっこり笑いかければ、クロイツの見開いた目からは大粒の涙が一粒、流れ落ちた。
「……レイチェル」
クロイツは涙で滲む七色に光る花を眺めながら、ポツリポツリと話す。
「ぼくは……理由も分からないまま母を亡くして……幼馴染のヘレンを守ることもできず……いや、違う。ぼくを守らせて死なせてしまった男なのだ」
「クロイツさま……」
傷つき弱った男の姿に衝撃を覚えるべきなのだろうか。
国を背負う男の弱っている姿を責めるべきなのだろうか。
いや違う。
レイチェルには確信があった。
だが――――
(クロイツさま自身が、わたしに守られたり、寄り添われたりするのが、お嫌なのかしら?)
レイチェルの心に不安が一気に押し寄せた。
(もしかして……わたしの存在は、クロイツさまにとって負担なの?)
ホルツに冷遇された日々を思い返して、レイチェルの心は恐れに震えた。
人の感情は、その人だけの物。
いくらレイチェルが役に立つと売り込んだところで、拒否されれば入り込む隙間はない。
クロイツの気持ちが分からなくて、レイチェルは不安に揺れた。
(わたしの居場所は、クロイツさまの隣ではないの?)
不安な気持ちのまま、レイチェルはクロイツの広い背中にそっと細い指を滑らせる。
(わたしは、クロイツさまに守られて甘えるだけではなくて……この背中にかかる重圧を少しでも軽くして差し上げたい)
レイチェルの気持ちに合わせるように夜伽花が七色の光を放ちながら揺れている。
まるでレイチェルを応援するように揺れている。
「ぼくは弱い。弱くて、情けない男だ」
「クロイツさま……」
違うというのが正解なのか、そうだというのが正解なのか。
答えに悩んでレイチェルは揺れた。
「ぼくは……君に酷いことをしてしまった……」
「大丈夫。大丈夫ですよ……」
レイチェルはクロイツの広い背中を撫でた。
子どもにするように慈悲深く、優しく、愛をこめて。
クロイツは、それを嫌がることもなく受け入れている。
甘えるように胸に顔を埋められて、レイチェルの中にあった憂いが解け去っていく。
(呪いがなに? 瘴気払いがなに? 払い終えてしまえば、ただ綺麗な花が咲くだけよ。わたしは……国を背負って生きるクロイツさまの側にいて、彼を支えながら生きていたいだけ。だってわたしには、それができるのだから)
パッと顔を上げたクロイツは、レイチェルに聞いた。
「ねぇ、レイチェル。こんな弱いぼくに、君は寄り添ってくれるの?」
「はい。クロイツさま。わたしはあなたのお側にいます」
「犬にされてしまうような間抜けでも?」
真剣に聞くクロイツを見ながら、レイチェルは噴出した。
「ふふ。ええ。ええ、わたしは、あなたの側にいます」
「君は優しいね……そして強い」
「あなたがそれを望むのなら、わたしはそれを叶えたい。ただ、それだけです……」
レイチェルはクロイツの頭をそっと抱きしめた。
あなたは呪いであり祝福。
祝福であり、呪い。
時に呪いは欲望となって牙をむいて荒れ狂う。
だけどそれすら、わたしには甘い。
だからお願い、逃げないで。
時にわたしを抉るほど、荒ぶり猛り荒れ狂う、あなたの節度を知らぬ欲望で。
わたしを呑み込んでも構わないから。
渦巻くあなたの運命に、わたしを巻き込んで構わないから。
時にその願いは毒。
時にその望みは毒。
だからといって逃げられないのなら、いっそ。
あなたのその欲望に、善悪つけることなく、全てをわたしに教えて。
狂気にそそり立ち、うねり山なす、あなたのなかの激情にわたしを巻き込んで、お願い。
襲い掛かり、揺さぶり、翻弄されても。
押し流されて消えゆくほど、わたしは弱くなどないから。
狂って吠えて。
絶叫くらい受け止める。
流失したりしない。
わたしは、ここにいる。
ここにいる。
だからどうぞ、あなた。
遠慮なく、わたしを呑み込んで。
そして嵐が過ぎたなら。
どうぞ、そっとささやいて。
あなたの思う幸せが、わたしの心へ落ちるように。
遠慮しないでささやいて。
容赦のない願望を、どうぞわたしにささやいて。
あなたの願いが、わたしの願いとなるように。
あなたの望みをささやいて。
クロイツはレイチェルの腕の中、小さな声で望みを呟いた。
「レイチェル。ぼくは君に、側にいてほしい」
「ええ、クロイツさま。わたしもあなたの側にいたいです」
白くて細い腕がギュッと金色の頭を抱きしめる。
「ぼくはきっと、1人では生きていけない」
「わたしがいます。独りになどさせません」
腕のなかのクロイツが笑う。
「ふふ。ぼくは欲張りだから……こんな呪われた体でも、幸せになりたい」
「ええ。幸せになりましょう。わたしも幸せていたいもの」
レイチェルもフフフと笑った。
「でもぼくは、国を率いていかなきゃならない」
「ええ。そうですね。わたしもお手伝いします」
クロイツは縋るようにレイチェルの体を抱きしめて、絞り出すような震える声で告げる。
「……ねぇ……だからお願い、そばにいて。ねぇ、レイチェル」
「はい。はい、はぃ……」
レイチェルの声は涙にかすれた。
クロイツは彼女の腕をそっと外し、すっと背筋を伸ばした。
そして2人は、目と目を合わせて見つめ合う。
レイチェルの額から全身へと蔓を巻いていた七色に輝く聖女紋は、サァァァァッと光のなかに溶けるように消えていく。
今日の夜伽聖女としてのお役目は終わり。
これより先は、ただ2人が愛を確認しあうだけの時。
「レイチェル、愛してる」
「わたしも愛していますわ、クロイツさま」
レイチェルとクロイツは見つめ合い、どちらからともなく抱き合って、柔らかく唇を重ねた。
感情の求めるまま、熱を与えあうような、熱を分け合うようなキスをして、時間の許すかぎり互いに愛を確かめ合ったのだった。
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