24 / 57
第24話 完結すれば落ちるが道理
しおりを挟む
「ポイントがガンガン落ちていくぅ~」
わたしは嘆きの言葉を吐くと、新年早々、他人様のテーブルの上につっぷす。
年始の呑気さが残る週末の午後、わたしは美香と共に久美子の家を訪れた。
今日も久美子の旦那さんは留守だ。
玄関が開いて久美子の顔を見た途端、わたしは開口一番で泣きついた。
「久美子ぉ~、わたしもうダメかもぉ~」
豊満な久美子の胸に飛びつき、エグエグとしながら泣き言を喚き散らした。
「はいはい。新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくね」
「ごどじぃもよろじぃくぅ~」
美香が背後で笑っている気配がする。
だが、そんなの関係ない。
完結を迎えたわたしの小説は、ランキング1位もとったし、お小遣い稼ぎにも成功した。
実際にお金が入ってくるのは来月あたりだろうが、一応目的は果たしたといっていいだろう。
「まぁ玄関先じゃアレだから、あがって」
「おじゃまぁ~しまぁ~すぅ」
久美子の胸へすがりつくようにしながら室内に入るわたし、その後ろに続く美香。
シュールな光景である。
今日の手土産は美香のお気に入りのお店で買ってきた焼き菓子だ。
年始の生ケーキは仕入れやら仕込みやらの関係であまり美味しくない、という美香のアドバイスを素直に受け入れた。
美香は去年のうちに手配しておいた高級紅茶を手土産に持ってきた。
とても用意がいい。
わたしも見習うべきだろうが、年末になった頃には綺麗さっぱり忘れていることだろう。
だがそんなのどうでもいい。
わたしはリビングの椅子に座ると同時に他人様の家のテーブルにつっぷして嘆いた。
「ブックマークもどんどん外れていくし。毎日ついてたお小遣いの金額もガンガン減っているぅ~」
「まぁまぁ。明日香は初体験だからそう感じるのも無理はないけど……そんなものよ?」
久美子が優しく頭を撫でて慰めてくれた。
美香も呆れたように言う。
「だから気にしないでいいって言ってるでしょ? 完結したのだから、ポイントも、ランキングも落ちてきて当然。読みたい人が読み終わったら、ポイントが伸びなくなるのは当然よ」
「わかってるけどぉ~……なんか、つらーい」
そうなのだ。
わたしの小説は完結ブーストを迎えた時が最高潮だった。
上がったら下がる。
それは当然の世の理なのだ。
「ふふふ。明日香ってば、本当にデリケートね。繊細なのは長所でもあるけれど、あまり気にする必要はないのよ。また新作を書けばいいのだから」
「そうよ。新作を書きましょう、新作」
2人は笑いながら慰めてくれた。
美香が持ってきた茶葉を使って、久美子が綺麗なカップに美味しい紅茶をいれてくれた。
気持ちが乱れているときには、美味しいものは効果がある。
あと友人な。
わたしは、久美子と美香に話を聞いてもらいながら美味しい焼き菓子と紅茶をいただいて、なんとなーく落ち込んだ気分から気持ちを切り替えて、元気を取り戻していった。
わたしは嘆きの言葉を吐くと、新年早々、他人様のテーブルの上につっぷす。
年始の呑気さが残る週末の午後、わたしは美香と共に久美子の家を訪れた。
今日も久美子の旦那さんは留守だ。
玄関が開いて久美子の顔を見た途端、わたしは開口一番で泣きついた。
「久美子ぉ~、わたしもうダメかもぉ~」
豊満な久美子の胸に飛びつき、エグエグとしながら泣き言を喚き散らした。
「はいはい。新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくね」
「ごどじぃもよろじぃくぅ~」
美香が背後で笑っている気配がする。
だが、そんなの関係ない。
完結を迎えたわたしの小説は、ランキング1位もとったし、お小遣い稼ぎにも成功した。
実際にお金が入ってくるのは来月あたりだろうが、一応目的は果たしたといっていいだろう。
「まぁ玄関先じゃアレだから、あがって」
「おじゃまぁ~しまぁ~すぅ」
久美子の胸へすがりつくようにしながら室内に入るわたし、その後ろに続く美香。
シュールな光景である。
今日の手土産は美香のお気に入りのお店で買ってきた焼き菓子だ。
年始の生ケーキは仕入れやら仕込みやらの関係であまり美味しくない、という美香のアドバイスを素直に受け入れた。
美香は去年のうちに手配しておいた高級紅茶を手土産に持ってきた。
とても用意がいい。
わたしも見習うべきだろうが、年末になった頃には綺麗さっぱり忘れていることだろう。
だがそんなのどうでもいい。
わたしはリビングの椅子に座ると同時に他人様の家のテーブルにつっぷして嘆いた。
「ブックマークもどんどん外れていくし。毎日ついてたお小遣いの金額もガンガン減っているぅ~」
「まぁまぁ。明日香は初体験だからそう感じるのも無理はないけど……そんなものよ?」
久美子が優しく頭を撫でて慰めてくれた。
美香も呆れたように言う。
「だから気にしないでいいって言ってるでしょ? 完結したのだから、ポイントも、ランキングも落ちてきて当然。読みたい人が読み終わったら、ポイントが伸びなくなるのは当然よ」
「わかってるけどぉ~……なんか、つらーい」
そうなのだ。
わたしの小説は完結ブーストを迎えた時が最高潮だった。
上がったら下がる。
それは当然の世の理なのだ。
「ふふふ。明日香ってば、本当にデリケートね。繊細なのは長所でもあるけれど、あまり気にする必要はないのよ。また新作を書けばいいのだから」
「そうよ。新作を書きましょう、新作」
2人は笑いながら慰めてくれた。
美香が持ってきた茶葉を使って、久美子が綺麗なカップに美味しい紅茶をいれてくれた。
気持ちが乱れているときには、美味しいものは効果がある。
あと友人な。
わたしは、久美子と美香に話を聞いてもらいながら美味しい焼き菓子と紅茶をいただいて、なんとなーく落ち込んだ気分から気持ちを切り替えて、元気を取り戻していった。
7
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる