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『パティスリー・セリナ』開店日
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私の要望を聞いた双子が、困惑顔で小首をかしげる。普通に考えれば店舗でケーキを売る商売をするなら、まして私のような社会人経験のない貴族令嬢が働く場合、ルルとララのような家事経験がある者が手伝うのは、むしろ当然で自然な流れだと思うだろうし意図が分からない気持ちも分かる。しかし、私としてはこの件に関して絶対にゆずれない。
「ほら、ケーキを作ってる作業中、包丁や窯の火で熱した器具とかを触ってる時、急に調理場に入られるとビックリして、私が包丁で手を切ったり、高温の器具でヤケドをするかも知れないでしょう?」
「ああっ! それは危ないです!」
「うん。だから、調理場に入る前は必ず、ドアをノックして私が返事をしてから入ってほしいの。守ってもらえるかしら?」
「分かりました!」
「絶対にドアをノックします!」
双子が力強く、誓ってくれたことで私はホッと胸をなで下ろした。
こうしたやり取りがありながら、ついに『パティスリー・セリナ』オープンの日がやってきた。早朝に起床した私がカーテンを開ければ、雲一つない気持ちの良い青空が広がっていた。
「新店舗のオープン日としては最高の天気ね!」
身支度を整え、一階の調理場に向かう。契約牧場から直送された新鮮な卵や牛乳を受け取り、前日に双子が用意してくれた朝食用のスープを温めてから飲んで胃を落ち着かせた後、早速ケーキ作りに取りかかる。
「まずはスポンジケーキを作る作業からね」
銅製のボールに卵を割り入れる。以前は卵白を泡立ててから卵黄を入れる『別立て』という方法で泡立てていた。
手作業でかき混ぜるなら『別立て』の方がやりやすいし、味自体に大きな差は無いのだが、卵白と卵黄を一緒に混ぜる『共立て』の方が気泡がキメ細かく、スポンジケーキ断面の見栄えも良くなるため、商品として販売するなら『共立て』を選択すべきだと判断した。
まず、銅製のナベに入れた水を火魔法で温めて、人肌程度の温度にするとバターと牛乳を容器に入れ、湯せんの熱で溶かしておく。そして肝心の卵を泡立ててメレンゲにする作業だが、この作業を手作業でやるのは、はっきり言って無茶だ。
「私みたいに非力な女が、複数のケーキを手作業で泡立てて作るなんて、現実的じゃないですものね」
ケーキ、一個分ていどのメレンゲなら、何とか手作業でも製作は可能だが、これを最低でも二ケタ。しかも毎日作るとなると腱鞘炎、待ったなしだろう。そこで私は考えた。
「手作業が厳しいなら、魔法を使えば良いのよね!」
「ほら、ケーキを作ってる作業中、包丁や窯の火で熱した器具とかを触ってる時、急に調理場に入られるとビックリして、私が包丁で手を切ったり、高温の器具でヤケドをするかも知れないでしょう?」
「ああっ! それは危ないです!」
「うん。だから、調理場に入る前は必ず、ドアをノックして私が返事をしてから入ってほしいの。守ってもらえるかしら?」
「分かりました!」
「絶対にドアをノックします!」
双子が力強く、誓ってくれたことで私はホッと胸をなで下ろした。
こうしたやり取りがありながら、ついに『パティスリー・セリナ』オープンの日がやってきた。早朝に起床した私がカーテンを開ければ、雲一つない気持ちの良い青空が広がっていた。
「新店舗のオープン日としては最高の天気ね!」
身支度を整え、一階の調理場に向かう。契約牧場から直送された新鮮な卵や牛乳を受け取り、前日に双子が用意してくれた朝食用のスープを温めてから飲んで胃を落ち着かせた後、早速ケーキ作りに取りかかる。
「まずはスポンジケーキを作る作業からね」
銅製のボールに卵を割り入れる。以前は卵白を泡立ててから卵黄を入れる『別立て』という方法で泡立てていた。
手作業でかき混ぜるなら『別立て』の方がやりやすいし、味自体に大きな差は無いのだが、卵白と卵黄を一緒に混ぜる『共立て』の方が気泡がキメ細かく、スポンジケーキ断面の見栄えも良くなるため、商品として販売するなら『共立て』を選択すべきだと判断した。
まず、銅製のナベに入れた水を火魔法で温めて、人肌程度の温度にするとバターと牛乳を容器に入れ、湯せんの熱で溶かしておく。そして肝心の卵を泡立ててメレンゲにする作業だが、この作業を手作業でやるのは、はっきり言って無茶だ。
「私みたいに非力な女が、複数のケーキを手作業で泡立てて作るなんて、現実的じゃないですものね」
ケーキ、一個分ていどのメレンゲなら、何とか手作業でも製作は可能だが、これを最低でも二ケタ。しかも毎日作るとなると腱鞘炎、待ったなしだろう。そこで私は考えた。
「手作業が厳しいなら、魔法を使えば良いのよね!」
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