文字サイズ
小
中
大
特大
134 / 450
赤い色のケーキ
134
店舗開店から二日目、ベッドから起き上がりカーテンと窓を開ければ明るい日差しが差し込んできた。小鳥たちがさえずりながら、気持ちよさそうに朝日をあびながら空を飛んでいる。
「うん。今日も天気が良さそうね!」
私は昨日に引き続き、早朝から起きてケーキの仕込みを始める。忘れないように保冷庫とショーケースの魔道具に魔力を送ってから、風魔法で卵を泡立てスポンジケーキ生地を作り、型に出来上がった生地を流し込んだ後は窯に入れ火魔法でケーキを焼き上げていく。
パイ生地も、パイ型に合わせてどんどん作る。昨日の内に仕込んでおいたアップルパイ用のリンゴをパイ生地に流し込み、さらに上から別のパイ生地でフタをして、ツヤ出し用の卵黄を表面にぬってから窯で焼き上げれば、リンゴとシナモンの香りが食欲をそそる黄金色のアップルパイが出来上がった。
「やっぱり、前日に仕込んでおくと作業が楽ね。いっそ、冷凍パイシートでも作って作り置きしておこうかしら。いや、さすがにそこまでは……」
それ以前に冷凍となると、冷凍庫が必要となる。現在、保冷庫はあるが冷凍するための設備は無い。
「コルニクスさんに相談して冷凍用の魔道具を作ってもらえば、どうにかなるかしら……」
あの気むずかしい魔道具屋の店主に頼むのは腰が引けるが、本当に必要なら依頼すべきだろう。そういえば、冷凍庫があれば、アイスクリームも作れるんじゃないかとぼんやり考えながら風魔法でクリームを泡立て、果物をカットし、冷めたスポンジケーキにカットした果物とクリームを盛り付けていく。
「フランスあたりのパティスリーだとアイスクリームも販売してるのよねぇ。アイスクリームならケーキみたいに賞味期限が一日ってことも無いし、取り扱えるなら悪くないかも……」
目下、この店では破棄ケーキを減らすことが最大の目標の一つとなっているが、賞味期限が一日の生洋菓子と違って、市販されているアイスクリームやシャーベットのような氷菓子の場合、賞味期限はない。
なんでもアイスクリームが保存できるような冷凍庫の気温なら、細菌が発生しないため賞味期限を表記しなくて良いのだとか。ただ、日本の衛生管理が行き届いた工場としっかり製品が密封された状態での話なので、仮に私が手作りでアイスクリームを作るとなると、やはり新鮮な内に食べた方が良いだろう。
「それにしても、賞味期限に余裕がある商品っていうのは魅力よね。特に暑い季節なら、この世界でもアイスクリームみたいな冷たい氷菓子のニーズは貴族、平民、問わずあるはず」
つぶやきながらも保冷が必要なクリーム系、生フルーツ系のケーキを優先的にどんどん保冷中のショーケースに入れていく。色とりどりのフルーツケーキや黄金色のチーズケーキ、青紫色のブルーベリータルト、アップルパイ、パンプキンパイなどが整然と並んでいく。
「うん。今日も天気が良さそうね!」
私は昨日に引き続き、早朝から起きてケーキの仕込みを始める。忘れないように保冷庫とショーケースの魔道具に魔力を送ってから、風魔法で卵を泡立てスポンジケーキ生地を作り、型に出来上がった生地を流し込んだ後は窯に入れ火魔法でケーキを焼き上げていく。
パイ生地も、パイ型に合わせてどんどん作る。昨日の内に仕込んでおいたアップルパイ用のリンゴをパイ生地に流し込み、さらに上から別のパイ生地でフタをして、ツヤ出し用の卵黄を表面にぬってから窯で焼き上げれば、リンゴとシナモンの香りが食欲をそそる黄金色のアップルパイが出来上がった。
「やっぱり、前日に仕込んでおくと作業が楽ね。いっそ、冷凍パイシートでも作って作り置きしておこうかしら。いや、さすがにそこまでは……」
それ以前に冷凍となると、冷凍庫が必要となる。現在、保冷庫はあるが冷凍するための設備は無い。
「コルニクスさんに相談して冷凍用の魔道具を作ってもらえば、どうにかなるかしら……」
あの気むずかしい魔道具屋の店主に頼むのは腰が引けるが、本当に必要なら依頼すべきだろう。そういえば、冷凍庫があれば、アイスクリームも作れるんじゃないかとぼんやり考えながら風魔法でクリームを泡立て、果物をカットし、冷めたスポンジケーキにカットした果物とクリームを盛り付けていく。
「フランスあたりのパティスリーだとアイスクリームも販売してるのよねぇ。アイスクリームならケーキみたいに賞味期限が一日ってことも無いし、取り扱えるなら悪くないかも……」
目下、この店では破棄ケーキを減らすことが最大の目標の一つとなっているが、賞味期限が一日の生洋菓子と違って、市販されているアイスクリームやシャーベットのような氷菓子の場合、賞味期限はない。
なんでもアイスクリームが保存できるような冷凍庫の気温なら、細菌が発生しないため賞味期限を表記しなくて良いのだとか。ただ、日本の衛生管理が行き届いた工場としっかり製品が密封された状態での話なので、仮に私が手作りでアイスクリームを作るとなると、やはり新鮮な内に食べた方が良いだろう。
「それにしても、賞味期限に余裕がある商品っていうのは魅力よね。特に暑い季節なら、この世界でもアイスクリームみたいな冷たい氷菓子のニーズは貴族、平民、問わずあるはず」
つぶやきながらも保冷が必要なクリーム系、生フルーツ系のケーキを優先的にどんどん保冷中のショーケースに入れていく。色とりどりのフルーツケーキや黄金色のチーズケーキ、青紫色のブルーベリータルト、アップルパイ、パンプキンパイなどが整然と並んでいく。
感想 445
あなたにおすすめの小説
元大学生の異世界辺境伯ライフ-1-〜神のミスで全加護を得た俺、ステータス偽装で目立たず別世界の神の侵略を食い止める冒険記〜
平凡な大学生だった俺は、ある日突然、神のミスによって命を落としてしまう。
そのお詫びとして異世界へ転生することになったのだが、なぜか二度目の神のミスまで重なり、世界中の神々から"ありえない数の加護"を授かってしまった。
転生先は、辺境伯家の少年・アッシュ。
六歳で加護を授かるこの世界で、俺は規格外すぎる力を手に入れることになる。
しかし、その力はあまりにも危険だった。
だからこそ俺は、ステータスを偽装し、「少し優秀な六歳児」を演じながら、平穏な辺境伯ライフを送ることを決意する。
……そのはずだった。
王都への旅、個性豊かな仲間との出会い、次々と巻き込まれる騒動。
そして、この世界の裏で静かに動き始める、誰も知らない大きな脅威。
目立ちたくない最強少年が、知らぬ間に世界の運命へと巻き込まれていく――。
これは、最強なのに平穏を望む少年・アッシュが紡ぐ、爽快異世界ファンタジー。
外れ伯爵家の三女、領地で無双する
十三歳の少女アイリス・アルベールは、人生を決める「祝福の儀」で“ゴミスキル”と蔑まれる《アイテムボックス》を授かってしまう。戦えず、稼げず、価値もない――そう断じた家族は、彼女を役立たずとして家から追放する。さらに、優秀なスキルであれば貴族に売り渡すつもりだったという冷酷な真実まで明かされ、アイリスはすべてを失う。
だが絶望の中、彼女は気付く。この世界が、自分がかつてやり込んだVRMMORPG『メデア』そのものであることに。
そして思い出す――
《アイテムボックス》には、ある“致命的なバグ”が存在することを。
市場で偶然を装いながらアイテムを出し入れし、タイミングをずらすことで発生する“複製バグ”。それは、あらゆる物資を無限に増やす禁断の裏技だった。
食料も、装備も、資金も――すべてが無限。
最底辺から一転、誰にも真似できないチートを手にしたアイリスは、冒険者として歩み始める。だがその力はやがて、経済を歪め、権力者の目に留まり、そして世界の“仕様そのもの”に干渉していくことになる。
これは――
ゴミと呼ばれた少女が、“世界の裏側”を掌握する物語。
転生したら捨てられたが、拾われて楽しく生きています。
2026.05下旬 7巻刊行予定
2026.3月上旬 文庫1巻刊行
2026.2下旬 コミカライズ3巻刊行
寺崎美里亜は異世界転生をするが、5ヶ月で教会の前に捨てられてしまう。
しかも、寒い中、誰も通らないところに……
あー、詰んだ
と思っていたら、後に宿屋を営む夫婦に拾われミリアナという名前を授けてもらう。
ありがたいことに魔法はチート級だ! こ、これは、大好きな家族、それからお菓子や食べ物のために使います!
でも、思ったより異世界の食事事情は厳しい……これはミリアナが楽しく生きながら奮闘する話。
2025.4月下旬6巻刊行
2025.2月下旬コミックス2巻刊行
2024.7月下旬5巻刊行
2024.6月下旬コミックス1巻刊行
2024.1月下旬4巻刊行
2023.12.19 コミカライズ連載スタート
2023.9月下旬三巻刊行
2023.3月30日二巻刊行
2022.11月30日一巻刊行
コメント欄を解放しました。
誤字脱字のコメントも受け付けておりますが、必要箇所の修正後コメントは非表示とさせていただきます。また、ストーリーや今後の展開に迫る質問等は返信を控えさせていただきます。
書籍の誤字脱字につきましては近況ボードの『書籍の誤字脱字はここに』にてお願いいたします。
出版社との規約に触れる質問等も基本お答えできない内容が多いですので、ノーコメントまたは非表示にさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます!
七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。
しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。
食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。
孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。
これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。
魔道師長のまかない係~身寄りのない幼児だけどがんばって美味しいご飯つくりましゅ!~
現代社会でかけだしの料理アシスタントだったのに、気が付いたら幼児に異世界転生しちゃってた。しかも、育児放棄っぽい感じで色々と訳ありのわたし。ふとしたことで拾ってもらったお城の魔道師長様(訳ありの呪いもち)の呪いを解くために一緒に旅をしつつ、時々は王宮に戻ったり。魔道師長様と一緒にいるために、とりあえず「魔道師長のまかない係」という役職をもらって、毎日、ルーしゃま(魔道師長)のご飯を作って、お城に居場所を作ってもらってましゅ!(あ、噛んだ) 自分でもただの捨てられた幼児だと思っていたら、なんだかあれよあれよという間に、ハイスペックのスキル持ちだったらしいことが判明・・・。お城ではガチムチのストイックな騎士団長様やお姫様に囲まれて幸せに暮らしてた所に、なんと突然父様と母様が現れた!でも、ここもなんかむちゃくちゃ事情ありな感じ。どうして、みんなそんなに訳ありなんでしゅか!
エリスと魔道師長ルーファスをめぐるほのぼのグルメファンタジー。 なろう様でも投稿中。カクヨムも近日中に投稿予定。
『異世界無双なんて後回し。まずは生きるために稼ぎます』
35歳の会社員・神崎恒一は、突然見知らぬ森の中へ転移した。
剣と魔法、そして魔物が存在する異世界。頼れる相手も帰る場所もないコウイチが、最初に直面した問題は――今夜の宿代だった。
彼が得たのは、《鑑定》《アイテムボックス》《隠蔽》《生成》という4つの固有スキル。
どれも使い方次第では強力だが、コウイチはすぐに気づく。
珍しい力を見せれば目をつけられる。高価な物を作れても、素性の知れない新人が売れば怪しまれる。そして、能力を使うためのMPにも限りがある。
ならば、目立たず、安全に、確実に稼げばいい。
薬草を採り、魔物を狩り、町の相場を調べ、必要とされる物を作って売る。小さな利益を積み重ねるうちに、コウイチの周囲には、それぞれ事情を抱えた仲間たちが集まり始める。
これは、最初から最強だった男の物語ではない。
生き延びるために金を稼ぎ、商売と冒険を重ねながら、仲間とともに成り上がっていく男の物語。
「無双するにしても、まずは明日の飯代からだな」
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった