秘密の聖女(?)異世界でパティスリーを始めます!

中野莉央

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セリナの近況

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「そう……。基本的に王宮内は守秘義務があるから、その関係でしょうね」

「私が知ってるのは国王陛下の婚約者が、伯爵令嬢フローラになったってこと位よ」

「さすがにそれは、城下にも知れ渡っているわよね」

「うん、国王陛下とフローラの結婚式についても公式に発表されてるし。ねぇ、ローザ……。あの伯爵令嬢が国王陛下と結婚するのに、ローザが寵妃って……」

「学園時代の同級生が王妃になって、私が寵妃になったことついては、思う所がない訳じゃないけど……。私の立場では、どうしようもない事だから」

「そっか……。そうよね」

 伯爵令嬢フローラは自ら望んで王太子妃の座を勝ち取ったけど、ローザの場合は王の意向で後宮に入れられて自分では望んでないのに寵妃になったのだ。

 仮に嫌だと思っていてもローザ個人の意思では現状、後宮から逃げることすらできない。せめてもの救いは今の所、国王陛下がローザの嫌がることはしないと言ってくれたことか……。そんなことを考えているとローザが小さく微笑んだ。

「それよりセリナ。今日、王宮に来てもらったのはセリナに頼みたいことがあるからなの」

「何? 私に出来る事?」

「もちろん、セリナに出来る事よ。でも、セリナが忙しいなら無理には頼めないけど……」

「水臭いこと言わないでよローザ。私に出来る事なら何でも言って!」

 私が笑顔で告げれば、遠慮がちにしていたローザは顔をほころばせた。

「セリナ、ありがとう。実はね……。今後、定期的にセリナが作るお菓子を買い取りたいの」

「えっ!」

「ただ、セリナの作るケーキは生ものだし……。食べ物を王宮に入れるとなると出来れば、責任者が王宮まで直接、届けてくれるのが望ましいと言うか……」

「あ、つまり、私が直接、王宮に届ければ良いのね?」

「ええ。ミランダ様は使いの馬車を出すと言って下さってるんだけど……。どうかしら?」

「私としては商品が売れるんだから、ありがたい位よ! もちろん引き受けるわ!」

 店としては一つでも多くケーキが売れるのは喜ばしいことだ。断る訳がない。私が強くうなずくとローザは藍玉色の瞳をを輝かせた。

「ありがとう、セリナ! あと、個人的なお願いになるんだけど……」

「ん?」

「お菓子を届けに来たとき、時間があったら……。私と話をしてくれないかしら?」

「もちろん大歓迎よ! ローザが王宮に入ったら当分、会えないと思ってたけど、これから定期的に会えるなら、すごく嬉しいわ!」

 即答で了承するとローザは満面の笑みを浮かべた。

「よかった。私も嬉しいわ……! それで、早速なんだけど仕事を依頼していいかしら?」
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