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思いがけない再会

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 独り言ちながら木窓を開ければ外から、まぶしい太陽の光と新鮮な空気が屋根裏部屋に入ってきた。

「ふぅ……」

 新鮮な外の空気を胸一杯に吸い込んで、改めて屋根裏部屋を見渡す。中はちょうど三角形で屋根の形そのままだ。中心部分は高さがあるので人が歩くのに問題ない。

「うん。意外とスペースがあるわね。これなら……」

「セリナお嬢様~!」

「私たちも屋根裏部屋に上がっていいですか~?」

「あ、ちょっと待って! 一回、降りるわ!」

 私がハシゴを使って屋根裏部屋から降りれば、双子が入れ替わりで上にあがろうとするが、私はふと気付いて焦った。

「二人とも、スカートのままハシゴは……!」

「あ、大丈夫ですよ。セリナお嬢様」

「こうして、スカートのスソを縛れば中は見えません」

 ルルとララはメイド服のスカートのスソをぎゅっと縛った。確かにこれならスカートの中が見えると言うことはないだろう。こうして双子は無事にハシゴを上った。楽しそうに声をはずませながら、屋根裏部屋を見て回っているのが階下からでも分かる。

「それで、どうじゃ?」

「え」

 不意に話しかけられ、振り向くとラッセル老は立派な白ヒゲをなでながら、目を細めていた。

「この空き物件を買い取るか、決まったかの?」

「その件に関して、ちょっとお願いがあるのですが……」

「ふむ。なんじゃ?」

 首をかしげるラッセル老に私は、こちらの事情を説明する。

「実は祖父母が残してくれた家が売れたら、こちらの空き店舗を購入したいと思っているんです」

「ほうほう」

「でも、今すぐには祖父母の家を売却することは出来ないんです」

「む?」

「すでに不動産屋さんにお願いして、購入希望者がいたら売り渡したい旨は伝えているんですが……」

「その肝心の購入希望者がいつ現れるか、分からんという訳じゃな?」

「はい。その通りです」

「ふむ……」

「でも、こちらの空き店舗がとても良い物件なので買い取りたいし、ここで商売をさせて頂きたい気持ちもあるんです」

「ほぉほぉ」

 私が、この店舗を使うことに対して前向きだという意向を伝えると、ラッセル老は嬉しそうに何度も頷いた。

「それで、お願いなんですが……。祖父母の家が売れるまでは、こちらの空き店舗を賃貸契約でお借りできないでしょうか? 祖父母の家が売却できて、まとまったお金が用意できたら、この物件を買い取りたいんです」

「う~ん。ワシとしては買い取り前提の賃貸契約ということなら歓迎じゃが、良いのか? 賃貸料で高くついてしまうことになるが?」

「そこは……。まぁ、仕方ないと思ってます……。ただ、こちらの空き店舗に入る前にリフォームをしたいんです。その許可も頂けますか?」

「そりゃあ、買い取り前提の賃貸契約ということなら、好きなようにリフォームしてくれて構わんが……」

「ありがとうございます! それなら、ぜひ買い取り前提で賃貸契約をさせて下さい!」

 こうして私はラッセル老の許可を得て、空き店舗の賃貸契約をすることを決めた。
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