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解説民法

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 はじめに
 本書籍では、民法の重要論点を全5章に分けていくつか説明していく。
 第一章 任意後見制度
 まずは任意後見制度について説明する。
 後見は、未成年者に対して親権を行う者がないときや親権を行う者が管理権を有しないとき、後見開始の審判があったときに開始する。後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。後見人がその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。後見人は、後見監督人を選任するように家庭裁判所に請求することができる。後見人は、遅滞なく被後見人の財産の調査に着手し、一ヶ月以内にその調査を終わり、その目録を作成しなければならない。ただし、この期間は、家庭裁判所において伸長することができる。後見人は、財産の目録の作成を終わるまでは、急迫の必要がある行為のみをする権限を有する。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。後見人が、被後見人に対し債権を有し債務を負う場合において、後見監督人があるときは、財産の調査に着手する前に、これを後見監督人に申し出なければならない。未成年後見人は、親権を行う者は子の利益のために子の監護および教育をする権利を有し義務を負う規定と子は親権を行う者の許可を得なければ職業を営むことができないという規定について、親権を行う者と同一の権利義務を有する。ただし、親権を行う者が定めた教育の方法および居所を変更したり営業を許可したり、その許可を取り消したり制限するには、未成年後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。未成年後見人が数人あるときは、共同してその権限を行使する。成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護および財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、その心身の状態および生活の状況に配慮しなければならない。
 次に委任について説明する。
 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。受任者は、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過および結果を報告しなければならない。受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用および支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。委任は、委任者または受任者の死亡、委任者または受任者が破産手続開始の決定を受けたこと、受任者が後見開始の審判を受けたことがあった場合には終了する。
 最後に任意後見制度と委任の違いについて言及する。
 委任は契約によって成立するのに対し任意後見人は家庭裁判所の審判によって成立する。次に財産の管理について比べると委任の場合は善良な管理者の注意義務を負うのに対し、任意後見人は被後見人の財産については代表するという違いがある。
 また後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができるのに対し委任の受任者は、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができないという違いがある。後見人はその任務を辞したことによって新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならないのに対し委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
 成年後見人は、成年被後見人が死亡した場合において、必要があるときは、成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為、相続財産に属する債務の弁済などの行為をすることができるが委任も終了した場合において、急迫の事情があるときは、受任者またはその相続人もしくは法定代理人は、委任者またはその相続人もしくは法定代理人が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない点が共通する。
 第二章 所有と占有
 所有と占有について説明してからその違いに言及し、次いで占有が所有に結びつくいくつかの法律関係について述べる。
 まずは所有権について説明する。物権に代表される考え方には、所有権や占有権、抵当権や質権などの担保物権がある。所有権は、動産と不動産に分かれる。動産とは、バッグやサイフなどの動かせる財産をいい、所有権の対抗要件は引き渡しとなっている。引き渡しには簡易の引き渡しと言われるものや占有改定と言われる方式などもある。占有改定とは、自己が占有している他人の動産を所有権者が所有権を譲る意思表示をした場合にその所有権を取得することをいう。また動産には即時取得というものもある。即時取得とは所有権を持つ者がいない動産を占有すると即時にその動産について所有権を得ることをいう。不動産は家や土地などの動かない財産のことをいい、対抗要件は登記となっている。登記とは登記所に行って登記官に申請することでできる。登記簿の権利欄に記されている人は、その不動産の所有権がある。尚、登記は登記義務者と共にか、登記義務者の承諾書があれば単独でできる場合がある。ここでいう対抗要件とは、第三者などの所有権を主張するものに対して自分の所有物であることを主張する条件や根拠のことをいう。所有権とは、これらの財産を自由に使用したり、処分したり、売却したり、収益をえたりすることができる権利のことをいう。つまりは、財産を支配できる権利のことである。
 つづいて占有権について説明する。占有権は、例えば、預かっているお金やサイフなど、自分では自由に処分する権利がないが所持する権利のことをいう。代表的な占有権には、盗人の所持している盗んだバッグなどがある。これは所有権はないが便宜上占有権が認められているのである。これらの権利の考え方には、一物一権主義というものがある。それはどういうことかというと、自分が持っているサイフやバッグには、自分の所有権という一つの権利しか認めないという考え方である。だから、盗人が他人から盗んだバッグやサイフには、盗人にしか占有権は認められず、所有権は真実の所有権者にしかないのである。なぜこういう考え方をするのかというと、それは一つの物の客体に対して、いくつもの権利を認めると、法律関係が複雑になり、いったいその物の真の権利者は誰なのかが分からなくなるのを避けるためというのが一般的に説明される理由である。
 つづいて占有が所有に結びつくいくつかの法律関係について述べる。占有が所有に結びつく例として取得時効と先程述べた即時取得がある。二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。これは悪意重過失の場合である。また、十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得するとされる。これは善意無過失の場合である。この取得時効の期間は相続により引き継がれるが、被相続人は相続人の善意悪意を引き継ぎ相続人が善意であれば10年、悪意であったならば20年の時効期間を引き継ぎ残りの期間占有を継続することで所有権を取得する。ここで解釈上問題となる点として最初の善意悪意と過失の有無が占有継続中に変わった場合であるがこの変更はまったく時効期間には影響がない。つまり最初の占有開始時点の状態により取得時効の年数は定まる。これについては取得時効の承継についてもまったく同様である。所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、上記の区別に従い二十年または十年を経過した後、その権利を取得する。この区別とは善意悪意と過失の有無に関する区別である。所有権以外の財産権とは質権や抵当権などのことである。これらの規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、または他人によってその占有を奪われたときは、中断するとされる。ここで問題となるのは取得時効と取得時効について知らない善意の第三者との対抗要件である。原則として取得時効した者は動産については言うまでもなく不動産については登記なく所有権を対抗できるとされる。所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得するが、これを即時取得と言う。即時取得については動産にのみ適用され不動産については、所有者のない不動産は、国庫に帰属するとされる。
 第三章 特定物債権と種類債権と選択債権
 本章ではまず特定物債権と種類債権と選択債権の違いについて説明した上で、次いで種類債権の特定の要件と効果について論ずる。
 はじめに債権の目的を確認すると、債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる。
 特定物債権と種類債権と選択債権の違いとして特定物債権は、何かある特定の物を指定した場合その物以外の物では弁済できず、引渡しの場合の注意義務が債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならないとされ、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らしてその引渡しをすべき時の品質を定めることができないときは、弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。
 種類債権は特定物債権と違い、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。種類債権の場合は、特定物債権と異なり目的物の種類を債務者が指定することができる。ただし、その場合には、債権者の同意がいる。その物を指定した場合も善良な管理者の注意義務を負うのが相当である。選択債権においては、債権の目的が数個の給付の中から選択することができ、その選択権は、債務者に属するという特徴がある。この選択権は、相手方に対する意思表示によって行使し、その意思表示は、相手方の承諾を得なければ、撤回することができず、債権が弁済期にある場合において、相手方から相当の期間を定めて催告をしても、選択権を有する当事者がその期間内に選択をしないときは、その選択権は、相手方に移転する。第三者が選択をすべき場合には、その選択は、債権者又は債務者に対する意思表示によってする。その場合において、第三者が選択をすることができず、又は選択をする意思を有しないときは、選択権は、債務者に移転するが、債権の目的である給付の中に不能のものがある場合において、その不能が選択権を有する者の過失によるものであるときは、債権は、その残存するものについて存在する。また、選択は債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。この選択債権の注意義務も債務の目的物を選択した場合においては特定物債権同様善管注意義務を負うと解される。
 弁済をすべき場所についてであるが、別段の意思表示がないときは、特定物債権の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。
 つづいて種類債権の特定の要件と効果について論ずる。
 先ほど述べたように種類債権は当事者が物の種類を指定することができるが、その場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。また、その場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とするとされる。またその場合、債権の目的物が金銭であるときは、債務者はその選択に従い各種の通貨で弁済をすることができる。債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する。
 債務の弁済は、第三者もすることができるが、債権者の意思に反して弁済をすることができない。弁済をした者が弁済として他人の物を引き渡したときは、その弁済をした者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする。この場合において、債権者が第三者から賠償の請求を受けたときは、弁済をした者に対して求償をすることを妨げない。受領権者以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。受領権者以外の者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。弁済をすることができる者が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。
 第四章 委任と請負ならびに不法行為
 本章ではまず委任と請負との異同について述べたうえで、委任の効力について概観する。その後不法行為の成立要件を 4 つ挙げ、それらについて述べ、さらに、それに関連して、不法行為の成立を阻却する事由について述べる。
 まず委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずるが、それに対し請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。委任の受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負うが、請負人もそれに準ずると考えられる。委任においては受任者は、委任者の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができないのに対し請負人は復請負人を選任することができる。
 また委任においては受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができないのに対し請負における報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならないことになっている。委任において特約により委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約した場合において、その成果が引渡しを要するときは、報酬は、請負同様その成果の引渡しと同時に、支払わなければならない。契約の解除については請負においては請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができ、委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。ただし相手方に不利な時期に委任を解除したときは相手方の損害を賠償しなければならない。また委任においては委任者または受任者が破産手続開始の決定を受けたことで契約解除でき、請負契約においては注文者が破産手続開始の決定を受けたときは、請負人または破産管財人は、契約の解除をすることができるという違いがある。
 つづいて不法行為の成立要件を 4 つ挙げ、それらについて述べ、さらに、それに関連して、不法行為の成立を阻却する事由について述べる。まず原則として故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負い、他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合または他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。1つ目に責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、またはその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、違法性が阻却される。2つ目が、ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任およびその事業の監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでないとされる。3つ目として土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。最後の4つ目として動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類および性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、違法性が阻却される。また未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。同様に精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、飲酒など故意または過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでなく違法性が阻却されない。
 最後に重要な違法性阻却事由として他人の不法行為に対し、自己または第三者の権利または法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。
 第五章 特別受益者
 本章では、まず相続の総則について簡単に触れ、次いで特別受益者の具体的な例を示し、特別受益者のある場合の相続法上の処理について説明する。
 まず相続は、死亡によって開始し、胎児は相続については、既に生まれたものとみなされる。被相続人の子は、相続人となる。被相続人の子が死亡していた場合にはその子が代襲して相続する。ただし被相続人の子や代襲相続人がいない場合には被相続人の直系尊属である親が相続人となり、次いで被相続人の兄弟姉妹が相続人となる。
 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、または婚姻もしくは養子縁組のためもしくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、同順位の相続人が数人あるときは、子および配偶者が相続人であるときは、子の相続分および配偶者の相続分は、各二分の一とし、配偶者および直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とし、配偶者および兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とし、子、直系尊属または兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とするという規定や、被相続人はそれらの規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、またはこれを定めることを第三者に委託することができ、被相続人が、共同相続人中の一人もしくは数人の相続分のみを定め、またはこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、それらの規定により定めるという規定により算定した相続分の中からその遺贈または贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
 特別受益の例としては、大学の学費の支弁や新築の家屋の贈与などが挙げられる。
 遺贈または贈与の価額が、相続分の価額に等しく、またはこれを超えるときは、受遺者または受贈者は、その相続分を受けることができない。被相続人が上述した規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。また、婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物またはその敷地について遺贈または贈与をしたときは、当該被相続人は、その被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、同順位の相続人が数人あるときは、算定した相続分の中からその遺贈または贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とするという遺贈または贈与についての規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定される。このように規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、またはその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。
 上記の制度に似ているものとして寄与分という制度がある。寄与分とは、共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、特別受益者の際に述べたのと同様の規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とするとされる。この協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、家庭裁判所は、ここに規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法および程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定めるとされ、寄与分は被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができないとされる。この請求は、遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部または一部の分割を家庭裁判所に請求することができるが、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでないという規定による請求があった場合または相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有すると規定する場合にすることができる。
 おわりに
 本書を最後までお読み頂いたあなたなら民法の骨格に迫ることができているはずである。是非他の法律書籍にも挑戦していただきたい。
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