2 / 14
ああ可哀想
しおりを挟む
この物語はこの世の中に溢れている悲劇の一断片にすぎない。
この物語は昭和を生きた一つの家族にまつわる。彼らは姓を鈴木といい、とても厳しい家庭環境であった。父は元々薬種商を営んでいたが、資金繰りがうまくいかず負債がたまっていた。母は家事をこなしていたが、やがて父はどこかえ行ったきり帰ってこなくなった。それからしばらくすると借金の取り立てが始まった。母子は母子家庭であったが、母の収入だけでは到底返済はできない。そこで母は夜通し働くがやがてやつれてしまう。子は学校の給食で食いつなぐが痩せている。やがて母は過労がたたり精神を病んでしまう。頼る親戚は連絡がつかない。途方に暮れた彼らはやがてとあるドカン地域へと移ることになる。ドカン地域とは、戦後間もない1962年頃、福岡市博多港の埋め立て地の一角にあった地域のことで、当時戦災で家を失った人や職を失った人々が集まり小屋を建てて住むようになった。その中の一人がこの鈴木という女性であったが彼女は、かつては貸家を三軒持ち薬種商を営む夫と一人の子どもともに暮らしていたが、1956年の9月に、父が借金を残して出ていったところから人生がおかしくなってしまった。結局父の行方が分からなくなり、借金を母子が肩代わりすることになってしまった。莫大な借金が残ってしまい、三度も一家心中までするところまで追い込まれてしまった。そのうえ母は精神病にかかる。彼女はドカン地域で、病苦と借金苦にあえいでいた。ところがある日、入会間もない創価学会のバッジをつける女性に出会う、その女性から宿命などの話を聞いた。そして1957年3月から法華経の信心をするようになる。不思議なことに日毎に元気になり、精神の病気は快癒。それをきっかけになんと逃げた夫が探し出して訪ねてくる。夫の薬種商の売り上げがあがっていたのだ。二、三年後借金の返済額には到底及ばない金額だったが、ある程度たまった貯金を持って返済先会社の社長を訪ねたところ彼女は不安だったが、お金を渡したところ、なんと渡された領収書には完済の印が押されていた。こうした功徳の体験がドカン地域には数多くあったのである。彼らは信仰によって自らの心に負けまいと挑戦し、絶望の日々を乗り越えて希望の太陽に向かって進んで行った。
あとがき
この物語はわたしの想像とある実話をミックスして書いたのだが、このような物語を書こうと思い立ったのは森鴎外の代表作である山椒大夫を読んで感化を受けたからである。
この物語は昭和を生きた一つの家族にまつわる。彼らは姓を鈴木といい、とても厳しい家庭環境であった。父は元々薬種商を営んでいたが、資金繰りがうまくいかず負債がたまっていた。母は家事をこなしていたが、やがて父はどこかえ行ったきり帰ってこなくなった。それからしばらくすると借金の取り立てが始まった。母子は母子家庭であったが、母の収入だけでは到底返済はできない。そこで母は夜通し働くがやがてやつれてしまう。子は学校の給食で食いつなぐが痩せている。やがて母は過労がたたり精神を病んでしまう。頼る親戚は連絡がつかない。途方に暮れた彼らはやがてとあるドカン地域へと移ることになる。ドカン地域とは、戦後間もない1962年頃、福岡市博多港の埋め立て地の一角にあった地域のことで、当時戦災で家を失った人や職を失った人々が集まり小屋を建てて住むようになった。その中の一人がこの鈴木という女性であったが彼女は、かつては貸家を三軒持ち薬種商を営む夫と一人の子どもともに暮らしていたが、1956年の9月に、父が借金を残して出ていったところから人生がおかしくなってしまった。結局父の行方が分からなくなり、借金を母子が肩代わりすることになってしまった。莫大な借金が残ってしまい、三度も一家心中までするところまで追い込まれてしまった。そのうえ母は精神病にかかる。彼女はドカン地域で、病苦と借金苦にあえいでいた。ところがある日、入会間もない創価学会のバッジをつける女性に出会う、その女性から宿命などの話を聞いた。そして1957年3月から法華経の信心をするようになる。不思議なことに日毎に元気になり、精神の病気は快癒。それをきっかけになんと逃げた夫が探し出して訪ねてくる。夫の薬種商の売り上げがあがっていたのだ。二、三年後借金の返済額には到底及ばない金額だったが、ある程度たまった貯金を持って返済先会社の社長を訪ねたところ彼女は不安だったが、お金を渡したところ、なんと渡された領収書には完済の印が押されていた。こうした功徳の体験がドカン地域には数多くあったのである。彼らは信仰によって自らの心に負けまいと挑戦し、絶望の日々を乗り越えて希望の太陽に向かって進んで行った。
あとがき
この物語はわたしの想像とある実話をミックスして書いたのだが、このような物語を書こうと思い立ったのは森鴎外の代表作である山椒大夫を読んで感化を受けたからである。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる