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医者の道
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野間口は、自分の火傷により、くっついてしまった手をあざけてくる意地悪な村の人達と父の自棄酒には嫌気が差していた。やがて父は家を出ていったが、英は良かったと思った。それにしても自分には素晴らしい夢があって、家は貧しくとも幸福な人間だとつくづく思う。彼が尋常小学校初等科の時に受けた手術は功を奏した。将来は医者となって病気に苦しむ人達を救うと誓った。やがて尋常小学校高等科に進学すると、努力のかいもあり先生に抜擢されたりした。尋常小学校を出る頃には医学を学ぶ素地は身についていた。
医学受験を志して東京にでると勉強に身が入った。狭い下宿では、先輩から善意で譲ってもらった医学書を朝早くから夜遅くまで机に向かい片っ端から勉強した。そして独学で、国家資格である医術開業試験に合格した。縁あって南里博士と出会い、師と仰いで知識の吸収に励んだ。研究室での修行は厳しかったが、生まれ持った精神力と観音信仰により何度も挫けそうになりながらも得意の語学を活かし、数々の洋医学書を注釈しながら翻訳した功績を認められ、コロンビア大学への研修も勝ち取った。
そこでの医学論文も好評だった。彼は中学の時に、英語は必要だと思い習得に励んできたから困ることはなかった。関東大震災が起きた時には、今すぐにでも東京に帰って被災した人々を治療したいと思ったが、まだまだ研究課題が多かったのでやむなく手紙と救援金を送るにとどめて、研究を優先した。アメリカで名を馳せたのとロックフェラー研究所の推薦で賞を取ったりしたが、彼はそんな名誉はどうでもよかった。ただ最近アフリカ南部で流行している黄熱病を治療したかった。やがて意を決し同僚の制止を振り切り、妻に別れを告げると単身アフリカ大陸へと旅立った。
最先端の医学水準を持ってしても打開策は見つからなかった。だが彼は未知の細菌とばかり思っていたが敵はウイルスであった。ウイルスとは思いもよらない彼は敵に背を向けることなく戦い抜いた。
医学受験を志して東京にでると勉強に身が入った。狭い下宿では、先輩から善意で譲ってもらった医学書を朝早くから夜遅くまで机に向かい片っ端から勉強した。そして独学で、国家資格である医術開業試験に合格した。縁あって南里博士と出会い、師と仰いで知識の吸収に励んだ。研究室での修行は厳しかったが、生まれ持った精神力と観音信仰により何度も挫けそうになりながらも得意の語学を活かし、数々の洋医学書を注釈しながら翻訳した功績を認められ、コロンビア大学への研修も勝ち取った。
そこでの医学論文も好評だった。彼は中学の時に、英語は必要だと思い習得に励んできたから困ることはなかった。関東大震災が起きた時には、今すぐにでも東京に帰って被災した人々を治療したいと思ったが、まだまだ研究課題が多かったのでやむなく手紙と救援金を送るにとどめて、研究を優先した。アメリカで名を馳せたのとロックフェラー研究所の推薦で賞を取ったりしたが、彼はそんな名誉はどうでもよかった。ただ最近アフリカ南部で流行している黄熱病を治療したかった。やがて意を決し同僚の制止を振り切り、妻に別れを告げると単身アフリカ大陸へと旅立った。
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