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導入
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「魔法を使って眠らせるのは、良くないからね」
そこまで、するなんて。私は小声で、ノルドにたずねる。
「あまり、子供には聞かせたくない話なの?」
城の閑散とした様子を隠すことなく私に見せて、広間ではなく、この不思議な樹木の場所まで来たのなら、何か深刻な話。……そう、かなり血なまぐさい話を想像する。
平和的に解決をしたようだけど、この城を見たら、明らかに激しく戦闘はあった。
だから聞いたと言うのに、ノルドは虚を突かれたように瞬きをする。
「……いや、そういう訳ではないけれど。サクラに、まず会わせたい人達がいるから」
「会わせたい人達?」
誰だろう。
すると、ノルドは、いつの間にか後ろに控えていたウイルに目配せをする。
直後、最初に入ってきた人物は、特別な威厳のある気品あるオーラがただよっていて、私は瞬時に理解した。きっと国王夫妻だろう。美しい容貌と、髪や目の特徴で遺伝子が同じとはっきりと分かる。
その後ろには、私よりも少し上の年齢に見える、男性と女性が控えめに立っている。
裾の長い白いローブを二人とも着ていて……、きっと、ここに仕えている魔法師の人達だろう。そうだとしたら、何か両親のことを知っている人かもしれない。
両親が私に会いたいと思っていないのなら、それでも良いけれど、事情は知りたい。
声を発することも出来ずに成り行きを見守っていると、国王からの視線を感じて、私も恐れながら見返す。
「本当に申し訳なかった。ノルドがサクラの人生を振り回してしまって、注意はしたのだが聞かなかった」
……結婚の祝福をされるとは思わなかったが、謝られるとも思わなかった。どうしよう。返事をしたいが、なんて返したら。
助けて欲しいと、ノルドやユルグの方を見るけれど、何とも言えない顔で頷くばかりだ。胸がドキドキして変なことを言ってしまいそう。
「謝られることは何も、ありません。むしろ、私の方がノルドに強引に迫ったので。それに、絆されてくれたと言うか……、ラッキーと言うか……」
心配していた通り、いつもの調子で変なことを言ってしまった。
この国の人は優しくて私に寛容すぎだから、同じことと言っても笑って冗談だと受け流して、本当のことなのに信じてくれない。
でも、さすがに国王には、こんな事を言って怒られるだろう。……なのに。
「いや、それはないだろう。ノルドを見ていたら分かる」
「は、はい」
何故だろう。
近所の人や、ユルグやサーシャと同じ反応で冷や汗が出てくる。
「では、サクラ。次は、この者たちからの謝罪を受け入れて欲しい」
国王は、横にずれて先ほどのローブ姿の男女が私の前に来る。
……二人の年齢は、私より少し上ぐらいだろうか。何言われるのかと、身構えて顔を見ると、思いのほか顔色が悪くて心配になってしまう。
どこかで会っているだろうか。
男性の方は茶色の髪に灰色の目をして、母親は水色の髪に桃色の目をしている。真面目で落ち着いた風貌は、どこか懐かしい。
「私達は、あなたの親です。向こうの世界に迎えに行けなくて、ごめんなさい」
そこまで、するなんて。私は小声で、ノルドにたずねる。
「あまり、子供には聞かせたくない話なの?」
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「……いや、そういう訳ではないけれど。サクラに、まず会わせたい人達がいるから」
「会わせたい人達?」
誰だろう。
すると、ノルドは、いつの間にか後ろに控えていたウイルに目配せをする。
直後、最初に入ってきた人物は、特別な威厳のある気品あるオーラがただよっていて、私は瞬時に理解した。きっと国王夫妻だろう。美しい容貌と、髪や目の特徴で遺伝子が同じとはっきりと分かる。
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裾の長い白いローブを二人とも着ていて……、きっと、ここに仕えている魔法師の人達だろう。そうだとしたら、何か両親のことを知っている人かもしれない。
両親が私に会いたいと思っていないのなら、それでも良いけれど、事情は知りたい。
声を発することも出来ずに成り行きを見守っていると、国王からの視線を感じて、私も恐れながら見返す。
「本当に申し訳なかった。ノルドがサクラの人生を振り回してしまって、注意はしたのだが聞かなかった」
……結婚の祝福をされるとは思わなかったが、謝られるとも思わなかった。どうしよう。返事をしたいが、なんて返したら。
助けて欲しいと、ノルドやユルグの方を見るけれど、何とも言えない顔で頷くばかりだ。胸がドキドキして変なことを言ってしまいそう。
「謝られることは何も、ありません。むしろ、私の方がノルドに強引に迫ったので。それに、絆されてくれたと言うか……、ラッキーと言うか……」
心配していた通り、いつもの調子で変なことを言ってしまった。
この国の人は優しくて私に寛容すぎだから、同じことと言っても笑って冗談だと受け流して、本当のことなのに信じてくれない。
でも、さすがに国王には、こんな事を言って怒られるだろう。……なのに。
「いや、それはないだろう。ノルドを見ていたら分かる」
「は、はい」
何故だろう。
近所の人や、ユルグやサーシャと同じ反応で冷や汗が出てくる。
「では、サクラ。次は、この者たちからの謝罪を受け入れて欲しい」
国王は、横にずれて先ほどのローブ姿の男女が私の前に来る。
……二人の年齢は、私より少し上ぐらいだろうか。何言われるのかと、身構えて顔を見ると、思いのほか顔色が悪くて心配になってしまう。
どこかで会っているだろうか。
男性の方は茶色の髪に灰色の目をして、母親は水色の髪に桃色の目をしている。真面目で落ち着いた風貌は、どこか懐かしい。
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