このレイプは合法ですか

眠りん

文字の大きさ
3 / 24

三話 守ってくれる友人

しおりを挟む
 翌日から皇樹が匠に話し掛けてくるようになった。いつも教室で浮かべているのはキラキラスマイルだ。王子とあだ名がついたのも、この輝くような笑顔からと言う者もいる。

「やぁ匠君。身体の調子はどうだい?」

「……最悪」

 匠は怠そうに答えた。
 体調もだが、皇樹に話し掛けられた事への感想であり、皇樹の後ろにいて匠を睨んでいる女子グループへの感想でもあった。
 彼女達は、いつもなら皇樹に相手をされているクラスのリーダー的存在だ。

「ねぇ皇樹。そんなキモい女男なんかと話してないでこっち来てよぉ」

 と、媚びを売ってくる女子達に、王子は爽やかな笑顔で匠の身体にピッタリと自分の身体をくっつけた。
 それだけで匠はゾワッと鳥肌がたつ。

「ごめんね。匠君と気が合って、もっと仲良しになりたいからさ」

 女子達は文句を言いながら匠と皇樹から離れたものの、遠くからギロッと匠だけを睨んでいた。
 その殺気に寒気を感じていたが、匠は皇樹に文句しか言えない。

「なんで僕のところなんか。あっち戻れよ」

 皇樹はクスクスを嘲笑して、とんでもない事を言い出した。

「あの子達、かなり性格悪いんだよ。お前これからの学校生活地獄だな?」

「なんでそんな事するんだ?」

「お前が嫌いだから。俺に殴り掛かるなんてな。川中さんはまだ女の子だからあれで許すけど、お前は、あんなものじゃ済まさないぜ」

「ほんと最低だな」

「お前も嬉しいだろ、好きな俺に構ってもらえてさ」

「誰がお前なんか好きかよ」

 その日から、皇樹はずっと匠の横にいるようになった。匠が逃げても、皇樹は女子達に「匠君を探してるから」と言って、一切相手にしなかったのだ。お陰で匠は女子達からイジメを受けるようになった。

 最初は教科書に落書きをされたり、机に油性ペンで「オカマ」と書かれる程度であったが、次第にイジメの内容は酷いものとなっていった。

 教科書を捨てられ、体操着を鋏で切り裂かれたり、上履きを隠されたり……誰がやったか分からないようなイジメが多かったのだが、段々と皇樹と仲良くしていた女子三人グループが匠に直接危害を加えるようになった。

 呼び出されては、水をかけられたり、蹴られたりという暴行を受けるようになった。
 危機感を覚えた匠は、クラスで仲良くしている友人、佐藤と山城に頼み事をした。

 佐藤は正義感が強いスポーツマン。山城は佐藤に従順で、佐藤の言う事はなんでも聞く。
 佐藤が頼みを受け入れてくれれば、山城もそれにならってくれるという事だ。

「僕、皆と仲良くするより藤倉君と仲良くするから、今後僕に関わらないでくれないか?」

 だが、匠の意図を汲んだ佐藤と山城だが、匠の予想に反して、まず山城がそれを拒んだ。

「絶対嫌。俺らがイジメに巻き込まれるとか思ってるだろ? 俺らは匠を守るよ」

「そうだよ。なんでお前一人で耐えてんの? 俺らを頼ってくれよ!」

 佐藤と山城は、イジメに加担している女子達を牽制した。クラスのカーストは真ん中あたりだが、特に佐藤は発言力がある方で、山城も追加されると力になる事も多い。

「お前ら最低だな。そうやって邪魔者を排除しないと王子と仲良く出来ないのかよ。アホくせぇ」

 先に佐藤が女子達に文句を言った。

「匠に意地悪すんな! おい王子! お前も……」

 と、山城が皇樹に文句を言いそうになったので、匠は慌てて彼の口を塞いだ。
 皇樹に反発すれば、新たな被害者となるだろう。

「匠、なんでだよ。いくらお前が王子好きだからって……」

「ううん。もう好きじゃないよ。俺の為にありがとね。でも、やめて欲しい」

 匠を守れば、次の標的になるのは佐藤や山城かもしれないのだ。特に皇樹に喧嘩を売らないように念を押した。
 当然納得のいっていない佐藤と山城、そして匠をいじめる女子達の間にはいつもギスギスした空気が流れた。

 一番問題なのは、律が匠に会いに教室に来てしまう事だ。
 「学校で話し掛けないように」と念押しして、律には距離を取ってもらった。
 最近は皇樹が匠の近くにいるので、トラウマから近寄れないのだが。やはり納得がいかないようで、夜に匠の家に遊びに来た律が、匠に言った。

「ねぇ私放っておけないよ。次は私がたくちゃんを守る」

「ごめん。そんな簡単な相手じゃないんだ。今解決策を考えてるから、まずは僕がどうにかするよ。
 もしかしたら律に何か頼むかもしれないけど、その時助けてくれる?」

 と、律を遠ざける為の詭弁を述べた。解決策はなかった。先生にも言ったが、女子からというのが良くなかった。

「男だろ、女子に負けんな」

 と、根性論推しの担任に言われて終わった。両親には、色々なプライドが邪魔して言えない。
 最優先は律を巻き込ませない事だ。あと数ヶ月もすれば受験シーズンに入る為、いじめている暇などなくなるだろう。それを待つ事にしたのだ。


 心と身体の疲れがピークに達したのだろう。その日は朝から熱があった為、学校を休む事にした。

 両親は共働きだ。二人ともバリバリ会社員として働いている。
 タクシー使っていいから病院に行きなさい、とお金を置いて仕事へ行ってしまった。
 帰ってくるのは夜だ。それまで、匠は病院に行く気も起きずに部屋で眠っていた。

  午後四時頃だ。チャイムが鳴った。身体が怠いので、居留守を使おうとしたが、ピンポンピンポン連打されるとさすがに見過ごせない。
 渋々匠は二階から一階へ降りて、インターホンに出た。

「はい……」

「よぉ、見舞いに来てやったぞ。開けろよ」

 匠は声ですぐに分かった。皇樹である。

「帰れよ」

「へぇ? そんな事言うならお前ん家の玄関に俺のザーメンかけてやるよ」

「チッ」

 渋々、匠が玄関を開けた瞬間、皇樹は匠に襲いかかってきた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

身体検査その後

RIKUTO
BL
「身体検査」のその後、結果が公開された。彼はどう感じたのか?

処理中です...