3 / 89
第一章「氷姫が出会った男」
3.色々と勘違い
しおりを挟む
(お料理、もっともっと上手にならなきゃ……)
アンナはまだ二日酔いで痛む頭を押さえながら王城への馬車に揺られていた。
あの後、朝食を食べてから簡単なお礼を言ってすぐにロレンツの家を出た。中立都市『ルルカカ』に暮らすロレンツ。二日酔いのせいもあったが詳しいことを何も聞けずに別れてしまった。
(なんか、私に話したそうにしていたな……、ま、まさか惚れられちゃったとか!?)
アンナは彼の家を出る際に、何か言いたそうな顔をしていたロレンツを思い浮かべる。
(まあ、私ってこんなに可愛いんだからそう思われても当然よね。それより……)
アンナは『ルルカカ』を抜けネガーベル王国に入ってしばらくして見えてきた王城見つめながら思う。
(あんなとこ、帰りたくない。本当に、イヤ……)
笑顔だった顔が徐々に氷のように冷たくなっていく。
それは決して意図したものではないが、彼女の心の闇がそのまま表情や振る舞いに現れていた。
「おかえりなさいませ、姫様」
守衛や城内ですれ違った者達がアンナの顔を見て挨拶をする。
「……」
アンナは一切表情を崩さずにそれを無言で受ける。通り過ぎて行った兵士達が小さな声で言う。
「やっぱり氷姫だよな」
「ああ、そうだそうだ」
――氷姫
そう呼ばれていることは知っていた。
別にそれでも良かった。それで面倒ごとに巻き込まれないで済むなら。
しかし面倒ごとと言うのは向こうから歩いてやって来る。アンナは目の前に現れた赤髪で、その髪と同様に赤いドレスを着た女性を見つめた。
「あら、これはアンナ様。朝帰り、ですの?」
「ミセル、変な言い方はやめてください。民の生活を見る視察です」
ミセルと呼ばれた女性が答える。
「『ルルカカ』で視察ですか? なぜネガーベルの民を見ないのでしょうか?」
ミセル・ジャスター。
アンナと同い年で、ネガーベル王国の中でも特に強い力を持つ名門貴族。国王不在の今、虎視眈々と次期国王を狙っているとの噂だ。黙り込むアンナにミセルが言う。
「それよりもアンナ様」
無言のアンナがミセルを見つめる。
「来週、年に一度の『剣遊会』ですわよ。出場するお方は見つかって?」
『剣遊会』
それは有力貴族が年に一度集まり、自身の推薦する猛者がその剣術を競い合うイベント。無論、地位の高い貴族程強い剣士を揃え、この『剣遊会』で勝つことが一流の貴族の証にもなっている。ミセルが言う。
「姫様の剣士様は一体どなたでしょうか~?」
「……」
アンナは無表情のまま無言を通した。
国王である父が数か月前に行方知らずになってから、それまで昵懇にしていた貴族達が次々と王家から離れて行った。
何かの裏工作があったのは間違いない。そして自分とは対照的にどんどん力を付けて行くミセルのジャスター家。『剣遊会』では実の兄で、ネガーベル最高軍団である聖騎士団長のエルグが出場すると噂されている。
対照的にアンナのキャスタール家にはまだ出場剣士は決まっていない。声をかけてもすべて断られてしまうのだ。
「失礼するわ……」
アンナは締め付けられるような雰囲気に耐えられなくなってその場を離れた。ミセルは遠くに去り行くアンナの後姿を見ながら言った。
「聖女になれない『無能姫』さん。私がその座を貰って差しあげましょう。おーほほほほっ!!!」
ミセルは大きな声で笑いながらアンナとは別の方へと消えて行った。
アンナは再び中立都市『ルルカカ』の覆面バーを訪れた。
カランカラン
ドアにつけられた鐘が低い音を立てて響く。
アンナはマスクをしっかり付け直すといつも通り熱気に包まれる店内を見回す。
(私、彼を探しているのかしら……)
いつもはひとりで飲むお酒。
不思議とその銀色の髪の男を目で探していた。
(いた……)
カウンターの隅。
その男はひとり背を向けて座っている。
アンナは目を何度かぱちぱちさせてから真っすぐにカウンターへ向かった。
「隣、いいかしら?」
アンナは幾分緊張しながら声をかける。アンナに気付いたロレンツがちらりと見てから答える。
「ああ」
アンナはすっと隣に座るといつもの『葡萄酒のぶどうジュース割り』を頼んだ。アンナは目線を下に向けもぞもぞしながら小さな声で言う。
「あの……」
無言のロレンツ。
「あの、この間はありがとう。きちんとお礼を言ってなかったような気がするの」
「ああ」
「私、多分、その……、も、戻したりして……」
アンナは帰城後、服に少しついていた嘔吐物を見て自分がやらかしたことに気付いた。
「ああ、ゲロか。気にするな」
「ゲっ!? ちょ、ちょっと、そんな言い方、止めてよ……」
アンナは少しの怒りと、それを上回る恥ずかしさに潰されそうになる。何かを言おうとしたアンナより先に、ロレンツが口を開く。
「なあ、ちょっと聞きたいことがあるんだが」
(え?)
アンナは驚いた。
あれだけ他人に興味のなさそうなこの男が、自分に聞きたいこととは一体何か。
(ま、まさか、私に惚れちゃって、恋人の有無とか、好きな男性のタイプとか、いやいやもしかして求婚とか!!??)
アンナは緊張に耐えきれなくなり目の前の葡萄酒を一気飲みする。ロレンツが小さな声で言う。
「嬢ちゃん、お前さ……」
「は、はい……」
緊張の面持ちのアンナ。
ロレンツが右手の甲を見せながら言う。
「この模様、見えるのか?」
「は?」
アンナは愕然とした。
期待していただけに、そのハートが崩れたような趣味の悪い模様について聞かれがっかりした。むっとして答える。
「見えるわよ。その悪趣味の模様」
「そう、か……」
ロレンツはアンナの方を向き、その顔をまじまじと見つめる。真剣な表情のロレンツ。少しだけがっかりしていたアンナに緊張が走る。
(え、え!? な、なに!? 私、変なこと言っちゃった!? それともこのままキスとかされて……)
ロレンツはアンナをしばらく見つめた後、何事もなかったかのように前を向いて酒を飲み始めた。
(え、え、え、ええ!? 何よっ!! 話振って置いて、それで終わり!? ふ、ふざけないでよ!!)
黙ってグラスを傾けるロレンツを真横で凝視するアンナ。
イライラとむかむかと、ちょっとのどきどきが混ざった不思議な気持ち。何か言ってやろうと思ったアンナだが、先にロレンツが再び尋ねた。
「なあ、あの夜のこと、覚えてるか?」
(え、ええっ!? な、なによ、あの夜って!? 私がゲロ吐いた夜でしょ?? 他に何かあったの?? ま、まさかやっぱり私はこの人に酔ったところを襲われて……)
真っ赤になって震えるアンナ。
全身から汗が吹き出し、妙な緊張で唇が渇く。
ゴクゴクゴク……
思わず目の前にあった葡萄酒を一気に飲み干す。少し驚いたロレンツが言う。
「あの夜、あの男達のことだが……」
(あの夜、男達、ですってぇ~!? ま、ましゃか私、たくさんの男達に襲われたとかぁ~!!??)
少しずつアルコールが回って来たアンナ。正常な思考が徐々に崩れて行く。
「わ、私ぃ、襲われたの……??」
ロレンツが頷いて答える。
「襲われた」
驚くアンナ。小さな声で尋ねる。
「あ、あなたも一緒に、わたひぃを、襲ったのぉ??」
ロレンツが困った顔で言う。
「何、訳の分からないこと言ってんだ。その前に俺が防いだ」
(ん? え? この人が防いだの?? い、一緒になって襲おうとしたんじゃないのぉ~??)
「命を狙っていたんだ。嬢ちゃん、何か心当たりはないのか?」
(ん? 命??)
酔ったアンナでもようやくロレンツの話している意味が理解できた。同時に感じる羞恥心。
(や、やだ私って、一体何を想像していたのかしらぁ~)
アンナは恥ずかしさと興奮で思考回路が崩壊した。
「ねえ……」
「なんだ?」
アンナがロレンツの肩に手を回して言う。
「今きゃら、あんたのうちに行くわよぉ……」
「は? お前、何を言って……」
アンナがロレンツの首を腕で締め付けながら言う。
「りょーりーを作るのっ!! りょうーりーなのっ!!!」
「りょ、料理!?」
首を絞められたロレンツが苦しそうに言う。アンナが短い銀髪を撫でながら言う。
「そうよぉ~、そうだけど、違うのっ!! あんたぁの為じゃないの、イコちゃんのためなのぉー」
アンナはそのままロレンツの腕を引っ張り店を出る。
「さぁ、さぁあ~、行くよぉ~!!」
そう言って強引に歩き出す。
(やれやれ……)
ロレンツはもう少し話がしたいと思っていたのと同時に、イコが喜ぶのならまあいいかと思い直した。
アンナはまだ二日酔いで痛む頭を押さえながら王城への馬車に揺られていた。
あの後、朝食を食べてから簡単なお礼を言ってすぐにロレンツの家を出た。中立都市『ルルカカ』に暮らすロレンツ。二日酔いのせいもあったが詳しいことを何も聞けずに別れてしまった。
(なんか、私に話したそうにしていたな……、ま、まさか惚れられちゃったとか!?)
アンナは彼の家を出る際に、何か言いたそうな顔をしていたロレンツを思い浮かべる。
(まあ、私ってこんなに可愛いんだからそう思われても当然よね。それより……)
アンナは『ルルカカ』を抜けネガーベル王国に入ってしばらくして見えてきた王城見つめながら思う。
(あんなとこ、帰りたくない。本当に、イヤ……)
笑顔だった顔が徐々に氷のように冷たくなっていく。
それは決して意図したものではないが、彼女の心の闇がそのまま表情や振る舞いに現れていた。
「おかえりなさいませ、姫様」
守衛や城内ですれ違った者達がアンナの顔を見て挨拶をする。
「……」
アンナは一切表情を崩さずにそれを無言で受ける。通り過ぎて行った兵士達が小さな声で言う。
「やっぱり氷姫だよな」
「ああ、そうだそうだ」
――氷姫
そう呼ばれていることは知っていた。
別にそれでも良かった。それで面倒ごとに巻き込まれないで済むなら。
しかし面倒ごとと言うのは向こうから歩いてやって来る。アンナは目の前に現れた赤髪で、その髪と同様に赤いドレスを着た女性を見つめた。
「あら、これはアンナ様。朝帰り、ですの?」
「ミセル、変な言い方はやめてください。民の生活を見る視察です」
ミセルと呼ばれた女性が答える。
「『ルルカカ』で視察ですか? なぜネガーベルの民を見ないのでしょうか?」
ミセル・ジャスター。
アンナと同い年で、ネガーベル王国の中でも特に強い力を持つ名門貴族。国王不在の今、虎視眈々と次期国王を狙っているとの噂だ。黙り込むアンナにミセルが言う。
「それよりもアンナ様」
無言のアンナがミセルを見つめる。
「来週、年に一度の『剣遊会』ですわよ。出場するお方は見つかって?」
『剣遊会』
それは有力貴族が年に一度集まり、自身の推薦する猛者がその剣術を競い合うイベント。無論、地位の高い貴族程強い剣士を揃え、この『剣遊会』で勝つことが一流の貴族の証にもなっている。ミセルが言う。
「姫様の剣士様は一体どなたでしょうか~?」
「……」
アンナは無表情のまま無言を通した。
国王である父が数か月前に行方知らずになってから、それまで昵懇にしていた貴族達が次々と王家から離れて行った。
何かの裏工作があったのは間違いない。そして自分とは対照的にどんどん力を付けて行くミセルのジャスター家。『剣遊会』では実の兄で、ネガーベル最高軍団である聖騎士団長のエルグが出場すると噂されている。
対照的にアンナのキャスタール家にはまだ出場剣士は決まっていない。声をかけてもすべて断られてしまうのだ。
「失礼するわ……」
アンナは締め付けられるような雰囲気に耐えられなくなってその場を離れた。ミセルは遠くに去り行くアンナの後姿を見ながら言った。
「聖女になれない『無能姫』さん。私がその座を貰って差しあげましょう。おーほほほほっ!!!」
ミセルは大きな声で笑いながらアンナとは別の方へと消えて行った。
アンナは再び中立都市『ルルカカ』の覆面バーを訪れた。
カランカラン
ドアにつけられた鐘が低い音を立てて響く。
アンナはマスクをしっかり付け直すといつも通り熱気に包まれる店内を見回す。
(私、彼を探しているのかしら……)
いつもはひとりで飲むお酒。
不思議とその銀色の髪の男を目で探していた。
(いた……)
カウンターの隅。
その男はひとり背を向けて座っている。
アンナは目を何度かぱちぱちさせてから真っすぐにカウンターへ向かった。
「隣、いいかしら?」
アンナは幾分緊張しながら声をかける。アンナに気付いたロレンツがちらりと見てから答える。
「ああ」
アンナはすっと隣に座るといつもの『葡萄酒のぶどうジュース割り』を頼んだ。アンナは目線を下に向けもぞもぞしながら小さな声で言う。
「あの……」
無言のロレンツ。
「あの、この間はありがとう。きちんとお礼を言ってなかったような気がするの」
「ああ」
「私、多分、その……、も、戻したりして……」
アンナは帰城後、服に少しついていた嘔吐物を見て自分がやらかしたことに気付いた。
「ああ、ゲロか。気にするな」
「ゲっ!? ちょ、ちょっと、そんな言い方、止めてよ……」
アンナは少しの怒りと、それを上回る恥ずかしさに潰されそうになる。何かを言おうとしたアンナより先に、ロレンツが口を開く。
「なあ、ちょっと聞きたいことがあるんだが」
(え?)
アンナは驚いた。
あれだけ他人に興味のなさそうなこの男が、自分に聞きたいこととは一体何か。
(ま、まさか、私に惚れちゃって、恋人の有無とか、好きな男性のタイプとか、いやいやもしかして求婚とか!!??)
アンナは緊張に耐えきれなくなり目の前の葡萄酒を一気飲みする。ロレンツが小さな声で言う。
「嬢ちゃん、お前さ……」
「は、はい……」
緊張の面持ちのアンナ。
ロレンツが右手の甲を見せながら言う。
「この模様、見えるのか?」
「は?」
アンナは愕然とした。
期待していただけに、そのハートが崩れたような趣味の悪い模様について聞かれがっかりした。むっとして答える。
「見えるわよ。その悪趣味の模様」
「そう、か……」
ロレンツはアンナの方を向き、その顔をまじまじと見つめる。真剣な表情のロレンツ。少しだけがっかりしていたアンナに緊張が走る。
(え、え!? な、なに!? 私、変なこと言っちゃった!? それともこのままキスとかされて……)
ロレンツはアンナをしばらく見つめた後、何事もなかったかのように前を向いて酒を飲み始めた。
(え、え、え、ええ!? 何よっ!! 話振って置いて、それで終わり!? ふ、ふざけないでよ!!)
黙ってグラスを傾けるロレンツを真横で凝視するアンナ。
イライラとむかむかと、ちょっとのどきどきが混ざった不思議な気持ち。何か言ってやろうと思ったアンナだが、先にロレンツが再び尋ねた。
「なあ、あの夜のこと、覚えてるか?」
(え、ええっ!? な、なによ、あの夜って!? 私がゲロ吐いた夜でしょ?? 他に何かあったの?? ま、まさかやっぱり私はこの人に酔ったところを襲われて……)
真っ赤になって震えるアンナ。
全身から汗が吹き出し、妙な緊張で唇が渇く。
ゴクゴクゴク……
思わず目の前にあった葡萄酒を一気に飲み干す。少し驚いたロレンツが言う。
「あの夜、あの男達のことだが……」
(あの夜、男達、ですってぇ~!? ま、ましゃか私、たくさんの男達に襲われたとかぁ~!!??)
少しずつアルコールが回って来たアンナ。正常な思考が徐々に崩れて行く。
「わ、私ぃ、襲われたの……??」
ロレンツが頷いて答える。
「襲われた」
驚くアンナ。小さな声で尋ねる。
「あ、あなたも一緒に、わたひぃを、襲ったのぉ??」
ロレンツが困った顔で言う。
「何、訳の分からないこと言ってんだ。その前に俺が防いだ」
(ん? え? この人が防いだの?? い、一緒になって襲おうとしたんじゃないのぉ~??)
「命を狙っていたんだ。嬢ちゃん、何か心当たりはないのか?」
(ん? 命??)
酔ったアンナでもようやくロレンツの話している意味が理解できた。同時に感じる羞恥心。
(や、やだ私って、一体何を想像していたのかしらぁ~)
アンナは恥ずかしさと興奮で思考回路が崩壊した。
「ねえ……」
「なんだ?」
アンナがロレンツの肩に手を回して言う。
「今きゃら、あんたのうちに行くわよぉ……」
「は? お前、何を言って……」
アンナがロレンツの首を腕で締め付けながら言う。
「りょーりーを作るのっ!! りょうーりーなのっ!!!」
「りょ、料理!?」
首を絞められたロレンツが苦しそうに言う。アンナが短い銀髪を撫でながら言う。
「そうよぉ~、そうだけど、違うのっ!! あんたぁの為じゃないの、イコちゃんのためなのぉー」
アンナはそのままロレンツの腕を引っ張り店を出る。
「さぁ、さぁあ~、行くよぉ~!!」
そう言って強引に歩き出す。
(やれやれ……)
ロレンツはもう少し話がしたいと思っていたのと同時に、イコが喜ぶのならまあいいかと思い直した。
2
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる