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カールと愉快な仲間たち
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いやー。まさかここで放り出されるなんて。
普通次に大きさとか形の変え方とか動かし方教えるだろ。
っていうかカールはよくこの状態からあそこまで上達したな。あいつ意外と努力家なのか?
まぁそんなことはどうでもいいんだ。
まず最初に俺がすべきこと。
それは......
俺の手の上に浮いている水の塊をどうにかすることだ!
普通魔法って消えろとか念じたら消えるだろ?
消えないんだよそれが。
ちょっと突っついてみたりもしたけど中に指が入ってくだけで消えないし。
これ消さなきゃ何も出来ないんだけど。消し方くらい教えてくれよあの先生。
しょうがない。動かす練習でもするか。
とりあえず前に飛ばす感じのイメージで......って全然動かねえな。さっきの魔力を手に持ってくる時と同じくらいの速さじゃないか。
とりあえずどっかに当たれば壊れるだろ。
ゆっくりだけど地面に近づいてるからこのまま行けばきっと......
ボヨン
「は?」
おいおいおい。何跳ねてるんだよ。そこは潰れるか弾けるかしろよ。
なんで壊れないんだ。
「おい!見ろこの魔法を!ってなんだ。お前も魔法を使えるようになったのか。」
げ、カールじゃないか。でも丁度いいタイミングだ。
「うん。でも消し方が分からないんだ。」
「ふ、お前は魔力が少ないだけじゃなくて頭も悪いのか。消えろと念じれば消えるだろ。そんなことも分からないのか。」
いちいちイラつくなこいつ。っていうか消えろって念じても消えないんだけど。
「念じても消えないんだけど。」
「そんなわけないだろう。あぁ、お前は魔法の才能もないのか。可哀想だな。ああ、魔力が多くて才能もある俺と、魔法の才能もなくて頭も悪いお前。あー、持たざる者は可哀想だね。はー、はっは。」
そう言ってカールはいなくなっていった。
は?なんなんだアイツ。どんな教育したらあんなに傲慢に育つわけ?確かに俺は魔力は少ないけどさぁ。頭は絶対お前よりいいぞ!こっちは義務教育受けてるんだぞ!
はぁ、言ってて悲しくなってきた。
ほんとにこのボールどうしよう......
ーーーーーーーーー
一週間がたった。
ボールはいっこうに消える気配がない。
お母さんに相談しても、
「それも練習よ」
と言われて終わりだし。
先生ももう来ないらしいし。
でも少しは操作できるようになったから良かったかな。
前はカタツムリくらいの速さでしか動かせなかったけど今は歩くのと同じくらいの速さで動かせるようになった。
でも思い返してみるとカールってめっちゃ速いスピードで飛ばしてたよな......
あいつもしかして魔法の才能の塊か何かか?
それとも俺が才能ないだけか。
もうしょうがないと割り切って操作の練習するか。
「おい、アイン。お前まだ消せてなかったのか。」
うわ、噂をすれば本人登場だよ。
「今日はお前に俺の友達を紹介してやろうと思ってな。俺は友達が沢山いるがお前には1人もいないからな。」
は、余計なお世話だ。っていうかなんで俺に友達いないのか知ってるか?全員お前の友達になっちゃうからだよ。最初は俺と仲良くしてたやつでも俺に魔法の才能がなくてお前には才能があるとわかると、みんないなくなってくんだ。
「こんにちは、アラン君。君は魔力が少ないんだってね。大変だね。そんなんじゃ絶対に男爵家は継げないし、王都の学園を卒業してもまともな就職先もないだろうし。」
くっそ。余計なお世話だ。なんだ俺に嫌味を言うために来たのか?ほんと腹立つわ。
「はい。才能のあるお兄様が羨ましいです。」
これで満足か!さっさとどっか行け!こっちは魔法の操作の練習をしてんだよ!
「そうかそうか。」
そう言って兄たちはいなくなった。
くそぉ。あいついっつも腹立つことばっか言いやがって。
いつか絶対に見返してやるからな。
ーーーーーーーーー
月日がたち、俺は7歳になった。
今では魔法の操作はものすごく上達して、誰よりも速く動かせる自信がある。そして形も変えれるようになった。
ただ一つだけ問題があるとすれば......
まだあの魔法が消えないのだ。
今ではもう自分の手足のように動かせるようになった2年もののボールだが、消せるようになりたい。
「アラン、お誕生日おめでとう。はい、これはプレゼントよ」
そして今、俺の前には信じられないことをする親がいる。
普通誕生日の子供に金貨の入った袋を渡すか?
「金貨が100枚入ってるわよ。これでなんでも好きなものを買ってちょうだい」
「母上、少し多すぎませんか?」
「そんなことないわよ。カールにも7歳の誕生日の時には同じものをあげだし。今度の社交パーティーで周りの子はみんな誕生日にたくさんお金を貰ってるのに自分だけ貰ってないのは嫌でしょ?」
え、これが普通なの?ヤバくない貴族社会って。
っていうか社交パーティーって何?初耳なんだけど。
「あの、社交パーティーってなんですか?」
「7歳になったら他の貴族たちに自分ちの子は元気に育ってますよっていうお披露目会をするのよ。あなたは友達がいないみたいだからそこで友達ができるといいわね」
なんということだ。
それまでにこの水球をどうにかしなければ......
みんなに笑われる......
普通次に大きさとか形の変え方とか動かし方教えるだろ。
っていうかカールはよくこの状態からあそこまで上達したな。あいつ意外と努力家なのか?
まぁそんなことはどうでもいいんだ。
まず最初に俺がすべきこと。
それは......
俺の手の上に浮いている水の塊をどうにかすることだ!
普通魔法って消えろとか念じたら消えるだろ?
消えないんだよそれが。
ちょっと突っついてみたりもしたけど中に指が入ってくだけで消えないし。
これ消さなきゃ何も出来ないんだけど。消し方くらい教えてくれよあの先生。
しょうがない。動かす練習でもするか。
とりあえず前に飛ばす感じのイメージで......って全然動かねえな。さっきの魔力を手に持ってくる時と同じくらいの速さじゃないか。
とりあえずどっかに当たれば壊れるだろ。
ゆっくりだけど地面に近づいてるからこのまま行けばきっと......
ボヨン
「は?」
おいおいおい。何跳ねてるんだよ。そこは潰れるか弾けるかしろよ。
なんで壊れないんだ。
「おい!見ろこの魔法を!ってなんだ。お前も魔法を使えるようになったのか。」
げ、カールじゃないか。でも丁度いいタイミングだ。
「うん。でも消し方が分からないんだ。」
「ふ、お前は魔力が少ないだけじゃなくて頭も悪いのか。消えろと念じれば消えるだろ。そんなことも分からないのか。」
いちいちイラつくなこいつ。っていうか消えろって念じても消えないんだけど。
「念じても消えないんだけど。」
「そんなわけないだろう。あぁ、お前は魔法の才能もないのか。可哀想だな。ああ、魔力が多くて才能もある俺と、魔法の才能もなくて頭も悪いお前。あー、持たざる者は可哀想だね。はー、はっは。」
そう言ってカールはいなくなっていった。
は?なんなんだアイツ。どんな教育したらあんなに傲慢に育つわけ?確かに俺は魔力は少ないけどさぁ。頭は絶対お前よりいいぞ!こっちは義務教育受けてるんだぞ!
はぁ、言ってて悲しくなってきた。
ほんとにこのボールどうしよう......
ーーーーーーーーー
一週間がたった。
ボールはいっこうに消える気配がない。
お母さんに相談しても、
「それも練習よ」
と言われて終わりだし。
先生ももう来ないらしいし。
でも少しは操作できるようになったから良かったかな。
前はカタツムリくらいの速さでしか動かせなかったけど今は歩くのと同じくらいの速さで動かせるようになった。
でも思い返してみるとカールってめっちゃ速いスピードで飛ばしてたよな......
あいつもしかして魔法の才能の塊か何かか?
それとも俺が才能ないだけか。
もうしょうがないと割り切って操作の練習するか。
「おい、アイン。お前まだ消せてなかったのか。」
うわ、噂をすれば本人登場だよ。
「今日はお前に俺の友達を紹介してやろうと思ってな。俺は友達が沢山いるがお前には1人もいないからな。」
は、余計なお世話だ。っていうかなんで俺に友達いないのか知ってるか?全員お前の友達になっちゃうからだよ。最初は俺と仲良くしてたやつでも俺に魔法の才能がなくてお前には才能があるとわかると、みんないなくなってくんだ。
「こんにちは、アラン君。君は魔力が少ないんだってね。大変だね。そんなんじゃ絶対に男爵家は継げないし、王都の学園を卒業してもまともな就職先もないだろうし。」
くっそ。余計なお世話だ。なんだ俺に嫌味を言うために来たのか?ほんと腹立つわ。
「はい。才能のあるお兄様が羨ましいです。」
これで満足か!さっさとどっか行け!こっちは魔法の操作の練習をしてんだよ!
「そうかそうか。」
そう言って兄たちはいなくなった。
くそぉ。あいついっつも腹立つことばっか言いやがって。
いつか絶対に見返してやるからな。
ーーーーーーーーー
月日がたち、俺は7歳になった。
今では魔法の操作はものすごく上達して、誰よりも速く動かせる自信がある。そして形も変えれるようになった。
ただ一つだけ問題があるとすれば......
まだあの魔法が消えないのだ。
今ではもう自分の手足のように動かせるようになった2年もののボールだが、消せるようになりたい。
「アラン、お誕生日おめでとう。はい、これはプレゼントよ」
そして今、俺の前には信じられないことをする親がいる。
普通誕生日の子供に金貨の入った袋を渡すか?
「金貨が100枚入ってるわよ。これでなんでも好きなものを買ってちょうだい」
「母上、少し多すぎませんか?」
「そんなことないわよ。カールにも7歳の誕生日の時には同じものをあげだし。今度の社交パーティーで周りの子はみんな誕生日にたくさんお金を貰ってるのに自分だけ貰ってないのは嫌でしょ?」
え、これが普通なの?ヤバくない貴族社会って。
っていうか社交パーティーって何?初耳なんだけど。
「あの、社交パーティーってなんですか?」
「7歳になったら他の貴族たちに自分ちの子は元気に育ってますよっていうお披露目会をするのよ。あなたは友達がいないみたいだからそこで友達ができるといいわね」
なんということだ。
それまでにこの水球をどうにかしなければ......
みんなに笑われる......
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