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レストとライル
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「それでは行ってまいります。」
「気をつけるのよー。」
俺は今からメイドのひとりと一緒に馬車に乗って王都の研究所に向かうことにした。
金も持って準備万端だ。
「アラン様。馬車は大丈夫なのですか?」
「あ、ああ。」
ああ、本当に憂鬱だ。
「寝ると酔いにくいらしいですよ。」
「ああ、じゃあ寝てることにするよ。」
でも、寝ようと思ってもなかなか寝れないんだよな。
......目をつぶって俺の魔法の使い道でも考えてるか。
「......ラン......ま......き...ください。アラン様。」
「ん、ああ。」
「王都に着きましたよ。」
おお、ついに着いたか!気付いたら寝てたから前回より全然体調もいいけど。
「それで、研究所はどこだ?」
「あちらになります。」
メイドの指さす方を見ると、とても......良くいえば歴史がありそうな建物があった。
「あそこが研究所か。」
なんであんなにボロいんだろ。
「それでは向かいましょう。」
研究所の玄関に着くと、白衣?を着た男二人組迎えてくれた。
「こんなところにお客さんが来るなんて珍しい。明日は雪でも降るのか?」
「おい、客にそんなことを行ったら失礼だろう。俺の名前はレストだ。そしてこいつはライルだ。よろしくな。」
「こんにちは。僕はアラン・ティヌールです。」
「今日は何用でここに来たんだ?自分で言うのもあれだが、何も無いぞ。」
「いやあの、魔法についての本はないかなーと思って。」
「なに?」
あれ、俺なんか変なこと言ったかな。
「もしかしてお前、我が同士だったか!それはそれは済まなかった。さあさあ。中へ入ってください。」
さっきまで黙っていたライルが急にハイテンションになったんだけど。
っていうか同士って何?
まぁ確かに魔法に興味があるっていうところは共通してるけど。
中に入ると、そこには大量の本......読み散らかした本があった。
「どんな本を探してるんだい?」
どんな本って言われても......
せっかくここ研究所だし水球が消せない理由を聞いてみるか。
「あの、僕実は魔法が消せなくて。それでその原因を知りたいと思ってるんです。」
「ん?見た感じ今魔法を使っている感じはしないが。」
「ああ、これです。」
俺は服の中から水球を取り出した。
「随分と小さいね。」
「はい。恥ずかしながら僕は魔力が少なくて。」
「なるほど......少し待っててくれるかな。」
そういうと、ライルさんは倉庫?に何かを取りに行った。
「これを使えば原因が分かるかもしれない。」
「なんですかこれ。」
「これは体の中に残っている魔力の量を調べる水晶だ。ここに手を置いてくれるかな?」
「はい。」
すると水晶は......ほんの少しだけ光った。
「なるほど。分かったよ。」
「もうわかったんですか?」
「ああ。そもそも前提として、魔法は魔力を使って出来ているということは知っているね?」
「はい。」
「そして、その魔法を解除する時にも......魔力が必要なのは知っているかい?」
なんだって!
「そういう事か。」
「おや、もうわかったのか?君は理解が早いみたいだね。」
「僕は魔法を生み出す魔力はギリギリあるけど、その魔法を使ってしまうと消す時に使う魔力はもう残っていない。だから消せない。こういうことですよね。」
「ああ。その通り。そして、実に興味深い。......良かったら我々と一緒にどうすればその水球を消せるのか研究してみないか?」
「は、はい。ぜひお願いします。」
「少し触ってみてもいいかな?」
「はい。」
「うーん。なるほどね。触っても中に手が入っていくだけか。おい、レスト。塩を持ってこい!」
ん?塩?
「ほらよ。」
「ああ、ありがとう。」
するとライルは、真顔で水球に塩をふりはじめた。
「ちょっ。ちょっと何してるんですか。」
「ダメだったかね。」
「い、いやダメじゃないですけど。」
「この水球に塩を入れたら塩は溶けるかの実験をしようと思ったんだ。ほら、見てみろ。どうやら溶けたみたいだぞ。これをもっかい水球から塩を取り出せたりするか?」
え、急に言われても......水球から不純物を取り除く感じでやってみるか。
「おい。少しずつ塩が出てきたぞ!」
不純物を完全に取り除いた感じがしたので、水球をみると、中には塩の結晶が浮いていた。
「おいレスト!魔法には塩が溶けるんだな!これは世紀の大発見だぞ!」
「ああ!そうだな!早く王様に報告せねば!」
「おいアラン!他にも何か溶けるものはないか調べるぞ。」
その後俺は、砂糖から色水。はたまた魔石の粉まで水球に混ぜさせられることになった。
この世界にも魔石あったんだな。なんか魔力を固めると作れるらしいけど。
「気をつけるのよー。」
俺は今からメイドのひとりと一緒に馬車に乗って王都の研究所に向かうことにした。
金も持って準備万端だ。
「アラン様。馬車は大丈夫なのですか?」
「あ、ああ。」
ああ、本当に憂鬱だ。
「寝ると酔いにくいらしいですよ。」
「ああ、じゃあ寝てることにするよ。」
でも、寝ようと思ってもなかなか寝れないんだよな。
......目をつぶって俺の魔法の使い道でも考えてるか。
「......ラン......ま......き...ください。アラン様。」
「ん、ああ。」
「王都に着きましたよ。」
おお、ついに着いたか!気付いたら寝てたから前回より全然体調もいいけど。
「それで、研究所はどこだ?」
「あちらになります。」
メイドの指さす方を見ると、とても......良くいえば歴史がありそうな建物があった。
「あそこが研究所か。」
なんであんなにボロいんだろ。
「それでは向かいましょう。」
研究所の玄関に着くと、白衣?を着た男二人組迎えてくれた。
「こんなところにお客さんが来るなんて珍しい。明日は雪でも降るのか?」
「おい、客にそんなことを行ったら失礼だろう。俺の名前はレストだ。そしてこいつはライルだ。よろしくな。」
「こんにちは。僕はアラン・ティヌールです。」
「今日は何用でここに来たんだ?自分で言うのもあれだが、何も無いぞ。」
「いやあの、魔法についての本はないかなーと思って。」
「なに?」
あれ、俺なんか変なこと言ったかな。
「もしかしてお前、我が同士だったか!それはそれは済まなかった。さあさあ。中へ入ってください。」
さっきまで黙っていたライルが急にハイテンションになったんだけど。
っていうか同士って何?
まぁ確かに魔法に興味があるっていうところは共通してるけど。
中に入ると、そこには大量の本......読み散らかした本があった。
「どんな本を探してるんだい?」
どんな本って言われても......
せっかくここ研究所だし水球が消せない理由を聞いてみるか。
「あの、僕実は魔法が消せなくて。それでその原因を知りたいと思ってるんです。」
「ん?見た感じ今魔法を使っている感じはしないが。」
「ああ、これです。」
俺は服の中から水球を取り出した。
「随分と小さいね。」
「はい。恥ずかしながら僕は魔力が少なくて。」
「なるほど......少し待っててくれるかな。」
そういうと、ライルさんは倉庫?に何かを取りに行った。
「これを使えば原因が分かるかもしれない。」
「なんですかこれ。」
「これは体の中に残っている魔力の量を調べる水晶だ。ここに手を置いてくれるかな?」
「はい。」
すると水晶は......ほんの少しだけ光った。
「なるほど。分かったよ。」
「もうわかったんですか?」
「ああ。そもそも前提として、魔法は魔力を使って出来ているということは知っているね?」
「はい。」
「そして、その魔法を解除する時にも......魔力が必要なのは知っているかい?」
なんだって!
「そういう事か。」
「おや、もうわかったのか?君は理解が早いみたいだね。」
「僕は魔法を生み出す魔力はギリギリあるけど、その魔法を使ってしまうと消す時に使う魔力はもう残っていない。だから消せない。こういうことですよね。」
「ああ。その通り。そして、実に興味深い。......良かったら我々と一緒にどうすればその水球を消せるのか研究してみないか?」
「は、はい。ぜひお願いします。」
「少し触ってみてもいいかな?」
「はい。」
「うーん。なるほどね。触っても中に手が入っていくだけか。おい、レスト。塩を持ってこい!」
ん?塩?
「ほらよ。」
「ああ、ありがとう。」
するとライルは、真顔で水球に塩をふりはじめた。
「ちょっ。ちょっと何してるんですか。」
「ダメだったかね。」
「い、いやダメじゃないですけど。」
「この水球に塩を入れたら塩は溶けるかの実験をしようと思ったんだ。ほら、見てみろ。どうやら溶けたみたいだぞ。これをもっかい水球から塩を取り出せたりするか?」
え、急に言われても......水球から不純物を取り除く感じでやってみるか。
「おい。少しずつ塩が出てきたぞ!」
不純物を完全に取り除いた感じがしたので、水球をみると、中には塩の結晶が浮いていた。
「おいレスト!魔法には塩が溶けるんだな!これは世紀の大発見だぞ!」
「ああ!そうだな!早く王様に報告せねば!」
「おいアラン!他にも何か溶けるものはないか調べるぞ。」
その後俺は、砂糖から色水。はたまた魔石の粉まで水球に混ぜさせられることになった。
この世界にも魔石あったんだな。なんか魔力を固めると作れるらしいけど。
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