俺の才能は魔力が少ないことだ!

平成人間

文字の大きさ
8 / 11

実験結果

しおりを挟む
「おお!まさか魔石の粉が溶けるなんて。」

「おい、硫酸が溶けたぞ。」

おい、何てもの入れてんだよ。どうやって取り出すんだよ。

「下にトレーを持ってこい。その中に落とす。」

あー。よく思いつくなそんなこと。

「次は塩酸だ!......おお!溶けたぞ!」

「おい、水酸化ナトリウムも溶けたぞ!」

「おいおい、もしかしてこの水球本物の水と同じ性質なのか?」

「じゃあ次は油だ。水なら油は解けないはずだ!......ってなんで溶けるんだ!水じゃないのか!」

「おい、熱して見ようぜ。」

頼むから事故だけは起こさないでくれよ。

「おい、この水球全然熱くなんないぞ。」

「なるほど。外からの熱は吸収しないのか。それともあるいは吸収しているが、アラン自身が自然と元の温度に戻しているか。」

「おい、これはいよいよ王様に報告せねばならないな!」

「ああ。これなら王様に褒めてもらえるに違いない。」

「運が良ければ研究費が増えるぞ!」

あ、褒美が貰えるとかじゃないんだ。
魔法オタクっていう言葉がピッタリだな。

「よし、アラン。明日一緒に王様に会いに行くぞ!」

え、ええぇ。

でもまぁ。ここで断れないのが俺なんだよな。

「はい。ぜひ行きましょう。」

「じゃあ俺今からアポ取りに行ってくるわ!ライルは研究を続けていてくれ。」

そう言ってレストは城に走っていった。

「よし、アラン。続きをやるぞ。」



その後俺は、夜中まで実験に付き合わされた。

トホホ。



ーーーーーーーーー


「いやぁ。昨日はアランのおかげで久々にとても楽しい研究が出来た。」

「しかも新しい発見までできたしな。」

「もし褒美が出たらアランにやるよ。」

「俺たちはきっと研究費が増えるからな!それで十分だ。」

「よし、アラン。王様に会いに行くぞ!」

ああ、俺王様に会うの初めてなんだけど......緊張する。


「王様の前ではとりあえず跪いておけばなんとかなるからな。」

「はい。わかりました。」


色々と聞いているうちに、玉座の間の目の前にまで来た。

すごい豪華だ。初めて見た。こんなの。
言葉で表すと......そうだな。ベルサイユ宮殿みたいな感じか。いや、もしかしたらあれよりも豪華かもしれない。
魔法がある分建築技術も発達してるんだろうな。

「それではお入りください。」

俺達は、事前に言われた通りに入っていき、跪いた。

さっき王様の顔をチラ見したけどいい人そうでよかった。威圧的な人だったらどうしようかと思ったよ。

「お前たち。今日は何やら新しい発見があったそうだな。」

「はい。魔法で生み出した水球に塩、砂糖などから塩酸、水酸化ナトリウム。はたまた油、魔石の粉まで、様々なものを溶かすことができるということを発見致しました。」

「なに?水に油が溶けるのか?」

きっと王様は驚いた顔をしているに違いない。
顔を見れないのが残念だ。

「はい。溶けます。」

「そうか。ライル、レスト。よくやった。ところで、そこにいる小さいのは誰だ?面をあげよ。」

「私はティヌール・アランでございます。今回はライル殿とレスト殿の実験に参加させていただきました。」

「そうか。今何歳だ。」

「七歳でございます。」

「なんともまあ。私の息子よりも一歳年下ではないか。......よし。せっかくの機会だ。褒美を取らせよう。宝物庫にあるものを何か1つ後で選ぶといい。褒美としてやろう。これからも励むように。」

え、マジで?もしかして伝説の武器とかあるやつ?

「ありがたき幸せ。」

「うむ。ライルとレストも。研究費を増やしてやろう。」

「は!ありがとうございます。」

横顔を見ればわかる。

あいつらめちゃくちゃ喜んでる。

「それじゃあ宝物庫に案内しよう。」



俺たちは、王様に連れられて宝物庫にやってきた。

「なんでも好きなものを選ぶといい。」

そこには、沢山の宝石......はあったけど、武器はひとつもなかった。
あれかな。さすがに伝説の武器とかはもっと違うところに厳重に保管されてんのかな。

「ん?」

あれは......

「どれか気に入ったものがあったか?」

「あの、この魔石はなんですか?」

なんだか吸い込まれるような。語りかけられるような。奇妙な魔石がそこにはあった。

「ああ、それか。それは700年前に死んだ魔法使いのが、死ぬ間際に自分の全てを魔石に変えたものだと言われておる。」

なんか......引き寄せられるんだよな。

「どうだ。この魔石にするか?価値としては他のものに劣るかもしれんが、とても面白いと思うぞ。」

何が面白いのかはよく分からないけど...これにしよっかな。悩んでも仕方がないし。

「はい。ではこれにします。」

「ほほお。決断も早いのか。将来が楽しみだな。」



いやぁ。王都に来てよかった。水球が消えない理由もわかったし。なんか魔石も貰えたし。

あとこの世界で初めての友達もできたし。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

神様の人選ミスで死んじゃった!? 異世界で授けられた万能ボックスでいざスローライフ冒険!

さかき原枝都は
ファンタジー
光と影が交錯する世界で、希望と調和を求めて進む冒険者たちの物語 会社員として平凡な日々を送っていた七樹陽介は、神様のミスによって突然の死を迎える。そして異世界で新たな人生を送ることを提案された彼は、万能アイテムボックスという特別な力を手に冒険を始める。 平穏な村で新たな絆を築きながら、自分の居場所を見つける陽介。しかし、彼の前には隠された力や使命、そして未知なる冒険が待ち受ける! 「万能ボックス」の謎と仲間たちとの絆が交差するこの物語は、笑いあり、感動ありの異世界スローライフファンタジー。陽介が紡ぐ第二の人生、その行く先には何が待っているのか——?

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...