【R18・完結】騎士団長とは結婚したくない

野地マルテ@2月27日『帝国後宮録』発売

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※はじめての行為と、告白



「あっ……あぁっ……団長」

 慣れぬもの同士の行為でも、触れ合っていればそれなりに盛り上がってくるもので。今、団長は私の股に顔を埋めて、尿道の上にある小さな紅い膨らみを舐めている。団長は、男女の交合について必要最低限の知識はあったらしい。女は誰でも、紅い淫芽に触れられれば気持ちよくなれることを知っていた。

「だいぶ濡れてきたな……」

 団長は顔をあげると、私の脚の間へ長い指先を潜り込ませる。秘裂は濡れているらしく、指の腹で肉のあわいをなぞりあげられると、くちゅりと水音がした。
 私の秘部に触れる団長の息が少し荒い。どうも興奮しているらしい。

 ──どうしよう。

 どくどくと、胸が波打つ。キスや愛撫こそ、自分先導でしていたが、私はいわゆる挿入行為──膣に男性器を受け入れたことが無い。これから未知の経験をするのだと思うと、そわそわした。
 死んだ夫とは見合い婚だったが、それなりに仲が良く、ベッドの上では裸になってお互いに触れ合うこともよくあったが、子づくりは出来なかったのだ。
 身体を隠すように腕をクロスさせる私を見て、団長が小首を傾げる。

「サラ……?」
「団長、その……ここから先はゆっくり進めて貰えると助かります……」
「ああ……。サラは久しぶりなんだろう……? 男を受け入れるのは怖いよな」

 すでにお互い、服は下着含めてすべて脱いでいる。
 団長の股間にあるものも丸見えで、すでに緩く勃ちあがっている。男性器を目にしたことはあるが、勃起しているものを見るのは初めてだ。こんなに太く、長いとは。
 私の視線に気がついたのか、団長は苦笑いする。

「サラが良いと言うまで、無理に入れたりはしない」
「団長~……!」

 さすがは団長だ。顔立ちは綺麗すぎて怖いし、物言いも淡々としているけど、いざとなったら優しい。
 私が団長の首に抱きつくと、そのまま背に腕を回されてベッドにゆっくり押し倒された。団長は私の胸に顔を埋める。
 団長の普段は軽く後ろへ流している黒髪が、肌に当たってちくちくする。乳房のまあるい輪郭に沿って円を描くように舌を這わされて、やがてそれは固さを帯びた乳首へ到達する。舌先で固くなった乳首を押されたり、転がされたりすると、気持ちがよくて背中が浮いた。

「うっ、ううぅん……」
「サラ、気持ちいいか?」

 空いたほうの手で、もう片方の乳房を包まれ、軽く握り込まれる。団長はこんなことをするのは初めてらしいが、私が少し説明しただけで女を悦ばせる方法を体得してしまった。
 やわやわと胸を揉まれると、それだけで気持ちがよくなってしまう。手で揉まれていたほうの胸の頂きにも、団長はちゅっと吸い付いている。

「あっ、あぁっっう……」

 私は胸が弱いのかもしれない。吸われるたびに腰がびくびく震える。その震える腰もそろりと撫でられた。あまりくびれていないそこを、剣だこのある固い手のひらで触れられると、妙に興奮する。
 太ももを擦り合わせようとする私を見て、団長は起き上がった。団長は上から私をじっと見つめる。


「……サラ、行為を進めても大丈夫か?」
「い、挿れるんですか……? そんな大きいのを?」

 団長の股間にあるものは、割れた腹筋に付きそうなほど勃ち上がっていた。まわりの皮膚よりも濃い色合いをした肉の棒に腰が引ける。棒の先には笠のようなつるりとした丸くて太いものがついていて、それが余計に私の恐怖心を煽った。こんなの、本当に入るのか?と。
 私相手に興奮して貰えるのは嬉しいが、挿入はちょっと怖い。

「べつに特別大きいわけじゃ……サラ、この場では上官への忖度は不要だぞ?」
「忖度なんかしてませんよ! 団長、ゆっくり挿れてください……! いきなりがつがつ動いちゃだめですからね……!」
「分かっている」

 分かっている、の声のトーンは戸惑いが滲んでいてキツい言い方ではない。団長は挿入にびびりまくる私の頭を優しく撫でた。額や、耳のまわりを撫でられていると不思議と気分が落ち着いてくる。
 ふと、初めての相手が団長で良かったかもしれないと思った。まぁ、団長ならば無理強いはしないだろうなと思っていたけれど。

「んんっ……」

 今度は団長からキスされた。最初のキスは「こんな行為知らない」と言っていたのに、団長はすぐに体得してしまった。口のなかへ侵入してくる厚い舌に、自分の舌を絡める。舌を擦り合わせていると、また気持ちがよくなって下腹の奥が熱を帯びた。
 身体はもうすでに、団長のことが欲しくなっている。
 キスをしているうちに、未知への恐怖よりも、欲求のほうが上回ってしまった。
 団長の厚い胸板を押す。

「団長、大丈夫、です……」
「ああ……ありがとう、サラ」

 団長は私の太ももや膝を掴むと、脚を大きく広げた。私の怪我のことを考慮しているのか、右膝をまるでガラス細工か何かのように優しく支えている。
 団長は自分の股間にあるものを軽く握ると、私の濡れそぼる肉のあわいに穂先を押しつける。ぬめりのある体液で濡れているからか、肉棒の先はあっさり蜜口へと呑みこまれていく。

「サラ、きつくないか? 大丈夫か?」
「あっ、思ったよりも平気です……いっっ……」

 平気だと思ったのに、ずるんと呑みこまれた肉棒の先が、どうも処女膜を破いたらしい。突如引き攣れるような痛みが走る。団長も何か感じるものがあったのか、せっかく挿れた肉棒を引き抜いてしまった。

「血……?」

 団長は指についた赤茶色の液体をみて顔をこわばらせる。

「無理に挿れてしまったか? すまない、手当てを……!」
「あ、あの! 平気です! これは、処女膜が破れただけだと思うので……」
「処女膜? どういうことだ? サラは結婚していたんだろう?」
「うぅっ……」

 確かに、私は結婚していた。相手とも、愛し合っていたと思う。でも、出来なかったのだ。
 私は団長に白状した。

「亡くなった夫は、勃起不全だったんです……」

 最初の夫ロバートは、王宮で働く文官でエリートだった。
 若くして文官になった彼は、日々神経をすり減らしながら働いていた。誰にでも優しく公平な彼はいつも周囲の顔色を伺っていて、そのせいで自分を追い詰めていたのだ。家で私と二人きりでいてもリラックスできず、ベッドの上でもそれは同じだった。

 私はロバートが勃起不全だと知っていても、彼と結婚した。私が大変な彼を支えてあげたいと思ったから。でも、私はロバートを支えてあげることが出来なかった。
 私は、夫を癒せない自分を責めた。
 夫が亡くなった時、また次の夫も私を抱けなかったらと思うと、再婚がめんどくさくなった。一人で生きていこうと半端心に決めていたのだ。

 団長は黙って私の話を聞いてくれた。今まで誰にも話せなかった、ロバートとの間にあった性の悩み。
 私の話を聞き終えた団長は、ふうと息を吐く。

「そうか、王宮で働く文官は心労が多いだろうしな」
「私では、夫を癒してあげられませんでした……」
「気にするな……と言っても難しいな。だが、君の元亭主は君といて幸せだったと思うぞ?」
「そうでしょうか」
「ああ、俺は君と出逢って、力を抜くということを覚えた。誰かと一緒にいる喜びを知った。元亭主も、今ごろ生きていれば男の不全が治っていたかもしれんな。心の病は治るのに時間がかかるからな」
「やけに詳しいですね?」
「俺も、王宮で上手くいかなくなってこのマトロアに来たからな。……だが、おかげでサラと出逢えた」

 団長は前屈みになると、私に軽く触れるだけの口づけをした。
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