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第5話 聖剣の主
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「お前が……聖剣エクスカリバーを?」
ケンジの声が震えている。喉が渇いているのか、かすれた声だった。
俺は黄金に輝く聖剣を肩に担ぎ、静かに頷いた。重さはあるが、不思議と手に馴染む。まるで最初から俺のものだったかのように、手のひらに吸い付くような感覚がある。
聖剣の柄からは、温かい鼓動が伝わってくる。それは生きているかのような、優しい温もりだった。
「浄化したら、出てきた」
「浄化って……あのゴミの塊を!?」
ユウキが信じられないという顔で、俺と聖剣を交互に見る。彼の目には、困惑と悔しさが入り混じっている。魔法剣士として自負を持っていた彼にとって、掃除士が聖剣を手にしたことは、常識の崩壊を意味する。
古代王の墓所、最深部。
つい先ほどまで山のようにそびえていたゴミは、今や整然と並ぶ宝物の山に変わっていた。古代王国の遺産が、千年の時を経て蘇った。金貨の山、宝石の輝き、伝説級の武具――それらが、まるで展示品のように美しく配置されている。
そして俺の手には、伝説の聖剣。
刀身から放たれる黄金の光が、暗い墓所を昼のように照らしている。
「でも、なんで掃除士が聖剣を……」
ミカが困惑している。彼女の賢者の知識でも、この事態は理解できないらしい。古代の書物をめくるような仕草で、空中に魔法の文字を描きながら考え込む。
「聖剣は勇者か、せめて剣聖が持つものじゃ……歴史上、そうでない例は……」
正直、俺にも分からない。
ただ、聖剣を握った瞬間から、体中に力が満ちているのは確かだ。それは単なる力の増加じゃない。何か、もっと根本的な変化のような――魂そのものが浄化され、純化されたような感覚。
『警告:大型モンスター接近』
『脅威レベル:極大』
『推奨行動:即座に退避』
システムメッセージが、赤い文字で警告を発する。
地響きと共に、巨大な影が部屋に入ってきた。石造りの床が、その重みで軋み、蜘蛛の巣状にひびが入る。天井から、砂と小石がパラパラと落ちてくる。
════◆════
「アンデッドキング!?」
ケンジが剣を構える。彼の顔が青ざめ、額に冷や汗が滲む。剣を握る手が、微かに震えているのが分かる。
現れたのは、骸骨の王。上級ダンジョンのボスモンスターだ。
身長3メートル。黒い瘴気を纏い、空洞の眼窩に紫の炎を宿している。朽ちた王冠は錆びつき、ぼろぼろのマントは所々が千切れて、風もないのに不気味になびいている。
骨の関節からは、黒い液体が滴り落ちる。それが床に触れると、ジュッと音を立てて石を溶かす。強酸性の呪液だ。
レベル60。俺たちが束になっても勝てる相手じゃない。その骸骨の身体からは、千年の怨念が瘴気のように立ち昇り、周囲の空気を腐らせていく。
「逃げるぞ!」
ケンジが叫ぶが、振り返ると出口は黒い壁で塞がれている。触れたら即死級の呪いの壁だ。逃げ道はない。
アンデッドキングが不気味に笑う。顎の骨がカタカタと音を立て、まるで嘲笑っているかのよう。
『我が宝物庫を荒らした者どもよ……』
声は、直接頭の中に響く。千年分の怨念が込められた、呪詛のような声。耳を塞いでも無駄だ。魂に直接語りかけてくる。
骨の指が俺たちを指差す。指先から、死の呪いが黒い霧となって滲み出る。
『その命、頂こう。我が永遠の孤独の、道連れとして』
床に巨大な魔法陣が浮かび上がる。紫と黒の光が交互に明滅し、不吉な紋様が回転を始める。死の呪い。直撃すれば即死だ。いや、死ぬだけではない。魂ごと囚われ、永遠にアンデッドキングの奴隷となる。
「防御魔法!」
ミカが結界を張る。青白い光の壁が、俺たちを包む。しかし、呪いの力に触れた瞬間、ひび割れていく。彼女の額に脂汗が滲み、杖を握る手が震える。
「持たない! 呪いが強すぎる! 千年分の怨念なんて……」
ユウキが魔法剣士の結界を重ねる。氷と炎の二重結界。しかし、それも呪いの威力に押されている。
「くそっ、なんて威圧感だ。まるで死そのものが迫ってくるような……」
このままじゃ、全員が――
「浄化」
俺は前に出た。
仲間の前に立ち、聖剣を構える。
聖剣を通して、浄化の光を放つ。剣の柄が熱くなり、全身の魔力が聖剣に吸い込まれていく感覚。それは苦痛ではなく、むしろ心地よい一体感だった。俺と聖剣が、完全に同調している。
聖剣が、俺の浄化と共鳴している。
それは、千年前にも起きたこと。勇者王も、きっと同じように――
════◆════
光と闇がぶつかり合う。
純白の浄化の光と、漆黒の呪いの闇。
空間が歪み、魔力の奔流が吹き荒れる。風もないのに、俺の髪と服が激しくなびく。周囲の宝物が、魔力の余波で吹き飛ばされる。
しかし――
『無駄だ。我が呪いは千年の怨念。生前の恨み、死後の孤独、全てが込められている』
アンデッドキングが嘲笑う。骸骨の顎が大きく開き、カタカタと音を立てる。
『小賢しい光など、この闇の前では塵に等しい。お前たちも、我が眷属となるがいい』
呪いの力が増す。黒い霧が濃くなり、俺の浄化の光を押し返し始める。
だが、次の瞬間。
聖剣が、自ら輝き始めた。
それは、俺の魔力とは別の、聖剣自身の意志による輝き。千年の封印から解放された喜びと、新たな主を得た歓喜の光。
『聖剣エクスカリバーの特殊効果:邪悪特効が発動します』
『浄化スキルとのシナジー効果を確認』
『出力300%増幅』
『更に――聖剣の記憶が解放されます』
俺の浄化スキルと、聖剣の力が完全に共鳴する。
それだけじゃない。聖剣に刻まれた、千年前の記憶が流れ込んでくる。
――勇者王が、同じようにアンデッドを浄化した記憶。
――聖剣が本来持つ、穢れを払う力の真髄。
――そして、浄化とは破壊ではなく、救済であるという真理。
光が、爆発的に増幅された。
部屋全体が、真昼の太陽の下にいるかのような輝きに包まれる。
「なっ……!?」
アンデッドキングの呪いが、みるみる浄化されていく。
黒い霧が白い靄に変わり、呪いの魔法陣が聖なる紋様に書き換わる。闇が晴れ、骨が白く輝き始める。千年の汚れが、層となって剥がれ落ちていく。
『馬鹿な……我が千年の怨念が……消えていく!?』
アンデッドキングが後退る。初めて、恐怖の感情を見せた。空洞の眼窩の紫の炎が、激しく揺らめく。
「千年分の汚れってことか」
俺は聖剣を振りかぶる。剣身が太陽のように輝き、周囲の空気が震える。聖剣の重さが、今は羽のように軽い。
浄化レベル10。聖剣との完全同調。そして、聖剣に刻まれた千年の記憶。
今の俺なら――いや、今の俺たちなら、できる。
「なら、綺麗にしてやる。お前の怨念も、孤独も、全部」
心の中で、聖剣に語りかける。
――力を貸してくれ、エクスカリバー。
聖剣が、応えるように強く輝いた。
全力の浄化を、聖剣に込めて振り下ろした。
════◆════
光の斬撃が、アンデッドキングを貫く。
それは破壊ではなく、浄化だった。
骸骨の体が、砕けるのではなく――浄化されていく。
黒ずんでいた骨が純白になり、ひび割れていた部分が修復される。怨念が解け、呪いが消え、瘴気が晴れていく。千年の苦しみが、まるで朝露が太陽に晒されるように、消えていく。
そして、骨の中から、一人の老人の霊が現れた。
半透明の姿。豪華なローブを纏い、慈愛に満ちた顔をしている。これが、本来の古代王の姿。
『なんと……まぶしい光だ』
老人――かつての古代王が、穏やかに微笑む。その顔には、もう苦しみの色はない。
『千年ぶりに、心が晴れた気がする。まるで、長い悪夢から覚めたような……』
「あなたは……」
『私は愚かな王だった。永遠の命を求め、禁断の術に手を出し、結果として永遠の苦しみを得た』
老人の霊が、深々と頭を下げる。王としての威厳を保ちながらも、心からの感謝を示している。
『ありがとう、若き浄化の使い手よ。そして、聖剣の新たな主よ』
彼は聖剣を見つめる。懐かしそうに、そして少し寂しそうに。
『その剣は、かつて私が封印したもの。自分には相応しくないと思って』
「なぜ?」
『聖剣は、清らかな心の持ち主にしか扱えない。欲にまみれた私には、触れることすらできなかった。触れた瞬間、激痛が走り、手が焼けたのを覚えている』
老人が俺を見る。その瞳に、希望の光が宿る。
『だが、君は違う。掃除士として、純粋に世界を綺麗にしようとしている。その心が、聖剣を目覚めさせたのだ』
彼の体が、光の粒子となって昇天し始める。足元から、ゆっくりと。
『最後に、一つ忠告を』
老人が真剣な顔になる。
『この世界には、私のような存在がまだ大勢いる。呪われ、堕落し、苦しんでいる者たちが。彼らを救えるのは、君のような浄化の使い手だけだ』
『頼む。この世界を、穢れから守ってくれ』
そして、完全に光となって消えた。
最後に残した言葉は――『ありがとう』だった。
『アンデッドキングを浄化しました』
『経験値を10000獲得しました』
『レベルが40に上がりました』
『称号:亡者の解放者 を獲得しました』
静寂が、部屋を包んだ。
先ほどまでの激しい戦いが、嘘のように静まり返る。
════◆════
「嘘だろ……」
ケンジが呆然と呟く。彼の手が震え、剣が地面に落ちる。カランという金属音が、静寂の中で響く。
「アンデッドキングを、一撃で?」
「いや、倒したんじゃない」
ミカが震え声で言う。彼女の瞳には、理解を超えた現象を目撃した者特有の畏怖がある。
「浄化した。呪いごと、存在を浄化して、魂を解放したんだ。これは……もはや、戦闘とは別次元の力よ」
三人が、俺を見る。
もう、見下しの目じゃない。恐れと、驚愕と、そして――畏怖の目だ。
まるで、人ならざる存在を見るような。
「翔太、お前……」
ケンジが何か言いかけて、口を閉じる。しばらく葛藤した後、膝を突いて、深く頭を下げた。
「……悪かった」
突然の謝罪に、俺は戸惑う。プライドの高いケンジが、膝を突いて謝罪するなんて。
「今までのこと、全部謝る。お前を見下してた。掃除士なんて役立たずだと思ってた」
ケンジが顔を上げる。その目は真剣だった。涙すら滲んでいる。
「でも、違った。お前は……最弱なんかじゃない。俺たちには真似できない、特別な力を持ってる」
彼は立ち上がり、俺の肩を掴む。
「中学の時から、お前を下に見てた。社会人になってからも、見下してた。召喚されてからも……本当に、すまなかった」
ユウキとミカも頷く。
「本当にすまなかった」ユウキが言う。「お前の本質を、俺は見ていなかった」
「私も謝るわ」ミカが続ける。「偏見で判断してた。職業で人を判断するなんて、賢者として恥ずかしい」
三人の謝罪は、本心からのものだった。
俺は、複雑な気持ちだった。許すべきか、許さざるべきか。でも――
「いいよ」
俺は答える。
「過去は過去だ。それに、俺も昔は、自分が最弱だと思ってた」
聖剣を見つめる。
「でも、違った。誰にでも、それぞれの役割がある。戦う者、守る者、そして――浄化する者」
三人が去り際、ケンジが振り返った。
「もし良かったら、また一緒に……いや、今は言うべきじゃないな」
彼は苦笑する。
「でも、いつか、対等な仲間として、一緒に冒険できたらいいな」
彼らは静かに去っていった。
その背中は、どこか晴れやかだった。
════◆════
三人が去った後、俺は聖剣を見つめた。
エクスカリバー。かつて勇者王が魔王を倒したという伝説の剣。
なぜ、こんなところにゴミとして埋もれていたのか。古代王の話から察するに、誰も扱えなかったから封印されたのだろう。清らかな心――それは、単純な正義感ではなく、純粋な願いを持つ心なのかもしれない。
なぜ、俺の浄化に反応したのか。それは、俺の純粋な願い――世界を綺麗にしたいという想いに応えたから。
聖剣の柄を握ると、温かい鼓動を感じる。まるで、生きているかのように。いや、実際に意志を持っているのかもしれない。
この剣と、俺の浄化スキルは、相性がいい。いや、それ以上に、運命的な繋がりを感じる。
邪悪を浄化する聖剣。穢れを浄化する掃除士。
もしかしたら、これも運命なのかもしれない。俺が掃除士として召喚されたのも、この剣と出会うためだったのかも。
════◆════
ギルドに戻ると、大騒ぎになっていた。
まだ夜中だというのに、ギルドには人が溢れている。松明の灯りが煌々と灯され、まるで昼のような賑わいだ。
「聖剣エクスカリバーが発見された!?」
「しかも、掃除士が!?」
「アンデッドキングを浄化した!?」
「レベル60のボスを、一撃で!?」
「いや、戦ったんじゃない、救ったんだって!」
噂は既に街中に広まっていた。どこからどう伝わったのか、尾ひれまで付いている。
人々が道を開ける。畏怖と好奇心の入り混じった視線が、俺に注がれる。
子供が母親の影に隠れながら、目を輝かせて俺を見ている。老人が、涙を流しながら手を合わせている。冒険者たちが、複雑な表情で俺を見つめている。
ギルドマスターが俺の前に現れる。
白髪の老戦士は、俺を値踏みするように見つめた。長年の経験で培われた眼力が、俺の実力を測っている。そして、腰の聖剣を見て、深く頷いた。
「佐藤翔太。君の功績を認め、特別にBランク冒険者に昇格させる」
Bランク。召喚されて一週間で、ここまで来た。
普通なら、何年もかかる道のりだ。いや、一生かかっても辿り着けない者の方が多い。
でも、俺の目標はそんなものじゃない。
「ギルドマスター、提案があります」
「なんだね?」
俺は、ずっと考えていたことを口にした。
「掃除士専門の部門を作りませんか?」
ギルドマスターが目を丸くする。周囲がざわめく。
「ダンジョンの清掃、呪いの浄化、環境改善。戦闘だけが冒険じゃない」
俺は聖剣を掲げる。金色の刃が、松明の光を反射して、ギルド全体を黄金に染める。
「この世界には、古代王のような呪われた存在が、まだたくさんいるはずです。彼らを倒すのではなく、浄化して救う。それが必要じゃないでしょうか」
俺は周囲を見回す。
「汚れたダンジョンを綺麗にすれば、冒険者の死亡率も下がる。呪われた土地を浄化すれば、人々が安心して暮らせる。それも、立派な冒険だと思います」
ギルドマスターは、しばらく考え込んでいた。
その老いた顔に、様々な感情が浮かんでは消える。そして――
にやりと笑った。
「面白い。君に任せよう、『聖剣の掃除士』」
聖剣の掃除士。
悪くない響きだ。最弱職と最強の剣。矛盾しているようで、妙にしっくりくる。
「ギルドは全面的に支援する。必要な人員も、資金も用意しよう」
ギルドマスターが手を差し出す。
「この世界を、君の手で綺麗にしてくれ」
俺はその手を握った。
俺は、新たな一歩を踏み出した。
この世界を、本当の意味で綺麗にするために。
戦いではなく、浄化で。破壊ではなく、再生で。
それが、掃除士としての、俺の道だ。
聖剣エクスカリバーが、俺の決意に応えるように、優しく光った。
ケンジの声が震えている。喉が渇いているのか、かすれた声だった。
俺は黄金に輝く聖剣を肩に担ぎ、静かに頷いた。重さはあるが、不思議と手に馴染む。まるで最初から俺のものだったかのように、手のひらに吸い付くような感覚がある。
聖剣の柄からは、温かい鼓動が伝わってくる。それは生きているかのような、優しい温もりだった。
「浄化したら、出てきた」
「浄化って……あのゴミの塊を!?」
ユウキが信じられないという顔で、俺と聖剣を交互に見る。彼の目には、困惑と悔しさが入り混じっている。魔法剣士として自負を持っていた彼にとって、掃除士が聖剣を手にしたことは、常識の崩壊を意味する。
古代王の墓所、最深部。
つい先ほどまで山のようにそびえていたゴミは、今や整然と並ぶ宝物の山に変わっていた。古代王国の遺産が、千年の時を経て蘇った。金貨の山、宝石の輝き、伝説級の武具――それらが、まるで展示品のように美しく配置されている。
そして俺の手には、伝説の聖剣。
刀身から放たれる黄金の光が、暗い墓所を昼のように照らしている。
「でも、なんで掃除士が聖剣を……」
ミカが困惑している。彼女の賢者の知識でも、この事態は理解できないらしい。古代の書物をめくるような仕草で、空中に魔法の文字を描きながら考え込む。
「聖剣は勇者か、せめて剣聖が持つものじゃ……歴史上、そうでない例は……」
正直、俺にも分からない。
ただ、聖剣を握った瞬間から、体中に力が満ちているのは確かだ。それは単なる力の増加じゃない。何か、もっと根本的な変化のような――魂そのものが浄化され、純化されたような感覚。
『警告:大型モンスター接近』
『脅威レベル:極大』
『推奨行動:即座に退避』
システムメッセージが、赤い文字で警告を発する。
地響きと共に、巨大な影が部屋に入ってきた。石造りの床が、その重みで軋み、蜘蛛の巣状にひびが入る。天井から、砂と小石がパラパラと落ちてくる。
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「アンデッドキング!?」
ケンジが剣を構える。彼の顔が青ざめ、額に冷や汗が滲む。剣を握る手が、微かに震えているのが分かる。
現れたのは、骸骨の王。上級ダンジョンのボスモンスターだ。
身長3メートル。黒い瘴気を纏い、空洞の眼窩に紫の炎を宿している。朽ちた王冠は錆びつき、ぼろぼろのマントは所々が千切れて、風もないのに不気味になびいている。
骨の関節からは、黒い液体が滴り落ちる。それが床に触れると、ジュッと音を立てて石を溶かす。強酸性の呪液だ。
レベル60。俺たちが束になっても勝てる相手じゃない。その骸骨の身体からは、千年の怨念が瘴気のように立ち昇り、周囲の空気を腐らせていく。
「逃げるぞ!」
ケンジが叫ぶが、振り返ると出口は黒い壁で塞がれている。触れたら即死級の呪いの壁だ。逃げ道はない。
アンデッドキングが不気味に笑う。顎の骨がカタカタと音を立て、まるで嘲笑っているかのよう。
『我が宝物庫を荒らした者どもよ……』
声は、直接頭の中に響く。千年分の怨念が込められた、呪詛のような声。耳を塞いでも無駄だ。魂に直接語りかけてくる。
骨の指が俺たちを指差す。指先から、死の呪いが黒い霧となって滲み出る。
『その命、頂こう。我が永遠の孤独の、道連れとして』
床に巨大な魔法陣が浮かび上がる。紫と黒の光が交互に明滅し、不吉な紋様が回転を始める。死の呪い。直撃すれば即死だ。いや、死ぬだけではない。魂ごと囚われ、永遠にアンデッドキングの奴隷となる。
「防御魔法!」
ミカが結界を張る。青白い光の壁が、俺たちを包む。しかし、呪いの力に触れた瞬間、ひび割れていく。彼女の額に脂汗が滲み、杖を握る手が震える。
「持たない! 呪いが強すぎる! 千年分の怨念なんて……」
ユウキが魔法剣士の結界を重ねる。氷と炎の二重結界。しかし、それも呪いの威力に押されている。
「くそっ、なんて威圧感だ。まるで死そのものが迫ってくるような……」
このままじゃ、全員が――
「浄化」
俺は前に出た。
仲間の前に立ち、聖剣を構える。
聖剣を通して、浄化の光を放つ。剣の柄が熱くなり、全身の魔力が聖剣に吸い込まれていく感覚。それは苦痛ではなく、むしろ心地よい一体感だった。俺と聖剣が、完全に同調している。
聖剣が、俺の浄化と共鳴している。
それは、千年前にも起きたこと。勇者王も、きっと同じように――
════◆════
光と闇がぶつかり合う。
純白の浄化の光と、漆黒の呪いの闇。
空間が歪み、魔力の奔流が吹き荒れる。風もないのに、俺の髪と服が激しくなびく。周囲の宝物が、魔力の余波で吹き飛ばされる。
しかし――
『無駄だ。我が呪いは千年の怨念。生前の恨み、死後の孤独、全てが込められている』
アンデッドキングが嘲笑う。骸骨の顎が大きく開き、カタカタと音を立てる。
『小賢しい光など、この闇の前では塵に等しい。お前たちも、我が眷属となるがいい』
呪いの力が増す。黒い霧が濃くなり、俺の浄化の光を押し返し始める。
だが、次の瞬間。
聖剣が、自ら輝き始めた。
それは、俺の魔力とは別の、聖剣自身の意志による輝き。千年の封印から解放された喜びと、新たな主を得た歓喜の光。
『聖剣エクスカリバーの特殊効果:邪悪特効が発動します』
『浄化スキルとのシナジー効果を確認』
『出力300%増幅』
『更に――聖剣の記憶が解放されます』
俺の浄化スキルと、聖剣の力が完全に共鳴する。
それだけじゃない。聖剣に刻まれた、千年前の記憶が流れ込んでくる。
――勇者王が、同じようにアンデッドを浄化した記憶。
――聖剣が本来持つ、穢れを払う力の真髄。
――そして、浄化とは破壊ではなく、救済であるという真理。
光が、爆発的に増幅された。
部屋全体が、真昼の太陽の下にいるかのような輝きに包まれる。
「なっ……!?」
アンデッドキングの呪いが、みるみる浄化されていく。
黒い霧が白い靄に変わり、呪いの魔法陣が聖なる紋様に書き換わる。闇が晴れ、骨が白く輝き始める。千年の汚れが、層となって剥がれ落ちていく。
『馬鹿な……我が千年の怨念が……消えていく!?』
アンデッドキングが後退る。初めて、恐怖の感情を見せた。空洞の眼窩の紫の炎が、激しく揺らめく。
「千年分の汚れってことか」
俺は聖剣を振りかぶる。剣身が太陽のように輝き、周囲の空気が震える。聖剣の重さが、今は羽のように軽い。
浄化レベル10。聖剣との完全同調。そして、聖剣に刻まれた千年の記憶。
今の俺なら――いや、今の俺たちなら、できる。
「なら、綺麗にしてやる。お前の怨念も、孤独も、全部」
心の中で、聖剣に語りかける。
――力を貸してくれ、エクスカリバー。
聖剣が、応えるように強く輝いた。
全力の浄化を、聖剣に込めて振り下ろした。
════◆════
光の斬撃が、アンデッドキングを貫く。
それは破壊ではなく、浄化だった。
骸骨の体が、砕けるのではなく――浄化されていく。
黒ずんでいた骨が純白になり、ひび割れていた部分が修復される。怨念が解け、呪いが消え、瘴気が晴れていく。千年の苦しみが、まるで朝露が太陽に晒されるように、消えていく。
そして、骨の中から、一人の老人の霊が現れた。
半透明の姿。豪華なローブを纏い、慈愛に満ちた顔をしている。これが、本来の古代王の姿。
『なんと……まぶしい光だ』
老人――かつての古代王が、穏やかに微笑む。その顔には、もう苦しみの色はない。
『千年ぶりに、心が晴れた気がする。まるで、長い悪夢から覚めたような……』
「あなたは……」
『私は愚かな王だった。永遠の命を求め、禁断の術に手を出し、結果として永遠の苦しみを得た』
老人の霊が、深々と頭を下げる。王としての威厳を保ちながらも、心からの感謝を示している。
『ありがとう、若き浄化の使い手よ。そして、聖剣の新たな主よ』
彼は聖剣を見つめる。懐かしそうに、そして少し寂しそうに。
『その剣は、かつて私が封印したもの。自分には相応しくないと思って』
「なぜ?」
『聖剣は、清らかな心の持ち主にしか扱えない。欲にまみれた私には、触れることすらできなかった。触れた瞬間、激痛が走り、手が焼けたのを覚えている』
老人が俺を見る。その瞳に、希望の光が宿る。
『だが、君は違う。掃除士として、純粋に世界を綺麗にしようとしている。その心が、聖剣を目覚めさせたのだ』
彼の体が、光の粒子となって昇天し始める。足元から、ゆっくりと。
『最後に、一つ忠告を』
老人が真剣な顔になる。
『この世界には、私のような存在がまだ大勢いる。呪われ、堕落し、苦しんでいる者たちが。彼らを救えるのは、君のような浄化の使い手だけだ』
『頼む。この世界を、穢れから守ってくれ』
そして、完全に光となって消えた。
最後に残した言葉は――『ありがとう』だった。
『アンデッドキングを浄化しました』
『経験値を10000獲得しました』
『レベルが40に上がりました』
『称号:亡者の解放者 を獲得しました』
静寂が、部屋を包んだ。
先ほどまでの激しい戦いが、嘘のように静まり返る。
════◆════
「嘘だろ……」
ケンジが呆然と呟く。彼の手が震え、剣が地面に落ちる。カランという金属音が、静寂の中で響く。
「アンデッドキングを、一撃で?」
「いや、倒したんじゃない」
ミカが震え声で言う。彼女の瞳には、理解を超えた現象を目撃した者特有の畏怖がある。
「浄化した。呪いごと、存在を浄化して、魂を解放したんだ。これは……もはや、戦闘とは別次元の力よ」
三人が、俺を見る。
もう、見下しの目じゃない。恐れと、驚愕と、そして――畏怖の目だ。
まるで、人ならざる存在を見るような。
「翔太、お前……」
ケンジが何か言いかけて、口を閉じる。しばらく葛藤した後、膝を突いて、深く頭を下げた。
「……悪かった」
突然の謝罪に、俺は戸惑う。プライドの高いケンジが、膝を突いて謝罪するなんて。
「今までのこと、全部謝る。お前を見下してた。掃除士なんて役立たずだと思ってた」
ケンジが顔を上げる。その目は真剣だった。涙すら滲んでいる。
「でも、違った。お前は……最弱なんかじゃない。俺たちには真似できない、特別な力を持ってる」
彼は立ち上がり、俺の肩を掴む。
「中学の時から、お前を下に見てた。社会人になってからも、見下してた。召喚されてからも……本当に、すまなかった」
ユウキとミカも頷く。
「本当にすまなかった」ユウキが言う。「お前の本質を、俺は見ていなかった」
「私も謝るわ」ミカが続ける。「偏見で判断してた。職業で人を判断するなんて、賢者として恥ずかしい」
三人の謝罪は、本心からのものだった。
俺は、複雑な気持ちだった。許すべきか、許さざるべきか。でも――
「いいよ」
俺は答える。
「過去は過去だ。それに、俺も昔は、自分が最弱だと思ってた」
聖剣を見つめる。
「でも、違った。誰にでも、それぞれの役割がある。戦う者、守る者、そして――浄化する者」
三人が去り際、ケンジが振り返った。
「もし良かったら、また一緒に……いや、今は言うべきじゃないな」
彼は苦笑する。
「でも、いつか、対等な仲間として、一緒に冒険できたらいいな」
彼らは静かに去っていった。
その背中は、どこか晴れやかだった。
════◆════
三人が去った後、俺は聖剣を見つめた。
エクスカリバー。かつて勇者王が魔王を倒したという伝説の剣。
なぜ、こんなところにゴミとして埋もれていたのか。古代王の話から察するに、誰も扱えなかったから封印されたのだろう。清らかな心――それは、単純な正義感ではなく、純粋な願いを持つ心なのかもしれない。
なぜ、俺の浄化に反応したのか。それは、俺の純粋な願い――世界を綺麗にしたいという想いに応えたから。
聖剣の柄を握ると、温かい鼓動を感じる。まるで、生きているかのように。いや、実際に意志を持っているのかもしれない。
この剣と、俺の浄化スキルは、相性がいい。いや、それ以上に、運命的な繋がりを感じる。
邪悪を浄化する聖剣。穢れを浄化する掃除士。
もしかしたら、これも運命なのかもしれない。俺が掃除士として召喚されたのも、この剣と出会うためだったのかも。
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ギルドに戻ると、大騒ぎになっていた。
まだ夜中だというのに、ギルドには人が溢れている。松明の灯りが煌々と灯され、まるで昼のような賑わいだ。
「聖剣エクスカリバーが発見された!?」
「しかも、掃除士が!?」
「アンデッドキングを浄化した!?」
「レベル60のボスを、一撃で!?」
「いや、戦ったんじゃない、救ったんだって!」
噂は既に街中に広まっていた。どこからどう伝わったのか、尾ひれまで付いている。
人々が道を開ける。畏怖と好奇心の入り混じった視線が、俺に注がれる。
子供が母親の影に隠れながら、目を輝かせて俺を見ている。老人が、涙を流しながら手を合わせている。冒険者たちが、複雑な表情で俺を見つめている。
ギルドマスターが俺の前に現れる。
白髪の老戦士は、俺を値踏みするように見つめた。長年の経験で培われた眼力が、俺の実力を測っている。そして、腰の聖剣を見て、深く頷いた。
「佐藤翔太。君の功績を認め、特別にBランク冒険者に昇格させる」
Bランク。召喚されて一週間で、ここまで来た。
普通なら、何年もかかる道のりだ。いや、一生かかっても辿り着けない者の方が多い。
でも、俺の目標はそんなものじゃない。
「ギルドマスター、提案があります」
「なんだね?」
俺は、ずっと考えていたことを口にした。
「掃除士専門の部門を作りませんか?」
ギルドマスターが目を丸くする。周囲がざわめく。
「ダンジョンの清掃、呪いの浄化、環境改善。戦闘だけが冒険じゃない」
俺は聖剣を掲げる。金色の刃が、松明の光を反射して、ギルド全体を黄金に染める。
「この世界には、古代王のような呪われた存在が、まだたくさんいるはずです。彼らを倒すのではなく、浄化して救う。それが必要じゃないでしょうか」
俺は周囲を見回す。
「汚れたダンジョンを綺麗にすれば、冒険者の死亡率も下がる。呪われた土地を浄化すれば、人々が安心して暮らせる。それも、立派な冒険だと思います」
ギルドマスターは、しばらく考え込んでいた。
その老いた顔に、様々な感情が浮かんでは消える。そして――
にやりと笑った。
「面白い。君に任せよう、『聖剣の掃除士』」
聖剣の掃除士。
悪くない響きだ。最弱職と最強の剣。矛盾しているようで、妙にしっくりくる。
「ギルドは全面的に支援する。必要な人員も、資金も用意しよう」
ギルドマスターが手を差し出す。
「この世界を、君の手で綺麗にしてくれ」
俺はその手を握った。
俺は、新たな一歩を踏み出した。
この世界を、本当の意味で綺麗にするために。
戦いではなく、浄化で。破壊ではなく、再生で。
それが、掃除士としての、俺の道だ。
聖剣エクスカリバーが、俺の決意に応えるように、優しく光った。
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