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第24話 新たな脅威
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朝の光が、ギルドハウスの窓から差し込んでいた。
決闘から一夜が明けた王都は、いつもの喧騒を取り戻しつつある。しかし、翔太の心には、まだ昨夜の戦いの余韻が残っていた。
「うっ……」
ベッドから起き上がろうとして、全身に走る鈍い痛みに顔をしかめる。聖浄化・黎明を使った代償は、思った以上に大きかったようだ。筋肉の奥深くまで、じんわりとした疲労が染み込んでいる。
コンコン、と控えめなノックの音。
「翔太様、起きていらっしゃいますか?」
アンナの声だった。扉が静かに開き、朝食を載せたトレイを持った彼女が入ってくる。湯気の立つスープから、ハーブの爽やかな香りが漂ってきた。
「おはようございます、アンナさん」
「まあ、お顔の色が……。やはり無理をなさったのですね」
アンナは心配そうに眉を寄せながら、ベッドサイドのテーブルにトレイを置く。彼女の手が、そっと翔太の額に触れた。ひんやりとした感触が心地いい。
「熱はないようですが、今日は安静になさってください」
「でも、やることが……」
翔太の言葉を遮るように、扉が勢いよく開いた。
「翔太殿!」
凛とした声が部屋に響く。そこに立っていたのは、白銀の鎧を身に纏ったヴァルキリーだった。かつての黒い鎧とは対照的な、清浄な輝きを放っている。
◆
「おはようございます、ヴァルキリーさん」
翔太が微笑むと、彼女は一瞬戸惑ったような表情を見せた。
「その……まだ、この名で呼ばれることに慣れません」
「でも、それがあなたの本当の名前でしょう?」
ヴァルキリーは静かに頷いた。金色の髪が、朝日を受けてきらめく。昨夜の決闘で浄化された彼女の瞳には、もう絶望の影はなかった。
「翔太殿、皆様にお話しなければならないことがあります」
その真剣な口調に、翔太は身を起こした。痛みを堪えながら、スープを一口飲む。温かさが胃に広がり、少しだけ力が戻ってきた気がした。
三十分後、ギルドハウスの会議室に全員が集まっていた。
ヴァルキリーは、テーブルの端に立って深く息を吸った。その横顔に、決意と不安が入り混じっている。
「終焉の使徒について、私が知っていることをすべてお話しします」
室内の空気が、一瞬で張り詰めた。
「組織は、五人の幹部で構成されています。私は第三位でした」
彼女の声は落ち着いていたが、その奥に微かな震えが感じられた。
「第五位と第四位は、すでに翔太殿によって倒されました。しかし……」
ヴァルキリーの表情が曇る。
「第二位、『影の賢者』は……私より遥かに危険です」
リクが息を呑む音が聞こえた。ミーナの顔も青ざめている。
「彼は瘴気を自在に操り、人の心に直接干渉することができます。そして……」
ヴァルキリーは一度言葉を切った。窓の外を見つめる彼女の瞳に、恐怖の色が浮かんでいる。
「第一位については、誰も素顔を見たことがありません。ただ、その力は……」
「世界の理を書き換えるほどだと?」
翔太の問いかけに、ヴァルキリーは重く頷いた。
「終焉の使徒の真の目的は、この世界に『大召喚陣』を完成させることです。それが発動すれば……」
「世界が、瘴気に呑み込まれる」
ソフィアが青い顔で呟いた。
◆
会議が続いている最中、急な来訪者があった。
「失礼いたします! 王城からの使者です!」
銀の鎧を纏った騎士が、息を切らせながら入ってきた。その表情は切迫している。額には汗が浮かび、鎧の金属音が慌ただしく響いた。
「浄化士ギルドの皆様に、緊急の要請があります」
騎士は懐から封書を取り出した。王家の紋章が刻まれた蝋印が、重要性を物語っている。
翔太が封を切ると、エリーゼの流麗な文字が目に飛び込んできた。
『翔太様、急なお願いで申し訳ございません。王都北方で異常事態が発生しました。一夜にして森が枯死し、動物たちが異常な行動を見せています。調査隊への参加を、どうかお願いいたします』
手紙を読み終えた翔太の顔が引き締まる。
「どれほどの規模ですか?」
騎士は苦い表情で答えた。
「およそ十キロ四方の森が、完全に枯れ果てています。生き物の気配はまったくありません」
「十キロ……」
カールが呻くように呟いた。それほどの範囲が一夜で枯死するなど、通常ではあり得ない。
「私も同行させてください」
ヴァルキリーが前に出た。その瞳には、強い決意が宿っている。
「これは、影の賢者の仕業かもしれません。私の罪を、償わせてください」
翔太は彼女の目を真っ直ぐ見つめた。そこにあるのは、贖罪の思いだけではない。仲間として共に戦いたいという、純粋な願いが感じられた。
「分かりました。一緒に行きましょう」
準備は迅速に進められた。
リクが装備を確認し、ミーナが魔法薬を補充する。カールは剣の手入れを終え、ソフィアは分析機器を鞄に詰めた。
「気をつけてくださいね」
アンナが心配そうに見送る中、一行は北門へと向かった。
◆
王都から北へ三時間。
馬を進めるにつれ、異様な光景が目に入ってきた。
かつては緑豊かだったはずの森が、灰色に染まっている。葉は枯れ落ち、幹は朽ち果てたように黒ずんでいた。まるで生命力を根こそぎ吸い取られたかのようだ。
「ひどい……」
ミーナが息を呑んだ。
地面からは、紫色の瘴気が立ち上っている。それは霧のように漂い、触れるものすべてを腐敗させていくかのようだった。瘴気の濃度は、これまで見たどの場所よりも高い。
「この静寂……不気味ですね」
カールが剣の柄に手を置きながら呟いた。
森の中は、不自然なほど静かだった。鳥の声も、虫の音も、風の音さえしない。まるで音そのものが死んでしまったかのような、絶対的な静寂が支配している。
「来ます!」
ヴァルキリーが槍を構えた瞬間、茂みから黒い影が飛び出してきた。
瘴気獣だ。しかし、通常のものとは明らかに違っていた。
「レベル35……いや、もっと上か!」
ソフィアの分析機器が激しく点滅する。
瘴気獣は三体。その目は赤く輝き、全身から濃密な瘴気を放出している。牙は鋭く、爪は刃物のように研ぎ澄まされていた。何より、その動きが尋常ではない速さだった。
「聖浄化!」
翔太の浄化の光が瘴気獣を包む。しかし、いつもより効果が薄い。瘴気の濃度が高すぎるのだ。
「私が援護します!」
ヴァルキリーの槍が光を放った。彼女の聖魔法と翔太の浄化が融合し、新たな技が生まれる。
「聖浄化・双光撃!」
二つの光が螺旋を描きながら瘴気獣を貫いた。凶暴な咆哮を上げていた獣が、光の粒子となって消えていく。
残る二体も、連携攻撃で撃破した。しかし、違和感があった。
「おかしい……死骸が消えない」
カールの指摘通り、瘴気獣の残骸がそのまま残っている。そして、その中心には黒い結晶が埋まっていた。
ソフィアが慎重に結晶を取り出し、分析機器にかける。
「これは……高濃度の瘴気結晶です。まるで、召喚の触媒のような……」
翔太の顔が青ざめた。これが大量に集められれば、とてつもない召喚が可能になる。
◆
森の深部へと進むにつれ、瘴気の濃度はさらに上がっていった。
呼吸すら苦しくなるほどの濃密な瘴気の中、一行は慎重に歩を進める。木々の影が不気味に揺らぎ、まるで生きているかのように蠢いていた。
「止まってください」
ヴァルキリーが手を上げた。彼女の顔は青白く、額には冷や汗が浮かんでいる。
「この感覚……間違いありません。影の賢者が近くにいます」
その瞬間、森全体が震えた。
地面から黒い影が立ち上がり、人の形を成していく。黒いローブに身を包んだその姿は、まるで闇そのものが実体化したかのようだった。
「久しいな、ヴァルキリー」
低く、冷たい声が響く。その声は空気を震わせ、聞く者の心に直接響いてくるようだった。
「まさか、第三位が裏切るとは……失望したぞ」
影の賢者と呼ばれた男は、フードの奥から翔太たちを見据えた。顔は見えないが、その視線だけで背筋が凍りつくような恐怖を感じる。
「これは私の選択です。もう、終焉の使徒には従いません!」
ヴァルキリーが槍を構えた。しかし、その手が微かに震えているのが分かった。
影の賢者は嘲笑うように肩を揺らした。
「愚かな。お前は力の本質を理解していない」
次の瞬間、男の姿が消えた。
いや、影から影へと瞬間移動したのだ。気がつけば、翔太の背後に立っている。
「聖浄化・極光!」
翔太は反射的に技を放った。しかし、光は虚空を切る。そこにいたのは幻影だった。
「ふふふ……」
不気味な笑い声が、四方八方から聞こえてくる。影が蠢き、現実と幻影の境界が曖昧になっていく。
そして、翔太の心に直接声が響いてきた。
『お前も、いずれ絶望を知ることになる。大切なものを失い、無力さに打ちのめされる。その時、お前は我々の仲間となるだろう』
過去の記憶が、強制的に呼び起こされる。前世での孤独——誰にも理解されず、一人アパートで過ごした日々。この世界に来たばかりの頃の不安——最弱職という現実に絶望した瞬間。仲間を守れなかった時の無力感——リクが傷ついた姿、ミーナの涙、カールが倒れた光景。
記憶が鮮明に蘇り、まるで今まさに起きているかのような錯覚に陥る。頭の中がぐるぐると回り、吐き気すら覚える。
「うあっ!」
翔太が膝をついた。精神攻撃だ。心の奥底にある負の感情を増幅させ、絶望へと導こうとしている。冷たい汗が額を伝い、手が震える。聖剣を握る力すら入らない。
「翔太殿!」
ヴァルキリーが翔太を庇うように前に出た。
「もう惑わされません! 光槍・聖裁!」
彼女の槍から放たれた光が、周囲の幻影を貫いた。影の賢者の本体が一瞬姿を現し、すぐにまた闇に溶け込んでいく。
「ほう、少しは成長したようだな。だが、これは始まりに過ぎない」
影の賢者の姿が完全に消えた。しかし、去り際に不吉な言葉を残していく。
「大召喚陣の準備は着々と進んでいる。お前たちには止められない」
◆
戦闘が終わり、一行は一度体勢を立て直した。
翔太はまだ精神攻撃の影響で、少しふらついている。心の奥に植え付けられた不安が、まだ完全には消えていなかった。
「大丈夫ですか、翔太様?」
リクが心配そうに支えてくれる。その温かい手が、翔太の心を落ち着かせた。
「ありがとう、リク。もう大丈夫だよ」
ヴァルキリーが翔太の前に膝をついた。その姿勢は、まるで罪人が裁きを待つようだった。
「申し訳ありません。私がいたばかりに、影の賢者に狙われてしまって……」
「顔を上げてください」
翔太は優しく手を差し伸べた。その手は温かく、ヴァルキリーの凍えた心を溶かしていくようだった。
「ヴァルキリーさんがいてくれたから、影の賢者を退けることができた。あなたは、もう私たちの仲間です」
ヴァルキリーの瞳に、涙が浮かんだ。千年の孤独、終焉の使徒としての罪悪感、そして贖罪への道を求めていた彼女にとって、この言葉は救いだった。
「翔太殿……」
「ありがとう、と言うべきは僕の方です。あなたが味方になってくれて、本当に心強い」
リクが前に出た。彼の目には、かつての恐怖はなかった。
「僕も、ヴァルキリーさんが仲間になってくれて嬉しいです。一緒に戦いましょう!」
ミーナも微笑みながら頷いた。
「私たち、もう家族みたいなものですから。過去なんて関係ありません。大事なのは、これからです」
カールも豪快に笑う。彼の大きな手が、ヴァルキリーの肩をポンと叩いた。
「おう! これからは俺たちが、あんたの新しい家族だ。過去に何があろうと、俺たちはあんたを受け入れる」
ソフィアも静かに微笑んだ。
「データ分析の結果、ヴァルキリーさんの戦闘能力は、私たちのチームに大きなプラスになります。いえ、それ以上に……心強い仲間が増えて嬉しいです」
ヴァルキリーは、もう涙を堪えられなかった。温かい涙が、頰を伝って落ちていく。
「皆様……本当に、ありがとうございます。私、全力で、みなさんを守ります。これが、私の新しい生き方です」
王都への帰路、一行の足取りは重かった。
影の賢者の脅威は想像以上だ。そして、大召喚陣が完成すれば、この世界は瘴気に呑み込まれてしまう。
しかし、諦めるわけにはいかない。
夕暮れ時、王都の門が見えてきた。
住民たちの表情は不安に満ちている。北方の森の異変は、すでに噂として広まっているようだった。瘴気の脅威が、これまで以上に身近に迫っていることを、誰もが感じ取っている。
王城で、エリーゼが待っていた。
「ご無事で何よりです、翔太様」
彼女の安堵の表情に、翔太は申し訳なさを感じた。結局、影の賢者を取り逃がしてしまったのだ。
「申し訳ありません、エリーゼ様。影の賢者を……」
「いいえ、皆様が無事なら、それで十分です」
エリーゼは優しく微笑んだ。
「それに、重要な情報を得られたのでしょう?」
翔太は頷き、黒い結晶を見せた。エリーゼの表情が引き締まる。
「これは……すぐに調査が必要ですね。北方の森は、当面封鎖することにします」
◆
ギルドハウスに戻ると、緊急の作戦会議が開かれた。
長いテーブルを囲んで、全員が真剣な表情で座っている。ろうそくの炎が揺らめき、影を作り出していた。
「影の賢者の狙いは明白です」
ソフィアが分析結果を広げた。
「この黒い結晶を大量に集めて、大召喚陣の触媒にするつもりでしょう」
「でも、なぜ瘴気獣を使って?」
リクの疑問に、ヴァルキリーが答えた。
「瘴気獣の体内で瘴気を濃縮させ、結晶化させる。それが最も効率的な方法なのです」
「ということは……」
ミーナが青ざめた。
「他の場所でも、同じことが起きている可能性がある」
重い沈黙が会議室を包んだ。
大召喚陣の完成が、刻一刻と近づいている。時間との戦いが始まっていた。
「でも、諦めません」
翔太が立ち上がった。その瞳には、強い決意が宿っている。
「必ず阻止します。この世界を、瘴気から守り抜く」
仲間たちも頷いた。それぞれの顔に、同じ決意が浮かんでいる。
ヴァルキリーも立ち上がった。
「私も、全力を尽くします。これが、私の贖罪の道です」
その夜、翔太は自室で一人考えていた。
影の賢者の精神攻撃は、確かに恐ろしかった。心の奥底にある不安や恐怖を呼び起こし、絶望へと導こうとする。しかし、仲間たちがいる限り、負けるわけにはいかない。
ふと、聖剣エクスカリバーが微かに震えているのに気づいた。
刀身が淡い光を放ち、まるで何かを警告しているかのようだ。翔太が手に取ると、温かい感触が伝わってきた。
「お前も、何か感じているのか?」
聖剣は答えない。しかし、その震えは止まらなかった。
窓の外を見ると、夜空に不気味な赤い星が輝いていた。
まるで、血のように赤い光。それは不吉な予兆のように、王都の上空で瞬いている。
新月まで、あと二日。
終焉の使徒との最終決戦が、確実に近づいていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
【翔太】
職業:掃除士
称号:慈悲の浄化士
レベル:60
HP:1,280 / 1,280
MP:1,920 / 1,920
スキル:
・浄化 Lv.16
・聖浄化 Lv.4
・浄化領域展開 Lv.4
・聖浄化・極光
・聖浄化・完全解放
・聖浄化・天照
・聖浄化・連撃
・聖浄化・断
・聖浄化・黎明
・聖浄化・双光撃(NEW)
・鑑定 Lv.5
・収納 Lv.5
・剣術 Lv.6
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━
【ヴァルキリー】
職業:浄化騎士
レベル:65
HP:2,100 / 2,100
MP:1,500 / 1,500
スキル:
・槍術 Lv.10
・聖魔法 Lv.8
・戦乙女の舞
・光の裁き(浄化により変化)
・守護の誓い
・光槍・聖裁(NEW)
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━
【浄化士ギルド・メンバー】
リク(従者)Lv.15
ミーナ(元素魔術師)Lv.22
カール(元騎士)Lv.26
アンナ(家政術師)Lv.13
グスタフ(施設管理士)Lv.17
シン(獣人族)Lv.13
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決闘から一夜が明けた王都は、いつもの喧騒を取り戻しつつある。しかし、翔太の心には、まだ昨夜の戦いの余韻が残っていた。
「うっ……」
ベッドから起き上がろうとして、全身に走る鈍い痛みに顔をしかめる。聖浄化・黎明を使った代償は、思った以上に大きかったようだ。筋肉の奥深くまで、じんわりとした疲労が染み込んでいる。
コンコン、と控えめなノックの音。
「翔太様、起きていらっしゃいますか?」
アンナの声だった。扉が静かに開き、朝食を載せたトレイを持った彼女が入ってくる。湯気の立つスープから、ハーブの爽やかな香りが漂ってきた。
「おはようございます、アンナさん」
「まあ、お顔の色が……。やはり無理をなさったのですね」
アンナは心配そうに眉を寄せながら、ベッドサイドのテーブルにトレイを置く。彼女の手が、そっと翔太の額に触れた。ひんやりとした感触が心地いい。
「熱はないようですが、今日は安静になさってください」
「でも、やることが……」
翔太の言葉を遮るように、扉が勢いよく開いた。
「翔太殿!」
凛とした声が部屋に響く。そこに立っていたのは、白銀の鎧を身に纏ったヴァルキリーだった。かつての黒い鎧とは対照的な、清浄な輝きを放っている。
◆
「おはようございます、ヴァルキリーさん」
翔太が微笑むと、彼女は一瞬戸惑ったような表情を見せた。
「その……まだ、この名で呼ばれることに慣れません」
「でも、それがあなたの本当の名前でしょう?」
ヴァルキリーは静かに頷いた。金色の髪が、朝日を受けてきらめく。昨夜の決闘で浄化された彼女の瞳には、もう絶望の影はなかった。
「翔太殿、皆様にお話しなければならないことがあります」
その真剣な口調に、翔太は身を起こした。痛みを堪えながら、スープを一口飲む。温かさが胃に広がり、少しだけ力が戻ってきた気がした。
三十分後、ギルドハウスの会議室に全員が集まっていた。
ヴァルキリーは、テーブルの端に立って深く息を吸った。その横顔に、決意と不安が入り混じっている。
「終焉の使徒について、私が知っていることをすべてお話しします」
室内の空気が、一瞬で張り詰めた。
「組織は、五人の幹部で構成されています。私は第三位でした」
彼女の声は落ち着いていたが、その奥に微かな震えが感じられた。
「第五位と第四位は、すでに翔太殿によって倒されました。しかし……」
ヴァルキリーの表情が曇る。
「第二位、『影の賢者』は……私より遥かに危険です」
リクが息を呑む音が聞こえた。ミーナの顔も青ざめている。
「彼は瘴気を自在に操り、人の心に直接干渉することができます。そして……」
ヴァルキリーは一度言葉を切った。窓の外を見つめる彼女の瞳に、恐怖の色が浮かんでいる。
「第一位については、誰も素顔を見たことがありません。ただ、その力は……」
「世界の理を書き換えるほどだと?」
翔太の問いかけに、ヴァルキリーは重く頷いた。
「終焉の使徒の真の目的は、この世界に『大召喚陣』を完成させることです。それが発動すれば……」
「世界が、瘴気に呑み込まれる」
ソフィアが青い顔で呟いた。
◆
会議が続いている最中、急な来訪者があった。
「失礼いたします! 王城からの使者です!」
銀の鎧を纏った騎士が、息を切らせながら入ってきた。その表情は切迫している。額には汗が浮かび、鎧の金属音が慌ただしく響いた。
「浄化士ギルドの皆様に、緊急の要請があります」
騎士は懐から封書を取り出した。王家の紋章が刻まれた蝋印が、重要性を物語っている。
翔太が封を切ると、エリーゼの流麗な文字が目に飛び込んできた。
『翔太様、急なお願いで申し訳ございません。王都北方で異常事態が発生しました。一夜にして森が枯死し、動物たちが異常な行動を見せています。調査隊への参加を、どうかお願いいたします』
手紙を読み終えた翔太の顔が引き締まる。
「どれほどの規模ですか?」
騎士は苦い表情で答えた。
「およそ十キロ四方の森が、完全に枯れ果てています。生き物の気配はまったくありません」
「十キロ……」
カールが呻くように呟いた。それほどの範囲が一夜で枯死するなど、通常ではあり得ない。
「私も同行させてください」
ヴァルキリーが前に出た。その瞳には、強い決意が宿っている。
「これは、影の賢者の仕業かもしれません。私の罪を、償わせてください」
翔太は彼女の目を真っ直ぐ見つめた。そこにあるのは、贖罪の思いだけではない。仲間として共に戦いたいという、純粋な願いが感じられた。
「分かりました。一緒に行きましょう」
準備は迅速に進められた。
リクが装備を確認し、ミーナが魔法薬を補充する。カールは剣の手入れを終え、ソフィアは分析機器を鞄に詰めた。
「気をつけてくださいね」
アンナが心配そうに見送る中、一行は北門へと向かった。
◆
王都から北へ三時間。
馬を進めるにつれ、異様な光景が目に入ってきた。
かつては緑豊かだったはずの森が、灰色に染まっている。葉は枯れ落ち、幹は朽ち果てたように黒ずんでいた。まるで生命力を根こそぎ吸い取られたかのようだ。
「ひどい……」
ミーナが息を呑んだ。
地面からは、紫色の瘴気が立ち上っている。それは霧のように漂い、触れるものすべてを腐敗させていくかのようだった。瘴気の濃度は、これまで見たどの場所よりも高い。
「この静寂……不気味ですね」
カールが剣の柄に手を置きながら呟いた。
森の中は、不自然なほど静かだった。鳥の声も、虫の音も、風の音さえしない。まるで音そのものが死んでしまったかのような、絶対的な静寂が支配している。
「来ます!」
ヴァルキリーが槍を構えた瞬間、茂みから黒い影が飛び出してきた。
瘴気獣だ。しかし、通常のものとは明らかに違っていた。
「レベル35……いや、もっと上か!」
ソフィアの分析機器が激しく点滅する。
瘴気獣は三体。その目は赤く輝き、全身から濃密な瘴気を放出している。牙は鋭く、爪は刃物のように研ぎ澄まされていた。何より、その動きが尋常ではない速さだった。
「聖浄化!」
翔太の浄化の光が瘴気獣を包む。しかし、いつもより効果が薄い。瘴気の濃度が高すぎるのだ。
「私が援護します!」
ヴァルキリーの槍が光を放った。彼女の聖魔法と翔太の浄化が融合し、新たな技が生まれる。
「聖浄化・双光撃!」
二つの光が螺旋を描きながら瘴気獣を貫いた。凶暴な咆哮を上げていた獣が、光の粒子となって消えていく。
残る二体も、連携攻撃で撃破した。しかし、違和感があった。
「おかしい……死骸が消えない」
カールの指摘通り、瘴気獣の残骸がそのまま残っている。そして、その中心には黒い結晶が埋まっていた。
ソフィアが慎重に結晶を取り出し、分析機器にかける。
「これは……高濃度の瘴気結晶です。まるで、召喚の触媒のような……」
翔太の顔が青ざめた。これが大量に集められれば、とてつもない召喚が可能になる。
◆
森の深部へと進むにつれ、瘴気の濃度はさらに上がっていった。
呼吸すら苦しくなるほどの濃密な瘴気の中、一行は慎重に歩を進める。木々の影が不気味に揺らぎ、まるで生きているかのように蠢いていた。
「止まってください」
ヴァルキリーが手を上げた。彼女の顔は青白く、額には冷や汗が浮かんでいる。
「この感覚……間違いありません。影の賢者が近くにいます」
その瞬間、森全体が震えた。
地面から黒い影が立ち上がり、人の形を成していく。黒いローブに身を包んだその姿は、まるで闇そのものが実体化したかのようだった。
「久しいな、ヴァルキリー」
低く、冷たい声が響く。その声は空気を震わせ、聞く者の心に直接響いてくるようだった。
「まさか、第三位が裏切るとは……失望したぞ」
影の賢者と呼ばれた男は、フードの奥から翔太たちを見据えた。顔は見えないが、その視線だけで背筋が凍りつくような恐怖を感じる。
「これは私の選択です。もう、終焉の使徒には従いません!」
ヴァルキリーが槍を構えた。しかし、その手が微かに震えているのが分かった。
影の賢者は嘲笑うように肩を揺らした。
「愚かな。お前は力の本質を理解していない」
次の瞬間、男の姿が消えた。
いや、影から影へと瞬間移動したのだ。気がつけば、翔太の背後に立っている。
「聖浄化・極光!」
翔太は反射的に技を放った。しかし、光は虚空を切る。そこにいたのは幻影だった。
「ふふふ……」
不気味な笑い声が、四方八方から聞こえてくる。影が蠢き、現実と幻影の境界が曖昧になっていく。
そして、翔太の心に直接声が響いてきた。
『お前も、いずれ絶望を知ることになる。大切なものを失い、無力さに打ちのめされる。その時、お前は我々の仲間となるだろう』
過去の記憶が、強制的に呼び起こされる。前世での孤独——誰にも理解されず、一人アパートで過ごした日々。この世界に来たばかりの頃の不安——最弱職という現実に絶望した瞬間。仲間を守れなかった時の無力感——リクが傷ついた姿、ミーナの涙、カールが倒れた光景。
記憶が鮮明に蘇り、まるで今まさに起きているかのような錯覚に陥る。頭の中がぐるぐると回り、吐き気すら覚える。
「うあっ!」
翔太が膝をついた。精神攻撃だ。心の奥底にある負の感情を増幅させ、絶望へと導こうとしている。冷たい汗が額を伝い、手が震える。聖剣を握る力すら入らない。
「翔太殿!」
ヴァルキリーが翔太を庇うように前に出た。
「もう惑わされません! 光槍・聖裁!」
彼女の槍から放たれた光が、周囲の幻影を貫いた。影の賢者の本体が一瞬姿を現し、すぐにまた闇に溶け込んでいく。
「ほう、少しは成長したようだな。だが、これは始まりに過ぎない」
影の賢者の姿が完全に消えた。しかし、去り際に不吉な言葉を残していく。
「大召喚陣の準備は着々と進んでいる。お前たちには止められない」
◆
戦闘が終わり、一行は一度体勢を立て直した。
翔太はまだ精神攻撃の影響で、少しふらついている。心の奥に植え付けられた不安が、まだ完全には消えていなかった。
「大丈夫ですか、翔太様?」
リクが心配そうに支えてくれる。その温かい手が、翔太の心を落ち着かせた。
「ありがとう、リク。もう大丈夫だよ」
ヴァルキリーが翔太の前に膝をついた。その姿勢は、まるで罪人が裁きを待つようだった。
「申し訳ありません。私がいたばかりに、影の賢者に狙われてしまって……」
「顔を上げてください」
翔太は優しく手を差し伸べた。その手は温かく、ヴァルキリーの凍えた心を溶かしていくようだった。
「ヴァルキリーさんがいてくれたから、影の賢者を退けることができた。あなたは、もう私たちの仲間です」
ヴァルキリーの瞳に、涙が浮かんだ。千年の孤独、終焉の使徒としての罪悪感、そして贖罪への道を求めていた彼女にとって、この言葉は救いだった。
「翔太殿……」
「ありがとう、と言うべきは僕の方です。あなたが味方になってくれて、本当に心強い」
リクが前に出た。彼の目には、かつての恐怖はなかった。
「僕も、ヴァルキリーさんが仲間になってくれて嬉しいです。一緒に戦いましょう!」
ミーナも微笑みながら頷いた。
「私たち、もう家族みたいなものですから。過去なんて関係ありません。大事なのは、これからです」
カールも豪快に笑う。彼の大きな手が、ヴァルキリーの肩をポンと叩いた。
「おう! これからは俺たちが、あんたの新しい家族だ。過去に何があろうと、俺たちはあんたを受け入れる」
ソフィアも静かに微笑んだ。
「データ分析の結果、ヴァルキリーさんの戦闘能力は、私たちのチームに大きなプラスになります。いえ、それ以上に……心強い仲間が増えて嬉しいです」
ヴァルキリーは、もう涙を堪えられなかった。温かい涙が、頰を伝って落ちていく。
「皆様……本当に、ありがとうございます。私、全力で、みなさんを守ります。これが、私の新しい生き方です」
王都への帰路、一行の足取りは重かった。
影の賢者の脅威は想像以上だ。そして、大召喚陣が完成すれば、この世界は瘴気に呑み込まれてしまう。
しかし、諦めるわけにはいかない。
夕暮れ時、王都の門が見えてきた。
住民たちの表情は不安に満ちている。北方の森の異変は、すでに噂として広まっているようだった。瘴気の脅威が、これまで以上に身近に迫っていることを、誰もが感じ取っている。
王城で、エリーゼが待っていた。
「ご無事で何よりです、翔太様」
彼女の安堵の表情に、翔太は申し訳なさを感じた。結局、影の賢者を取り逃がしてしまったのだ。
「申し訳ありません、エリーゼ様。影の賢者を……」
「いいえ、皆様が無事なら、それで十分です」
エリーゼは優しく微笑んだ。
「それに、重要な情報を得られたのでしょう?」
翔太は頷き、黒い結晶を見せた。エリーゼの表情が引き締まる。
「これは……すぐに調査が必要ですね。北方の森は、当面封鎖することにします」
◆
ギルドハウスに戻ると、緊急の作戦会議が開かれた。
長いテーブルを囲んで、全員が真剣な表情で座っている。ろうそくの炎が揺らめき、影を作り出していた。
「影の賢者の狙いは明白です」
ソフィアが分析結果を広げた。
「この黒い結晶を大量に集めて、大召喚陣の触媒にするつもりでしょう」
「でも、なぜ瘴気獣を使って?」
リクの疑問に、ヴァルキリーが答えた。
「瘴気獣の体内で瘴気を濃縮させ、結晶化させる。それが最も効率的な方法なのです」
「ということは……」
ミーナが青ざめた。
「他の場所でも、同じことが起きている可能性がある」
重い沈黙が会議室を包んだ。
大召喚陣の完成が、刻一刻と近づいている。時間との戦いが始まっていた。
「でも、諦めません」
翔太が立ち上がった。その瞳には、強い決意が宿っている。
「必ず阻止します。この世界を、瘴気から守り抜く」
仲間たちも頷いた。それぞれの顔に、同じ決意が浮かんでいる。
ヴァルキリーも立ち上がった。
「私も、全力を尽くします。これが、私の贖罪の道です」
その夜、翔太は自室で一人考えていた。
影の賢者の精神攻撃は、確かに恐ろしかった。心の奥底にある不安や恐怖を呼び起こし、絶望へと導こうとする。しかし、仲間たちがいる限り、負けるわけにはいかない。
ふと、聖剣エクスカリバーが微かに震えているのに気づいた。
刀身が淡い光を放ち、まるで何かを警告しているかのようだ。翔太が手に取ると、温かい感触が伝わってきた。
「お前も、何か感じているのか?」
聖剣は答えない。しかし、その震えは止まらなかった。
窓の外を見ると、夜空に不気味な赤い星が輝いていた。
まるで、血のように赤い光。それは不吉な予兆のように、王都の上空で瞬いている。
新月まで、あと二日。
終焉の使徒との最終決戦が、確実に近づいていた。
━━━━━━━━━━━━━━━
【翔太】
職業:掃除士
称号:慈悲の浄化士
レベル:60
HP:1,280 / 1,280
MP:1,920 / 1,920
スキル:
・浄化 Lv.16
・聖浄化 Lv.4
・浄化領域展開 Lv.4
・聖浄化・極光
・聖浄化・完全解放
・聖浄化・天照
・聖浄化・連撃
・聖浄化・断
・聖浄化・黎明
・聖浄化・双光撃(NEW)
・鑑定 Lv.5
・収納 Lv.5
・剣術 Lv.6
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━
【ヴァルキリー】
職業:浄化騎士
レベル:65
HP:2,100 / 2,100
MP:1,500 / 1,500
スキル:
・槍術 Lv.10
・聖魔法 Lv.8
・戦乙女の舞
・光の裁き(浄化により変化)
・守護の誓い
・光槍・聖裁(NEW)
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━
【浄化士ギルド・メンバー】
リク(従者)Lv.15
ミーナ(元素魔術師)Lv.22
カール(元騎士)Lv.26
アンナ(家政術師)Lv.13
グスタフ(施設管理士)Lv.17
シン(獣人族)Lv.13
━━━━━━━━━━━━━━━
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