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第26話 決戦前夜
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朝焼けが王都を包む。
いつもなら、この時間には鳥の鳴き声が聞こえるはずだった。商人たちが荷車を引く音が響き、パン屋から焼きたての香りが漂ってくるはずだった。
だが今朝は違う。
「……静か過ぎる」
翔太は浄化士ギルドの屋上から、不気味なほど静寂に包まれた王都を見下ろしていた。石畳の街路に人影はなく、窓という窓には板が打ち付けられている。まるで街全体が息を潜めているかのようだった。
「翔太様」
背後から声がして振り返ると、リクが立っていた。彼の表情もまた、張り詰めたものだった。
「斥候からの報告です。王都の周辺……終焉の使徒の部隊が展開を完了したと」
翔太の胸に冷たいものが走った。リクが差し出した報告書に目を通す。北の森、東の丘陵、南の平原——すべての方角から瘴気の濃度上昇が確認されている。
「包囲は完成している、か」
重い溜息が漏れた。新月まで、あと十二時間。大召喚陣の発動を阻止できなければ、この世界に破滅が訪れる。
「翔太様!」
今度はミーナが階段を駆け上がってきた。普段の冷静な彼女には珍しく、息を切らせている。
「王城から召集です。エリーゼ王女様直々の……全ギルドマスターを集めた、最終作戦会議だそうです」
翔太は頷いた。いよいよ、王国の存亡を賭けた戦いが始まる。
◆
王城の大広間には、王都の主だった者たちが集結していた。
玉座には国王陛下が座し、その横にエリーゼ王女が控えている。騎士団長グレイソン、魔導師団長メルヴィナ、そして各ギルドのマスターたち。冒険者ギルド、商人ギルド、職人ギルド——普段は別々に活動する組織の長たちが、今日ばかりは一堂に会していた。
「諸君」
国王陛下の重々しい声が広間に響いた。白髪の混じった髭を撫でながら、鋭い眼光で一同を見渡す。
「もはや多くを語る必要はあるまい。我が王国は、建国以来最大の危機に直面している」
空気が一層重くなる。誰もが息を呑んで、次の言葉を待った。
「しかし、我々には希望がある。ここに集った勇敢なる者たちこそ、その希望だ」
騎士団長が一歩前に出た。
「陛下、ご報告申し上げます。偵察部隊の情報により、大召喚陣の位置が判明いたしました」
彼が広げた地図には、王都を中心とした巨大な魔法陣が描かれていた。その規模は、直径にして五キロメートルを超える。
「この召喚陣は、三つの要石によって制御されています」魔導師団長メルヴィナが説明を引き継いだ。「北、南、そして中央。これらを同時に破壊しなければ、陣の発動を止めることはできません」
「新月の瞬間に発動する」ソフィアが付け加えた。「つまり、今夜の午前零時。それまでに、すべての要石を破壊しなければなりません」
重い沈黙が広間を包んだ。誰もが、この作戦の困難さを理解していた。
「作戦を説明する」
騎士団長が地図を指し示した。
「三部隊を編成する。A部隊は騎士団主力が北の要石を攻撃。B部隊は魔導師団が南の要石を担当。そして——」
彼の視線が翔太に向けられた。
「C部隊、浄化士ギルドには中央制御点の攻略を任せたい。そこには、おそらく終焉の使徒の最精鋭が待ち構えているはずだ」
翔太は深く頷いた。最も危険な任務を任されたことに、恐れはなかった。むしろ、信頼されていることを誇りに思った。
「承知しました」
「よろしい」
国王陛下が立ち上がった。その威厳ある姿に、全員が膝をついた。
「諸君らに王国の命運を託す。もし、この戦いに勝利したならば……」
陛下は一呼吸置いた。
「全員に騎士叙勲を約束しよう。最弱職と呼ばれようと、関係ない。勇気ある者こそが、真の英雄なのだから」
翔太の胸が熱くなった。隣でヴァルキリー——いや、アルテミスも感動に震えている。
立ち上がろうとした時、エリーゼと目が合った。彼女の瞳には、言葉にできない想いが込められていた。心配と、信頼と、そして——
(必ず、生きて帰ってきて)
その無言のメッセージを、翔太はしっかりと受け止めた。
◆
浄化士ギルドに戻ると、メンバー全員が準備に追われていた。
ローラは作業台に向かい、薬品の最終調整を行っている。彼女の手は微かに震えていたが、それでも正確に調合を続けた。彼女が開発した特製薬品——清浄の霊薬・改は、浄化効果を五倍に増幅させる。ただし、効果時間は十分。使いどころが勝負を分けるだろう。
「これで全部です」
彼女は小瓶を並べた。五十本。ギルドメンバー全員分だ。一本一本に、彼女の祈りが込められている。
「ありがとう、ローラ」
翔太が礼を言うと、彼女は照れたように頬を染めた。
「当然のことをしたまでです。みんな、無事に帰ってきてくださいね。私……みんなのことを、ずっと待っています」
彼女の瞳に涙が光った。戦いに参加できない自分の無力さと、仲間を送り出す不安が入り混じっている。
マルコは武器庫で、全員の装備を点検していた。彼の表情は真剣そのものだ。かつて王都一の鍛冶師と呼ばれた誇りが、今この瞬間に集約されている。特に聖剣エクスカリバーには、入念な手入れが施されている。
「翔太、この剣……何か違う」
マルコが眉をひそめた。確かに、聖剣からは今までにない波動が発せられている。まるで、何かに共鳴しているかのような——剣自体が意志を持ち、戦いを求めているようだった。
「時が来た、ということかもしれない」
アルテミスが静かに言った。彼女の聖槍グングニルもまた、微かに震えている。
「千年前の記憶が蘇る。あの時も、聖なる武器は戦いの前にこうして震えた。まるで、宿敵との再会を喜んでいるかのように」
ソフィアは、全員に配る情報共有装置の最終調整を行っていた。これがあれば、戦場で離れていても連絡を取り合える。
「通信可能距離は約二キロメートル。魔法による妨害も、ある程度は防げるはずです」
「頼りにしてるよ」
翔太が声をかけると、ソフィアは珍しく微笑んだ。
「データによれば、我々の勝率は三十七パーセント。でも——」
彼女は眼鏡を押し上げた。
「翔太様がいれば、その数字は意味を持ちません。奇跡は、いつも予測不能ですから」
◆
夕暮れ時、全員が食堂に集まった。
アンナが腕によりをかけて作った料理が、テーブル狭しと並んでいる。肉料理、魚料理、野菜の煮込み、焼きたてのパン、そして大きなケーキまで。
「最後かもしれない晩餐なんて、縁起でもないけど」
アンナは苦笑いを浮かべた。
「でも、お腹いっぱいじゃないと、力も出ないでしょ?」
「アンナさんの料理は最高です!」
リクが満面の笑みで肉を頬張る。その隣で、ミーナも珍しく大盛りのシチューを食べていた。
「私の魔法、全部使います。だから、エネルギー補給は大切」
カールは静かにワインを傾けながら、仲間たちを見回していた。
「思えば、不思議な縁だ」
彼の言葉に、皆が顔を上げた。
「元は落ちぶれた騎士だった俺が、今はこうして仲間と共にいる。命に代えても、お前たちを守る。それが俺の誇りだ」
「カールさん……」
クララが目を潤ませた。
「私も、このギルドに入れて本当に良かった。皆さんは、私の家族です」
グスタフが立ち上がり、グラスを掲げた。
「勝利を信じて、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
グラスが触れ合う音が、温かく響いた。
束の間の家族団欒。この光景を守るために、戦うのだと翔太は改めて決意した。
◆
食事の後、翔太はヴァルキリー——アルテミスと二人で話をしていた。
「終焉の使徒第一位の正体……まだ分からないの?」
アルテミスは首を横に振った。
「誰も、その素顔を見たことがない。声すら、聞いた者は数えるほど。ただ——」
彼女は言葉を選ぶように続けた。
「もし私の推測が正しければ、第一位は……」
「は?」
「いえ、確証はありません。でも、もしそうだとしたら、この戦いの本当の意味は——」
彼女の表情が曇る。不吉な予感が、翔太の背筋を冷たく撫でた。
「とにかく、油断は禁物です。影の賢者も、まだ本気を出していないはずですから」
◆
月が昇り始めた頃、翔太は一人、中庭にいた。
「翔太様」
振り返ると、そこにエリーゼが立っていた。月光に照らされた彼女は、この世のものとは思えないほど美しかった。
「エリーゼ……」
「少し、お話ししてもよろしいですか?」
二人は並んで、月光の庭園を歩いた。白い花が咲き誇る小道を進みながら、エリーゼが口を開いた。
「明日、生きて帰ってきてください」
その言葉は、王女としてではなく、一人の女性としての願いだった。
「初めて会った時から、あなたは特別でした」
エリーゼは立ち止まり、翔太の方を向いた。
「最弱職なんて関係ない。あなたの優しさが、この国を救う。私は信じています」
「エリーゼ……」
彼女は懐から、小さな石を取り出した。青く輝くその石は、見る者の心を落ち着かせる不思議な力を持っている。
「これは王家の守護石です。代々、王族が大切な人に託すもの」
翔太の手を取り、そっと石を握らせた。
「これは……婚約の証にもなる石です」
翔太の心臓が大きく跳ねた。エリーゼの頬が、月光の下でほんのりと赤く染まっている。
「私……王女である前に、一人の女性として、あなたのことを——」
「必ず帰ってきます」
翔太は彼女の手を優しく握り返した。
「この戦いが終わったら、ちゃんと話をしましょう。僕の気持ちも、伝えたいことがあるから」
二人の手が、しっかりと結ばれた。月光が、まるで祝福するかのように二人を包み込んでいた。
◆
その頃、王都の外れにある廃墟で、影の賢者が一人佇んでいた。
黒いローブに身を包んだその姿は、闇に溶け込んでいる。月のない夜空の下、彼の周囲だけが異様な静寂に包まれていた。
「計画は順調に進んでいる」
独り言のように呟く。だが、その声にはどこか寂しげな響きがあった。
脳裏に、遠い昔の記憶が蘇る。
かつて、この世界を守ろうとした一人の魔導師がいた。セイレン・アルカディウス——王国最高の魔導師として、誰もがその名を知っていた。彼は全身全霊を注いで研究を重ね、ついにシステムの真理に到達した。しかし、そこで見たものは——
「このシステムには、致命的な欠陥がある」
絶望的な真実。世界は緩やかに、しかし確実に崩壊へと向かっている。瘴気は単なる汚染ではない。システムそのものが自壊する際のエラーコードなのだ。
彼には愛する家族がいた。優しい妻のセレナ、そして七歳になる娘のリリア。幸せな日々は、ある日突然終わりを告げた。システムの欠陥による瘴気の大発生——予測不可能な災厄が、彼の全てを奪った。
「パパ、苦しい……」
娘の最期の言葉が、今も耳に焼き付いている。
それを止める方法は、たった一つ。
「破壊なくして再生なし、か」
苦い笑みが漏れた。この選択が正しいのか、彼自身にも分からない。だが、このまま何もしなければ、世界は百年以内に完全に瘴気に呑まれる。彼の計算は正確だった。
突然、空間が歪み、誰かが現れた。その姿は影に包まれ、顔は見えない。終焉の使徒第一位——その正体は、未だ謎に包まれている。ただ、その存在から放たれる圧倒的な威圧感が、空気を凍てつかせる。
『準備は整ったか』
声なのか、それとも直接脳内に響いているのか。不気味な問いかけに、影の賢者は頷いた。
「ええ。大召喚陣の要石はすべて配置済み。瘴気結晶の備蓄も十分です。お前の望み通りになるでしょう」
『ふん』
第一位は鼻を鳴らした。その仕草から、まるで全てを見下しているような傲慢さが伝わってくる。
『だが、あの掃除士は……予想以上に成長している。聖剣エクスカリバーも覚醒し始めたようだ』
「確かに。彼は興味深い存在です。最弱職でありながら、ここまでの力を手に入れるとは。もしかしたら、彼こそが——」
『余計な感傷は不要だ』
冷たく言い放つと、第一位の姿は闇に溶けて消えた。ただ、最後に一言だけ残していく。
『明日の新月、すべてが明らかになるだろう』
一人残された影の賢者セイレンは、夜空を見上げた。新月前夜の空に、不吉な赤い星が輝いている。それはまるで、この世界の最期を告げる警鐘のようだった。
「感傷は不要、か。その通りだ」
自分に言い聞かせるように呟く。だが、その声には迷いが潜んでいた。
「明日、すべてが終わる。この腐った世界も、偽りの平和も、すべて——そして、新たな世界が生まれる。リリア、セレナ……私はもうすぐ、お前たちのもとへ行く」
◆
夜明け前、浄化士ギルドに五十名全員が集結した。
それぞれが最高の装備を身に着け、決意の表情を浮かべている。年齢も、出身も、レベルもバラバラ。でも今、彼らは一つの目的のために団結していた。
翔太は皆の前に立った。
「みんな、聞いてくれ」
静寂が広がる。五十の瞳が、翔太に注がれた。
「正直に言う。この戦いは、今までで最も危険なものになるだろう。生きて帰れる保証はない」
誰も動じなかった。皆、覚悟を決めている。
「でも、僕たちには守るべきものがある。この街、この国、そして大切な人たち。その笑顔を守るために、僕たちは戦う」
リクが拳を握りしめた。ミーナが杖を強く握った。カールが剣の柄に手をかけた。
「浄化士は、ただ掃除をするだけの職業じゃない。世界を綺麗にし、人々に笑顔を取り戻す。それが僕たちの誇りだ」
「そうだ!」
誰かが叫んだ。それを皮切りに、歓声が上がる。
「浄化士ギルド、万歳!」
「翔太様についていきます!」
「最後まで戦い抜く!」
翔太の胸が熱くなった。この仲間たちとなら、どんな困難も乗り越えられる。
突然、聖剣エクスカリバーが激しく光り始めた。
「これは……」
剣から声が響いた。いや、声というより、意思が直接伝わってくる感覚。
『時は来た。我が真の力、解放せん』
聖剣の光が収まると、刀身に新たな紋様が浮かび上がっていた。古代文字で何かが刻まれている。
「『浄化の極致、ここに在り』……」
ソフィアが読み上げた。
「聖剣が、覚醒したんです」
アルテミスの聖槍グングニルも同様に輝いていた。千年の時を経て、聖なる武器が真の力を取り戻そうとしている。
「行こう」
翔太が先頭に立った。
「生きて、また会おう」
◆
王都の城門が開かれた。
まだ薄暗い中、三つの部隊が同時に出撃する。
北へ向かう騎士団。その先頭には、騎士団長グレイソンの勇姿があった。
南へ向かう魔導師団。魔導師団長メルヴィナが、杖を掲げて進む。
そして中央へ向かう浄化士ギルド。翔太を先頭に、五十名の浄化士たちが進軍する。
城壁の上から、エリーゼが見送っていた。彼女の瞳には涙が光っていたが、それでも凛とした表情を崩さない。
「どうか、ご無事で……」
東の空が、少しずつ白み始めた。決戦の時は、刻一刻と近づいている。
道中、瘴気に覆われた大地が広がっていた。
黒い霧が立ち込め、木々は枯れ果てている。草一本生えていない荒野を、一行は進んでいく。
「気をつけて」
アルテミスが警告した。
「瘴気の濃度が異常に高い。普通の人間なら、とっくに意識を失っているレベルです」
確かに、息をするのも苦しいほどの重圧を感じる。だが、ローラの薬のおかげで、なんとか耐えられている。
「翔太様」
リクが前方を指差した。
「何か、います」
黒い影が、ゆらゆらと近づいてくる。終焉の使徒の斥候部隊だ。レベル30前後の瘴気兵が、十体ほど。
「ここは俺が」
カールが前に出ようとしたが、翔太が制した。
「温存して。ここは——」
聖剣を抜き、一歩前に出る。
「聖浄化・天照!」
金色の光が放たれ、瘴気兵たちを一瞬で浄化した。黒い霧となって消えていく敵を見ながら、翔太は先を急いだ。
やがて、目的地が見えてきた。
王都の中心部にそびえる、巨大な黒い塔。その周囲には、無数の終焉の使徒が待ち構えている。
「すごい数……」
ミーナが息を呑んだ。
ざっと見ただけでも、二百は下らない。しかも、どれも並みの兵士ではない。最低でもレベル40以上の精鋭たちだ。
「来たか、掃除士」
塔の前に、一人の人影が現れた。
黒いローブを纏った、影の賢者。その姿を見た瞬間、全員の背筋に冷たいものが走った。
「ようこそ、最期の舞台へ」
彼が手を挙げると、終焉の使徒たちが一斉に戦闘態勢を取った。
新月まで、あと十二時間。
王国の、いや世界の運命を賭けた決戦の幕が、今まさに上がろうとしていた。
◆
━━━━━━━━━━━━━━━
【翔太】
職業:掃除士
称号:慈悲の浄化士
レベル:62
HP:1,320 / 1,320
MP:2,000 / 2,000
装備:
・聖剣エクスカリバー(覚醒中)
・王家の守護石(NEW)
スキル:
・浄化 Lv.17
・聖浄化 Lv.5
・浄化領域展開 Lv.4
・聖浄化・極光
・聖浄化・完全解放
・聖浄化・天照
・聖浄化・連撃
・聖浄化・断
・聖浄化・黎明
・聖浄化・双光撃
・聖浄化・調和
・鑑定 Lv.5
・収納 Lv.5
・剣術 Lv.6
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━
【決戦準備状況】
浄化士ギルド:50名(全員準備完了)
騎士団:200名(北部隊配置)
魔導師団:100名(南部隊配置)
作戦開始:新月12時間前
目標:大召喚陣の無力化
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いつもなら、この時間には鳥の鳴き声が聞こえるはずだった。商人たちが荷車を引く音が響き、パン屋から焼きたての香りが漂ってくるはずだった。
だが今朝は違う。
「……静か過ぎる」
翔太は浄化士ギルドの屋上から、不気味なほど静寂に包まれた王都を見下ろしていた。石畳の街路に人影はなく、窓という窓には板が打ち付けられている。まるで街全体が息を潜めているかのようだった。
「翔太様」
背後から声がして振り返ると、リクが立っていた。彼の表情もまた、張り詰めたものだった。
「斥候からの報告です。王都の周辺……終焉の使徒の部隊が展開を完了したと」
翔太の胸に冷たいものが走った。リクが差し出した報告書に目を通す。北の森、東の丘陵、南の平原——すべての方角から瘴気の濃度上昇が確認されている。
「包囲は完成している、か」
重い溜息が漏れた。新月まで、あと十二時間。大召喚陣の発動を阻止できなければ、この世界に破滅が訪れる。
「翔太様!」
今度はミーナが階段を駆け上がってきた。普段の冷静な彼女には珍しく、息を切らせている。
「王城から召集です。エリーゼ王女様直々の……全ギルドマスターを集めた、最終作戦会議だそうです」
翔太は頷いた。いよいよ、王国の存亡を賭けた戦いが始まる。
◆
王城の大広間には、王都の主だった者たちが集結していた。
玉座には国王陛下が座し、その横にエリーゼ王女が控えている。騎士団長グレイソン、魔導師団長メルヴィナ、そして各ギルドのマスターたち。冒険者ギルド、商人ギルド、職人ギルド——普段は別々に活動する組織の長たちが、今日ばかりは一堂に会していた。
「諸君」
国王陛下の重々しい声が広間に響いた。白髪の混じった髭を撫でながら、鋭い眼光で一同を見渡す。
「もはや多くを語る必要はあるまい。我が王国は、建国以来最大の危機に直面している」
空気が一層重くなる。誰もが息を呑んで、次の言葉を待った。
「しかし、我々には希望がある。ここに集った勇敢なる者たちこそ、その希望だ」
騎士団長が一歩前に出た。
「陛下、ご報告申し上げます。偵察部隊の情報により、大召喚陣の位置が判明いたしました」
彼が広げた地図には、王都を中心とした巨大な魔法陣が描かれていた。その規模は、直径にして五キロメートルを超える。
「この召喚陣は、三つの要石によって制御されています」魔導師団長メルヴィナが説明を引き継いだ。「北、南、そして中央。これらを同時に破壊しなければ、陣の発動を止めることはできません」
「新月の瞬間に発動する」ソフィアが付け加えた。「つまり、今夜の午前零時。それまでに、すべての要石を破壊しなければなりません」
重い沈黙が広間を包んだ。誰もが、この作戦の困難さを理解していた。
「作戦を説明する」
騎士団長が地図を指し示した。
「三部隊を編成する。A部隊は騎士団主力が北の要石を攻撃。B部隊は魔導師団が南の要石を担当。そして——」
彼の視線が翔太に向けられた。
「C部隊、浄化士ギルドには中央制御点の攻略を任せたい。そこには、おそらく終焉の使徒の最精鋭が待ち構えているはずだ」
翔太は深く頷いた。最も危険な任務を任されたことに、恐れはなかった。むしろ、信頼されていることを誇りに思った。
「承知しました」
「よろしい」
国王陛下が立ち上がった。その威厳ある姿に、全員が膝をついた。
「諸君らに王国の命運を託す。もし、この戦いに勝利したならば……」
陛下は一呼吸置いた。
「全員に騎士叙勲を約束しよう。最弱職と呼ばれようと、関係ない。勇気ある者こそが、真の英雄なのだから」
翔太の胸が熱くなった。隣でヴァルキリー——いや、アルテミスも感動に震えている。
立ち上がろうとした時、エリーゼと目が合った。彼女の瞳には、言葉にできない想いが込められていた。心配と、信頼と、そして——
(必ず、生きて帰ってきて)
その無言のメッセージを、翔太はしっかりと受け止めた。
◆
浄化士ギルドに戻ると、メンバー全員が準備に追われていた。
ローラは作業台に向かい、薬品の最終調整を行っている。彼女の手は微かに震えていたが、それでも正確に調合を続けた。彼女が開発した特製薬品——清浄の霊薬・改は、浄化効果を五倍に増幅させる。ただし、効果時間は十分。使いどころが勝負を分けるだろう。
「これで全部です」
彼女は小瓶を並べた。五十本。ギルドメンバー全員分だ。一本一本に、彼女の祈りが込められている。
「ありがとう、ローラ」
翔太が礼を言うと、彼女は照れたように頬を染めた。
「当然のことをしたまでです。みんな、無事に帰ってきてくださいね。私……みんなのことを、ずっと待っています」
彼女の瞳に涙が光った。戦いに参加できない自分の無力さと、仲間を送り出す不安が入り混じっている。
マルコは武器庫で、全員の装備を点検していた。彼の表情は真剣そのものだ。かつて王都一の鍛冶師と呼ばれた誇りが、今この瞬間に集約されている。特に聖剣エクスカリバーには、入念な手入れが施されている。
「翔太、この剣……何か違う」
マルコが眉をひそめた。確かに、聖剣からは今までにない波動が発せられている。まるで、何かに共鳴しているかのような——剣自体が意志を持ち、戦いを求めているようだった。
「時が来た、ということかもしれない」
アルテミスが静かに言った。彼女の聖槍グングニルもまた、微かに震えている。
「千年前の記憶が蘇る。あの時も、聖なる武器は戦いの前にこうして震えた。まるで、宿敵との再会を喜んでいるかのように」
ソフィアは、全員に配る情報共有装置の最終調整を行っていた。これがあれば、戦場で離れていても連絡を取り合える。
「通信可能距離は約二キロメートル。魔法による妨害も、ある程度は防げるはずです」
「頼りにしてるよ」
翔太が声をかけると、ソフィアは珍しく微笑んだ。
「データによれば、我々の勝率は三十七パーセント。でも——」
彼女は眼鏡を押し上げた。
「翔太様がいれば、その数字は意味を持ちません。奇跡は、いつも予測不能ですから」
◆
夕暮れ時、全員が食堂に集まった。
アンナが腕によりをかけて作った料理が、テーブル狭しと並んでいる。肉料理、魚料理、野菜の煮込み、焼きたてのパン、そして大きなケーキまで。
「最後かもしれない晩餐なんて、縁起でもないけど」
アンナは苦笑いを浮かべた。
「でも、お腹いっぱいじゃないと、力も出ないでしょ?」
「アンナさんの料理は最高です!」
リクが満面の笑みで肉を頬張る。その隣で、ミーナも珍しく大盛りのシチューを食べていた。
「私の魔法、全部使います。だから、エネルギー補給は大切」
カールは静かにワインを傾けながら、仲間たちを見回していた。
「思えば、不思議な縁だ」
彼の言葉に、皆が顔を上げた。
「元は落ちぶれた騎士だった俺が、今はこうして仲間と共にいる。命に代えても、お前たちを守る。それが俺の誇りだ」
「カールさん……」
クララが目を潤ませた。
「私も、このギルドに入れて本当に良かった。皆さんは、私の家族です」
グスタフが立ち上がり、グラスを掲げた。
「勝利を信じて、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
グラスが触れ合う音が、温かく響いた。
束の間の家族団欒。この光景を守るために、戦うのだと翔太は改めて決意した。
◆
食事の後、翔太はヴァルキリー——アルテミスと二人で話をしていた。
「終焉の使徒第一位の正体……まだ分からないの?」
アルテミスは首を横に振った。
「誰も、その素顔を見たことがない。声すら、聞いた者は数えるほど。ただ——」
彼女は言葉を選ぶように続けた。
「もし私の推測が正しければ、第一位は……」
「は?」
「いえ、確証はありません。でも、もしそうだとしたら、この戦いの本当の意味は——」
彼女の表情が曇る。不吉な予感が、翔太の背筋を冷たく撫でた。
「とにかく、油断は禁物です。影の賢者も、まだ本気を出していないはずですから」
◆
月が昇り始めた頃、翔太は一人、中庭にいた。
「翔太様」
振り返ると、そこにエリーゼが立っていた。月光に照らされた彼女は、この世のものとは思えないほど美しかった。
「エリーゼ……」
「少し、お話ししてもよろしいですか?」
二人は並んで、月光の庭園を歩いた。白い花が咲き誇る小道を進みながら、エリーゼが口を開いた。
「明日、生きて帰ってきてください」
その言葉は、王女としてではなく、一人の女性としての願いだった。
「初めて会った時から、あなたは特別でした」
エリーゼは立ち止まり、翔太の方を向いた。
「最弱職なんて関係ない。あなたの優しさが、この国を救う。私は信じています」
「エリーゼ……」
彼女は懐から、小さな石を取り出した。青く輝くその石は、見る者の心を落ち着かせる不思議な力を持っている。
「これは王家の守護石です。代々、王族が大切な人に託すもの」
翔太の手を取り、そっと石を握らせた。
「これは……婚約の証にもなる石です」
翔太の心臓が大きく跳ねた。エリーゼの頬が、月光の下でほんのりと赤く染まっている。
「私……王女である前に、一人の女性として、あなたのことを——」
「必ず帰ってきます」
翔太は彼女の手を優しく握り返した。
「この戦いが終わったら、ちゃんと話をしましょう。僕の気持ちも、伝えたいことがあるから」
二人の手が、しっかりと結ばれた。月光が、まるで祝福するかのように二人を包み込んでいた。
◆
その頃、王都の外れにある廃墟で、影の賢者が一人佇んでいた。
黒いローブに身を包んだその姿は、闇に溶け込んでいる。月のない夜空の下、彼の周囲だけが異様な静寂に包まれていた。
「計画は順調に進んでいる」
独り言のように呟く。だが、その声にはどこか寂しげな響きがあった。
脳裏に、遠い昔の記憶が蘇る。
かつて、この世界を守ろうとした一人の魔導師がいた。セイレン・アルカディウス——王国最高の魔導師として、誰もがその名を知っていた。彼は全身全霊を注いで研究を重ね、ついにシステムの真理に到達した。しかし、そこで見たものは——
「このシステムには、致命的な欠陥がある」
絶望的な真実。世界は緩やかに、しかし確実に崩壊へと向かっている。瘴気は単なる汚染ではない。システムそのものが自壊する際のエラーコードなのだ。
彼には愛する家族がいた。優しい妻のセレナ、そして七歳になる娘のリリア。幸せな日々は、ある日突然終わりを告げた。システムの欠陥による瘴気の大発生——予測不可能な災厄が、彼の全てを奪った。
「パパ、苦しい……」
娘の最期の言葉が、今も耳に焼き付いている。
それを止める方法は、たった一つ。
「破壊なくして再生なし、か」
苦い笑みが漏れた。この選択が正しいのか、彼自身にも分からない。だが、このまま何もしなければ、世界は百年以内に完全に瘴気に呑まれる。彼の計算は正確だった。
突然、空間が歪み、誰かが現れた。その姿は影に包まれ、顔は見えない。終焉の使徒第一位——その正体は、未だ謎に包まれている。ただ、その存在から放たれる圧倒的な威圧感が、空気を凍てつかせる。
『準備は整ったか』
声なのか、それとも直接脳内に響いているのか。不気味な問いかけに、影の賢者は頷いた。
「ええ。大召喚陣の要石はすべて配置済み。瘴気結晶の備蓄も十分です。お前の望み通りになるでしょう」
『ふん』
第一位は鼻を鳴らした。その仕草から、まるで全てを見下しているような傲慢さが伝わってくる。
『だが、あの掃除士は……予想以上に成長している。聖剣エクスカリバーも覚醒し始めたようだ』
「確かに。彼は興味深い存在です。最弱職でありながら、ここまでの力を手に入れるとは。もしかしたら、彼こそが——」
『余計な感傷は不要だ』
冷たく言い放つと、第一位の姿は闇に溶けて消えた。ただ、最後に一言だけ残していく。
『明日の新月、すべてが明らかになるだろう』
一人残された影の賢者セイレンは、夜空を見上げた。新月前夜の空に、不吉な赤い星が輝いている。それはまるで、この世界の最期を告げる警鐘のようだった。
「感傷は不要、か。その通りだ」
自分に言い聞かせるように呟く。だが、その声には迷いが潜んでいた。
「明日、すべてが終わる。この腐った世界も、偽りの平和も、すべて——そして、新たな世界が生まれる。リリア、セレナ……私はもうすぐ、お前たちのもとへ行く」
◆
夜明け前、浄化士ギルドに五十名全員が集結した。
それぞれが最高の装備を身に着け、決意の表情を浮かべている。年齢も、出身も、レベルもバラバラ。でも今、彼らは一つの目的のために団結していた。
翔太は皆の前に立った。
「みんな、聞いてくれ」
静寂が広がる。五十の瞳が、翔太に注がれた。
「正直に言う。この戦いは、今までで最も危険なものになるだろう。生きて帰れる保証はない」
誰も動じなかった。皆、覚悟を決めている。
「でも、僕たちには守るべきものがある。この街、この国、そして大切な人たち。その笑顔を守るために、僕たちは戦う」
リクが拳を握りしめた。ミーナが杖を強く握った。カールが剣の柄に手をかけた。
「浄化士は、ただ掃除をするだけの職業じゃない。世界を綺麗にし、人々に笑顔を取り戻す。それが僕たちの誇りだ」
「そうだ!」
誰かが叫んだ。それを皮切りに、歓声が上がる。
「浄化士ギルド、万歳!」
「翔太様についていきます!」
「最後まで戦い抜く!」
翔太の胸が熱くなった。この仲間たちとなら、どんな困難も乗り越えられる。
突然、聖剣エクスカリバーが激しく光り始めた。
「これは……」
剣から声が響いた。いや、声というより、意思が直接伝わってくる感覚。
『時は来た。我が真の力、解放せん』
聖剣の光が収まると、刀身に新たな紋様が浮かび上がっていた。古代文字で何かが刻まれている。
「『浄化の極致、ここに在り』……」
ソフィアが読み上げた。
「聖剣が、覚醒したんです」
アルテミスの聖槍グングニルも同様に輝いていた。千年の時を経て、聖なる武器が真の力を取り戻そうとしている。
「行こう」
翔太が先頭に立った。
「生きて、また会おう」
◆
王都の城門が開かれた。
まだ薄暗い中、三つの部隊が同時に出撃する。
北へ向かう騎士団。その先頭には、騎士団長グレイソンの勇姿があった。
南へ向かう魔導師団。魔導師団長メルヴィナが、杖を掲げて進む。
そして中央へ向かう浄化士ギルド。翔太を先頭に、五十名の浄化士たちが進軍する。
城壁の上から、エリーゼが見送っていた。彼女の瞳には涙が光っていたが、それでも凛とした表情を崩さない。
「どうか、ご無事で……」
東の空が、少しずつ白み始めた。決戦の時は、刻一刻と近づいている。
道中、瘴気に覆われた大地が広がっていた。
黒い霧が立ち込め、木々は枯れ果てている。草一本生えていない荒野を、一行は進んでいく。
「気をつけて」
アルテミスが警告した。
「瘴気の濃度が異常に高い。普通の人間なら、とっくに意識を失っているレベルです」
確かに、息をするのも苦しいほどの重圧を感じる。だが、ローラの薬のおかげで、なんとか耐えられている。
「翔太様」
リクが前方を指差した。
「何か、います」
黒い影が、ゆらゆらと近づいてくる。終焉の使徒の斥候部隊だ。レベル30前後の瘴気兵が、十体ほど。
「ここは俺が」
カールが前に出ようとしたが、翔太が制した。
「温存して。ここは——」
聖剣を抜き、一歩前に出る。
「聖浄化・天照!」
金色の光が放たれ、瘴気兵たちを一瞬で浄化した。黒い霧となって消えていく敵を見ながら、翔太は先を急いだ。
やがて、目的地が見えてきた。
王都の中心部にそびえる、巨大な黒い塔。その周囲には、無数の終焉の使徒が待ち構えている。
「すごい数……」
ミーナが息を呑んだ。
ざっと見ただけでも、二百は下らない。しかも、どれも並みの兵士ではない。最低でもレベル40以上の精鋭たちだ。
「来たか、掃除士」
塔の前に、一人の人影が現れた。
黒いローブを纏った、影の賢者。その姿を見た瞬間、全員の背筋に冷たいものが走った。
「ようこそ、最期の舞台へ」
彼が手を挙げると、終焉の使徒たちが一斉に戦闘態勢を取った。
新月まで、あと十二時間。
王国の、いや世界の運命を賭けた決戦の幕が、今まさに上がろうとしていた。
◆
━━━━━━━━━━━━━━━
【翔太】
職業:掃除士
称号:慈悲の浄化士
レベル:62
HP:1,320 / 1,320
MP:2,000 / 2,000
装備:
・聖剣エクスカリバー(覚醒中)
・王家の守護石(NEW)
スキル:
・浄化 Lv.17
・聖浄化 Lv.5
・浄化領域展開 Lv.4
・聖浄化・極光
・聖浄化・完全解放
・聖浄化・天照
・聖浄化・連撃
・聖浄化・断
・聖浄化・黎明
・聖浄化・双光撃
・聖浄化・調和
・鑑定 Lv.5
・収納 Lv.5
・剣術 Lv.6
━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━
【決戦準備状況】
浄化士ギルド:50名(全員準備完了)
騎士団:200名(北部隊配置)
魔導師団:100名(南部隊配置)
作戦開始:新月12時間前
目標:大召喚陣の無力化
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