最弱職【掃除士】が実は環境最強でした ~ダンジョンの浄化で世界を救う~

宵町あかり

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第36話 翔太とエリーゼの絆

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夜が深まっていく。

ノーザリア王国の宿の一室で、俺は窓辺に立っていた。第二の太陽が不規則に明滅している。強く輝いたかと思えば、今にも消えそうなほど弱まる。まるで、苦しんでいるかのようだ。

「翔太?」

振り返ると、エリーゼがベッドの端に座っていた。薄い寝間着姿の彼女は、いつもより顔色が悪い。月明かりに照らされた横顔は美しいが、どこか儚げだ。

「眠れないの?」

彼女の問いかけに、俺は小さく頷いた。

仲間たちは別室で作戦会議を続けている。俺たちにも声がかかったが、エリーゼの体調を考慮して辞退した。二人きりの時間は、結婚してから初めてかもしれない。

なのに、俺の心は重かった。

「本当に大丈夫?顔色が...」俺は彼女の隣に腰を下ろした。

エリーゼは微笑んだ。その笑顔はいつも通り優しいが、どこか無理をしているように見える。

「大丈夫よ。ちょっと疲れただけ」

彼女の手が、そっと俺の手に重ねられた。冷たい。いつもは温かいその手が、今夜は氷のように冷えている。

「エリーゼ...」

「ね、翔太」彼女は俺の肩に頭を預けた。「この部屋、豪華すぎると思わない?」

確かに、王国が用意してくれた部屋は立派すぎるほどだった。天蓋付きのベッド、金糸で織られたカーテン、大理石の床。まるで王族の寝室のようだ。

「派手なのは性に合わないよな」俺は苦笑した。「もっと質素な部屋の方が落ち着く」

「ふふ、やっぱり私たち、似た者夫婦ね」

エリーゼの髪から、ほのかに花の香りがした。それは彼女がいつも使っている香油の匂い。懐かしく、安心する香り。



「翔太」

エリーゼが静かに呼びかけた。俺はベッドに深く腰を沈め、天井を見上げていた。豪華なシャンデリアが、揺れる炎の光を反射している。

「なに?」

「今日の戦い...怖かった」

彼女の声は小さく、震えていた。俺は驚いて顔を向けた。エリーゼが弱音を吐くなんて、滅多にない。

「虚無の穴を見た時、本当に怖かった。あの向こうには何もなくて、ただ無限の虚無が広がっていて...」

彼女の体が小刻みに震えている。俺は彼女を抱き寄せた。華奢な体が、俺の胸に収まる。

「俺も怖かった」

正直に告白した。エリーゼが顔を上げ、驚いたような表情を見せた。

「あなたが?」

「ああ。レベル100になっても、愛の浄化王なんて大層な称号を持っていても...」

俺の声が揺れた。喉の奥から何か熱いものが込み上げてくる。目頭が熱くなり、視界が歪んだ。自嘲的な笑みを浮かべようとしたが、唇が震えてうまくいかない。

「結局、虚無の穴を完全に塞げなかった」

俺の手が微かに震えているのが分かる。拳を握りしめても、止まらない。膝の上で握った手が小刻みに震え、その震えが腕を伝って全身に広がっていく。

情けない。みんなが信じてくれている最強の浄化王が、本当はこんなに弱い。こんな姿、彼女に見せたくなかった。

「クリスタルさんも救えなかった。氷姫と呼ばれた虚無の使者を、完全に浄化することができなかった」

思い出すのは、あの悲しい瞳。500年も虚無に囚われていた女性。彼女を解放してあげたかった。でも、できなかった。

「みんなが期待してくれているのに。俺なら世界を救えるって、信じてくれているのに」

涙が頬を伝った。読者に、いや、誰にも見せたことのない涙。最弱と呼ばれた時も、馬鹿にされた時も、俺は泣かなかった。でも今夜は違う。

「本当に勝てるのか...」

北の空に広がる、あの巨大な影を思い出す。虚無王。その名前を思い浮かべるだけで、背筋に冷たい汗が流れる。山より大きく、雲より高い、あの圧倒的な存在感。世界を無に還そうとする絶対的な力。

「結局、俺はただの掃除士なんだ」

俺は膝を抱えた。子供のように、自分を小さくして。勇者のような華々しさもない。賢者のような叡智もない。ただ掃除が得意なだけの、平凡な男。

「最弱職のまま、何も変わってない」

その言葉を口にした瞬間、何かが壊れたような音がした。それは俺の中のプライドかもしれない。みんなの期待に応えなきゃいけないという重圧かもしれない。涙が止まらなくなった。悔しさと、情けなさと、恐怖が混ざり合って、子供みたいに泣いていた。エリーゼの前で、こんなみっともない姿を晒している自分が許せなかった。でも、もう止められなかった。

「違う」

エリーゼの声が、強く響いた。



エリーゼは俺の頬に手を添えた。その手は相変わらず冷たいが、不思議と心が温まる。

「あなたは一人じゃない」

彼女の声は優しく、しかし力強かった。エメラルドグリーンの瞳が、真っ直ぐ俺を見つめている。

「私がいる。みんながいる。リクも、ミーナも、カールも、ローラも...みんな、あなたと一緒に戦ってくれる」

「でも...」

「聞いて、翔太」エリーゼは俺の手を取った。「実は私も怖いの」

意外な告白に、俺は息を呑んだ。

「体の中で、何かが起きている気がするの」彼女は自分の腹部に手を当てた。「ここが、時々痛むの。熱くなったり、冷たくなったり...まるで、何かが宿っているような」

俺は心配になった。「医者に診てもらった方が...」

「違うの」彼女は首を振った。「これは病気じゃない。もっと別の何か。でもね」

彼女は微笑んだ。その笑顔は、朝日のように眩しかった。

「あなたといれば、乗り越えられる。どんなことがあっても、あなたと一緒なら大丈夫」

エリーゼは立ち上がり、窓の外を見た。第二の太陽が、また激しく明滅している。

「覚えてる?初めて出会った時のこと」

もちろん覚えている。浄化士ギルドで、彼女が現れた日。美しい第三王女が、なぜか最弱職の俺に興味を持ってくれた。

「最弱と呼ばれても前を向いていたあなた。みんなに馬鹿にされても、諦めなかったあなた」エリーゼは振り返った。「その姿に、私は救われたの」

「救われた?」

「ええ。王女として生きることに疲れていた私を、あなたは救ってくれた。身分も、レベルも、称号も関係なく、ただ一生懸命に生きているあなたの姿が、私に勇気をくれた」

エリーゼは俺の隣に座り直した。今度は、しっかりと手を握り合う。

不思議だった。二人で手を握っているだけなのに、力が湧いてくる。心が落ち着いていく。まるで、世界中の不安が消えていくような感覚。

「これが...愛の力?」俺は呟いた。

「そうよ」エリーゼは頷いた。「私たちの愛が、きっと世界を救う。信じて」



手を繋いだまま、俺たちは立ち上がった。

すると、不思議なことが起きた。

二人の周囲に、光が集まり始めたのだ。金色と銀色の光が、螺旋を描きながら俺たちを包み込む。温かく、優しい光。まるで春の陽だまりのような心地よさ。

突然、ステータスウィンドウが現れた。

【パートナースキル:聖愛浄化・調和 完成度100%】
【効果:二人の愛が最大限に共鳴した時、奇跡を起こす】
【発動条件:完全なる信頼と愛情】
【消費MP:測定不能(愛の力で補填)】

「これは...」俺は息を呑んだ。

パートナースキルが、完全体になった。今までは不完全だったものが、今この瞬間、真の力を得たのだ。

部屋中が光に包まれた。

机の上の埃が消える。窓ガラスの曇りが晴れる。床の小さな傷が修復される。そして、部屋の隅で枯れかけていた花が、満開の花を咲かせた。

「美しい...」エリーゼが感嘆の声を上げた。

これは物理的な浄化を超えた何かだった。存在そのものを肯定する力。「忘却」に対抗する「記憶」の力。虚無が全てを無に還そうとするなら、俺たちの愛は全てに存在する意味を与える。

その時、エリーゼの体に一瞬、光る紋様が現れた。

複雑な幾何学模様。それは王家の紋章とは違う、もっと古い印。古代文字のような、神秘的な図形が彼女の腹部に浮かび上がり、すぐに消えた。

「今、何か...」俺は彼女の顔を見た。

「気のせいよ」エリーゼは微笑んだが、その目には不安が宿っていた。

何かが起きている。彼女の体の中で、何かが始まっている。でも今は、それを追求する時じゃない。

「エリーゼ」俺は彼女の手を強く握った。「何があっても、俺が守る」

「私も、あなたを守る」彼女は俺の胸に顔を埋めた。「二人で、みんなを守りましょう」



ノックの音が響いた。

「失礼します」

扉を開けて入ってきたのは、グスタフ老だった。ノーザリア王国の宮廷魔導師である老人は、古文書を抱えている。

「光が見えたので...」彼は部屋を見回した。「なるほど、パートナースキルの完全覚醒ですか」

「グスタフ様」エリーゼが頭を下げた。

「いえいえ、王女様。それより」老人は古文書を机の上に広げた。「これをご覧ください」

羊皮紙には、古代文字がびっしりと書かれている。俺には読めないが、グスタフ老が指差した箇所には絵が描かれていた。光と闇が調和している図。

「受け入れることも浄化の一つ」老人は静かに語り始めた。「虚無を完全に否定するのではなく、その存在を認めた上で浄化する。それが真の浄化王の道」

「受け入れる?」俺は困惑した。「でも、虚無は世界を破壊しようと...」

「光があれば影もある」グスタフ老は優しく微笑んだ。「影を消そうとすれば、光も消えてしまう。大切なのは、バランスを保つこと」

老人は別のページを開いた。そこには、創世の書の一節が写されていた。

「真の浄化王は破壊せず創造する。全てを愛で包み込む者」

謎めいた言葉だった。破壊せずに創造する。それは一体どういう意味なのか。

「そして、これ」グスタフ老は最後のページを見せた。「レベル200の壁について」

俺とエリーゼは顔を見合わせた。レベル200?そんな領域があるのか。

「限界を超えるには...」老人の表情が曇った。「愛する者のために、全てを捧げる覚悟が必要」

不吉な予感が胸をよぎった。全てを捧げる。それは一体、何を意味するのか。

「犠牲が必要ということですか?」エリーゼが不安そうに尋ねた。

「それは...分かりません」グスタフ老は首を振った。「ただ、過去にレベル200に達した者は、皆、大切な何かを失っています」

重い沈黙が部屋を包んだ。

「でも」老人は微笑んだ。「あなた方なら、きっと別の道を見つけられるでしょう。二人の愛は、今までの常識を超えています」

グスタフ老は立ち上がり、扉に向かった。

「どんな犠牲も、二人で乗り越える」俺は決意を込めて言った。「そうだろ、エリーゼ?」

「ええ」彼女は俺の手を握り返した。「二人でなら、どんな壁も越えられる」

老人は振り返り、優しく頷いた。そして、静かに部屋を後にした。



翌朝、食堂には仲間たちが集まっていた。

大きなテーブルを囲んで、みんなで朝食を取る。パンと卵、ベーコンにスープ。簡素だが、温かい食事だった。

「おはよう、新婚さん」リクがニヤニヤしながら声をかけてきた。「夜更かしだったか?」

「な、何を言ってるんだ!」俺は慌てた。

エリーゼの顔が真っ赤に染まる。「リクさん!朝から何を...」

「冗談だよ」リクは笑った。「でも、顔色は良くなったみたいだな」

確かに、エリーゼの顔色は昨夜より良くなっていた。しかし、朝食をほとんど食べていない。スープを少し口にしただけで、パンには手を付けていない。

「ちょっと胃が...」エリーゼは申し訳なさそうに言った。

ローラが心配そうに彼女を見つめた。薬師の鋭い観察眼が、何かを察しているようだった。

「エリーゼ様、後で診察させてください」

「大丈夫よ、ローラ。本当に」

でも、ローラの表情は晴れなかった。

ミーナが立ち上がった。「報告があります」

彼女の手には、虚無の欠片が収められた水晶球がある。黒い破片が、球の中で不気味に脈動している。

「解析が進みました。対抗策が見えてきたんです」

全員の注目が集まった。

「虚無の本質は『存在の忘却』です。記憶を消し、存在そのものを無かったことにする。でも」ミーナは俺たちを見た。「愛の記憶は消せない。昨夜のあなたたちの光が、それを証明しました」

希望が見えてきた。虚無に対抗する方法が、少しずつ分かってきている。

「作戦を立てましょう」アルテミスが地図を広げた。「世界の穴への大規模遠征。今度こそ、完全に封印する」

「賛成」カールが頷いた。「ノーザリア王国の軍も協力してくれる」

「浄化士ギルドからも、増援が来ます」ソフィアが付け加えた。右腕はまだ包帯に巻かれているが、彼女の瞳には闘志が宿っている。

作戦会議が始まった。地図の上に駒を置き、ルートを検討する。誰がどの役割を担うか、細かく決めていく。

その時、窓の外で光が強く輝いた。

第二の太陽が、一瞬、とても強く光ったのだ。まるで応援しているような、励ましているような光。

「きっと、第二の太陽も一緒に戦ってくれる」レオが目を輝かせた。

「そうだな」俺は微笑んだ。「みんなで力を合わせれば、必ず勝てる」

立ち上がり、仲間たちを見回した。傷ついている者もいる。不安を抱えている者もいる。でも、全員の目には希望の光が宿っていた。

「一人じゃない。みんなで必ず、世界を...愛を守る」

俺の言葉に、全員が力強く頷いた。

エリーゼが俺の手をそっと握った。その手は、今朝は温かかった。

「行きましょう、翔太」

「ああ、行こう」

俺たちは立ち上がった。新たな戦いへ向けて、新たな希望を胸に。

窓の外では、第二の太陽が優しく輝いていた。

世界はまだ、希望に満ちている。
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