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第54話 掃除士学校の設立
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「掃除士学校か……本当にやるのか?」
国王の執務室で、翔太は緊張の面持ちで立っていた。隣にはガイウス騎士団長とエリーゼが同席している。
「はい。昨日の東の大陸との交流で確信しました。掃除の技術を体系的に教える場所が必要です」
国王は顎に手を当て、しばらく考え込んでいた。そして、にやりと笑った。
「面白い! 虚無王を倒した英雄の頼みだ。それに、掃除士が増えれば王国も清潔になる。一石二鳥じゃないか」
「本当にいいんですか?」
「ああ。王国として全面的に支援しよう。場所はどこにする?」
翔太は準備してきた地図を広げた。
「王都郊外の、あの丘の上はどうでしょうか。見晴らしも良いですし、広い土地が確保できます」
「なるほど、あそこか。確かに良い場所だ」
国王は即座に書類に署名した。
「これで正式に土地の使用を許可する。ヴェリディアン王立掃除士学校として、国の認可も与えよう」
「ありがとうございます!」
翔太の顔に安堵と喜びが広がった。
◆
王都郊外の丘に立つと、素晴らしい眺望が広がっていた。
「ここに学校を建てるんだな」
リクが感慨深げに呟く。集まったのは、翔太の仲間たち全員だった。
「すごい! ここなら最高の学校ができるよ!」
カールが興奮気味に駆け回る。レオも目を輝かせていた。
「実技の練習場も作れそうですね」
ミーナが地形を確認しながら言う。
「座学用の教室、実技練習場、瞑想室……必要な施設はたくさんあるな」
翔太が構想を語り始めると、突然、空中に建物の幻影が浮かび上がった。
《システム通知:建築支援モード起動》
《3D設計図を空間投影します》
「また変なことが……」
システムの改変後、こういう予期せぬ機能が時々現れる。でも今回は便利そうだ。
「おお、これは分かりやすい」
空中に浮かぶ透明な建物のイメージ。翔太が手を動かすと、それに合わせて建物の配置が変わっていく。
「本館はここに。三階建てで、座学教室を6つ」
建物が具現化していく。
「実技棟は少し離して。汚れを作って浄化する練習もするから、広めのスペースが必要だ」
「瞑想棟は静かな場所がいいですね」エリーゼが提案する。「あの木立の近くはどうでしょう」
「いいね。自然の中で心を落ち着けられる」
さらに翔太は続けた。
「国際交流棟も必要だ。煌国から留学生が来るって約束したから」
「煌国の建築様式も少し取り入れたらどうだ?」リクが提案した。「向こうの人も親しみやすいだろう」
◆
建設が始まると、予想以上に多くの人が協力を申し出てきた。
「英雄様の学校建設なら、俺たちも手伝うぜ!」
王都の大工組合が総出でやってきた。石工、左官、屋根職人……あらゆる職人たちが集まる。
「これは助かるな」
翔太が感謝を述べると、親方が胸を張った。
「虚無王を倒してくれた恩返しさ。それに、面白いものが見られそうだしな」
実際、建設現場では次々と面白い現象が起きた。
《建設速度+300%バフ発動!》
突如として職人たちの動きが高速化する。
「うおっ!? 体が勝手に……でも疲れない!」
「これはすごい、一日で一週間分の仕事ができそうだ!」
ある時は、資材が勝手に整列したり、設計図が立体映像で空中に浮かんだり。
「便利だけど、慣れないな……」
職人たちは戸惑いながらも、その恩恵を活用していく。
カールとレオも積極的に手伝った。
「掃除術で、建設現場を常に清潔に!」
レオが【浄化】を使って粉塵を除去し、カールが資材を綺麗に整頓していく。
「お前ら、大した掃除士だな」
職人たちも感心していた。
◆
建設と並行して、カリキュラムの検討も進められた。
王宮の一室を借りて、会議が開かれる。
「まず基礎課程だ」翔太が黒板に書き始める。「レベル1から20くらいの初心者向け」
基礎課程の内容:
- 掃除道具の正しい使い方
- 物理的清掃の基本技術
- 浄化魔法の初歩
- 掃除の心構えと哲学
「物理的な掃除から始めるのが大切だと思うんだ」
カールが頷く。
「そうですね。いきなり魔法じゃなくて、手を動かすことから」
「応用課程は、レベル21から50向け」ミーナが提案する。
応用課程の内容:
- 状態異常の浄化技術
- 環境浄化(水質、大気)
- チーム掃除術の習得
- 特殊な汚れへの対処法
「チーム掃除術は重要だな」リクが言う。「一人じゃ限界がある」
「そして特別課程」翔太が続ける。「これは選抜制にしよう」
特別課程の内容:
- 心の浄化(精神的アプローチ)
- 概念浄化への第一歩
- 瞑想と内省
- 掃除道の極意
「概念浄化は、才能も必要だからな」
エリーゼが新たな提案をした。
「東の技術も取り入れましょう。リン・シャオさんが言っていた『気の流れ』を読む技術」
「それいいね。東西の技術を融合させた、新しい掃除術が生まれるかも」
さらに議論は続く。
「段位制も面白いかもしれない」ミーナが提案する。「レベルとは別に、技術の習熟度を示す」
「初段から九段まで?」
「そう。レベルが低くても、技術が優れていれば段位は上がる」
「それなら、レベル1でも頑張れば評価されるってことか」
カールの目が輝いた。
◆
教師陣の選定も重要な議題だった。
「校長は翔太さんで決まりでしょう」ガイウスが言う。
「いや、俺は特別講師くらいで……」
「何言ってるんですか!」カールが立ち上がった。「翔太様以外に誰が校長を務められるっていうんです!」
「そうだそうだ」レオも同意する。
結局、翔太が校長を引き受けることになった。
教師陣の配置:
- 翔太:校長兼特別講師(概念浄化)
- カール:基礎技術主任(レベル48)
- レオ:実技指導教官(レベル37)
- リク:戦闘応用講座(掃除×戦闘の融合)
- ミーナ:理論・座学担当主任
- リン・シャオ:特別講師(東西文化交流)※月一回
- エリーゼ:名誉顧問(妊娠中のため軽い役職)
「いい布陣だな」
ガイウスが満足そうに頷く。
「問題は生徒集めだが……」
その心配は杞憂だった。
◆
学校建設のニュースは、瞬く間に王国中に広まった。
『英雄・佐藤翔太が掃除士学校を設立!』
『王立認可! 学費は実質無料!』
『東の大陸からも留学生!』
告知を出してわずか三日で、応募が殺到した。
「応募者が……300人を超えてます」
ミーナが書類の山を前に呆然としている。
「初年度の定員は30人なのに……」
応募者の内訳を見ると、実に多様だった。
王都の若者たちはもちろん、地方からも多くの応募があった。農村から、漁村から、山間の村から。
「掃除士になって、村を綺麗にしたいです」
「環境を守る仕事がしたい」
「翔太様のようになりたい!」
手紙には、それぞれの思いが綴られていた。
さらに、煌国からも早速留学希望者のリストが届いた。
「煌国から5名、第一期生として送りたいとのことです」
リン・シャオからの書簡だった。
選抜をどうするか、新たな会議が開かれた。
「学力試験?」
「いや、掃除に学力は関係ない」
「実技試験?」
「初心者には厳しすぎる」
議論の末、翔太が決めた。
「面接だけにしよう。掃除への情熱と、学ぶ意欲を見る」
「それだけ?」
「それが一番大切だと思うんだ。技術は後からいくらでも身につく。でも、心構えは最初から必要だ」
◆
二週間後、仮校舎を使って面接が行われた。
「どうして掃除士になりたいの?」
翔太の質問に、応募者たちは様々に答えた。
「街を綺麗にしたいから」
「家族が病気で、浄化の技術を学びたい」
「かっこいいから!」
素直な答えもあれば、深い事情を抱えた者もいた。
ある少年は、こう答えた。
「僕の村は、昔、汚染で苦しみました。今は回復しましたが、二度とそんなことが起きないように、守りたいんです」
また、ある女性は、
「子供たちに、物を大切にすること、清潔の大切さを教えたいんです。掃除を通じて」
レベルは問わないという方針通り、合格者のレベルは様々だった。
レベル1の少年、レベル15の主婦、レベル28の元兵士……
「皆、やる気は十分だな」
リクが面接記録を見ながら言う。
最終的に、第一期生として35名が選ばれた。定員を少し超えたが、皆の熱意に応えたかった。
内訳:
- ヴェリディアン王国民:30名
- 煌国留学生:5名
◆
建設開始から一ヶ月。
ついに、ヴェリディアン王立掃除士学校の主要施設が完成した。
「見事なものだ」
国王自ら視察に訪れ、満足そうに施設を見て回る。
本館は白亜の三階建て。座学教室が6つ、図書室、教員室が配置されている。
実技棟は、広大な練習スペースを持つ平屋建て。様々な「汚れ」を人工的に作り出し、浄化の練習ができる。
瞑想棟は、木立に囲まれた静謐な空間。煌国の建築様式も取り入れ、東西の文化が融合したデザインになっている。
国際交流棟は、留学生の生活も考慮した造り。煌国式の茶室まである。
「素晴らしい。これなら、良い学びの場になるだろう」
エリーゼも満足そうだ。体調は良好で、お腹も少し目立ち始めていた。
「この子も、いつかここで学ぶのかしら」
優しくお腹を撫でる。
「きっとね。その頃には、もっと大きな学校になってるかも」
翔太が微笑む。
◆
開校を一週間後に控えた夕方。
翔太とエリーゼは、完成したばかりの校舎の屋上にいた。
「夢みたいだな」
翔太が呟く。
「最弱職と呼ばれた掃除士の学校が、国の認可を受けて建つなんて」
「あなたが頑張った成果よ」
エリーゼが優しく言う。
「いや、皆のおかげだ」
カールとレオは、すでに授業の準備に余念がない。教材を作り、練習メニューを考えている。
リクとミーナも、それぞれの担当講座の準備を進めていた。
「なあ、エリーゼ」
「なに?」
「この学校から、どんな掃除士が育っていくんだろう」
翔太の問いに、エリーゼは少し考えてから答えた。
「きっと、あなたのように優しくて強い掃除士よ」
「俺みたいに?」
「ええ。でも、それぞれが自分なりの掃除の形を見つけていく。それが素敵じゃない?」
確かにその通りだ。
掃除に正解はない。それぞれが、それぞれのやり方で世界を清め、守っていく。
「リクたちも、最近幸せそうだよな」
翔太が話題を変えた。
「ええ。ミーナさんと、いい雰囲気みたい」
「学校の準備で一緒にいる時間も増えたし」
「もしかしたら、近いうちに……」
エリーゼが意味深に微笑む。
「結婚か」
「平和になって、皆がそれぞれの幸せを見つけていくのね」
二人は夕日を眺めながら、穏やかな時間を過ごした。
一週間後の開校式。
そして、新しい掃除士たちの物語が始まる。
世界は確実に、より良い方向へ進んでいた。
━━━━━━━━━━━━━━━
【ステータス】
翔太 Lv.200【創世の掃除士・校長】
HP: 99999/99999
MP: 50000/50000
エリーゼ Lv.60【聖女・生命を宿す者】
HP: 8000/8000
MP: 5000/5000
カール Lv.48【上級浄化士・教官】
レオ Lv.37【正式浄化士・実技担当】
━━━━━━━━━━━━━━━
国王の執務室で、翔太は緊張の面持ちで立っていた。隣にはガイウス騎士団長とエリーゼが同席している。
「はい。昨日の東の大陸との交流で確信しました。掃除の技術を体系的に教える場所が必要です」
国王は顎に手を当て、しばらく考え込んでいた。そして、にやりと笑った。
「面白い! 虚無王を倒した英雄の頼みだ。それに、掃除士が増えれば王国も清潔になる。一石二鳥じゃないか」
「本当にいいんですか?」
「ああ。王国として全面的に支援しよう。場所はどこにする?」
翔太は準備してきた地図を広げた。
「王都郊外の、あの丘の上はどうでしょうか。見晴らしも良いですし、広い土地が確保できます」
「なるほど、あそこか。確かに良い場所だ」
国王は即座に書類に署名した。
「これで正式に土地の使用を許可する。ヴェリディアン王立掃除士学校として、国の認可も与えよう」
「ありがとうございます!」
翔太の顔に安堵と喜びが広がった。
◆
王都郊外の丘に立つと、素晴らしい眺望が広がっていた。
「ここに学校を建てるんだな」
リクが感慨深げに呟く。集まったのは、翔太の仲間たち全員だった。
「すごい! ここなら最高の学校ができるよ!」
カールが興奮気味に駆け回る。レオも目を輝かせていた。
「実技の練習場も作れそうですね」
ミーナが地形を確認しながら言う。
「座学用の教室、実技練習場、瞑想室……必要な施設はたくさんあるな」
翔太が構想を語り始めると、突然、空中に建物の幻影が浮かび上がった。
《システム通知:建築支援モード起動》
《3D設計図を空間投影します》
「また変なことが……」
システムの改変後、こういう予期せぬ機能が時々現れる。でも今回は便利そうだ。
「おお、これは分かりやすい」
空中に浮かぶ透明な建物のイメージ。翔太が手を動かすと、それに合わせて建物の配置が変わっていく。
「本館はここに。三階建てで、座学教室を6つ」
建物が具現化していく。
「実技棟は少し離して。汚れを作って浄化する練習もするから、広めのスペースが必要だ」
「瞑想棟は静かな場所がいいですね」エリーゼが提案する。「あの木立の近くはどうでしょう」
「いいね。自然の中で心を落ち着けられる」
さらに翔太は続けた。
「国際交流棟も必要だ。煌国から留学生が来るって約束したから」
「煌国の建築様式も少し取り入れたらどうだ?」リクが提案した。「向こうの人も親しみやすいだろう」
◆
建設が始まると、予想以上に多くの人が協力を申し出てきた。
「英雄様の学校建設なら、俺たちも手伝うぜ!」
王都の大工組合が総出でやってきた。石工、左官、屋根職人……あらゆる職人たちが集まる。
「これは助かるな」
翔太が感謝を述べると、親方が胸を張った。
「虚無王を倒してくれた恩返しさ。それに、面白いものが見られそうだしな」
実際、建設現場では次々と面白い現象が起きた。
《建設速度+300%バフ発動!》
突如として職人たちの動きが高速化する。
「うおっ!? 体が勝手に……でも疲れない!」
「これはすごい、一日で一週間分の仕事ができそうだ!」
ある時は、資材が勝手に整列したり、設計図が立体映像で空中に浮かんだり。
「便利だけど、慣れないな……」
職人たちは戸惑いながらも、その恩恵を活用していく。
カールとレオも積極的に手伝った。
「掃除術で、建設現場を常に清潔に!」
レオが【浄化】を使って粉塵を除去し、カールが資材を綺麗に整頓していく。
「お前ら、大した掃除士だな」
職人たちも感心していた。
◆
建設と並行して、カリキュラムの検討も進められた。
王宮の一室を借りて、会議が開かれる。
「まず基礎課程だ」翔太が黒板に書き始める。「レベル1から20くらいの初心者向け」
基礎課程の内容:
- 掃除道具の正しい使い方
- 物理的清掃の基本技術
- 浄化魔法の初歩
- 掃除の心構えと哲学
「物理的な掃除から始めるのが大切だと思うんだ」
カールが頷く。
「そうですね。いきなり魔法じゃなくて、手を動かすことから」
「応用課程は、レベル21から50向け」ミーナが提案する。
応用課程の内容:
- 状態異常の浄化技術
- 環境浄化(水質、大気)
- チーム掃除術の習得
- 特殊な汚れへの対処法
「チーム掃除術は重要だな」リクが言う。「一人じゃ限界がある」
「そして特別課程」翔太が続ける。「これは選抜制にしよう」
特別課程の内容:
- 心の浄化(精神的アプローチ)
- 概念浄化への第一歩
- 瞑想と内省
- 掃除道の極意
「概念浄化は、才能も必要だからな」
エリーゼが新たな提案をした。
「東の技術も取り入れましょう。リン・シャオさんが言っていた『気の流れ』を読む技術」
「それいいね。東西の技術を融合させた、新しい掃除術が生まれるかも」
さらに議論は続く。
「段位制も面白いかもしれない」ミーナが提案する。「レベルとは別に、技術の習熟度を示す」
「初段から九段まで?」
「そう。レベルが低くても、技術が優れていれば段位は上がる」
「それなら、レベル1でも頑張れば評価されるってことか」
カールの目が輝いた。
◆
教師陣の選定も重要な議題だった。
「校長は翔太さんで決まりでしょう」ガイウスが言う。
「いや、俺は特別講師くらいで……」
「何言ってるんですか!」カールが立ち上がった。「翔太様以外に誰が校長を務められるっていうんです!」
「そうだそうだ」レオも同意する。
結局、翔太が校長を引き受けることになった。
教師陣の配置:
- 翔太:校長兼特別講師(概念浄化)
- カール:基礎技術主任(レベル48)
- レオ:実技指導教官(レベル37)
- リク:戦闘応用講座(掃除×戦闘の融合)
- ミーナ:理論・座学担当主任
- リン・シャオ:特別講師(東西文化交流)※月一回
- エリーゼ:名誉顧問(妊娠中のため軽い役職)
「いい布陣だな」
ガイウスが満足そうに頷く。
「問題は生徒集めだが……」
その心配は杞憂だった。
◆
学校建設のニュースは、瞬く間に王国中に広まった。
『英雄・佐藤翔太が掃除士学校を設立!』
『王立認可! 学費は実質無料!』
『東の大陸からも留学生!』
告知を出してわずか三日で、応募が殺到した。
「応募者が……300人を超えてます」
ミーナが書類の山を前に呆然としている。
「初年度の定員は30人なのに……」
応募者の内訳を見ると、実に多様だった。
王都の若者たちはもちろん、地方からも多くの応募があった。農村から、漁村から、山間の村から。
「掃除士になって、村を綺麗にしたいです」
「環境を守る仕事がしたい」
「翔太様のようになりたい!」
手紙には、それぞれの思いが綴られていた。
さらに、煌国からも早速留学希望者のリストが届いた。
「煌国から5名、第一期生として送りたいとのことです」
リン・シャオからの書簡だった。
選抜をどうするか、新たな会議が開かれた。
「学力試験?」
「いや、掃除に学力は関係ない」
「実技試験?」
「初心者には厳しすぎる」
議論の末、翔太が決めた。
「面接だけにしよう。掃除への情熱と、学ぶ意欲を見る」
「それだけ?」
「それが一番大切だと思うんだ。技術は後からいくらでも身につく。でも、心構えは最初から必要だ」
◆
二週間後、仮校舎を使って面接が行われた。
「どうして掃除士になりたいの?」
翔太の質問に、応募者たちは様々に答えた。
「街を綺麗にしたいから」
「家族が病気で、浄化の技術を学びたい」
「かっこいいから!」
素直な答えもあれば、深い事情を抱えた者もいた。
ある少年は、こう答えた。
「僕の村は、昔、汚染で苦しみました。今は回復しましたが、二度とそんなことが起きないように、守りたいんです」
また、ある女性は、
「子供たちに、物を大切にすること、清潔の大切さを教えたいんです。掃除を通じて」
レベルは問わないという方針通り、合格者のレベルは様々だった。
レベル1の少年、レベル15の主婦、レベル28の元兵士……
「皆、やる気は十分だな」
リクが面接記録を見ながら言う。
最終的に、第一期生として35名が選ばれた。定員を少し超えたが、皆の熱意に応えたかった。
内訳:
- ヴェリディアン王国民:30名
- 煌国留学生:5名
◆
建設開始から一ヶ月。
ついに、ヴェリディアン王立掃除士学校の主要施設が完成した。
「見事なものだ」
国王自ら視察に訪れ、満足そうに施設を見て回る。
本館は白亜の三階建て。座学教室が6つ、図書室、教員室が配置されている。
実技棟は、広大な練習スペースを持つ平屋建て。様々な「汚れ」を人工的に作り出し、浄化の練習ができる。
瞑想棟は、木立に囲まれた静謐な空間。煌国の建築様式も取り入れ、東西の文化が融合したデザインになっている。
国際交流棟は、留学生の生活も考慮した造り。煌国式の茶室まである。
「素晴らしい。これなら、良い学びの場になるだろう」
エリーゼも満足そうだ。体調は良好で、お腹も少し目立ち始めていた。
「この子も、いつかここで学ぶのかしら」
優しくお腹を撫でる。
「きっとね。その頃には、もっと大きな学校になってるかも」
翔太が微笑む。
◆
開校を一週間後に控えた夕方。
翔太とエリーゼは、完成したばかりの校舎の屋上にいた。
「夢みたいだな」
翔太が呟く。
「最弱職と呼ばれた掃除士の学校が、国の認可を受けて建つなんて」
「あなたが頑張った成果よ」
エリーゼが優しく言う。
「いや、皆のおかげだ」
カールとレオは、すでに授業の準備に余念がない。教材を作り、練習メニューを考えている。
リクとミーナも、それぞれの担当講座の準備を進めていた。
「なあ、エリーゼ」
「なに?」
「この学校から、どんな掃除士が育っていくんだろう」
翔太の問いに、エリーゼは少し考えてから答えた。
「きっと、あなたのように優しくて強い掃除士よ」
「俺みたいに?」
「ええ。でも、それぞれが自分なりの掃除の形を見つけていく。それが素敵じゃない?」
確かにその通りだ。
掃除に正解はない。それぞれが、それぞれのやり方で世界を清め、守っていく。
「リクたちも、最近幸せそうだよな」
翔太が話題を変えた。
「ええ。ミーナさんと、いい雰囲気みたい」
「学校の準備で一緒にいる時間も増えたし」
「もしかしたら、近いうちに……」
エリーゼが意味深に微笑む。
「結婚か」
「平和になって、皆がそれぞれの幸せを見つけていくのね」
二人は夕日を眺めながら、穏やかな時間を過ごした。
一週間後の開校式。
そして、新しい掃除士たちの物語が始まる。
世界は確実に、より良い方向へ進んでいた。
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【ステータス】
翔太 Lv.200【創世の掃除士・校長】
HP: 99999/99999
MP: 50000/50000
エリーゼ Lv.60【聖女・生命を宿す者】
HP: 8000/8000
MP: 5000/5000
カール Lv.48【上級浄化士・教官】
レオ Lv.37【正式浄化士・実技担当】
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その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
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