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第32話 三体合一
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五つの鍵を巡る競争が始まった朝、各国の探索隊はそれぞれの目的地へと散っていった。
「帝国に遅れを取るわけにはいかん!」
ヴァレリアのガルヴァン将軍が叫ぶと、精鋭騎士団二十名が西へと疾走した。彼らの鎧が朝日を反射し、まるで銀の流星のようだった。
「神の導きに従いましょう」
セレスティアのメルキオール大司教は聖歌隊と共に東へ向かった。優雅な讃美歌が風に乗って遠ざかっていく。
「投資対効果、最大値で計算完了」
東方連合のチェン・ロン会頭は、魔道計算機を操作しながら南へと馬車を走らせた。護衛たちが警戒しながら周囲を固めている。
北方諸侯のアイゼン男爵だけは、深い溜め息をついた。
「これ以上、厄介事に巻き込まれたくないものだ」
彼らは足早に帝都へと帰還していった。
残されたレオンたちは、北を目指すことになった。
「冒険だ~! 北の山は寒いって聞いたことある~!」
マリーナが両手を上げて飛び跳ねた。水色のスライムたちが、彼女の周りで水の輪を作って踊る。
「みんなで力を合わせれば、きっと鍵も見つかりますね」
フィルミナが優しく微笑む。白いスライムたちが、淡い光を放ちながら共鳴の準備を始めていた。
「……めんどくさい」
テラは小さくため息をついたが、茶色のスライムたちと共に歩き始めた。地面に手を触れると、北への最短ルートが頭に浮かぶ。
しかし、空を見上げたレオンの表情が曇った。
「おかしいな……この雲の流れ」
確かに、北の空に不自然な渦巻き状の雲が形成されている。まるで何かが大気を攪拌しているかのようだった。
野生のスライムたちも異常な行動を見せ始めた。普段は大人しい彼らが、何かに怯えるように地面の下へと潜っていく。
そして——大地が微かに震えた。
プリマがぷるぷると警戒の震えを見せる。
「嫌な予感がするな……急ごう」
---
北の山脈に到着した時、一行は息を呑んだ。
万年雪に覆われた頂上。空気は薄く、吐く息が白い霧となって消えていく。そして目の前には、岩肌に刻まれた巨大な扉があった。古代遺跡の入り口だ。
「すごい~! 氷みたい~!」
マリーナが雪を掬い上げて投げる。しかし次の瞬間、地面が激しく振動した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ——!
雪崩かと思った瞬間、それは立ち上がった。
高さ三十メートル。全身が古代文字で覆われた巨大な岩石ゴーレム。その瞳に、赤い光が宿る。
『侵入者排除』
古代語の音声が響き渡った。レオンだけが、かろうじてその意味を理解する。
「守護者だ! 古代装置の——」
言い終わる前に、ゴーレムが腕を振り上げた。
ドォォォォン!
岩石の雨が降り注ぐ。一つ一つが馬車ほどの大きさで、当たれば即死は免れない。
「全員散開!」
ガイウス隊長が帝国兵を指揮する。魔法使いたちが防御結界を展開するが、岩石の重量に耐えきれずに次々と破られていく。
「剣が効かない!」
兵士たちの攻撃は、ゴーレムの表面で火花を散らすだけだった。魔法攻撃すら、古代文字に吸収されて無効化される。
「撤退を——」
ガイウス隊長が叫びかけた、その時。
「この守護者さんも……きっと寂しいだけかもしれません」
フィルミナが前に出た。白いスライムたちが彼女の周りに集まり、優しい光を放ち始める。
「大きいの~! 実験したい~!」
マリーナが水流を操り、ゴーレムの関節部分を探り始めた。まるで巨大な玩具を分解しようとする子供のように。
「……古い友達です」
テラが静かに呟いた。その瞳に、三百年前の記憶の断片が蘇る。大地を守る者。侵略者から遺跡を護る、孤独な番人。
レオンはプリマと共に、ゴーレムの構造を必死に解析していた。
「核がある……中央部に力の源が! でも破壊したら遺跡も崩壊する可能性が……」
研究ノートに図を描きながら、別の方法を模索する。
「共鳴だ! 三人で共鳴すれば、破壊せずに無力化できるかもしれない!」
---
三人の少女が、三角形の配置につく。
フィルミナが北の頂点。マリーナが南東。テラが南西。それぞれが手を繋ぎ、意識を一つに集中させる。
最初に光り始めたのは、青い光だった。マリーナの水色のスライムたちが作り出す、海のような深い輝き。
次に白い光。フィルミナの白いスライムたちが放つ、雪原を照らす優しい光。
最後に茶色の光。テラの茶色のスライムたちが宿す、大地の温もりを持った光。
三つの光が螺旋を描いて昇っていく。それらが混ざり合った瞬間——
虹色の光が爆発的に広がった。
周囲の雪が舞い上がり、まるで光の竜巻のようになる。その美しさに、帝国兵たちも戦闘を忘れて見入ってしまう。
しかし——
「合わせられない……!」
フィルミナが苦しそうに叫んだ。三人の意識がバラバラで、力は増幅されるものの制御が効かない。虹色の光が暴走し始め、周囲の岩を粉砕していく。
「プリマ、彼女たちを助けて!」
レオンの叫びに応えて、プリマが緑の光を放った。その光が三色の光に加わると、不思議なことに全体が安定し始める。四色の光が調和を保ちながら、ゆっくりと脈動した。
遠くで様子を窺っていた各国の密偵たちが、慌てて本国に報告を送る。
「三体が融合を試みている!」
「帝国の新兵器か?」
「いや、これは神の奇跡だ!」
「商品価値、測定不能……!」
---
「みんなで歌おう~!」
突然、マリーナが歌い始めた。それは海の歌——波の音、風の音、そしてクジラの歌声を真似た不思議な旋律。
リズムが生まれた。三人の呼吸が、波のリズムに合わせて同調していく。
「みんなの心を一つに……」
フィルミナが祈りを捧げる。白い光が全体を包み込み、愛と調和の波動が広がっていく。それは母親が子供を包むような、優しくて温かい光だった。
「……ゴーレムさん、聞いて」
テラが大地に両手をつけた。土を通じて、古代の守護者に語りかける。
「あなたは……ずっと一人で……ここを守ってきた……」
三百年前の記憶。魔王との戦い。そして、主を失った後も任務を続ける、孤独な守護者の姿。
三人の意識が、ついに完全に重なった。
「「「トリニティ・レゾナンス!」」」
三つの声が一つになって響き渡る。
巨大な光の柱が天に向かって立ち昇った。虹色の翼が空に広がり、まるで伝説の不死鳥が羽ばたいているかのようだった。時間が一瞬止まったような静寂が訪れ、雪の結晶一つ一つが虹色に輝いて見える。
その圧倒的な存在感に、ゴーレムが動きを止めた。
赤い光が消え、代わりに古代文字が優しい金色の光を放ち始める。
『友……また会えた……』
ゴーレムの声が、今度は懐かしさに満ちていた。巨大な体が膝をつき、胸部がゆっくりと開く。そこから、青く輝く鍵が姿を現した。
『資格……ある……』
テラが静かに頷いた。
「……お疲れ様でした……守護者さん」
ゴーレムは満足したように目を閉じ、再び眠りについた。今度は敵を待つのではなく、友との再会を夢見ながら。
「素晴らしい! 完璧な調和だ!」
レオンが興奮のあまり、研究ノートに猛烈な勢いで記録を取っている。
「これで論文が二十本は書ける! いや、三十本だ! 共鳴係数の変化、魔素の流動パターン、古代装置との同調メカニズム——」
プリマも興奮してぷるぷると震えていた。
---
青い鍵を手に取ると、それは眩い光を放った。
空中に浮かび上がる光の地図。今まで見えなかった情報が次々と追加されていく。そして中央に浮かび上がる文字——『始まりの地』。
『五つ揃いし時、真実は明かされる』
『しかし、心が一つでなければ——』
警告の文字が赤く点滅して消えた。
その時、レオンの通信魔道具が激しく振動した。各国の状況が次々と入ってくる。
「ヴァレリアが西の鍵獲得に苦戦中!『帝国に遅れを取るな!』だそうです」
ガイウス隊長が報告する。
「セレスティアは東の鍵の試練に直面。『信仰が試されている』とのこと」
「東方連合は……おや、南の鍵を巡って内部分裂?『利益配分で揉めている』らしいですね」
レオンは苦笑した。どこも一筋縄ではいかないようだ。
しかし、次の報告で顔色が変わった。
帝都からの緊急連絡。リヴィエルの声が、明らかに動揺している。
『レオン様、大変です! ヴァレンタス宰相が動きました!』
「何だって?」
『陛下が——皇帝陛下が幽閉されたという噂が! 帝都は今、混乱状態です!』
レオンは苦渋の表情を浮かべた。帝都に戻るべきか、それとも残りの鍵を——
「私たちが残りの鍵を集めます」
フィルミナが優しく微笑んだ。
「レオン様は帝都へ~! 大丈夫、私たちに任せて~!」
マリーナも元気よく手を挙げる。
「……また必ず会いましょう」
テラも静かに頷いた。
レオンは三人を見つめた。トリニティ・レゾナンスを成功させた彼女たちなら、きっと大丈夫だろう。
「分かった。君たちを信じる」
こうしてチームは二手に分かれることになった。
レオンとガイウス隊長率いる帝国軍は帝都へ。三体の覚醒個体たちは、残りの鍵を求めて各地へ。
「でも……」
レオンが振り返る。
「これは罠かもしれない。宰相が僕を帝都に呼び戻すための——」
プリマが心配そうにぷるぷると震えた。
遠く帝都の方角を見つめるレオンの瞳に、不安の影が宿る。
北の山脈に夕日が沈み始めた。オレンジ色の光が雪原を染め、まるで血のように見える。それは、来るべき戦いの予兆だろうか。
三体合一の奇跡は成し遂げられた。
しかし、真の試練はこれから始まろうとしていた。
「帝国に遅れを取るわけにはいかん!」
ヴァレリアのガルヴァン将軍が叫ぶと、精鋭騎士団二十名が西へと疾走した。彼らの鎧が朝日を反射し、まるで銀の流星のようだった。
「神の導きに従いましょう」
セレスティアのメルキオール大司教は聖歌隊と共に東へ向かった。優雅な讃美歌が風に乗って遠ざかっていく。
「投資対効果、最大値で計算完了」
東方連合のチェン・ロン会頭は、魔道計算機を操作しながら南へと馬車を走らせた。護衛たちが警戒しながら周囲を固めている。
北方諸侯のアイゼン男爵だけは、深い溜め息をついた。
「これ以上、厄介事に巻き込まれたくないものだ」
彼らは足早に帝都へと帰還していった。
残されたレオンたちは、北を目指すことになった。
「冒険だ~! 北の山は寒いって聞いたことある~!」
マリーナが両手を上げて飛び跳ねた。水色のスライムたちが、彼女の周りで水の輪を作って踊る。
「みんなで力を合わせれば、きっと鍵も見つかりますね」
フィルミナが優しく微笑む。白いスライムたちが、淡い光を放ちながら共鳴の準備を始めていた。
「……めんどくさい」
テラは小さくため息をついたが、茶色のスライムたちと共に歩き始めた。地面に手を触れると、北への最短ルートが頭に浮かぶ。
しかし、空を見上げたレオンの表情が曇った。
「おかしいな……この雲の流れ」
確かに、北の空に不自然な渦巻き状の雲が形成されている。まるで何かが大気を攪拌しているかのようだった。
野生のスライムたちも異常な行動を見せ始めた。普段は大人しい彼らが、何かに怯えるように地面の下へと潜っていく。
そして——大地が微かに震えた。
プリマがぷるぷると警戒の震えを見せる。
「嫌な予感がするな……急ごう」
---
北の山脈に到着した時、一行は息を呑んだ。
万年雪に覆われた頂上。空気は薄く、吐く息が白い霧となって消えていく。そして目の前には、岩肌に刻まれた巨大な扉があった。古代遺跡の入り口だ。
「すごい~! 氷みたい~!」
マリーナが雪を掬い上げて投げる。しかし次の瞬間、地面が激しく振動した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ——!
雪崩かと思った瞬間、それは立ち上がった。
高さ三十メートル。全身が古代文字で覆われた巨大な岩石ゴーレム。その瞳に、赤い光が宿る。
『侵入者排除』
古代語の音声が響き渡った。レオンだけが、かろうじてその意味を理解する。
「守護者だ! 古代装置の——」
言い終わる前に、ゴーレムが腕を振り上げた。
ドォォォォン!
岩石の雨が降り注ぐ。一つ一つが馬車ほどの大きさで、当たれば即死は免れない。
「全員散開!」
ガイウス隊長が帝国兵を指揮する。魔法使いたちが防御結界を展開するが、岩石の重量に耐えきれずに次々と破られていく。
「剣が効かない!」
兵士たちの攻撃は、ゴーレムの表面で火花を散らすだけだった。魔法攻撃すら、古代文字に吸収されて無効化される。
「撤退を——」
ガイウス隊長が叫びかけた、その時。
「この守護者さんも……きっと寂しいだけかもしれません」
フィルミナが前に出た。白いスライムたちが彼女の周りに集まり、優しい光を放ち始める。
「大きいの~! 実験したい~!」
マリーナが水流を操り、ゴーレムの関節部分を探り始めた。まるで巨大な玩具を分解しようとする子供のように。
「……古い友達です」
テラが静かに呟いた。その瞳に、三百年前の記憶の断片が蘇る。大地を守る者。侵略者から遺跡を護る、孤独な番人。
レオンはプリマと共に、ゴーレムの構造を必死に解析していた。
「核がある……中央部に力の源が! でも破壊したら遺跡も崩壊する可能性が……」
研究ノートに図を描きながら、別の方法を模索する。
「共鳴だ! 三人で共鳴すれば、破壊せずに無力化できるかもしれない!」
---
三人の少女が、三角形の配置につく。
フィルミナが北の頂点。マリーナが南東。テラが南西。それぞれが手を繋ぎ、意識を一つに集中させる。
最初に光り始めたのは、青い光だった。マリーナの水色のスライムたちが作り出す、海のような深い輝き。
次に白い光。フィルミナの白いスライムたちが放つ、雪原を照らす優しい光。
最後に茶色の光。テラの茶色のスライムたちが宿す、大地の温もりを持った光。
三つの光が螺旋を描いて昇っていく。それらが混ざり合った瞬間——
虹色の光が爆発的に広がった。
周囲の雪が舞い上がり、まるで光の竜巻のようになる。その美しさに、帝国兵たちも戦闘を忘れて見入ってしまう。
しかし——
「合わせられない……!」
フィルミナが苦しそうに叫んだ。三人の意識がバラバラで、力は増幅されるものの制御が効かない。虹色の光が暴走し始め、周囲の岩を粉砕していく。
「プリマ、彼女たちを助けて!」
レオンの叫びに応えて、プリマが緑の光を放った。その光が三色の光に加わると、不思議なことに全体が安定し始める。四色の光が調和を保ちながら、ゆっくりと脈動した。
遠くで様子を窺っていた各国の密偵たちが、慌てて本国に報告を送る。
「三体が融合を試みている!」
「帝国の新兵器か?」
「いや、これは神の奇跡だ!」
「商品価値、測定不能……!」
---
「みんなで歌おう~!」
突然、マリーナが歌い始めた。それは海の歌——波の音、風の音、そしてクジラの歌声を真似た不思議な旋律。
リズムが生まれた。三人の呼吸が、波のリズムに合わせて同調していく。
「みんなの心を一つに……」
フィルミナが祈りを捧げる。白い光が全体を包み込み、愛と調和の波動が広がっていく。それは母親が子供を包むような、優しくて温かい光だった。
「……ゴーレムさん、聞いて」
テラが大地に両手をつけた。土を通じて、古代の守護者に語りかける。
「あなたは……ずっと一人で……ここを守ってきた……」
三百年前の記憶。魔王との戦い。そして、主を失った後も任務を続ける、孤独な守護者の姿。
三人の意識が、ついに完全に重なった。
「「「トリニティ・レゾナンス!」」」
三つの声が一つになって響き渡る。
巨大な光の柱が天に向かって立ち昇った。虹色の翼が空に広がり、まるで伝説の不死鳥が羽ばたいているかのようだった。時間が一瞬止まったような静寂が訪れ、雪の結晶一つ一つが虹色に輝いて見える。
その圧倒的な存在感に、ゴーレムが動きを止めた。
赤い光が消え、代わりに古代文字が優しい金色の光を放ち始める。
『友……また会えた……』
ゴーレムの声が、今度は懐かしさに満ちていた。巨大な体が膝をつき、胸部がゆっくりと開く。そこから、青く輝く鍵が姿を現した。
『資格……ある……』
テラが静かに頷いた。
「……お疲れ様でした……守護者さん」
ゴーレムは満足したように目を閉じ、再び眠りについた。今度は敵を待つのではなく、友との再会を夢見ながら。
「素晴らしい! 完璧な調和だ!」
レオンが興奮のあまり、研究ノートに猛烈な勢いで記録を取っている。
「これで論文が二十本は書ける! いや、三十本だ! 共鳴係数の変化、魔素の流動パターン、古代装置との同調メカニズム——」
プリマも興奮してぷるぷると震えていた。
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青い鍵を手に取ると、それは眩い光を放った。
空中に浮かび上がる光の地図。今まで見えなかった情報が次々と追加されていく。そして中央に浮かび上がる文字——『始まりの地』。
『五つ揃いし時、真実は明かされる』
『しかし、心が一つでなければ——』
警告の文字が赤く点滅して消えた。
その時、レオンの通信魔道具が激しく振動した。各国の状況が次々と入ってくる。
「ヴァレリアが西の鍵獲得に苦戦中!『帝国に遅れを取るな!』だそうです」
ガイウス隊長が報告する。
「セレスティアは東の鍵の試練に直面。『信仰が試されている』とのこと」
「東方連合は……おや、南の鍵を巡って内部分裂?『利益配分で揉めている』らしいですね」
レオンは苦笑した。どこも一筋縄ではいかないようだ。
しかし、次の報告で顔色が変わった。
帝都からの緊急連絡。リヴィエルの声が、明らかに動揺している。
『レオン様、大変です! ヴァレンタス宰相が動きました!』
「何だって?」
『陛下が——皇帝陛下が幽閉されたという噂が! 帝都は今、混乱状態です!』
レオンは苦渋の表情を浮かべた。帝都に戻るべきか、それとも残りの鍵を——
「私たちが残りの鍵を集めます」
フィルミナが優しく微笑んだ。
「レオン様は帝都へ~! 大丈夫、私たちに任せて~!」
マリーナも元気よく手を挙げる。
「……また必ず会いましょう」
テラも静かに頷いた。
レオンは三人を見つめた。トリニティ・レゾナンスを成功させた彼女たちなら、きっと大丈夫だろう。
「分かった。君たちを信じる」
こうしてチームは二手に分かれることになった。
レオンとガイウス隊長率いる帝国軍は帝都へ。三体の覚醒個体たちは、残りの鍵を求めて各地へ。
「でも……」
レオンが振り返る。
「これは罠かもしれない。宰相が僕を帝都に呼び戻すための——」
プリマが心配そうにぷるぷると震えた。
遠く帝都の方角を見つめるレオンの瞳に、不安の影が宿る。
北の山脈に夕日が沈み始めた。オレンジ色の光が雪原を染め、まるで血のように見える。それは、来るべき戦いの予兆だろうか。
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そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
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