転生王子はスライムを育てたい ~最弱モンスターが世界を変える科学的飼育法~

宵町あかり

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第49話 空中遺跡と風の守護者

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 朝日が東の空から昇り、空中遺跡を金色に染めていた。

 高原の野営地で、レオンと四人の覚醒個体、リヴィエルは出発の準備を整えていた。護衛隊には地上で待機するよう指示を出している。今回の探索は、レオン、四体、リヴィエル、そしてスライムだけで行う予定だった。

「本当に大丈夫なのですか、殿下」

 炎龍騎士団の隊長であるガルヴァンが、不安そうな表情でレオンに尋ねる。レオンを無防備な状態で送り出すことへの抵抗が、その言葉の端々に滲んでいた。

 レオンは彼の肩に手を置き、優しく微笑んだ。

「大丈夫です。今回は慎重な接触が必要なんです。大軍で押しかけたら、相手を怖がらせてしまう」

 その言葉に、メルキオールが深く頷いて祈りを捧げる。

「神の加護がありますように」

 チェン・ロンも算盤を叩きながら、冷静な声で言った。

「無事の帰還を祈ります。我々は待機の構えを整えております」

 三国の護衛隊が、遠くから望遠鏡でレオンたちを見守る体制を整えた。万が一の事態に備え、いつでも突入できるよう準備している。

 レオンたちは遺跡へと続く光の橋へ向かう。橋は朝日を受けて、虹色に輝いていた。

 先頭を歩くフィルミナが、深呼吸をしてから一歩踏み出す。

「行きましょう、レオン様」

 光の橋の上に足を踏み入れると、足元が透けて見えた。遥か下の大地が、眩しいほどに遠い。でも、橋はしっかりと足を支えてくれた。魔法陣の光が足の下で輝き、浮遊の魔力を感じ取れる。

 リヴィエルが橋の端を見下ろし、少し緊張した様子で呟く。

「高いですね…でも、この魔法技術は本当に凄い」

 そんな彼女に、クリスタが笑顔で応じた。

「でも、この景色は最高!こんな体験、滅多にできないわよ」

 橋を渡りながら、レオンは周囲を観察していた。古代の魔法陣が橋の下に浮かび、複雑な紋様を描いている。浮遊の原理、魔力の流れ、全てが学びの対象だった。

(こんな高度な魔法技術が…この先に、新しい仲間が待っている)

 期待と緊張が胸の中で混ざり合う。研究者としての興奮と、新しい出会いへの不安——どちらも、レオンの心を揺さぶっていた。

 橋を渡り切ると、最初の石の島に到着した。

 広い石畳の広場が広がり、その先に古代の建造物が見えてくる。石柱が並び、複雑な彫刻が施されていた。風の紋章、魔法文字、様々な意匠が石に刻まれている。

 フィルミナは目を閉じ、魔力を感じ取ろうと集中した。

「とても強い気配…でも、優しい」

(この魔力…私たちと同じ。私たちが、この子を守る)

 リーダーとしての使命感が胸を満たす。追放者から救済者へ——フィルミナは自分たちの役割を理解していた。かつて救われた者が、今度は救う側になる。その循環が、今ここで完成しようとしていた。

 一行が遺跡の内部へと進む。石造りの回廊が続き、風が常に吹き抜けていた。窓から差し込む光が、回廊を幻想的に照らしている。

 古い石壁に触れたテラは、その記憶の残滓を感じ取っていた。

「古い…とても古い記憶」

 その言葉を聞いて、マリーナが周囲を見回す。

「誰かが住んでいた気配がする。この遺跡には、確かに生活の痕跡が残っているわ」

 回廊を進むと、徐々に風の音が大きくなってきた。優しい風の音——まるで誰かが歌っているような、不思議な響きだった。

 地上では、護衛隊が緊張した様子で見守っていた。

 ガルヴァンが望遠鏡を覗く。

「殿下が遺跡に入られた…突入部隊の準備を!」

 メルキオールが杖を掲げる。

「神よ、殿下をお守りください」

 チェン・ロンが冷静に言う。

「殿下の指示は『待機』です。我々は信じて待ちましょう」

 護衛隊の兵士たちが、不満げに呟く。

「本当に大丈夫なのか…」

「せめて偵察を…」

 でも、レオンの指示は絶対だった。護衛隊は、ただ祈りながら見守ることしかできなかった。

---

 回廊を進むと、やがて巨大な扉の前に出た。

 高さ十メートルはある石造りの扉——その表面には、複雑な魔法陣が刻まれている。風の紋章が中央にあり、六つの円が周囲を囲んでいた。

 レオンはその扉を見上げ、魔法陣の構造を理解しようと試みる。

「すごい…これは六体共鳴の魔法陣だ」

 フィルミナの表情が真剣なものに変わり、一歩前に出た。

「みんな、手を繋いで」

 四人が手を繋ぐ。白、茶、青、紺——四色の光が四人の周りを包み、扉へと伸びていく。

 それに呼応するように、魔法陣が反応を始めた。四色の光が円の四つを照らし、淡く輝いている。でも、残りの円はまだ暗いままだった。

 クリスタは魔法陣を見つめながら、小さく呟く。

「この封印…私たちと同じ」

(この魔法陣は、六体目を求めている。一緒に、この子を救おう)

 共感と決意——クリスタの胸の中で、想いが交錯していた。自分もかつて封じられていた。その痛みを知っているからこそ、今度は救う側になりたい。

 扉がゆっくりと開き始める。重い石の音が響き、中から強い風が吹き出してきた。風に乗って、優しい魔力の気配が伝わってくる。

 扉が完全に開くと、その先に暗い神殿の内部が見えた。

 風の音だけが響いている——不思議な静けさと、何かを待つような空気が、神殿を満たしていた。

 レオンが一歩踏み出す。

「行こう」

 四体、リヴィエル、スライムが、レオンに続いた。

---

 神殿の最奥部——円形の広間に、一行は辿り着いた。

 薄暗い空間に、中央の魔法陣だけが淡く光っている。その魔法陣の中心に、少女が膝を抱えて座っていた。

 背を向けたまま、動かない。

 銀色の長い髪が、風に揺れている。白と青の古代衣装——ぼろぼろだが、優雅な雰囲気を保っていた。少女の周りを、風が渦巻いている。まるで守るように、そして同時に縛るように。

 レオンは優しい声で、静かに呼びかけた。

「こんにちは」

 少女が少しだけ反応する。でも、顔を上げない。

「また…誰かが来た」

 か細い声——どこか諦めたような、虚ろな響きがあった。

 フィルミナは深呼吸をして、一歩前に出る。彼女の表情には、確かな決意が浮かんでいた。

「私たちは、あなたに会いに来ました」

 少女がゆっくりと顔を上げる。

 青灰色の瞳——虚ろで、悲しげで、でも奥にわずかな光が宿っていた。無表情な顔に、300年の孤独が滲み出ている。か弱い体つきだが、その周りを渦巻く風の魔力は、強大な力を秘めていた。

 レオンは胸を打たれる。

(こんなに若い子が…300年も、一人で)

 研究者としての興味ではなく、純粋な同情——レオンの胸の中で、想いが溢れていた。自分よりも遥かに長い時間、孤独に耐えてきた少女。その痛みを、少しでも理解したかった。

 少女がレオンを見つめる。

「あなたは…誰?」

 レオンは穏やかに微笑みかけた。

「僕はレオン。君の名前は?」

 少女が少し戸惑う。

「名前…エオリア」

「エオリア…綺麗な名前だね」

 エオリアの目が、わずかに見開かれる。名前を褒められるなんて、何百年ぶりだろうか。

 四体がエオリアの前に集まる。

 フィルミナは温かい笑顔を浮かべ、優しい声で語りかけた。

「エオリア、私たちはあなたの仲間です」

 フィルミナが続けて、自分たちの境遇を伝える。

「私たちも、同じように孤独だった者。だから、あなたの気持ちがわかる」

 クリスタは手を伸ばし、エオリアに向けて希望に満ちた声で呼びかける。

「一緒に、ここを出よう。もう一人で戦わなくていいの」

 マリーナの顔に、明るい笑顔が広がった。

「家族になろう。私たちと一緒に」

 テラが最後に、静かだが確かな声で付け加える。

「もう一人じゃない。私たちがいる」

 リヴィエルも静かに頷きながら、エオリアに寄り添う。

「私たちが守るから。もう怖がらなくていい」

 エオリアの目に、わずかに光が宿る。でも、すぐに虚ろな表情に戻った。

(また...誰かが来た。でも、どうせ...みんな去っていく)

 300年の孤独が教えた絶望——エオリアの心の中で、希望と諦めが戦っていた。何度も期待して、何度も裏切られた。もう、誰も信じられない。でも、それでも——この人たちの目は、優しかった。

 スライムが「シュワアア」と鳴いて、エオリアの方へ飛んでいく。

 エオリアが少し驚いて、スライムを見つめた。

「これは...何?」

 レオンが笑顔で答える。

「僕の友達のスライムだよ」

 スライムがエオリアの手の上に乗る。温かい感触——エオリアは、その温もりに少しだけ心が和んだ。

---

 四体がエオリアの周りを囲む。

 レオンとリヴィエル、スライムは少し離れて、優しく見守っていた。

 フィルミナが手を伸ばす。

「共鳴しましょう」

 四人が手を繋ぎ、エオリアに向けて魔力を送る。白、茶、青、紺——四色の光がエオリアを包み始めた。

 エオリアは驚いたように目を見開く。

「これは...温かい」

 光が徐々に強くなる。風の魔力が四色の光に呼応し、銀色の気配が加わっていく。四色の光と風の銀色——五つの色が調和し、広間全体を照らし始めた。

 エオリアの周りを渦巻いていた風が、攻撃的な気配から保護的で優しいものへと、少しずつ変化していく。

 魔法陣が強く反応する。広間全体が光に包まれ、封印が少しずつ解けていく様子が見えた。

 エオリアの青灰色の瞳に、確かな光が戻ってくる。輝きが宿り、表情に感情が現れ始めた。

 驚き——戸惑い——そして、微かな希望。

 エオリアが初めて、か細いながらも確かな存在感のある声で言葉を発する。

「あなた...たちは?」

 フィルミナは彼女を包み込むように、優しく答えた。

「私たちは、あなたの家族」

 クリスタが希望に満ちた表情で、手を差し伸べる。

「一緒に来て。もう、ここにいる必要はないわ」

 マリーナの顔に、喜びの涙が浮かぶ。

「やっと会えた...新しい家族」

(新しい仲間...やっと会えた。私たちの家族が、また増える)

 喜びと感動——マリーナの胸の中で、想いが溢れていた。追放された者同士が集まり、家族になる。その奇跡を、もう一度目の当たりにしている。この喜びを、エオリアと分かち合いたかった。

 リヴィエルは穏やかな笑顔を浮かべ、エオリアの不安を和らげようとする。

「大丈夫。私たちが守るから」

(私も、レオン様に救われて家族ができた。今度は私が、この子を支える番)

 かつて自分も貴族家が没落し、レオンに救われた記憶が蘇る。あの時の不安と、そして安心——それを、今エオリアに伝えたい。リヴィエルの心は、静かな決意に満ちていた。

 テラが深い声で、静かに付け加える。

「私たちが、守る。もう誰にも、傷つけさせない」

 エオリアの表情が変化していく。無表情から、少しずつ感情が浮かび上がる。戸惑いと、希望と、そして——涙。

「温かい...これは何...?」

(温かい...こんな感覚、忘れていた。これが...家族?)

 エオリアの心の中で、何かが溶けていく。300年間凍りついていた感情が、少しずつ温かくなっていく。この人たちは、本当に自分を受け入れてくれるのだろうか。そんな希望が、胸の中で芽生え始めていた。

 共鳴が強まる。五色の光が広間を満たし、遺跡全体が輝き始めた。外から見ても分かるほど、強い光が神殿を包んでいく。

 スライムが「シュワアア!」と喜びの声を上げる。

---

 エオリアは震える足でゆっくりと立ち上がる。

 足元が少しふらついたが、フィルミナがすぐに支えた。

「大丈夫?」

 エオリアは小さく頷く。

「うん...大丈夫」

 五人が手を繋ぐ。白、茶、青、紺、そして銀色——五色の光が広間を満たし、圧倒的な美しさで輝いていく。魔法陣が完全に反応し、封印が解けていく音が響いた。

 遺跡全体が光に包まれる。外から見ても、その光は眩しいほどだった。

 レオンは温かい笑顔を浮かべ、エオリアに語りかける。

「ようこそ、僕たちの家族へ」

 エオリアは、初めて微かな笑顔を見せた。小さな、でも確かな笑顔——それは、300年ぶりの希望の証だった。

 地上では、護衛隊が遺跡全体が光るのを見ていた。

 ガルヴァンは剣を高々と掲げ、勝利を宣言する。

「作戦成功!空中要塞を制圧したぞ!」

 メルキオールが感動の涙を浮かべながら、祈りを捧げる。

「神域の奇跡!歴史的瞬間だ!」

 チェン・ロンは素早く算盤を叩き、その価値を計算していた。

「新資源確保成功!これは大変な価値がある!」

 一般の兵士たちが歓声を上げる。

「レオン様万歳!」

「世界統一また一歩!」

 レオンの知らないところで、また新たな伝説が生まれようとしていた。

 神殿の中で、五人の覚醒個体が手を繋いだまま立っている。

 エオリアが小さく、震える声で呟く。

「私には...罪があります」

 フィルミナは彼女の手をしっかりと握りしめ、力強く答えた。

「大丈夫。私たちがいる」

 レオンも穏やかに頷きながら、エオリアに寄り添う。

「ゆっくり、話してくれればいい。急がなくていいから」

 クリスタが両手でエオリアの手を包み込む。

「何があっても、家族だから。一緒に乗り越えられる」

 マリーナは明るい笑顔を見せながら、希望に満ちた声で言う。

「一緒に乗り越えよう。もう一人で抱え込む必要はないわ」

 テラが静かだが、確かな声で付け加える。

「私たちは、仲間。どんな過去があっても、それは変わらない」

 リヴィエルは優しく微笑みながら、エオリアの肩に手を置いた。

「もう一人じゃない。これからは、ずっと一緒だから」

 エオリアの目から、一筋の涙が流れた。

(温かい...家族...私にも、居場所が)

 希望——それは、300年の孤独を経て、ようやく訪れた光だった。暗闇の中で待ち続けた少女に、ついに家族が現れた。この温もりを、二度と手放したくない。そんな想いが、エオリアの胸を満たしていた。

 遺跡の光が、徐々に穏やかになっていく。五体共鳴の力が、遺跡全体を優しく包んでいた。

 新しい家族——五人の覚醒個体が、ここに誕生した。

 風の守護者エオリアは、もう一人ではなかった。
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