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第76話 古代遺跡の発見とパズル解明
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古代音叉を手に入れた翌日。次のステップに進む時だ。
「テラ、古代遺跡を探してほしいんだ」
研究室で、テラに頼む。彼女は大地の魔法使い——地中の構造物を感知する能力がある。もし古代遺跡が地中に埋もれているなら、テラなら見つけられるはずだ。
「遺跡...ですか?」
テラが真剣な表情で聞く。茶色の瞳が、僕を見つめている。
「市場で聞いた話だと、王都の東、森の奥に古代遺跡があるらしい。でも正確な場所はわからない」
「わかりました。大地に聞いてみます」
テラが目を閉じる。彼女の魔力が、ゆっくりと広がっていく——それが見えるような気がする。大地と対話している。土、石、岩盤——全ての鉱物が、テラに情報を伝えているようだ。
しばらく沈黙が続く。僕もフィルミナたちも、息を殺して待つ。テラの集中を邪魔したくない。
「...ありました」
テラが目を開ける。その目には、確信が宿っている。
「北の森、地下約50メートルに、石造りの大きな空洞があります」
「50メートル...かなり深いな」
地下50メートル。普通に掘るのは不可能だ。でも、テラの魔法があれば——。
「入り口は...森の奥、巨大な岩の下にあります。でも、封印されています」
「封印?」
興味深い。古代遺跡が封印されている——それは、中に何か重要なものがあるということだ。
「魔法の封印です。六つの属性が必要...みたいです」
テラが不思議そうに言う。
「六つの属性...」
心臓が高鳴る。やはり、この遺跡は僕たちのためのものだ。偶然じゃない。予言者の言葉、古代音叉、そして今回の発見——全てが必然の流れだ。運命が、僕たちを導いている。
「みんなで行こう」
---
北の森へ向かう。王都から馬車で二時間ほどの距離だ。
森は深く、静かだった。木々の間から差し込む陽光が、まるで神殿の中にいるような荘厳な雰囲気を作り出している。鳥の声、風の音、葉擦れの音——自然の交響曲が、僕たちを迎えてくれる。
「レオン様、あそこです」
テラが巨大な岩を指差す。高さ5メートルはある、苔に覆われた古い岩だ。表面には、薄く文様が刻まれている——古代文字だ。風化して読めない部分もあるが、かろうじて判別できる。
「この岩の下に入り口が...」
岩に近づくと、確かに魔力を感じる。強力な封印魔法——何世紀も前から、この場所を守り続けている。
「テラ、岩を動かせる?」
「はい、やってみます」
テラが手を岩に当てる。彼女の魔力が流れ込み、岩がゆっくりと動き始める。重低音が響き、地面が微かに震える。大地が、何百年ぶりに目覚めたようだ。
岩の下に、石段が現れた。下へと続く階段——古代へと続く道。
「...すごい。本当にあった」
息を呑む。予想はしていたけど、実際に目の当たりにすると、感動が込み上げてくる。古代文明の痕跡。何世紀も前の人々が作り上げた、叡智の結晶。これから、その秘密に触れることができる——研究者として、これ以上の喜びはない。
「降りてみよう。でも、慎重に」
松明を持って、階段を降り始める。石段は古いが、しっかりしている。古代の建築技術の高さを物語っている。
階段は螺旋状に続き、やがて広い空間に出た。
「ここが...遺跡の入り口か」
目の前に、巨大な石扉があった。高さ10メートルはある、圧倒的な存在感だ。扉の表面には、六芒星の紋章が刻まれている。そして、その六つの頂点には、属性を示す紋章——炎、水、土、氷、風、光。古代音叉と同じ配置だ。
「六芒星...六つの属性」
心臓が高鳴る。これだ。この扉が、六体共鳴への入り口だ。
フィルミナが扉に触れる。
「レオン様、この扉...温かいです」
「温かい?」
僕も触ってみる。確かに、ほんのり温かい。まるで生きているような——いや、魔力が流れている。何世紀も前から、魔力がこの扉を守り続けている。
「扉の紋章に、魔力を注いでみよう。六人全員で」
六人が、それぞれの属性の紋章の前に立つ。フィルミナは炎の紋章、マリーナは水の紋章、テラは土の紋章、クリスタは氷の紋章、エオリアは風の紋章、ルミナは光の紋章。
「せーので、魔力を注ごう。準備はいい?」
六人が頷く。その表情が真剣だ。
「3、2、1...今!」
六人が同時に魔力を放つ。
六色の光が紋章に注がれ、扉が輝き始める。まるで星座が輝くように、六つの紋章が繋がっていく——線が引かれ、六芒星が完成する。
重低音が響き、扉がゆっくりと開き始める。何百年も閉ざされていた扉が、今、開かれる。石と石が擦れる音が、地下空間に反響する。まるで、古代の声が語りかけてくるような——そんな錯覚を覚える。
「開いた...!」
マリーナが興奮して叫ぶ。
扉の向こうに、広大な地下空間が広がっていた。
---
中に入ると、息を呑む光景が待っていた。
円形の大空間。直径50メートルはある。天井は高く、まるで地下神殿のようだ。壁面には、無数の魔法陣が刻まれている。そして中央には——巨大な六芒星の魔法陣が、床一面に描かれていた。
「すごい...こんなの、見たことない」
フィルミナが驚きの声を上げる。
魔法陣の六つの頂点には、それぞれ台座がある。明らかに、六人が立つための場所だ。そして中心には——音叉を置くための台座。全てが計算されている。完璧な設計だ。
「これは...六体共鳴のための施設だ」
確信を持って言える。この空間は、六体共鳴を行うために作られた——何世紀も前に。古代の魔法使いたちは、僕たちが来ることを知っていたのだろうか。それとも、彼ら自身が六体共鳴を研究していたのだろうか。
壁に近づくと、文字が刻まれているのに気づく。古代文字——でも、かろうじて読める。
「『六つの心、一つになる時』」
予言者の言葉と同じだ。偶然じゃない。この遺跡は、僕たちのために残されたメッセージだ。
さらに読み進める。
「『対極は調和し、波は共鳴する』」
「『光と影、炎と氷、風と大地』」
「『全ては繋がり、全ては一つ』」
鳥肌が立つ。これは、僕が研究してきた理論そのものだ。対極共鳴、六体共鳴——全てが、古代から存在していた。僕は、それを再発見しただけなのかもしれない。
ルミナが別の壁を指差す。
「レオン様、こっちにも何か書いてあります」
そこには、図が描かれていた。六人が手を繋ぎ、円を作っている図だ。そして中心に、音叉が描かれている。
「手順を示してるんだ...」
図の下に、説明が書かれている。
『第一段階:六人、台座に立つ
第二段階:音叉を中心に置く
第三段階:魔力を共鳴させる
第四段階:心を一つにする』
シンプルだけど、難しい。特に「心を一つにする」——これは技術じゃなく、心の繋がりだ。
「でも、どうやって心を一つにするの...?」
マリーナが首を傾げる。
「それは...お互いを信じることだよ」
フィルミナが優しく答える。
「私たち、もうずっと一緒にいるから。レオン様を信じて、みんなを信じて、一緒に頑張ってきたから」
「うん。心はもう、一つだよね」
クリスタが笑顔で言う。
その言葉に、胸が温かくなる。彼女たちは、もう家族だ。スライムから人型になって、共に過ごした時間——その全てが、心を繋いでいる。技術じゃない。絆だ。
「もう一つ、重要なことが書いてある」
別の壁の文字を読む。
「『この力は、破壊のためにあらず』」
「『創造のため、調和のため、未来のため』」
「『心清き者のみ、真の力を得る』」
警告だ。この力を悪用してはいけない——古代の魔法使いたちの、最後のメッセージ。
「わかってる。僕たちは、誰かを傷つけるために研究してるんじゃない」
六人を見回す。
「みんなの成長を見守りたい。新しい魔法の可能性を探りたい。そして、世界をもっと良くしたい。それが僕の目標だ」
六人が頷く。その目には、決意が宿っている。
「私たちも、レオン様と一緒です」
フィルミナが言う。
「レオン様がいてくれるから、私たちは頑張れる」
マリーナが続ける。
「一緒に、新しい未来を作りましょう」
テラが微笑む。
その言葉が、僕の決意を固めてくれる。
「ありがとう、みんな」
---
遺跡を一通り調べた後、外に出た。
「今日は下見だけにしよう。六体共鳴は、もっと準備してからだ」
慎重にいかなければならない。古代遺跡の力は、想像以上に強大かもしれない。予言者の言う「試練」が何なのか、まだわからない。準備を整えて、万全の状態で臨みたい。
「テラ、入り口を封印しておいてくれる?」
「はい」
テラが魔法を使い、岩を元の位置に戻す。入り口が再び隠される——他の誰にも見つからないように。
「これで、準備が整ったら、またここに来よう」
---
屋敷に戻ると、すぐに研究ノートを開いた。今日の発見を全て記録する。遺跡の構造、魔法陣の配置、壁の文字——全てが貴重なデータだ。
「シグレ、六体共鳴の最終計画を立てよう」
「はい、坊ちゃま」
シグレと二人で、詳細な計画を練り始める。
**六体共鳴実施計画**
1. 準備段階
- 古代音叉の魔力パターン分析
- 六人の魔力同調訓練
- 遺跡の環境測定
2. 実施段階
- 遺跡への移動
- 台座配置
- 音叉設置
- 段階的共鳴開始
3. 安全対策
- 魔力暴走時の緊急停止手順
- リヴィエルの警備配置
- 通信魔法による連絡手段確保
「これで、失敗のリスクを最小限にできる」
計画を見直しながら、不安と期待が入り混じる。未知の領域に踏み込む——それは研究者として最高の瞬間だ。でも同時に、仲間たちの安全も守らなければならない。
「坊ちゃま、準備ができたら、いつ実施しますか?」
「明後日にしよう。それまでに、訓練と測定を終わらせる」
決意を固めた。予言者の言う「試練」が何であれ、僕たちは乗り越えてみせる。
---
その夜、各国の諜報員たちは緊迫した報告を送った。
ガルヴァン(神聖騎士団)が真っ青な顔で報告書を書く。
「第三王子、古代兵器庫を発見!」
「地下神殿には、世界を滅ぼす力が封印されていた!」
「六芒星の魔法陣は、大量破壊兵器の起動装置!」
「緊急事態発令!全軍に最高警戒態勢を命じる!」
---
メルキオール(聖教国神官)が興奮して聖典を開く。
「予言の地が発見された!神の啓示の場所!」
「六芒星は神の紋章!王子は選ばれし者!」
「全国民に通達!神殿への巡礼準備を開始せよ!」
---
チェン・ロン(東方連合商会)が算盤を弾きながら興奮する。
「古代遺跡は観光資源の宝庫!」
「入場料、ガイドツアー、記念品販売...無限の可能性!」
「全商隊に通達!遺跡周辺の土地を確保せよ!」
---
学術国の学者たちが論文執筆を開始する。
「古代文明の最重要遺跡!」
「魔法陣の配置から、高度な数学理論が読み取れる!」
「これは学術史上、最大級の発見だ!」
「新しい賞では足りない!新しい学問分野を設立する!」
---
一方、レオンは——
「ただ遺跡を見つけただけなんだけど...」
研究ノートを見直しながら、苦笑いしていた。
「でも、確かに重要な発見だ。明後日が楽しみだね」
フィルミナたちが不安そうに、でも期待に満ちた顔をしている。
「大丈夫、きっと成功するよ」
マリーナが元気に言う。
世界が震撼しようとも、レオンたちは知らない。
各国が軍を動員し、宗教団体が巡礼計画を立て、商人たちが土地を買い占めようとしても——。
その温度差は、もはや測定不能だった。
そして、運命の日が近づいていた。
「テラ、古代遺跡を探してほしいんだ」
研究室で、テラに頼む。彼女は大地の魔法使い——地中の構造物を感知する能力がある。もし古代遺跡が地中に埋もれているなら、テラなら見つけられるはずだ。
「遺跡...ですか?」
テラが真剣な表情で聞く。茶色の瞳が、僕を見つめている。
「市場で聞いた話だと、王都の東、森の奥に古代遺跡があるらしい。でも正確な場所はわからない」
「わかりました。大地に聞いてみます」
テラが目を閉じる。彼女の魔力が、ゆっくりと広がっていく——それが見えるような気がする。大地と対話している。土、石、岩盤——全ての鉱物が、テラに情報を伝えているようだ。
しばらく沈黙が続く。僕もフィルミナたちも、息を殺して待つ。テラの集中を邪魔したくない。
「...ありました」
テラが目を開ける。その目には、確信が宿っている。
「北の森、地下約50メートルに、石造りの大きな空洞があります」
「50メートル...かなり深いな」
地下50メートル。普通に掘るのは不可能だ。でも、テラの魔法があれば——。
「入り口は...森の奥、巨大な岩の下にあります。でも、封印されています」
「封印?」
興味深い。古代遺跡が封印されている——それは、中に何か重要なものがあるということだ。
「魔法の封印です。六つの属性が必要...みたいです」
テラが不思議そうに言う。
「六つの属性...」
心臓が高鳴る。やはり、この遺跡は僕たちのためのものだ。偶然じゃない。予言者の言葉、古代音叉、そして今回の発見——全てが必然の流れだ。運命が、僕たちを導いている。
「みんなで行こう」
---
北の森へ向かう。王都から馬車で二時間ほどの距離だ。
森は深く、静かだった。木々の間から差し込む陽光が、まるで神殿の中にいるような荘厳な雰囲気を作り出している。鳥の声、風の音、葉擦れの音——自然の交響曲が、僕たちを迎えてくれる。
「レオン様、あそこです」
テラが巨大な岩を指差す。高さ5メートルはある、苔に覆われた古い岩だ。表面には、薄く文様が刻まれている——古代文字だ。風化して読めない部分もあるが、かろうじて判別できる。
「この岩の下に入り口が...」
岩に近づくと、確かに魔力を感じる。強力な封印魔法——何世紀も前から、この場所を守り続けている。
「テラ、岩を動かせる?」
「はい、やってみます」
テラが手を岩に当てる。彼女の魔力が流れ込み、岩がゆっくりと動き始める。重低音が響き、地面が微かに震える。大地が、何百年ぶりに目覚めたようだ。
岩の下に、石段が現れた。下へと続く階段——古代へと続く道。
「...すごい。本当にあった」
息を呑む。予想はしていたけど、実際に目の当たりにすると、感動が込み上げてくる。古代文明の痕跡。何世紀も前の人々が作り上げた、叡智の結晶。これから、その秘密に触れることができる——研究者として、これ以上の喜びはない。
「降りてみよう。でも、慎重に」
松明を持って、階段を降り始める。石段は古いが、しっかりしている。古代の建築技術の高さを物語っている。
階段は螺旋状に続き、やがて広い空間に出た。
「ここが...遺跡の入り口か」
目の前に、巨大な石扉があった。高さ10メートルはある、圧倒的な存在感だ。扉の表面には、六芒星の紋章が刻まれている。そして、その六つの頂点には、属性を示す紋章——炎、水、土、氷、風、光。古代音叉と同じ配置だ。
「六芒星...六つの属性」
心臓が高鳴る。これだ。この扉が、六体共鳴への入り口だ。
フィルミナが扉に触れる。
「レオン様、この扉...温かいです」
「温かい?」
僕も触ってみる。確かに、ほんのり温かい。まるで生きているような——いや、魔力が流れている。何世紀も前から、魔力がこの扉を守り続けている。
「扉の紋章に、魔力を注いでみよう。六人全員で」
六人が、それぞれの属性の紋章の前に立つ。フィルミナは炎の紋章、マリーナは水の紋章、テラは土の紋章、クリスタは氷の紋章、エオリアは風の紋章、ルミナは光の紋章。
「せーので、魔力を注ごう。準備はいい?」
六人が頷く。その表情が真剣だ。
「3、2、1...今!」
六人が同時に魔力を放つ。
六色の光が紋章に注がれ、扉が輝き始める。まるで星座が輝くように、六つの紋章が繋がっていく——線が引かれ、六芒星が完成する。
重低音が響き、扉がゆっくりと開き始める。何百年も閉ざされていた扉が、今、開かれる。石と石が擦れる音が、地下空間に反響する。まるで、古代の声が語りかけてくるような——そんな錯覚を覚える。
「開いた...!」
マリーナが興奮して叫ぶ。
扉の向こうに、広大な地下空間が広がっていた。
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中に入ると、息を呑む光景が待っていた。
円形の大空間。直径50メートルはある。天井は高く、まるで地下神殿のようだ。壁面には、無数の魔法陣が刻まれている。そして中央には——巨大な六芒星の魔法陣が、床一面に描かれていた。
「すごい...こんなの、見たことない」
フィルミナが驚きの声を上げる。
魔法陣の六つの頂点には、それぞれ台座がある。明らかに、六人が立つための場所だ。そして中心には——音叉を置くための台座。全てが計算されている。完璧な設計だ。
「これは...六体共鳴のための施設だ」
確信を持って言える。この空間は、六体共鳴を行うために作られた——何世紀も前に。古代の魔法使いたちは、僕たちが来ることを知っていたのだろうか。それとも、彼ら自身が六体共鳴を研究していたのだろうか。
壁に近づくと、文字が刻まれているのに気づく。古代文字——でも、かろうじて読める。
「『六つの心、一つになる時』」
予言者の言葉と同じだ。偶然じゃない。この遺跡は、僕たちのために残されたメッセージだ。
さらに読み進める。
「『対極は調和し、波は共鳴する』」
「『光と影、炎と氷、風と大地』」
「『全ては繋がり、全ては一つ』」
鳥肌が立つ。これは、僕が研究してきた理論そのものだ。対極共鳴、六体共鳴——全てが、古代から存在していた。僕は、それを再発見しただけなのかもしれない。
ルミナが別の壁を指差す。
「レオン様、こっちにも何か書いてあります」
そこには、図が描かれていた。六人が手を繋ぎ、円を作っている図だ。そして中心に、音叉が描かれている。
「手順を示してるんだ...」
図の下に、説明が書かれている。
『第一段階:六人、台座に立つ
第二段階:音叉を中心に置く
第三段階:魔力を共鳴させる
第四段階:心を一つにする』
シンプルだけど、難しい。特に「心を一つにする」——これは技術じゃなく、心の繋がりだ。
「でも、どうやって心を一つにするの...?」
マリーナが首を傾げる。
「それは...お互いを信じることだよ」
フィルミナが優しく答える。
「私たち、もうずっと一緒にいるから。レオン様を信じて、みんなを信じて、一緒に頑張ってきたから」
「うん。心はもう、一つだよね」
クリスタが笑顔で言う。
その言葉に、胸が温かくなる。彼女たちは、もう家族だ。スライムから人型になって、共に過ごした時間——その全てが、心を繋いでいる。技術じゃない。絆だ。
「もう一つ、重要なことが書いてある」
別の壁の文字を読む。
「『この力は、破壊のためにあらず』」
「『創造のため、調和のため、未来のため』」
「『心清き者のみ、真の力を得る』」
警告だ。この力を悪用してはいけない——古代の魔法使いたちの、最後のメッセージ。
「わかってる。僕たちは、誰かを傷つけるために研究してるんじゃない」
六人を見回す。
「みんなの成長を見守りたい。新しい魔法の可能性を探りたい。そして、世界をもっと良くしたい。それが僕の目標だ」
六人が頷く。その目には、決意が宿っている。
「私たちも、レオン様と一緒です」
フィルミナが言う。
「レオン様がいてくれるから、私たちは頑張れる」
マリーナが続ける。
「一緒に、新しい未来を作りましょう」
テラが微笑む。
その言葉が、僕の決意を固めてくれる。
「ありがとう、みんな」
---
遺跡を一通り調べた後、外に出た。
「今日は下見だけにしよう。六体共鳴は、もっと準備してからだ」
慎重にいかなければならない。古代遺跡の力は、想像以上に強大かもしれない。予言者の言う「試練」が何なのか、まだわからない。準備を整えて、万全の状態で臨みたい。
「テラ、入り口を封印しておいてくれる?」
「はい」
テラが魔法を使い、岩を元の位置に戻す。入り口が再び隠される——他の誰にも見つからないように。
「これで、準備が整ったら、またここに来よう」
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屋敷に戻ると、すぐに研究ノートを開いた。今日の発見を全て記録する。遺跡の構造、魔法陣の配置、壁の文字——全てが貴重なデータだ。
「シグレ、六体共鳴の最終計画を立てよう」
「はい、坊ちゃま」
シグレと二人で、詳細な計画を練り始める。
**六体共鳴実施計画**
1. 準備段階
- 古代音叉の魔力パターン分析
- 六人の魔力同調訓練
- 遺跡の環境測定
2. 実施段階
- 遺跡への移動
- 台座配置
- 音叉設置
- 段階的共鳴開始
3. 安全対策
- 魔力暴走時の緊急停止手順
- リヴィエルの警備配置
- 通信魔法による連絡手段確保
「これで、失敗のリスクを最小限にできる」
計画を見直しながら、不安と期待が入り混じる。未知の領域に踏み込む——それは研究者として最高の瞬間だ。でも同時に、仲間たちの安全も守らなければならない。
「坊ちゃま、準備ができたら、いつ実施しますか?」
「明後日にしよう。それまでに、訓練と測定を終わらせる」
決意を固めた。予言者の言う「試練」が何であれ、僕たちは乗り越えてみせる。
---
その夜、各国の諜報員たちは緊迫した報告を送った。
ガルヴァン(神聖騎士団)が真っ青な顔で報告書を書く。
「第三王子、古代兵器庫を発見!」
「地下神殿には、世界を滅ぼす力が封印されていた!」
「六芒星の魔法陣は、大量破壊兵器の起動装置!」
「緊急事態発令!全軍に最高警戒態勢を命じる!」
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メルキオール(聖教国神官)が興奮して聖典を開く。
「予言の地が発見された!神の啓示の場所!」
「六芒星は神の紋章!王子は選ばれし者!」
「全国民に通達!神殿への巡礼準備を開始せよ!」
---
チェン・ロン(東方連合商会)が算盤を弾きながら興奮する。
「古代遺跡は観光資源の宝庫!」
「入場料、ガイドツアー、記念品販売...無限の可能性!」
「全商隊に通達!遺跡周辺の土地を確保せよ!」
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学術国の学者たちが論文執筆を開始する。
「古代文明の最重要遺跡!」
「魔法陣の配置から、高度な数学理論が読み取れる!」
「これは学術史上、最大級の発見だ!」
「新しい賞では足りない!新しい学問分野を設立する!」
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一方、レオンは——
「ただ遺跡を見つけただけなんだけど...」
研究ノートを見直しながら、苦笑いしていた。
「でも、確かに重要な発見だ。明後日が楽しみだね」
フィルミナたちが不安そうに、でも期待に満ちた顔をしている。
「大丈夫、きっと成功するよ」
マリーナが元気に言う。
世界が震撼しようとも、レオンたちは知らない。
各国が軍を動員し、宗教団体が巡礼計画を立て、商人たちが土地を買い占めようとしても——。
その温度差は、もはや測定不能だった。
そして、運命の日が近づいていた。
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神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
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